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現在中国の杭州に来ている。今回訪問する企業は数少ないオフショア開発で成功している中国系企業だ。ここは国策で作られた企業ではなく、完全に民間から草の根的に作られた企業なので、共感が持てる。ベンチャーとしてのユニークさや実行力を持っている。
我々としては今進んでいるインドとのオフショアモデルや、ベトナムとの連携スキームを完成させるために学ぶべき点が多い。今回は先方を視察した上で両社が共闘して、創り上げるビジネスの可能性をざっくばらんに話し合って来る予定だ。
2000年代初頭には中国のトップITベンダー20社に選ばれたということだが、その時の売り上げは4億円程度しかなかったという。それだけ中国におけるソフト産業の歴史は浅い。その中で人材を育て、日本との連携スキームを作り信用を獲得し続けた手腕は見事であり、強い個性と意志を感じる。
彼らは自分の強みと弱みをよく心得ている。自分の強みの使い方もよく研究している。例えばコストという彼らの武器について考えてみる。普通であれば、開発を安く請け負うので差額で儲けてくれと言う提案で止まる。しかし、企業の利益の取り方には様々な方法がある。
彼らのクライアントを年商100億円の日系中堅ベンダーだとする。売り上げは100億だが経常利益で1億円程度だとする。この企業の開発を20億だけ彼らが受け持ち6割のコストで開発を実現すれば、その開発だけで6億の利益がプラスで経常できる。株価は倍近く上がるはずだ。数十億を超える利益を株価の上昇によって獲得できるのだ。伸び悩んでいる企業に魅力的な提案だし、その気になって両社取り組めば実現も可能だろう。
問題はクライアントがその気になるかどうかだが。
海外との連携を進める中で、大きな障害になるのはクライアントの心理的な障壁だ。本気で成功させようと思い双方が取り組めば、オフショア開発も難しいものではない。事実成功例も増えている。ちょっとかじる程度に取り組んでみたり、少しの問題が出た時点で執着心なく撤退していては、成るものも成らない。また、どちらかが相手任せで何とかなると思っていては駄目だ。他力本願で上手くいくビジネスを見たことがない。だから、私自身も他社からの「これだけ儲けられますよ」と言う提案には絶対に乗らない。自分が全体像を理解し、努力しなければ儲かる事はない。双方の努力により成功させようと言う意欲があれば、必ず成功し大きな利益を得られる。
ビジネスのサブゴールはクライアントを儲けさせた時だと思っている。システムを開発して終了ではない。そのシステムによりクライアントがより強靱になり収益力を高め、次の仕事を頂けてサブゴールだ。ビジネスにおける勝利は常にパートナーやクライアントと一緒でなければ、構造が間違っている。
彼らが提示した株価上昇への提案も、最終的にクライアントをいかに儲けさせるかという発想から生まれている。大もうけ出来そうなアイデアだから凄いのではない。それを生み出すスタンスを持っていることが秀逸なのだ。システム開発という分野からはみ出している発想ではある。しかし、だからこそ個性が生まれるのだ。
システム開発であろうが他のあらゆるサービスだろうが、最終的にクライアントを豊かにし、強くするためにある。それが法人だろうが個人だろうが同じことだ。そこをずらさず自分たちが持つ、強みも弱みも理解し新しい個性溢れるビジネスを創り上げていけば良い。そして世界で唯一の組織と事業を完成させたい。
先ずは中国からも学ぼう。インドからも学ぼう。そして、我々の日本人としての、日本人エンジニアとしての強みを確立しよう。その中に見本が未来に向かう道が見えるし、君たちが進む道も明らかになるだろう。