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アジアには多くの国があり、それぞれが個性を持ち尊敬に値する文化を持っている。その中で起業家として、多くを学ぶ国が今訪れているシンガポールだ。
英国、日本の植民地時代に悲惨な歴史を持ち、日本以上にマイナスからの戦後を歩みながら、スイスにある国際経営開発研究所が発表する国際競争力の順位では最高で世界第2位に評価されている。1990年代初頭に日本がトップの座を滑り落ちてからは、常に日本の上位にある。
琵琶湖と同程度の面積しか持たず、水の自給すらままならない過酷な環境である。人口もわずか400万人程度だ。
この様な国が競争力において、並み居る大国やかつて先進国として隆盛を誇っていた国々の上位に位置している。まさにベンチャーの中のベンチャーだ。
私が初めてシンガポールに興味を持ったのは、元シンガポール首相リー・クワン・ユーの著物を読んだ時だった。「民主的な独裁者」とも評されながらも、固い信念を持ち、現在のシンガポールを実現した手腕は、政治家、リーダーとして世界屈指の人物だと感じた。
ブログなので、あまり長い文章もいかがなものかと思う。よって、リー・クワン・ユーのリーダーシップの中で、私なりに解釈し自己の経営哲学へと融和した内容を抜粋したい。
ちなみに話は逸れるが、何かの本を読んで、そのままの内容を受け取り記憶するのは無意味だと思っている。本を読んで勉強して、パワーアップした気になっては駄目だ。本をいくら読んでもビジネスにおける力は微塵も上がらない。本を読むなと言っているのではない。私自身も本はかなり読む方だと思う。
本は自分が経験した事を体系的に理由付けする為にある。少なくてもビジネスの世界で本を読むという行為はその様なものだ。資料としての性質がある本は、その目的でデータを抽出すればよい。また、何かの閃きを本から感じ、そのヒントを元に実際の戦略を立案する場合はある。しかし、この場合も9割の経験から来る質感のある戦略と、本から得た閃きと融和して形にしていく感じなので、本から学んでという感覚ではない。
簡単に言えば、本を読むならその何倍も行動をしろということ。また、その何倍も考えろということだ。そうすれば、本から学んだ事はいずれ自分の血肉となり一体化する。
自分の実践してきた事と、本から得た事に合致を見いだし、自分の信念に確信を得て来たのが、ビジネスに身を投じた19年間における私の本の読み方だ。
話をシンガポールに戻す。
2点だけ私が感銘を受けた内容を抜粋したい。
1点目は国を再生する為にリー・クワン・ユーが提唱した必須要素についてだ。
「ビジョン」「道徳」「教育」
この三つが必要だとリー・クワン・ユーは述べていた。少なくとも私はその様に理解している。これは私なりの解釈なので、他者は他者の解釈をしてもらえば良い。実際にリー・クワン・ユーの著書を読んで欲しい。
この三つについては、改めて詳しく書きたいので、今回は外形だけ話したい。ビジョンとは、その国は何たるかというアイデンティティであろう。世界の中で何を背負い、何の役割をもつ集団を目指すかということ。シンガポールは華僑が大半を占めるが、立地から言っても民族構成から言っても、多民族国家として成功した姿を目指したのだろう。これは他には類を見ない姿で成功している。道徳とは「オープン」と「フェアー」を追求する事だと思う。そして、これに反する者は徹底的に罰する姿がシンガポールにはある。整然と美しく作られた町並みが、「道徳」による勝利を物語っている。アジア諸国の中では異例のクリーンさだ。「教育」の重要性は改めて語るまでもない。どんな援助を受けても、教育に勝利しなければ自国に産業は生まれない。
この三つを徹底することによって現在のシンガポールを実現している。人の意志によって作られた国家として、世界最高峰であることは間違いない。人間の可能性を感じる国家だ。
人間の意志を越えた歴史により、作られた文明や国家にも魅力を感じる。しかし、ベンチャー企業を率いる現在の私が、過去の歴史にとらわれず、人間の意志によって理想を作り上げる事に惹かれるのは摂理であろう。
組織には「ビジョン」が必要だ。何のためその組織が存在するかの理由がないなかで、誇りは持てない。誇りが存在しない仕事で燃えられるはずがない。人間の性能を出し切れる訳がない。
また、組織には信頼が必要だ。トップが率先して「オープン」で「フェアー」である環境を作らなければ駄目だ。これがあって、初めて全メンバーは安心し事業に全力を注げるのだ。不正やズルは許してはいけない。その意志と業績のままフェアーに評価したい。つまり「道徳」が基盤にあり、初めて全メンバーは性能を発揮出来るということだ。
そして、組織が継続して成長するためには人材を育て上げなければいけない。他社から優秀な人間をヘッドハントしてきても、その様な人間はまたどこかに行ってしまう。成長が感じられない組織に優秀な人間はとどまらない。更に言えば、各人が成長を実現出来ない組織はいずれマンネリズムにおかされエネルギーを失う。同じレベルで仕事に取り組み続ければ飽きるのは必然だ。
全勢力をあげて、企業は人員を育てるべきだ。これは利益よりも優先する。まあ、つぶれない程度に利益が放出されるくらいなら、人材の育成には代えられない。言い換えれば、会社がつぶれない程度の挑戦なら、メンバーの好きなようにやらせたい。この挑戦によって優秀なビジネスマンは創られる。「教育」の形は様々だが、いずれにしろ「教育」なかりせば組織の存続はない。
以上がリー・クワン・ユーの提唱する三つの事柄について、私が理解し実践している内容を簡潔に述べたものだ。異国の地にて書き殴っているので、乱文にてご容赦願いたい。
もう一点感銘を受けたのは、ODAに対する記述だ。シンガポールが過去にプラスにならなかったものとしてODAをあげている。援助では組織は成長しない。他力本願では人も企業も力を失いこそすれ、良い方向には進まない。リー・クワン・ユーはODAはいらなかったと断言していた。国家の為にはならないと。一方、日本やアメリカに感謝していたのが、シンガポールに企業が進出してくれた事などである。つまり、ビジネスにおける必然によって、結びつく事を阻害しないでくれた事に感謝している。フェアーにビジネスの交流を進行してくれたことに感謝し、それがシンガポール繁栄の礎になったと評価しているのだ。
このブログを読んでいる皆さんは心して欲しい。常に自分に言い聞かせて欲しい。他力本願な利得を求めるな。自力でフェアーにつかみ取ることを常に考えろ。フェアーとは何かを常に考えよ。一瞬、損したなと思っても、長期にかけて勝利できる自分を作るためには、自分が納得できない利得は拒否すべきだ。パラサイトが身体にしみこんだ奴は救いようがない。いずれ、パラサイト出来なくなるときがくる。国にも、企業にも頼るな。頼る気持ちをすてて、自分が国や企業を食わしてやる気概を持って欲しい。
その結果としていつの日か、大企業とも、一流のビジネスマンと称されている方々とも、互角以上に戦える自分を創り上げよう。SVTも現在は土地も人口も少ない小国(小企業)ではあるが、シンガポールの様に世界と戦える組織を我々の意志によって創り上げる決意だ。我々の力で、人間の意志の可能性を日本の未来を背負う若者達に示していきたい。
インドでの行程はいつもながら強行なスケジュールだ。昨夜も移動が終わり宿泊先についた頃には午前0時を回っていた。
ネット環境を含めたインフラにおいてはそれほど整ってはいないので、日本から行く場合は相応の準備が必要。私の場合は様々なモバイル機器を駆使して快適なネット環境を死守している。
昨夜はさすがに時間がなかったので、朝一でメールチェックや処理する仕事を片づける。
話は変わるがインドとの連携が進む中で、よくこの様な議題が上がる。
後々それぞれのクライアントの間を抜いて横取りするなという話だ。諸先輩方は私へのアドバイスとして、「ビジネスが育ってきたときにインドの企業に間を抜かれないように釘を刺し、契約もガッチリしなさい」と言う。
また、インド側の企業から交渉材料としてこういう脅しを受けるときもある。「世界最大のシステムインテグレーター企業が裏で動いているので、我々の力を借りないとマーケットを奪われるぞ」とか「弊社は世界トップのデータベースベンダーと直接のルートを持っている、SVTを飛ばして直接クライアントにも当たれるのだから、こちらの言うことを聞け」と言うような内容。(話し方はもっと穏やかではあるが・・・)
これらに対する私の態度は無表情、もしくは少し冷ややかに笑い「お好きにどうぞ」と言うものである。別に相手を舐めている訳でも、ブラフだとたかをくくっている訳でもない。
もし、ビジネスが育ってきた時にSVTが必要でないなら、間を抜いた方が世の中の為だと本気で思っている。その場合は、SVTを捨ててくれて全くかまわない。また、世界最大のシステムインテグレーター企業が本気で我々と同じマーケットを狙って来てガチンコで負けるなら、彼らがその仕事をやった方が世の中の為なので、これもかまわない。SVTを抜きにして市場がとれるなら、そもそも我々と手を組む意味がないじゃないかとも思う。
物事はなるようになる。既得権には賞味期限がある。最初にアドバンテージを獲得し、何らかの利得をつかんだとしても、それはあくまでも時限的なものだ。例えば私が創業社長だとして、会社が軌道に乗った後に手を抜き成長を怠ったら、いずれ会社が傾くか社長の座を追われるだろう。その社長の立場も創業者の立場も永遠ではない。その組織において最高の経営能力があるから社長のポジションに居続けられるのだ。自分以上に経営能力がある人間が組織内にいるのに、そのポジションにしがみつこうとすれば、クーデターが起きるか、優秀な人間はスピンアウトして行くだろう。
私には上記の様な悟りと言うか開き直りがあるので、間を抜かれる事など全く恐れない。なるようになる。我々がすべきは、常に必要とされる自分たちの能力を磨き続けるだけだ。上記の様なトラブルが起こった場合は契約書の不備が問題ではなく、自分達が能力を上げられなかったことが本質的な問題なのだ。
ビジネスにおける鍛錬は常に継続的だ。取締役になったから、社長になったから、一度プロジェクトで成功したからで安心してはならない。その程度の成功はあっという間に賞味期限がくる。
常に社会に、組織に必要な自分を作り続けることだ。自分の性能を劣化させないことだ。所得も安定もなるようになる。恐れも、焦りも必要ない。常に上を目指し、鍛錬を続けていこう。そして、その自信を胸に、ちっちゃい利得を守る様な事はせず、正々堂々とパートナーシップを築いて行こう。
何度目の訪印になるだろう。
気がついたら、一番多くの回数足を踏み入れた国はインドになっている。
初めてこの地を踏む前は、ずいぶん昔に読んだ沢木耕太郎氏が書いた「深夜特急」の中のイメージでインドを見ていた。南から北まで回ったが、私が感じたインドは少し違う印象だった。ビジネス以外で来たこともないので、観光すればまた変わるのかもしれない。
各人が自分で渡印し、各々のインドを感じてもらえば良い。
日本からシンガポール航空でインドにくると、片道13時間以上かかる。午前中に出ても到着するには日付をまたがなければならない。まあ、慣れたものであまり疲れはしない。当然、満足が行く収益をインドとの連携によって上げるまでは、エコノミーでいく。
今回の渡印では日本向けのデリーにあるコールセンターを視察する予定だ。ワーキングホリデーの日本人の若者を使い、低コストで日本語対応の環境を実現しているらしい。リソース的に限界はあるように感じるが、ビジネスの切り口としては面白い。今後我々が取り組むビジネスにおいても、インドを一方的に見ずあらゆる可能性を模索したい。
過去にはかなりの数のインド企業を訪問した。多くの企業のCEOとも面談させて頂いた。どの企業と手を組むべきか判断に悩むところだ。
先方も日本マーケットには強い関心を抱いており、コネクションを広げるには困らない。しかし、多くのインド系の開発が日本において失敗している以上今までと同じ取り組みをする意味もないし、それで成功するとも思えない。
判断に迷った時は、打算ではなく信念に従う事にしている。未来の事に保証はない。損得で考えると答えは永遠に出ない。よって、自分が心から没頭できるように、迷いがないように、「これで駄目なら仕方ない」と覚悟して臨めるように、信念に従って判断する。
我々はベンチャーでありチャレンジャーだ。よって、既存に先方がどれだけのリソースを持ち、どれだけの実績を持ち、どれだけ整った物をもっているかは、最優先ではない。これから俺たちと新しいビジネスを作り上げる気概があるか、その柔軟性はあるのか。また、俺自身が先方の会社を好きになれるような哲学を相手が持っているのかで、パートナーを絞ってきた。
多くの企業が「当社はCMMIレベル5で…」「某大手金融の巨大プロジェクトを…」など自社の演出に必死になる中で、「何故篠田さんは起業したの?」と質問して来たトップがいた。巨大財閥のチェアマンであり、インドではかなり良いポジションにいる人間だ。私が下手な英語で必死に創業の思いを伝えるとわずかにほほえんで私の気持ちを汲んだ様に感じた。彼自身も企業人として感じている責任について、今後のインドの課題について語っていた。
この様な部分をベースにパートナーシップは発展させて行きたい。国境を越えたビジネスであるし、今後には多くの困難が待ち受けている。その時に損得だけで考えれば、中途で挫折し早期にインドビジネスから撤退するだろう。しかし、ビジネスは困難を乗り切り始めて「自分たちが作り上げた」という充足感が得られる。困難に打ち勝ち、執着し続ける為に必要なのは思い入れだろう。
日本人以外の多くの経営者と会っていくうちに私がつかんだ確信は、最後には経営やビジネスは哲学に行き着くということ。当然、能力は必須だ。しかし、多くの能力者が世の中にいる中で、限られたパートナーを探し、自分達独自のビジネスを作り上げるのは各々の哲学であろうと思う。
弊社の社員及びこのブログでつながっている若者達に伝えたい。世界中の誰と会っても、誰と戦っても、堂々とできるだけの自分の信念を育てあげてほしい。世界とのビジネスは英語力によって開けるわけではない。先ずは人間として相手が信用するにたる哲学を持ち、それをベースに誇りある日本人として世界と堂々と渡り合って欲しい。
SVT社では、毎月社員総会が開催される。
ビジネスマンを輩出すると謳う我々にとって、自社自体が人材育成の為の最高の教材である。経営状況や、各プロジェクトの進捗などを全社員で把握し、経営的視点に立ち、各々のミッションを遂行してもらいたい。その為の情報共有はの場として総会を行っている。
各所からの報告や、無記名の質問なども受けつけて回答している。これもどこかの政党と違い、フェアでガチンコで行きたいので、仕込みなしでその場で回答している。社員からの質問にストレスを感じる様なら、その会社は何かしら後ろめたさを持っているのだろうと思う。
今回は年度末が終わり最初の総会なので「納会」として、各プロジェクトマネージャーから前期の報告や今期の売上および利益目標などの発表があった。挑戦的な目標を打ち出すリーダーもいれば、堅く責任が確実にとれる線を出すリーダーもいる。それぞれが個性ではあるので暖かく見守っている。いずれ、自分の経営的な哲学が熟成し、チャレンジとディフェンスのほどよいバランスがつかめるようになるだろう。
弊社が目指す理想は、各プロジェクトマネージャーが経営者と同じ能力、権限、責任を持ち、自らのプロジェクトを推進する形である。
メンバーのリクルーティングから待遇まで自分たちで決め、最終的に適切なプロフィットを堅持するバランス感覚を養わせたと思っている。また、企業の発展を考えた場合、業界的に人的資本の優劣によってその成否が決まる。人的資本の優劣とは技術力だけではない。その技術力を継続的かつマックスに出し続けるエネルギー値の高さを含めた優劣だ。
その観点から言っても、常にベンチャースピリッツを持ち、よい意味で小組織であり続ける仕組みを作りたい。その可能性を模索した結果行き着いたのが、現状考えている管理会計を使った新しいマネージメントシステムである。
難しい話ではない。私の経験から言うと、ビジネスには多分に野性的な要素が含まれる。かしこくオペレーションすれば成功するものではない。成否がわからない中で、ロマンを持ち、執着し、成果を作り上げるには、激しい情熱や未知の世界を切り開く荒々しさみたいなものが必要だ。
その野性を規模の拡大と同時に失わせたくない。その為に各リーダーを常に新しいビジネス、新しい組織を立ち上げる状況に追い込みたい。そして、自分の能力を使い切ってほしいと願っている。
その第一歩として取り組んできたのが総会である。
その後は懇親会でばか騒ぎして一日が終わった。懇親会も有志数名が前々から準備してくれたので、行き届いた楽しい会になった。基本的に気持ちの良いメンバーばかり集まっているので、普通に飲んでいてもネガティブな話もないが、今回の盛り上がりはなかなかのもの。
仕事が終わった後に、懇親会の準備にいそしんだ皆さんありがとう。人を喜ばせる事に労を惜しまない君たちは誇りに思うよ。また、彼らの頑張りを感じ取り献身的に場を盛り上げた人たちも素敵だったよ。
我々はビジネスという戦場に戦う為に集まった仲間なので、不自然な仲良しさを演出するつもりもない。(よくリクルート用の記事やHPなど見ていると、個人的には気色の悪さを感じる仲良し企業も多い)傷口をなめ合う関係にもなりたくない。しかし、同じ船に乗り共に戦う仲間にしか味わえない一体感や、お互いに最高のパフォーマンスを求め合う緊張感の先にある尊敬などは極めて好きである。本物の仲間として、他にはマネ出来ない関係を全員で築ければ幸せである。
半年後にまた想像を絶した馬鹿騒ぎをする為に、今月からの半年は想像を絶した推進力で事業を進めていきたい。

弊社には入社半年で取締役に就任した男がいる。
エンジニアとしての経験も十分ではあるし、プレゼン、ネゴ、リーダーシップなどのビジネスを営む基礎体力も同世代ではず抜けている。企業の前線に立ち戦う戦闘力に関しては、意欲、能力とも十分だ。(ただし、ゴルフのスコアは絶望的だ)
しかし、上記の性能を買って取締役にしたのではない。彼の一番の美質は、常に一転の曇り無くフォー・ザ・チームであることだろう。これがぶれない。また、勘違いがない。(自分では会社の為にと思っていても実は逆な事も多い)
いくら性能が高くてもチームの為に身体をはる覚悟が無い人間を取締役にすることはない。いつか全体に不利益をもたらすことは明白だからだ。一社員なら能力が高ければよい。
能力は本気でビジネスに取り組めばいずれ上がる。しかし、基本的な本人の性質は意識して作っていかなければあまり変わらない。
更に、彼の性能の高さを挙げる。恐らく現状のSVTにおいては最も経営経験が豊富でビジネス性能が高いのは私であろう。その私の真意を常に読みながら動けるので信頼性が高い。篠田ならこう判断するだろう、篠田の狙っている真意はこの方向だろうと常に読みながら動いている。
言い換えれば、自分がトップに立った時を想定し、自分がトップに立っても企業を運営出来る様準備をしているのだ。
だから、当然ではあるが彼が社員時代から愚痴や不満は聞いたことが無い。士気を落とした姿も見たこともない。経営者であることを前提にしているので、会社の不十分な部分は自分で動いて改善すれば良く、愚痴が生まれる事は理論的にあり得ないのだ。
一足飛びに階段をかけ上がる人材はほぼ彼と同じ様な性質だった。逆に技術やキャリアは十分なのに、信頼を得れない人間も多い。
頭は良かったりするのだが、問題をすぐに他者に転嫁したり、その能力の高さをフォー・ミーに向けてしまう。一線を超えて経営者の視点でビジネスを見れず、末端として他力本願が基本で「上司がなんとかしてくれ」「会社がなんとかしてくれ」と思ってしまう。
愚痴が出る人間は間違いなくこのタイプなので気をつけた方が良い。
始末に悪いのは前述したが、本人が気が付いていない場合だ。例えば若くして管理職についた人間がいるとする。彼の職分は「チームを勝利させる」ということだ。これを自分が精神的に楽をする為に、職務を放棄し部下のご機嫌をうかがう管理職が実に多い。本来管理職は部下にとって、少しストレスになるくらいでちょうどいい。プロ野球の監督が選手と楽しいだけの関係を築いていたら気持ち悪いし、チームは機能しないだろう。社員を育てチームを勝たせる方向に向かわないはずだ。
「社員の為に」「会社の未来の為に」という一見きれいな言葉でごまかし、部下をガチンコで指導することから逃げ、本人は良いことを言っていると思い込んでいる未熟な管理職は実に多い。部下に媚びるなと言いたい。
君たちはまだ若いのでどちらの道も進める。しんどくはあるが、自分を経営者と規定し、不退転の覚悟で組織に貢献し一気に階段をかけ上がるのか、または根本的に責任を背負わない末端の立場で批判や愚痴に興じるのか。
いずれ30代になり、40代になる。その時、何をしている自分でありたいのか、またその時に生き残れる自分であるのか、できるだけ早い時期に真剣に考えて欲しい。
最後に付け加えるのであれば、誰でも疋田取締役の様にはなれる。これは性能の問題ではなく覚悟の問題だからだ。何を覚悟すれば良いかは機会があれば疋田取締役に直接聞いてみるとよい。微妙に似合っている(?)髭づらで答えてくれるはずだ。
これは現SVTの仲間や、これから入社される方へのメッセージだが、不退転の覚悟を決めた、4人目の取締役の台頭を心からお待ちしている。
SVT(スマートビジョンテクノロジー)の募集サイトの名前にも使われている「FUSION」について話したい。
話の元はインドと連携したビジネスに挑戦し始めた頃になる。SVTには某大手メーカーや有名なIT系コンサルティング・ファーム出身の人間も多い。前職においてインドのオフショア開発に取り組んでいたメンバーも数名いる。
それらのメンバーからインドを使った開発について聞くと、芳しい返答は得られない。まあ、「やめておいた方がいいですよ」という反応。理由としては、やはり連携に問題があるということだ。
具体的には「言語、開発手順、基本的な認知の違い」などがある。例えばインド人が「胡椒を買う」ということをイメージした場合、道ばたで大きな袋に入った物を計り買いする感じだろう。一方日本人であれば、瓶や缶に入って粉になった物をスーパーで購入するイメージを持つはずだ。「胡椒を買ってきて」という指示を出した時の動きは双方大きな差異があり、結果として買って来る物は量質ともに違うはずだ。この小さな認識の違いを重ねて最終的には大きな失敗へとつながる。
これを解消する為にブリッジSEとういう存在がクローズアップされている。バイリンガルなエンジニアで希少価値があるこのポジションを目指している人も多いだろう。
しかしながら現実を見てみると、ブリッジSEとして効果的にプロジェクトを推進できる人間はほとんどいない。(それ故に失敗事例ばかり世間に満ちあふれているのだが・・・・)英語が話せ、システムが分かる程度の人間に国境を越えたチームをマネージメントすることは出来ないからだ。
そもそも多くのエンジニアはマン・マネージメントの能力が極めて弱い。技術は分かり、ある程度プロジェクトの進捗を管理するのは経験上出来るかもしれない。しかし、人間が高い生産性を発揮する為には、共通の目標を持ったり、自分の取り組んでいる仕事に誇りや自信を持ったりする中で生じる志気が必要だ。これを引き出せない人間のマネージメント能力は本来は無に等しい。マネージメント能力は工期やコストを管理する事ではない。強烈なリーダーシップの元に他者には真似できない付加価値を生み出すことだ。
結果、英語が話せて技術が分かり、プロジェクト失敗に導く素晴らしいブリッジSEが量産されている。要はインド人の開発チームをマネージする能力が決定的にかけているのだ。日本人にさえリーダーシップを取れない人間が母国語以外を使ってそれ以上のリーダーシップを発揮する事は不可能だ。

言うまでもないがインド人も同じ人間だ。機械ではない。不条理な事には怒るし、悲しむ。やりがいも求めるし、愛国心もある。価値あるリーダーの下、価値ある仕事を求めているのだ。マネージメントが必要だ。
そこで我々が出した結論は、ブリッジでは駄目だと言う事だ。日本側が上位に立ち、切り分けた仕様をインドに振り管理評価のみするスタイルでは駄目だ。インド人のエンジニアと深く付き合うほど、その能力の高さには驚きと尊敬の念を抱く。この能力を100%と活かしたい。その為には先ず、その能力に対する我々の尊敬が必要だ。その技術を学ぶ謙虚な姿勢が必要だ。
その上で、日本人が持つ完成品を煮詰めていく強さみたいな部分は逆に指導してあげたい。お互いの長所を理解し生かしていく為には、「ブリッジ」ではなく「フュージョン(融合)」が必要だ。
日本にインド人SEと日本人SEの混成チームを作り、インドにも同じ様なチームを作る。これらの連合部隊により、世界でも類を見ない開発力を実現する。お互いの武器を持ちより、密なコミュニケーションによって、機動的な連携を実現する。
日本のクライアントから見れば、日本のSIerを使うのと同じ使い勝手で、日本人エンジニアの3倍近いスピード(当社比)で開発するインド人パワーを享受出来る。結果、日本の各企業もより高い競争力を実現出来るはずだ。
その為に大事なのはインドを下請け先と思わない事だ。対等なパートナーとして、対等な豊かさを未来に目指し事業を作り上げるスタンスが必要だ。未来にはインドのみならず、特にアジア圏との融合は日本のテーマであると思う。アジアが一つの経済圏として、必然の下につながり合う関係を我々民間の企業が先駆となり実現したい。
我々はブリッジを否定する。素晴らしい開発能力はブリッジでは実現できない。フュージョンこそがアジアと連携しオフショアを有効に使い、日本が競争力を確保する為の正しい道だと信じている。
そして、身体を張って、タフなインドの環境に身を浸し、新しいビジネスを作り上げる事は我々ベンチャースピリットの旺盛な組織でしか実現出来ないだろう。日本にいれば普通に開発だけやっていれば余計なストレスも感じることなく給与を確保出来る。
損得を度外視し、エキサイティングな仕事を追える人間、誰も踏み入れた事のない領域で戦う勇気のある人間が必要だ。そして、その経験の先にエンジニアとしての技術力とビジネスマンとしての事業構築力をフュージョンさせた日本人の目指すべき理想のビジネスマン像がある。
SVTは世界を舞台に戦えるフュージョン・エンジニアの集団を目指す。英語を駆使し、タフなネゴもこなし、世界中のパートナーとフュージョン出来る。そんな日本人エンジニアの新しいキャリアパスを作り上げたいと願っている。
IT、ソフト系の企業だけでも日本中に山ほどあり、エンジニアが就業できる現場にはことかかない。業界的な景気の良さもあり、多くのエンジニアが自分の市場価値を誤って認識している。
多くのエンジニアが相応以上の所得をとり、就業する企業を選べるのは本人の実力だけではなく、市況によることを常に念頭に置いて欲しい。言いかえるのであれば、自分のあずかり知らないパワーにより、運良く現状を手にしているということだ。君たちの力ではない。
これを楽観的にはき違えては、自分の未来を捨てることになる。現状の多くのエンジニアが進んでいる方向性と現状の延長線上ある能力では、君たちが将来エグゼクティブとして企業の管理あたり事業を推進していく本来正しい年齢と共に担うべき役割を担えない。つまり君たちは高い所得も取れず、就業場所も失うこととなる。
エンジニアはそもそも職人ではなく、あくまでもビジネスマンだ。個人プレーで高い所得と安定を手にする存在ではない。組織に貢献し、組織を運営し、その成果により収入及び安定を確保する企業人である。ただ、ビジネスマンの中では技術に対して豊富な経験と高い見識という武器が抜きんでているという姿が正しい。
私がブログを始めたのは、弊社のエンジニア支援サイト「SKILL FUSION」において多くのエンジニアに未来へ向けてのメッセージを発信したかったからだ。間違った認識があれば矯正し、自分が本当に求める未来を創って欲しいからだ。必ず来る市況が反転した状況でも生き抜く術を身につけて欲しいからだ。
市況の良さに踊らされず、「今何をやらせてもらえるか」とか「今いくら給料をもらえるか」ではなく、企業人としてビジネスマンとして正しい認識を持ち、分厚いキャリアをつんで欲しい。その為に必要な企業を誤らず選択して欲しいからなのだ。そして、ハイテク立国日本を支える中核のビジネスマンとして、育って欲しいと心から願うからである。
弊社に入社をしなくても良い。ネットでつながり、日本のどこかでエンジニア達がそれぞれの力を磨いてくれればと思う。この時代に日本を支える仲間として応援したい。
よって、このブログを読むエンジニアの皆さんに媚びる気もない。美味しいニンジンを鼻面にぶら下げる気もない。我々が思う正しさを主張し、それに共鳴出来る仲間がいれば、共に未来を創ろうじゃないかと思っている。
簡単ではあるが、こんな想いでスタートしたブログなので、暑苦しく行きたい。何とか時間を見つけてマメに更新しようと思うのでお付き合い頂ければ嬉しい限りである。