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アジアには多くの国があり、それぞれが個性を持ち尊敬に値する文化を持っている。その中で起業家として、多くを学ぶ国が今訪れているシンガポールだ。
英国、日本の植民地時代に悲惨な歴史を持ち、日本以上にマイナスからの戦後を歩みながら、スイスにある国際経営開発研究所が発表する国際競争力の順位では最高で世界第2位に評価されている。1990年代初頭に日本がトップの座を滑り落ちてからは、常に日本の上位にある。
琵琶湖と同程度の面積しか持たず、水の自給すらままならない過酷な環境である。人口もわずか400万人程度だ。
この様な国が競争力において、並み居る大国やかつて先進国として隆盛を誇っていた国々の上位に位置している。まさにベンチャーの中のベンチャーだ。
私が初めてシンガポールに興味を持ったのは、元シンガポール首相リー・クワン・ユーの著物を読んだ時だった。「民主的な独裁者」とも評されながらも、固い信念を持ち、現在のシンガポールを実現した手腕は、政治家、リーダーとして世界屈指の人物だと感じた。
ブログなので、あまり長い文章もいかがなものかと思う。よって、リー・クワン・ユーのリーダーシップの中で、私なりに解釈し自己の経営哲学へと融和した内容を抜粋したい。
ちなみに話は逸れるが、何かの本を読んで、そのままの内容を受け取り記憶するのは無意味だと思っている。本を読んで勉強して、パワーアップした気になっては駄目だ。本をいくら読んでもビジネスにおける力は微塵も上がらない。本を読むなと言っているのではない。私自身も本はかなり読む方だと思う。
本は自分が経験した事を体系的に理由付けする為にある。少なくてもビジネスの世界で本を読むという行為はその様なものだ。資料としての性質がある本は、その目的でデータを抽出すればよい。また、何かの閃きを本から感じ、そのヒントを元に実際の戦略を立案する場合はある。しかし、この場合も9割の経験から来る質感のある戦略と、本から得た閃きと融和して形にしていく感じなので、本から学んでという感覚ではない。
簡単に言えば、本を読むならその何倍も行動をしろということ。また、その何倍も考えろということだ。そうすれば、本から学んだ事はいずれ自分の血肉となり一体化する。
自分の実践してきた事と、本から得た事に合致を見いだし、自分の信念に確信を得て来たのが、ビジネスに身を投じた19年間における私の本の読み方だ。
話をシンガポールに戻す。
2点だけ私が感銘を受けた内容を抜粋したい。
1点目は国を再生する為にリー・クワン・ユーが提唱した必須要素についてだ。
「ビジョン」「道徳」「教育」
この三つが必要だとリー・クワン・ユーは述べていた。少なくとも私はその様に理解している。これは私なりの解釈なので、他者は他者の解釈をしてもらえば良い。実際にリー・クワン・ユーの著書を読んで欲しい。
この三つについては、改めて詳しく書きたいので、今回は外形だけ話したい。ビジョンとは、その国は何たるかというアイデンティティであろう。世界の中で何を背負い、何の役割をもつ集団を目指すかということ。シンガポールは華僑が大半を占めるが、立地から言っても民族構成から言っても、多民族国家として成功した姿を目指したのだろう。これは他には類を見ない姿で成功している。道徳とは「オープン」と「フェアー」を追求する事だと思う。そして、これに反する者は徹底的に罰する姿がシンガポールにはある。整然と美しく作られた町並みが、「道徳」による勝利を物語っている。アジア諸国の中では異例のクリーンさだ。「教育」の重要性は改めて語るまでもない。どんな援助を受けても、教育に勝利しなければ自国に産業は生まれない。
この三つを徹底することによって現在のシンガポールを実現している。人の意志によって作られた国家として、世界最高峰であることは間違いない。人間の可能性を感じる国家だ。
人間の意志を越えた歴史により、作られた文明や国家にも魅力を感じる。しかし、ベンチャー企業を率いる現在の私が、過去の歴史にとらわれず、人間の意志によって理想を作り上げる事に惹かれるのは摂理であろう。
組織には「ビジョン」が必要だ。何のためその組織が存在するかの理由がないなかで、誇りは持てない。誇りが存在しない仕事で燃えられるはずがない。人間の性能を出し切れる訳がない。
また、組織には信頼が必要だ。トップが率先して「オープン」で「フェアー」である環境を作らなければ駄目だ。これがあって、初めて全メンバーは安心し事業に全力を注げるのだ。不正やズルは許してはいけない。その意志と業績のままフェアーに評価したい。つまり「道徳」が基盤にあり、初めて全メンバーは性能を発揮出来るということだ。
そして、組織が継続して成長するためには人材を育て上げなければいけない。他社から優秀な人間をヘッドハントしてきても、その様な人間はまたどこかに行ってしまう。成長が感じられない組織に優秀な人間はとどまらない。更に言えば、各人が成長を実現出来ない組織はいずれマンネリズムにおかされエネルギーを失う。同じレベルで仕事に取り組み続ければ飽きるのは必然だ。
全勢力をあげて、企業は人員を育てるべきだ。これは利益よりも優先する。まあ、つぶれない程度に利益が放出されるくらいなら、人材の育成には代えられない。言い換えれば、会社がつぶれない程度の挑戦なら、メンバーの好きなようにやらせたい。この挑戦によって優秀なビジネスマンは創られる。「教育」の形は様々だが、いずれにしろ「教育」なかりせば組織の存続はない。
以上がリー・クワン・ユーの提唱する三つの事柄について、私が理解し実践している内容を簡潔に述べたものだ。異国の地にて書き殴っているので、乱文にてご容赦願いたい。
もう一点感銘を受けたのは、ODAに対する記述だ。シンガポールが過去にプラスにならなかったものとしてODAをあげている。援助では組織は成長しない。他力本願では人も企業も力を失いこそすれ、良い方向には進まない。リー・クワン・ユーはODAはいらなかったと断言していた。国家の為にはならないと。一方、日本やアメリカに感謝していたのが、シンガポールに企業が進出してくれた事などである。つまり、ビジネスにおける必然によって、結びつく事を阻害しないでくれた事に感謝している。フェアーにビジネスの交流を進行してくれたことに感謝し、それがシンガポール繁栄の礎になったと評価しているのだ。
このブログを読んでいる皆さんは心して欲しい。常に自分に言い聞かせて欲しい。他力本願な利得を求めるな。自力でフェアーにつかみ取ることを常に考えろ。フェアーとは何かを常に考えよ。一瞬、損したなと思っても、長期にかけて勝利できる自分を作るためには、自分が納得できない利得は拒否すべきだ。パラサイトが身体にしみこんだ奴は救いようがない。いずれ、パラサイト出来なくなるときがくる。国にも、企業にも頼るな。頼る気持ちをすてて、自分が国や企業を食わしてやる気概を持って欲しい。
その結果としていつの日か、大企業とも、一流のビジネスマンと称されている方々とも、互角以上に戦える自分を創り上げよう。SVTも現在は土地も人口も少ない小国(小企業)ではあるが、シンガポールの様に世界と戦える組織を我々の意志によって創り上げる決意だ。我々の力で、人間の意志の可能性を日本の未来を背負う若者達に示していきたい。