会長ブログ(株式会社ヘッドウォータース代表取締役:篠田庸介)

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2008年01月31日 17:23

不動を極める

最近新聞のサブプライムローンの話題で新聞の紙面は賑わっている。私自身、投資には一切興味がなく、経営的な影響が出るには、タイムラグがあるので今のところ大勢に影響はない。

いつの時代でも厳しい要因はある。それが、株価の下落であったり、円高だったりと状況に応じて中身は違う。しかし、何もかも良い状態である期間の方が奇跡であり短いと言う事実を認識すべきである。

だから、その問題で世界が趨勢が決まるという取り上げ方は間違っている。大手の金融機関などは数千億円単位の損失を出していると言う事だが、恐らく各社が独自で何とかするだろうし、数行が破綻したとしても、それに代わる企業が市場を担い世の中に大した影響はない。

何かしらのマイナス要因は常にあり、それに柔軟かつスピーディーに対応し経営を続けるのが、経営者の力量であり、組織の力だ。

飲み会の風景事実、円が八十円台になっても、日経平均が七千円台になっても、健全な経営を実行していた企業は耐え抜いて、その後の発展を掴んだ訳だし、日本経済も崩壊していない。案外、企業も国家もしぶとい。

何が起こるか分からない昨今であるが、起こったことに一喜一憂する事はナンセンスだ。それが経営環境の中では当たり前であり、混乱の中から何かを拾い伸び上がるのが、強い企業のあり方だ。

この覚悟があれば、いちいち動揺せずにすむ。混乱は能力ある存在にとっては、喜ぶべき事であり、大きなチャンスに過ぎない。本来は心を躍らせなければいけない。

私が興味を持つのはもっと根の部分だ。

以前P・F・ドラッカー氏の著書「ネクスト・ソサイティー」を読んだ時に、今後の日本が直面する問題に対する記述があった。日本が迎える最大の問題点は「人口問題」だと氏は語る。人口の減少は、国内の労働力の減少、市場規模の減退に直結する。付加価値を世界に呈して食を得ている日本としては、これが死活問題であるという見解だ。

確かに一理ある。

生物の原則でもあるが民度が上がり、豊かさと安全さが進んだ先進国では、人口は減少の方向へ傾く。先進諸国の中で人口が増え続けているのは、アメリカくらいのものだろう。アメリカは未だに年間数万人単位の移民を受け入れている。当然、多民族国家であり、貧富の差もあり続けるアメリカにおいては、民度が平均的に上がらない。発展途上の野生を残しつつ、今の国家体制を創り上げているところが、米国の偉大さだ。

アメリカの強さは構造上、先進性と野生を混在させている所だ。資源や広大な領土にアドバンテージがあるのではなく、その独自の文化に強みがある。貿易赤字やサブプライムローンの問題など、今後も多数の問題が浮上するだろうが、根本的な強さが消えない以上、アメリカはしぶとく世界経済の中心に居座り続けるだろう。

この様に起きている事象よりも、その存在が持っている本質的な事に興味があるのだ。

日本の人口問題に話を戻す。

経済の戦いにおいて戦闘力の減少が危惧される日本。この戦力を補強する手段は多くない。
①海外からの移民を受け入れ労働資源を確保する。
②人的資源に頼らないビジネスモデルに特化する。
③今まで労働資源として認知されていなかった階層を人材市場に投入する。

この程度だろうか。

このうち①は、日本の文化としては難しいかもしれない。ある程度の移民は国際化の為にも良いとして、先進国として日本が有り続けるための手段としては、障壁が高い。知的階層の移民を促すなら、他国から入りやすい形に日本のインフラを構築し直さなければならない。無理ではないが、不退転の決意でその道を選択しなければ駄目だ。

②はオートメーション化を進めると言うことだが、現在のアドバンテージがあるとしても、根本的に人が減っては、その技術を進める体力も無くなる。いずれはこの道も成立しなくなるのではないか。

③は、言うなれば奇兵隊だ。しかし、一番現実的ではある。冷静に日本の労働市場を見た場合、「女性」と「高齢者」が隠れた最大戦力であろう。しかし、この奇兵隊を実現するためには、女性が育児をしながら仕事に関われる土台の整備、中高年が生涯現役として、戦い続けられる土台の整備が必要だ。

これは、国にお願いするとか、法律を決めれば良いと言う簡単な話ではない。当然、女性にも今まで以上に努力し、社会に居続ける決意が必要だし、高齢者の方も昔のようなリタイアを求めず、生涯社会に関わり社会を背負う気概が必要だ。

一番難しいのは、法律や企業の制度的な問題ではない。国、企業、個人の意識を革新する事だ。国を挙げて、何かしらの形を目指せば、国際社会で勝ち残る事はさほど難しくないだろう。

飲み会の風景HWSで、エンジニアがビジネスマンへと革新していく道を作っている。これは、人口問題に対する我々の一つの答だ。多くのエンジニア達が40歳前後で社会的な地位を無くしていく様では、日本は世界と戦えない。それまでの経験を基に40代も50代もビジネスの前線で戦うビジネスマンへとエンジニア昇華させなければ、付加価値の高い戦力を日本が確保することは不可能だ。

私が常に興味があるのは、目前で起こっている事象ではない。その事象の背後にある本質だ。

日本の株価が七千円台だろうが、二万円を突破しようが、どうでも良い。日本の本来の強さは何で、向こう百年日本が何を志向し国を作れば良いのかに興味があるのだ。

経営に置き換えて考える。

現状の収益を確保するのは、現在の組織の強さやビジネスモデルの強さだ。柔軟な強さがあれば、市場の変化は関係ない。我々が目指すのは、時代がどちらに揺れようが、対応し理想を進め続ける強い組織だ。

色々、市況に合わせ、方法は変えていく。それは手段なので、いちいち一喜一憂はしない。延々と作り込むべきは企業のカルチャーだ。そのカルチャーを実現する人的資源の構築だ。このカルチャーが実現する組織の強さが企業の本質なのだと思う。だから、どの様なカルチャーを持つ組織にするか、HWSのカルチャーはどうあるべきかには誇りをかけている。


リーダーの仕事とは、少しずつ昇華していくのだろう。創業期は目先の対応に奔走し、利益の確保を最優先とする。少し余裕が出れば数年先の事業を創る仕事がメインとなる。更に進めば、本道を見極め、その組織が進む道を「手段」ではなく、「本質」の部分で間違えないようにするのがリーダーの仕事だと感じる。HWSのリーダー達もこの順番でリーダーしての課題を体感することになるだろう。

HWSはまだまだヒヨッコなので、本来なら目先の利益に私が奔走する規模だろう。しかし、あえて私自身のフェーズを上げ、メンバー達のフェーズも上げざるを得ない様に動いた結果が今の組織である。

高速で人材育成する為の力業ではあるが、現状成功している。案外、上のフェーズの仕事も、やってみれば何とかなるものだ。やることよって、手に出来る経験と自信を早期に身につけることが重要だ。

読者の皆さんが、就職先や国家自体を考える時に、目先の事にとらわれず、本質的に正しいことを追われる事を期待する。ひとつ、確かな事は、本質を追えば後悔はない。土地が上がる下がる、株価が上がる下がる、為替がどうこうと言うことに振り回されるから、動揺もするし、後悔もするのだ。

本質を見極め、それを基準に自分の動きを決めていけば、少なくとも自分の人生をまっすぐに生き抜けるはずだ。本質を真っ直ぐ見れば、不動の心は容易く手に入るはずなのだ。

2008年01月28日 12:03

メンバー紹介(4)・高橋PM「ラストサムライ」

HWSには一人の侍がいる。

名前を高橋某と言う。風貌は渡辺謙を彷彿とさせる凛々しい感じだ。あまり、おしゃべりなタイプではない。ちなみに渡辺謙にちょっぴり似ているので、「ラストサムライ」と言われ始めたと言う経緯は、ここでは内緒にしておく。

200128_a.jpg
エンジニアとしては、某大大手Sier系の開発に長年従事してきたので、ちゃんとした開発手順を求められる現場で品質の高さを求められても、しっかり対応できる。業務系の知識も深い。話し方も論理的で説得力があり、コミュニケーション能力にも優れている。一緒にいて安心感を与えるタイプでもある。

しかし、ここまでなら普通の優秀なエンジニアに過ぎない。サムライとは言えない。彼のサムライたる所以を書きたい。

彼はHWSに入社してから、PMとして現在に至るまでの経緯は決して平坦ではない。個人的な能力には問題ないのだが、ベンチャー中のベンチャーであるHWSでは、それだけで頭角を現すことは出来ない。

特に二年前ともなると、開発チームを編成するにしても、メンバー数が足りなかったり、開発環境を整備しながら開発しなければならない。走りながら、材料を調達し、足りない物を埋め、未来を作るのがベンチャーの宿命だ。

200128_c.jpg普通のSierであれば、会社や過去の先輩達が用意した環境を使って開発をすれば良いし、大体の世間のエンジニアはそれが当たり前だと思っている。誰かが全てを用意してくれる。自分は切り分けられた開発だけやれば良いのだ。

しかし、HWSはそもそも社歴も二年だ。過去の遺産など有ろうはずもない。社員数は毎月経験者が次々と入ってくるが、どの様な人間かは現場の姿を見てみないと分からない。開発環境の整備から、メンバーの獲得や教育管理まで自分でやれなければプロジェクトは完遂しない。

特に高橋PMの場合は、今まで大手Sier系の開発ばかりだったので、全てがそろっているのが当たり前だったはずだ。

どうしようもなく、とりあえずプロジェクトにマッチングしないメンバーを預かってもらった時もある。開発ルームが無いところから、全てを準備して開発に当たったこともある。インド人をチームに入れて開発をしたり、ベトナム人と組んで開発をしたりと、HWSの最先端を、身体を張って担って来たのだ。

HWSの標語に
「無い袖は振れない。ある袖を振りまくって何とかしろ。by篠田」
と言う言葉がある。

これは言うは簡単だが実行するのは相当難しい。要は、あれが足りない、これが足りないと言い訳をするなということ。ある物を使って成果を出すからプロだし、他者との区別化が明らかになる。「無い袖」をいつまでもしつこく机上に置きたがる奴は、自分が出来ない言い訳をしたいだけだ。世界中で「全てがそろっているから、ハイどうぞ。」というビジネスはない。ビジネスではなく、作業の世界にはある。このビジネスの本質が、ベンチャー企業ではより明らかに浮かび上がっているに過ぎない。

200128_b.jpg彼が取り組んだ最初のプロジェクトなどは、最初にアサインされたメンバーから、「こんなに何も無い中で開発なんて無理ですよ。」「あれとこれが有るなら、僕は頑張りますよ。」などと言う批判すら受けた。高橋はひ弱な部下に迎合せず、全てを自前でそろえ、結局はその開発を成功裏に導いた。ひ弱な部下達が、言い訳に逃げていただけだということを、自分の汗と血で証明したのだ。指導者の本来あるべき姿だ。

「言い訳は命がけで、取り組んだ後に言え。」という無言の意思を感じる。

彼の凄い所は、これらを実行する過程で、一言も愚痴や泣き言を言わないこと。今振り返っても、プロジェクトを推進出来ない理由を挙げろと言えば、山ほどあったはずだ。しかし、彼は現状の報告や問題提議はするにしろ、愚痴や泣き言は微塵も吐かない。

まるで、絵に描いたような順調な開発を進めるがごとくの静かさで、結局納期も守り開発を仕上げてしまうのだ。クライアントの評価も極めて高く、高橋の名指しで次の開発案件が来たりもする。その水面下では、普通のエンジニアだったら逃げ出してしまうような事が沢山あったにもかかわらずだ。

「武士は喰わねど高楊枝」とある。自分の手柄を過剰に主張もせず、悪い状態を他者の責任に転嫁するわけでもなく、開発が成功した時にはいつも部下のおかげだと報告する姿は、まさに武士道を地で行っている。

彼の静けさと、成果までの道のりをどの様な障害があろうとも断行する姿勢を、サムライと言わずして何と表現しよう。

彼に対する信頼感、安心感は絶大だ。高橋なら何とかするだろうと思ってしまう。

彼は無から有を作れるエンジニアだ。エンジニアと言うよりも、既にビジネスの世界に片足を突っ込んでいる。自分が歩んできた事実があるので、彼は自信を持って、これからHWSに来る後輩達に伝えるはずだ。

「無い袖は振れない。ある袖を振りまくって何とかしろ。」

多難の中、道を作り続けて来た彼には、身体を張った後発の指導と、常にHWSの前線に立ち新たな可能性を創り上げるミッションを期待したい。そして、自分につづくサムライ達を日本のIT業界に送り込んで欲しい。

ちなみに、サムライのくせに趣味はダイビングで、しかも独身だ。この間、聞いてみたが、ダイビングではフンドシではなく、ウェットスーツを着用すると言っていた。

2008年01月23日 11:43

基準

200123_a.jpg雪らしい雪が降ったのは今年初めてだ。窓の外に舞い落ちる雪と白く化粧された新宿御苑を見ていると、このオフィスにいる事の贅沢さを痛感させられる。

10年ほど前は、2シーズンほど、毎週の様にスノボーをしていた時期があった。週一回程度は上手くすれば休める程度の忙しさだったので、プライベートは全て雪山に捧げていた。ここ二年くらいは滑る機会が無かった。今年はヒマを見つけてちょっと滑ってみようかと思っている。東京でこれだけ雪が降るなら、新潟あたり良い雪が積もっているはずだ。

当たり前だと思っていた物が、そうではないことに後に気がつければ幸せだ。次はもっと大切に出来る。例えば、時間。例えば、人間。例えば、信頼などだろうか。

学生時代に掃いて捨てるほど有った時間を、当時のように潤沢に手にすることは生涯ないだろう。リタイアする気も無いので、生涯忙しさは続きそうだ。この時間の価値を、理屈ではなく、心底分かる学生もほとんどいまい。

HWSの仲間達がここに集っている事は当たり前ではない。この仲間達が生涯共にビジネスの世界を歩めるように、正しい会社を作りたい。ビジネスの世界を二十年歩んできた私には、仲間達の価値がすでに分かっている。再三再四言うが、メンバーに媚びる気もない。媚びる指導者などは必要とされない。媚びはしないが、全メンバーが全力で事業に取り組めるよう、オープンでフェアな環境を創り上げる義務は私にある。

最近、半期に一度の個人面談を行っている。メンバー達の半年の動きも報告してもらう。また、私の方から現在取り組んでいる戦略や、本人に背負って欲しいミッションなども話す。一番大事なのは、百名程度のメンバー数しか現在はいないので、全メンバーが個々に持っている価値観や、将来進みたい方向性などを私が把握することだ。把握出来ていれば、HWSの戦略の中で、誰にどの役割をシェアするか適切に判断出来る。会社の方向性や、本人のキャリア設計に対する認識の摺り合わせが第一の目的だ。

200123_b.jpg開発が佳境で忙しいメンバーとは、半年ぶりくらいに面談で久しぶりに顔を合わせることもある。当然、HWSのメンバーなので現場では頑張り、スキルも上げている。勤怠も良く、クライアントからの評価も高い。

普通であれば十分な評価を得られる。私自身も、特に問題無いと思っていたが、私との面談中終始申し訳なさそうなオーラを出している。

話を聞いて行くと、どうも現場の仕事にプラスして、会社全体に貢献できる動きが出来ていないことに不満と申し訳なさを感じているそぶりだ。

一般のエンジニアとしては十分な動きだが、それにプラスして何かより高い組織への貢献や、それに伴ったビジネススキルの習得を考えた場合、十分ではないという焦燥感をもつわけだ。

「基準」について今日は書きたい。

物事の評価や認識には常に「基準」が必要とされる。「基準」が無い中であらゆる判断は出来ない。

例えば、今日の雪を見ても、新潟を基準にすれば「大して降ってないな」となるし、東京を基準にすれば「大雪だ」となる。

例えば、フットサルをしていても、我々の仲間内では私もなかなかのプレーヤーだが、Jリーガーを基準とすれば、相当な下手くそとなる。

人間は無意識の内に、基準を定め日々判断と評価を繰り返している。だから、基準の無い中で、上手いとか下手とか、凄いとか凄くないとか、良いとか悪いとか言うこと自体が本来はナンセンスなのだ。

人間が成長するという事を、ある側面から見ると「基準」を上げると言う事に他ならない。自分が容認できるレベルを上げれば、常に高いレベルで自分を追い込み自然と努力し行動するようになる。

ここの難しさは、意識した基準ではなく、無意識下で自分の中で発動する基準を上げなければならないという事だ。無意識に発動するものでないと、行動に直結しない。心底からの焦りや、行動の為の動機が産まれない。

これを上げるには近道はない。小さくても良いので、成功経験を繰り返す中で基準を上げていくしかない。また、自分が基準として定める人を持ち、徹底して比較して行くことが良いだろう。

よく人は人、自分は自分という話しを聞く。平常心を得るための手段なのだろうが、時と場合がある。最終的な試合の本番であれば、平常心が必要だ。しかし、本番に至る修練の過程に必要なのは、平常心より衝動だ。競争意欲でも、向上心でも良いが、感情的な衝動があり、自己成長につながる修練に身が入る。

成功を繰り返していけば、基準は上がらざるを得ない。
「この程度の開発は一人できる。」
「10人くらいの部下なら、育成しマネージメントする事は自分の当然の力だ。」
「年間に1億くらいの売上は当然上がる。」

成功経験を元に上記の様な感覚を力まず持てる様になることが成長なのだ。基準を上げれば、これに満たない可能性が出てきた時のエネルギーは創造を絶する。

以前も書いたが、私にとっての基準は松下幸之助氏であり、織田信長氏である。彼らは基準であり、尊敬する人物ではない。彼らに比較して自分の業績や能力は、現段階では低いことも理解している。だから、私の中は常に良性の焦燥感で満たされているのだろう。

HWSは人を育て上げる環境である。一つの試みとして、常に意識しているのが、この基準をいかに上げるかと言うこと。基準を上げるのにはストレスがかかる。メンバー達が基準を上げることの価値を理解してくれなければ、なかなか基準は上がらない。

許されレベルが低いほど、当然だが楽だ。成長を諦め、目先の楽を追求したいなら基準は低い方が良いのだ。意識しなければ、人間は極力低い基準に逃げ込もうと動く。自分自身に課されるのは、より低いノルマとして、常に言い訳できる状況を欲しがるのだ。

HWSの基準は、少しずつ上がり始めている。この基準を上げる活動は前記した通り、一朝一夕には無理だ。継続的に意識し取り組まなければならない。しかし、私の意向を理解し、基準を上げにかかっているリーダー達も増えている。今回の個人面談での、メンバーの態度はその現れに他ならない。

HWSでは普通のエンジニアとしてのパフォーマンスでは許されない。その先にあるのは、普通のエンジニアとしての将来であり、他力本願な人生しかない。私が恣意的に導かなくても自然と高い基準を認識し、態度に示すメンバーが増えて来ている。

全員の力でHWSの基準を上げ、未来には日本のエンジニア達の新しい基準を作りたい。無理矢理にでも基準を上げなければ、許されない常識を作りたい。この基準が大きな波となり、新しいIT業界を作るのだ。これは巨大企業には出来ない。過去の体制を世襲していくことが、基幹企業の利益に通じるからだ。

我々はベンチャーだ。過去を変えてこそ成長と成功がある。存在意義もある。新しい基準を作るのは、あくまでも我々の使命だ。


2008年01月22日 17:35

本ブログのあり方について

日曜日の会議風景
かれこれ、ブログを書き始めて十ヶ月が経つ。項目も80を越えて、開設から一年で丁度100項くらいになるだろうか。

意識的にこのブログには日記的な事は書いていない。発信をスタートした時に宣言した通り、多くの若い方にきっかけと成長を与える為に書いているので、趣旨的に日記にはならない。

HWSのメンバーの事なども書くが、内容をよく読んでもらえれば分かるとおり、人材としてのあり方や価値などのメッセージを込めている。素材は色々あるが、一貫して読まれた方の育成を目的としている。

HWSという企業も、その意味では教材だ。社会と接点の無い机上の話をしても面白くない。実在し、リアルな世界で戦っている企業が教材として呈されているので、実感も湧くし、実戦に繋がる。

また、馴れ合いの提灯記事も載せない。素晴らしい企業、素晴らしい人だと思えば話材にする。馴れ合うのも媚びるのも性に合わない。

自社のメンバーについても同様だ。素晴らしいと心底思えば感嘆するが、メンバーの機嫌をとったり、マネージメント上の思惑で褒めたりもしない。だから、ここで書くことは平常心で本気の事ばかりだ。

最近は二つくらいメンバー達に関して「こいつら凄いな・・・」と感じたことがある。クライアントに関わる部分もあるので、機会があれば述べたいが、今は無理だ。

事業は点ではなく、あくまでも線だ。継続が目的ではないが成し遂げるミッションを追い、線として繋がらなければならない。

雪景色の新宿御苑よって、組織の成長、メンバーの成長は必須なのだが、教育制度や研修などで人を育てる事は出来ない。人が育つのは真剣勝負の中だけだ。だから、ビジネスという真剣勝負の最前線で、人が育つための仕組みを作り込まなければならない。

現在、HWSでは全メンバーが情報を共有し連携するためのツール作りを計画している。社員のフォローの為のツールではない。全メンバーが、私同等の情報を共有し、機動的に経営判断をし、ビジネスを推進できる体制を作りたいのだ。何よりも、その視点でビジネスを展開する事により、ビジネスに取り組むフェーズを引き上げ、メンバーの成長を実現することが目的だ。

どの様なツールにするかは、全員でアイデアを出し合い、業務外で進めようという話になって、希望者を募ったところ、日曜日にも関わらず40名近いメンバーが集結した。

「インフラは俺が・・・」「設計は任せてくれ・・・」「商品化は・・・・」と意見が飛び交い、プロジェクトはスタートした。

傍目から見れば気持ち悪い会社だ。業務だと思ったら取り組めないだろう。仕事は人生の一部であり、時間を使い人生を組み上げている感覚があるので、その様な行動に出るのだ。純粋に仕事を含めた人生を楽しんでいるのかもしれない。

このプロジェクトが完遂した時に、自分が得られる経験と完成したツールは、受動的にサラリーマンをしていたら得られないものだ。他者との区別化や、自分の未来の安定と発展を保証はこの様な自己投資の先にしかない。

同時に私の社内向けのブログも立ち上げた。これは、もう少し戦略的なお話や、取り組んでいるプロジェクトの意味など具体的な内容にするつもりだ。社外秘の話も多く含まれる。メンバーに対するメッセージになるので、具体的かつ強烈になるだろう。当然目的はメンバーの育成である。

残念だが、こちらはHWSに入社された方しか閲覧出来ない。

ビジネスマンとしての全般的な話はこちらに書きたい。大枠の原理原則については、継続してここで主張し続ける。

本日は雑記になってしまったが、確認の意味で現状のスタンスを明記させて頂いた。

2008年01月21日 14:09

86% !?

先日、どこで拾ってきた情報か定かではないが、HWSのメンバーが現時点での09年新卒者の内定率の話をしていた。86%の学生は既に内定を決めているとのことだ。

就職コンサルなどをする会社からは、「今からでは遅いですよ」「最近の大学生の傾向は・・・」などのアドバイスは多く受けてきた。ノウハウで言うなら、夏ぐらいからは採用活動を行った方が良いらしい。

しかし、冷静に考えてみてくれ。大学三年の冬休み前に就職活動をすることは道義的に正しいのだろうか?

昔なら「青田刈り」と言われ、批判を浴びる行為ではないか。ルールが変わったところで、本質的な道義は変わらないはずだ。

本来、稲は熟してから刈り取るべきだ。他に刈り取られる事を恐れ、青い内に刈り取っては、本来のうま味のある米にはならない。自己の利益の為に、稲本来の価値を殺す行為だ。

大学生の本分は就職活動ではない。あくまでも学問だ。本来大学とは、何のためにあるのか考えて欲しい。世界の人口の2/3が栄養失調であると、言われる昨今において、本来「生きる」と言うテーマは簡単な事ではない。元々は「生きる」為に学問があり、大学はあったのだ。

国家が生き残り、個人が生き残る為に、「指導者の育成」と「職業訓練」を目的として創られたのが、そもそもの大学だ。長い年月、先代達の努力により平和な日本が続いてきた。豊かだし、餓死する級友など皆無な時代が続いた。我々から下の世代は「生きる」と言うテーマを意識する必要なく育った。危機意識の欠如した若者にとって、大学の本来の目的は見えなくなり、人生を無為に過ごす場所となった。

社内プロジェクトMTG風景社会に出て仕事をするのが嫌なので、逃避しながらも社会的な地位を得るために大学に行く。大学に入ったくせに勉強を嫌がり、遊びに興じる。大学側もこれに対する指導力を欠き、学生も哲学の欠如から、より楽な方に流れる。

これが現状の大学の大筋の姿だろう。日本の競争力が薄れ、食にありつくことが難しくなれば、実力が問われる。本来、大学は社会に出て数年はアドバンテージを得る程度の実力を育める場所でなければならない。また、使命感を持った若者が、多くの人の為に自分の才能を使おうと、勉学に励み後に官僚などとなり国家の基盤を担う為に大学に行くのだ。

その為の学業が本分であり、学を十分修めた学生達が将来を探す行為が就職活動ではないか。よって、より学が成った段階で判断する為にも就職活動は遅い方が良い。

ぬるい温室で実社会と接点を持たず過ごしていた学生生活から、熱湯の様なビジネス界へ移行する間には価値観の変化は日々起こる。大学三年の秋と、大学四年の夏で同じ価値観である可能性は少ない。就職活動を通して、少しずつ現実を知り、価値観を急激に進化させるからだ。

だから、昔は各企業の良識の元に採用活動に解禁日を定め、守ってきた。青田で刈らない方が、日本全体に良い人材を送り出すという観点から言えば、当然の事だ。

何でもかんでも自由化すれば良いわけではない。最低限の社会性があって、その上に自由は乗るはずだ。社会性や良識を考慮せず自由を行使できるなら、世の中は犯罪だらけになる。

良識があれば、早期に内定を決めず学生達にもっと広い視野を持たせるべきではないか。企業も学生もマスコミや情報に踊らされているのではないかと思う。「早く内定を決めないと取り残される」と言う強迫観念に学生も企業も乗せられているように感じてならない。

原理原則に従い進めば良い。採用活動は人と企業がその人格を摺り合わせる大事な儀式だ。企業の人格も、個人の人格も問われる。そんな場だからこそ、手段やノウハウで採用をしようと思わず、自社の主張や精神性にのっとって採用活動をすべきだ。

よって、HWSでは多くのアドバイスを無視して、自社の主張通り採用活動をこれから本格的に始める。86%の大学生に内定が出ていようが、他社様の動きはどうでもよい。我々の主義主張のまま動くだけだ。そして、その主張に共鳴する仲間を集うのみだ。これからHWSと出会い、理念に共鳴して道を定めてくれる人を探すのみだ。

HWSの主張にそって考えれば、現段階で内定率は86%ではなく、ほぼ0%となる。

HWSは唯一無二の存在として自信がある。他社とHWSを比較して入社する馬鹿もいないだろう。HWSのあり方に共鳴出来る人間は、他社という選択は自然となくなる。逆にHWSに共鳴出来なければ、この道はない。その程度の個性はある。

シュウカツ生の皆さんは多くを見るべきだ。君達は自分が思っているより、何倍も未熟だ。就職活動の時期は、自分の人生と真剣に向かい合える貴重な時間だ。安心を得るために、見栄を満たすために、早期に内定を取って喜んでいる場合ではない。

どの会社に就職するかも大事だが、もっと大事なのはどんな決意を持って君達が社会に一歩を踏み出すかだ。自分にとって何が大事で、自分の人生を費やして何をするかを真剣に考えるのだ。その時間は長い方がよい。結論が出ない苦しみは長い方がよい。

企業の哲学や、理想に触れ、温室から出た後の、実社会のシビアさと面白さを感じ取り、希望と覚悟を持って社会に一歩を踏み出して欲しい。

HWSにとって、採用活動は一つの啓蒙活動でもある。就職するかどうかは結婚みたいなもので、縁が無ければ成立しないし、全学生と結婚するわけにもいかない。

最終的に就職にたどり着かなかったとしても、多くの若い方に刺激を与え、きっかけを作り、共に日本社会で戦っていく仲間として羽ばたいてくれればと思う。

日本の現実を教えたい。日本が世界と戦い生き残る道を教えたい。一人の人間が出来ることは思ったより大きいことを教えたい。学生の時代が一番楽しい訳ではなく、自分の力でで、リアルな世界で戦う社会人の方が格段に面白い事も教えたい。

教えたい事は山ほど有るし、その結果つまらない大人ではなく、何歳になっても希望に燃え、自分の人生に燃える人達が一人でも育ってくれればと心から願っている。

その為の啓蒙活動を今日も地道に続ける。

HWSの採用に関しては、理想に共鳴出来るなら20名でも30名でも採用する。そこに納得がいかなければ、一人も採用しなくても良いと思っている。数合わせの採用はしない。お互い心から求め合うスタートを目指したい。

2008年01月18日 15:40

クローズする力

ビジネス技能の中で、極めて希少価値が高いのは物事をクローズする力だろう。特に事業においてクローズする力を有する人間は希だ。

事業において、クローズする力とは、最終的に利益が確定するまでデザインし、デザイン通りに入金があるまでを責務を負い実現する力だ。入金までフォロー出来ていない「問題」は本質的には処理されていない。また、入金までの責務を負わなくて良い動きは、ビジネスではない。作業だ。

入金とは必ずしもお金の動きの事だけを指さない。費用対効果で、明らかな成果を出すことも入金に当たる。まあ、これは管理部門にだけ当てはまる話であって、直接的にお金を入れる職務であれば、「お金が入る」と言う事だけを指す。費用対効果などと言っている場合ではない。

素晴らしいプレゼンをする。コミュニケーション能力に優れている。テクノロジーに精通しているなど、これらを自負する人間は作業員に過ぎない。自己申告通りの能力が有ったとしても、高度なスキルを持った作業員に過ぎない。ビジネスパーソンではない。

その能力を駆使し、最期に利益を確定さるのでビジネスパーソンなのだ。その執着心、責任感を元にあらゆるスキルやリソースを使い成果を出すのだ。

1月社員総会実は経営者であっても、この事業をクローズさせる技能が薄い方が多い。行動力があり、運があり、時流に乗れば創業し一定の利益を出すのに大した性能はいらない。しかし、継続的に変化する市況の中で生き残るには、行動力や勇気だけでは不十分だ。生き残る為には糧が必要なのだ。その糧を作れない人間はリーダーとして存続出来ないのは、古今変わりない。

儲かりそうなビジネスモデルを連呼し喜んでいる事業家もいる。誰かが覚悟を決めて取り組んでいる事業に横から乗っかって、上手く行った時に自分の手柄の様に言う人もいる。机上で得た知識をひけらかし、こうすれば上手く行く的な発言を会議の場などで得意満面に述べ、自尊心を慰撫する者もいる。

しかし、それらは全て間違いだ。クローズされる前に提示されたものは、全てゴールを得るための材料に過ぎない。ビジネスパーソンとして、何の力も示していない。料理人が「この牛肉は神戸牛の・・・」「この白菜はこんなに甘みがあって・・・」「包丁はやはり○○作じゃないと・・・」と材料や道具の自慢をし、結果として不味い料理をつくっていたら価値がない。牛肉が良い素材であることも、包丁の切れ味が良いことも事実であり素晴らしい事だが、全ては上手い料理を作る材料であり過程に過ぎない。

その認識があるのなら、自由なブレーンストーミングは価値があるし、提案力があることも素晴らしい。しかし、そこまでしか示せない人間をビジネスパーソンと呼べない事実は変わらない。

ビジネスパーソンとはあくまでも旨い料理をコミットする存在だ。そこに誇りと執着心を持つ人材なのだ。

クローズ出来る人間に変な気負いはない。過剰なトークもない。ある材料と自分の性能を照らし合わせ、黙々と構想を練る。足りなければ、お金が入るところまでイメージするための材料を集める。イメージ出来たなら、覚悟を持って取り組み何としてもお金に換えるのみだ。

こんな人間はビジネスの世界で信頼するに足る。

疋田取締役のお誕生日祝いがありましただから、多くの若い社会人がHWSの門を叩くが、期待はすれど信頼はしない。それは人間性の話ではない。性能と、それを示す実績の問題だ。成果を出した事が無い人間を信頼したら馬鹿だ。それは、リーダーとして、教育者としての職務放棄に近い。

面接の時に、「僕の今の弱点や長所はどうですか?」と言う質問はよく受ける。当然、個性もあり、性質もある。しかし、何が長所で何が弱点かなど、その時点では答えられない。どちらにもなる。何よりも、現状の君などどうでも良いと言うのが事実だ。このブログを読まれている方のほとんどはお若い。十分なキャリアはない。ビジネスが出来る人間から見れば、総じて「未熟」と言う単語しか当てはまらない。未熟者の優劣を評しても意味がない。

だから信頼はしない。これからどれだけ化けるかを期待する。今までの価値観を必要なら捨て、成果に執着出来るかを見る。それだけの責任を背負えるような性根の良さと、真摯さがあるかどうか見るのだ。その他の性能は誰であろうが五十歩百歩だ。

話は戻るがビジネスをクローズさせるのは難しい。

キャリアが足りないと、目論見が常に甘くなってしまう。「こんな感じに売れるんじゃない。」的な予想は大体はずれる。前提が次々に崩れる中で成果に行き着くはずはない。

また、自分のキャリアに基づいた自信の持てるスキルがいくつかないと正しい構想は練れない。ゴルフというスポーツがある。スパーンとドライバーをかっ飛ばして、アイアンショットでキュキュッとグリーンにボールを止めて、カツンとパッティングすれば、全部バーディーで回れる訳だが、タイガー・ウッズでもそれは無理だ。つまり現状で人類がなしえない理想なのだが、このくらいトンチンカンな構想で事業を語る人が多いと言うことだ。

せめて、ドライバーは三回に一回はフェアウェーに残るとか、1メートルのパットならほとんど入るとか、修練やキャリアに基づいたスキルがいくつかあれば、現実に近いイメージを持てる。最低線のスコアも見込める。信じられるスキルが一つもないのに、ゴルフのスコアを、構想や戦略でまとめるのは無理だ。

経験の薄い若い方にアドバイス。

クローズする能力は大切だ。しかし、今の君達にビジネスをクローズするのは無理だ。先ず、自分の武器となるスキルを一つか二つ確立することだ。その経験と技能を中心に構想力を育めるはずだ。そして、その武器を活かし、覚悟と執着を持ち最初は身体を張ってビジネスをクローズし続けるのだ。

上手くやるのは無理だ。無様でも、せこくても良いので、他人の批評など気にせずに、ビジネスをクローズすることに誇りを持つのだ。自分の力と責任でそれを成し遂げるのだ。その内、ビジネスをクローズするとは何かが分かる。

誕生日プレゼントにご満悦です
ほとんどの会社では、若い内にビジネスをクローズさせてもらえない。それでは、作業員としての技能は高まってもビジネスパーソンとしては一歩も進めない。就職に関しての価値観は様々だが、自分の両足でビジネス界を闊歩したければ、どんなにスキルが有っても作業員では駄目なのだ。ビジネスに挑める環境を探さなければ駄目だ。

期待され、可能性を評価され、社会に羽ばたいて行けばよい。しかし、同時に今の君達は誰からも信頼されていないし、作業員の域を出ていないことも理解するのだ。信頼は自分で勝ち取るものだ。入社した段階や、ビジネスをクローズする前に得られるものではない。自分の力で、自分の責任で、いくつものビジネスをクローズし信頼を築き上げる物なのだ。

私が提唱している「道」は万人には当てはまらない。何故なら、40歳代でもビジネスをクローズ出来る人間など1%もいないからだ。自称ビジネスマンや、自称企画屋や、自称事業家など多くの自分を売り込むベテラン社会人を見てきた。ほとんど偽物であり、ウンチクは言うがビジネスをクローズした姿を見せることはない。年俸一千万円以上を要求し、期待だけ煽って企業を転々とする人を多く見てきた。一種の職業だろうが、合法的な一種の詐欺師の様なものだ。

だからこそ私はビジネスをクローズするクローザーとして生きることに誇りを持ちたい。常にクローザーであるようにしたい。常に前線で、ビジネスをクローズするプレーヤーとして生涯を生きたいのだ。

そして、HWSから多くのクローザーを生み出し、世に送り出し、本当のビジネスの深みを提唱していくのだ。

HWSでは、普通の作業者であることが許されず、クローザーとしての完成が求められる。HWSにおいて許されないと言うよりは、年齢と共に社会が作業者であることを許さない。その事実は曲がらないので、HWSでは社会に出た瞬間から、作業者であることを許さないのだ。

まだ未熟なHWSの仲間達が次々にビジネスをクローズし、その達成感と誇りに満たされた姿を見たい。それが、その姿が私にも大きな達成感と誇りを与えてくれるだろう。

2008年01月16日 17:23

性善説

昨日、あるインキュベーションファンドの方とお会いした。HWSの話をすると、「ブラジルにある話題の会社に似た印象を受けますね。そこは性善説を基盤にマネージメントを行っており、社員の意思に任せて会社を経営し急成長しているんですよ。」と言う感想を頂いた。

成長を予感させる企業と言うことで、比肩して頂くのはありがたいが、私の中にマネージメントにおける「性善説」は無い。

私自身を振り返ってみても、とかく人間は自分に甘い。年を重ねれば、自分すら説得するほどに言い訳も上手くなるし、圧力が無い中で努力する人間など皆無に等しい。頑張らない理由や努力しない理由、責任を負わない理由を考える事は容易い。

前向きな人間は放っておいても、真面目に努力するだろうが、限界ギリギリまでやる奴は素のままでほぼいない。真面目にコツコツやるレベルは最低線であり、それでは抜きんでるほどの成長は実現出来ない。

自己の成長を実現する為には、現状の自分では乗り切れないレベルにチャレンジしなければならない。当然、常にストレスがかかり、夢でも仕事の事を考えてしまう。この様な状態で仕事にあたらずして、成長は実現出来ない。全精力を費やしている時間だけが、自分を成長させている期間であり、キャリアになる。無為な時間を過ごす事をキャリアとは呼ばない。40歳、50歳でノーキャリアな人材など山ほど居る。

市況が良ければ、居場所があるが、反転すれば食にはありつけない。バブルが崩壊し、まだ二十年と経っていない。キャリアを積まず、社会人としての時間だけ過ごした人間がどの様な扱いを受けたか忘れるには早すぎるはずだ。

最終的には克己し、意識して苦難に身を投じ乗りきった者だけが成長できるのだが、その道を歩む為には、ビジネスを正しく理解させる為の情操教育が必要だ。

例えば、新卒で入社した人間は、一度給与を取り仕事をし始めたらプロだ。先輩達におんぶに抱っこで、食を得るのは当たり前ではない。自分がコストであることを自覚し、未熟であることを自覚し、先輩に倍の汗を流さなければ一生追いつけない。新人がベテランの何倍も努力するのは当たり前だ。

例えば、人並み以上の成果を出したければ、人並み以上の努力、人並み以上の覚悟をしなければならない。仕事はクジではないので、運に頼ってコンスタントに成果は得られない。何かを得るためには、代償を払うのがルールだ。代償を払い、常人を越える成長を実現するのか、代償を値切り常人並の成長に止めるのかは、生き方の選択だ。

例えば、優秀なリーダーとしてビジネスの世界で名乗りを上げたければ、自己犠牲を覚悟しなければならない。リーダーとは刹那的に指示を上手く出す存在ではない。勝利に向かい、自組織を鍛え、育成する恒常的な存在だ。人の育成には労力と成果にタイムラグがあり、しばらくは割に合わない労力を支払わなければならない。メンバーの育成やフォローはそれにあたる。優秀なリーダーたる為には一時損得を越え、自分を律する必要がある。

例えば、仕事は結果が全てだ。プロセスが結果を作ることは否定しないが、評価を受けるべきは成果のみだ。これがビジネスパーソンの心意気であり、この成果への執着があるから信頼できるのだ。「これだけ頑張ったのに・・・」「言われたとおりはやりました・・・」などプロ意識がある人間は口が裂けても言わない。会社への自己主張は成果をもって語るのだ。


挙げればきりがない。場面場面でしっかりしたスタンスを教育し、ビジネスマンとしての土台が出来た人間になら「性善説」当てはまる。これらのスタンスが揺れていたり、全く理解されていない人間を信頼するのはリーダーの怠慢だ。先に徹底して教育に当たるべきだ。

また、個人の教育もあるが、大事なのは組織の文化をビジネスパーソンとしての正しいスタンスに合致させることだろう。最低限のビジネススタンスを押さえ、その上に各組織の個性は乗るのだ。

情操教育に取り組み、組織の文化を作り込んだ上での「性善説」はありだ。

HWSの仲間になると言うことは、この文化を作り、教育に当たると言うことだ。ビジネスパーソンとして、組織に依存することなく生き抜く力を各人が獲得すると言うことだ。HWSが、その優秀なビジネスパーソンを生み出す源泉となり、更にその優秀な人材が作り出す最強の組織を共に目指すと言うことなのだ。

この道は、社会に貢献し、同時に各人の望む未来を達成する事に通じるはずだ。

本当の自由や、理想は会社から与えられる物ではない。逆にどんな良い環境でも、誰かに与えられたのなら、満足出来ないだろう。

HWSは究極の自由と、究極のやり甲斐を目指すが、それは会社が与える物ではない。我々の仲間達が一丸となり、全力でつかみ取る物だ。そして、HWSにおける「新性善説」を証明し、世の企業の指針となれば幸いである。

2008年01月11日 11:27

転機

最近暖かい日が続いている。陽気の穏やかさとは裏腹に人材市場は、年が明けて大きく動いているようだ。

HWSも数十名のエンジニアから応募を頂いたが、現状だと二名程度しか内定を出していない。これから若干名は増えるだろう。

最近の応募者の傾向を見ると、以前よりエンジニアとしての未来に対する認識は進んでいるように感じる。目前にあるリスクを感知できる嗅覚が発達するのは好ましい。会社任せではなく、未来を主体的に考えるエンジニアが増えているのだ。

ブログを読んで面接に来て頂くケースが増えているせいか、以前であれば直接お会いしてHWSの話をすると、やや尻込みする応募者が多かったが、最近は感想を聞くと口をそろえて「面白そうだ」と言う。また、待遇的な話も「フェアーであれば問題ありません」と言う。

旧来のサラリーマン的な感覚から抜け出せなければ、HWSの制度はストレスとなる。主体的に動けば、一般的なサラリーマンには感じられない自由さや、面白さを味わえる。その様に事業体を作り込んでいる。

HWSの環境は、話したほぼ全応募者が「必要だ」とは言ってくれる。理屈で「必要」が分かっていても、今までのスタイルでは対応出来ない事実があるので、HWSのあり方自体が篩になっている。新しい事にチャレンジするストレスが、自然と人を選別するのだ。

人生を変えようと思うなら、人並み以上に大きな段差を上がろうと思うなら、勇気とエネルギーは必須だ。エネルギーを充填し、勇気を振り絞る事に喜びを感じる人だけがHWSの門を叩く資格がある。今までの延長線上で、ちょっと所得を上げたいとか、ちょっと近いところに勤めたいとか、今の環境に飽きたと言う人はHWSに来なくても、他にIT系の企業は山ほどある。他へ行くことをお勧めする。

どうせ新天地を求めるなら、人生の転機を得なければ意味がない。

前職で積みあげた信用や、キャリアを置いて他に移るなら、その決断が人生の転機として、後に繋がらなければあまりにも、もったいないではないか。その意味での転職でなければ、現職を継続するよる事をお勧めするしかない。

私の最大の転機は、大学を中退した二十歳の時であろうか。

学歴も捨て、ぬるま湯の様な学生生活も捨て、ビジネスの世界に一歩目を踏み出した。そこに打算はない。熱による衝動だけで転機を生み出したのだ。もっとも、その後は寝るヒマもなく、休みもなく、お金も無く、未来の保証も無いという、文字通り地獄の様な苦しみを数年味わうことになる。

そもそも、かつて経験し得なかった領域に飛び込むのに、計算高く動く事は無理だ。情報も経験も足りない世界へ行くのだから、予測はするにしろ、堅く未来を読んで進む事は物理的に不可能だ。

賢く生きようと思えば、自分が手綱を握れる世界に進むしかないので、安心を得る代わりに、エキサイティングな時間や、急激な成長を放棄しなければならない。そこに正誤はない。生き方の問題だ。

私は基本的にあまり賢くない。要領も良くない。自分の思惑に常にとらわれて、最良の選択をいつも出来なかった。良くも悪くも最期の一線で頑固なので、シビアな問題になればなるほど、妥協出来ない。逆に、その性質が根底にあるので、一貫して理念を追い求める生き方が向いているのだろう。今考えれば、自分の弱点を利して生きて行く道を作ったようだ。私の経営者としてのあり方は自分の弱さを改良し作られている。

話を戻すが、急激な成長を実現したいなら、熱湯に飛び込まなければ駄目だ。今までスキルや知識では通用しない世界へ、情熱を持って飛び込まなければ駄目だ。飛び込んだ後に、全身全霊、全細胞まで駆使して生き残り、最期に一歩上の領域へたどり着くのだ。

飛び込む前にあれこれ考えても無意味だ。やりたいかやりたくないか。そこに燃える物はあるのか。自分を鍛え上げたいのか。自分を鍛え上げる厳しさがそこにあるのか。この辺だけ感じたら、後は運を天に任せ進むだけだ。これを無限に繰り返し、人間は無限に成長していくのだろう。

だから、未知の世界に対して「面白そうだ」と言える人は価値がある。新しい世界に飛び込むことに抵抗がなく、不安より好奇心が勝てる人間は急速な成長が可能だ。「面白そうだ」が本心でも、カラ元気でも、それは大した問題じゃない。その一言を発し、最終的に一歩を踏み出す事実が全てなのだ。

フットサル大会優勝カップ
俺も今年で四十歳だが、まだまだ若い。このブログを読んでいる君達もそれ以上に若い。好奇心と勇気が枯れなければ、成長速度に年齢は関係ない。何歳になったところで限界もない。

逃避や、打算の就職はするな。そんな事を何度繰り返しても、君達の理想郷は手にはいらない。すれっかれてつまらない年寄りにはなるが、本質的な成長は実現できない。そもそも、君達の理想の就職先などこの世に存在しない。無能な人間が気持ちよく仕事できる現場などない。良い職場を探す前に自分の性能を上げろ。性能が上がるだけでも理想の職場は手に入らない。その職場が誰かに与えられたものでは、自分の思想と組織を融合出来ない。常に違和感を持つはずだ。

自分の時間を使い、エネルギーを使い、頭脳を使い、体力を使い、組織を作るのだ。組織を作る側にまわるのだ。多くをつぎ込む代わりに、達成感と理想の環境が手に入るはずだ。自分の理念も練り込まれ、愛着を持って接せられる組織がそこにあるはずだ。

理想の場所は誰も与えてくれない。自分達で作るのみだ。だから、冷めている奴、一歩退いて組織と関わっている奴は、自分では賢そうに振る舞っていると勘違いしているが、実際はただの馬鹿だ。自分が気持ち良く、ワクワクして仕事をしている未来を最初から放棄している。理想の場所が生涯手に入らない道を選んでいるのに、したり顔でいる滑稽な姿に気づいて欲しいものだ。


私は多くの若い方に、自分の可能性に気づいて欲しい。どうか自分を過小評価しないで欲しい。自分の人生を燃やし、何かを成し遂げて欲しい。自分の人生をかける価値のある仕事と出会って欲しいのだ。

だから、これからもHWSは多くの方の転機となるよう作り込みたい。多くの方が転機を得て、急激に成長し、自分の価値に気が付く場所としたい。今日も私は面接において、妥協無く、媚びることもなく、HWSイズムを応募者の方に話す。その尖ったHWSイズムが多くの方のチャレンジャースピリットを喚起し、熱と決意を与え、各人が望む未来へ進む為の舵を与えるのだ。

人生の転機は与えられる物ではない。
人生の転機は偶然流れてくる物でもない。

人生の転機は、自分の意思と熱で、無理矢理にでも生み出す物なのだ。


2008年01月07日 16:27

ガラパゴス(2)

今朝の朝礼で、疋田取締役が正月に観たテレビ番組の話をしていた。内容はガラパゴスに棲むイグアナの進化についてだ。

元来イグアナは陸で生活をしていた。主食はサボテンなのだが、餌の採り方がのんびりしている。サボテンの下でジッと花や実が落ちるのを待つのだ。当然、サボテン任せの食生活なので、不安定でもある。その内、食を求めて海に入るイグアナが現れ、現在の海イグアナに進化したと言われている。

最近では、海イグアナと陸イグアナの両方の能力を兼ね備えたハイブリットタイプが表れたらしい。時に海に入り海草を食べ、時に陸に上がってサボテンを食べる。しかも、海イグアナの特性であった長い爪を使い、サボテンに登って、実や花を食べるのだ。

環境の変化や必要に応じて柔軟に対応し進化を続けている。イグアナ達もそれなりにたくましい。

疋田取締役はこの番組を観ていて、エンジニアの未来を危惧したという。まあ、難儀な性格だ。

サボテンの花や実の様に上から流れて来る開発を淡々とこなすエンジニア達。彼らが市況の下落や、オフショアの台頭などの環境変化に対応出来る可能性は極めて低い。

彼らが次に生きる道を獲得するには、イグアナよろしく「海」に入るしかない。新しい能力を開発し、「海」に入れば海草が手に入る。イグアナの泳力にあたる新技能が、エンジニアにおいてはテクノロジー以外のビジネススキルだ。

本来、会社の上層部に上がるために必要とされるビジネススキルを持ち、「開発」の世界から「ビジネス」の世界に踏み込まなければならない。対人スキル、マーケティングセンス、提案力、財務、組織の統制などをテクノロジーの上に積みあげなければならないのだ。

そして、「陸(テクノロジー)」も「海(ビジネス)」も、侵攻できる新種として生き残るしか、道はない。

ビジネススキルを獲得し、再度テクノロジーの世界に戻ってきて欲しい。開発側から見ていた景色と違うものが見られるはずだ。その時は、サボテンの実は落下を待つものではなく、幹を登って摘み取るものに変わっているはずだ。


ビジネスの世界での進化も、動物の世界の進化も根は変わらない。生きるために必死に変化した者が勝ち残る。状況の変化に気が付かず、過去が続くと思っている種は滅びるしかない。

旧来のエンジニア達が滅びる姿は容易に想像出来る。自力でビジネスを作る技能もタフさもない軟弱な社会人が環境の変化を受け入れる事は困難だ。市況が変化しなくても、すでに30代後半からはコミュニケーション能力の弱いエンジニアは行き場所が無くなって来ているではないか。市況が良い昨今でそうなのだから、市況が下がった時にほとんどのエンジニア達がどの様に扱われるかは、自明であろう。

現状のITエンジニアの生活は、他業種の好調に支えられている。他業種が好調であり、設備投資があって初めて食を得る立場に過ぎない。その食は容易く市況に左右されるだろう。未来に企業や市況に左右されず、自力で生き残るにはどうしたらよい必死に考えなければ駄目だ。

運良く我々はイグアナではない。思考と意思の力で、未来を選択できる。人間として考える事から逃げなければ、必ず答はある。進む道はある。

多くのエンジニア達に警鐘をならしたい。既に、市況はピークを過ぎている。一年前だったら、プロジェクトを選び放題だったエンジニアが、今ではすぐに参画プロジェクトが決まらない状態だ。人余りと言うほどではないが、先行指標として下降を示す事象が表れてきている。

もう、あまり時間は無いのかも知れない。多くのエンジニアを救い、新しい道を作る戦いは、生涯続く。しかし、今の30歳以上のエンジニア達を救うには時間が足りなすぎる。我々の成功により、社会に影響を与え、多くのエンジニアの生き方に影響を与える為には、あまりにも時間がない。

HWSの為や、私の為ではなく、日本の未来の為に2008年は全速力で進みたい。

2008年01月04日 16:25

ローマは一日してならず

ブログをお読みの皆様。明けましておめでとうございます。

一応、慣例により挨拶から入らせて頂きます。

さて、本日からヘッドウォータースも2008年の営業を開始する。年度末まで後三ヶ月なので、今年の営業的な仕上げと来期へ向けての準備で、忙殺されることは容易に想像がつく。楽しみだ。

2009年入社の新卒採用も開始した。1月の28日と31日は会社説明会も開催される。ヘッドウォータースの名前は口コミでも、学生さんの間に多少認知されており、HPにアップする前から、参加申し込みを若干名頂いている。今まで組織の基盤作りもあり、ほぼ新卒は採用せず、スキルと経験のあるメンバーを集めて来た。組織の支柱が定まって来たので、いよいよ新卒にも門戸を開くことにした。

会社説明会と銘打っているが、私が話すのはHWSの主義主張だ。日本の現状を話し、日本の未来を話し、HWSのミッションを話す。そして、入社云々は別として、未来ある若者達が進むべき未来を説きたい。当然価値観の相違もあるだろうが、HWSの信念として伝えさせて頂く。正誤の問題ではなく、HWSの心意気として聞いて欲しい。私が直接話すので、普段このブログを呼んで興味を持たれている方は参加して欲しい。

ちなみに、社会人でも、就職活動中ではない学生でも、興味のある方は是非来場して欲しい。就職するかどうかは、お互いの主義主張をぶつけ合った結果なので、意図する必要はない。一つの縁が繋がれば良いし、人生の先輩として、ビジネスの先輩として、君達に渡せる物は許される限り渡したい。社会に影響を与え、人を育成すること自体が私にとっては生涯をかける事であり、君達が少しでも成長できれば、それが私の報酬でもある。

私が話すのは主義主張だ。会社の説明ではない。この主義主張がシュウカツ生にとっても、最も大事だろうし、そうでない人にとっても価値を感じてもらえるだろう。ブログでは伝えきれない、ビジネスマンとしての熱を、直接お会いして伝えたい。

話しは変わる。

昨日、「古代ローマ1000年史」という番組をやっていた。よくCMなどでも見かけたので、時間が合えば観ようと思っていた。ローマがヨーロッパ全土を席巻し、繁栄した理由などを時系列で、ドラマ仕立てで綴った内容だ。

無能な王を追放し、共和制を布いたローマ。しかし、既得権者の腐敗により国が荒廃し、帝政へと移行していく。会社経営で言えば、ワンマン経営者が無能な為、危機的な状況に陥った企業を、役員達が社長を追放し共同経営の姿を選択した様な感じだ。後に、その役員達が私腹を肥やし始め、優秀な一人の社員がその役員達をクビにしてワンマン経営をスタートさせ再度発展した様なものだ。

ワンマン経営はスピードと柔軟性において、最も優れている。発する理念やビジョンにも矛盾がない。唯一の弱点は、ワンマンが無能だった時に瓦解するしかないことだ。共和的な体制で経営をしても良いことはあまりない。「共同責任は無責任」と言う言葉もある様に、誰も責任と執着心を持って、事業を完遂しようとしない体制である。しかも、最終的に意見が分かれ決定しない物事も多い。ベンチャー企業の経営組織としてはあり得ない制度だ。

ただし、全員が経営者と同じ観点と責任感を持ち、有能な人間で構成された経営組織なら、ワンマン経営の上を行くかも知れない。「フォ・ザ・カンパニー」を本気で全員が遵守し、私欲は一旦棚に上げて、組織が勝利すれば自然と果実が手に入る様な感覚を共有出来れば、スピードも柔軟性も維持し、なおかつ隙が無い組織が実現できるはずだ。

ローマの英雄ユリウス・カエサルは莫大な借金を背負っていたという。ただし、その借金は、道路工事など公共事業に使い、市民に貢献することに喜びを感じていた節がある。

人の幸福を自分の喜びに変える。自己の利益よりも、大義や公の利益を優先できる。この様な人間がワンマン経営すれば、悪い方向に組織は行かないだろう。自己の利益を優先させると、組織にとって最適な選択を常にすることが出来ない。無私の境地を持たない人間がトップに立つと、無意識のうちに自己利益に組織の動きを誘導してしまう。組織を率いる人間は、名誉も、名声も、富も一端捨て無私でリーダーシップをとらなければならないのだ。

組織の勝利と、組織の大義を第一義として、いかなる場合でも公平に判断できる人間達の共和制が、HWSの目指す体制である。

大義に命をかけられるカエサルだからこそ、ローマ最高峰の英雄足り得たのだろう。ローマのリーダーとして君臨出来たのだろう。ただし、そんなカエサルも、既得権を守ろうとした元老員の小物達になぶり殺された事実も胸に刻む必要はある。

また、ローマがヨーロッパ全土に支配権を伸ばしていく時の戦略として、かつての日本の皇民化政策に近い策を採っている。日本の皇民化政策と違うのは、インフラや教育は輸出するが、宗教や言語などの同化政策は採らず、各民族のあるがままにまかせた所だろう。これにより、憎悪を持たれず、広大な領土の運営を可能にしている。

カエサルがクーデターを起こし、国権を奪取した時も、ローマの国力を削がない為にも敵側の兵を罰しなかった。この「寛容さ」によってローマはカエサルの時代に大きく伸長したのだ。

HWSが一線を越え、社会的に認知される企業になった後に、我々がローマのごとく伸長するためのテーマはこの「寛容さ」かもしれない。ただし、覇道を歩む前のHWSに必要なのは、「寛容さ」ではなく「苛烈さ」だ。メンバーの育成にも、付き合うパートナーにも妥協無く接する「苛烈さ」なのだ。


地中海に面した小国から始まり、ヨーロッパ全土を支配下に納めたローマ。この歴史を追う時に、HWSの未来と重ねて見てしまうのは偏執的であろうか。人間なんて何千年もたっても性根の部分は大して変わらない。恐らく、HWSが日本有数の企業になった時に、ローマとの多くの類似点を見いだせるだろう。

小国であるHWSは、先ずは野望に燃え、独自の個性に尖り続けなければならない。理想の実現に燃えることが第一だ。

HWSイズムを確立し、一定の領土拡大に成功した後は、「寛容さ」を持って、多くの企業に影響を与え、多くの企業の発展に貢献しなければならない。

そして、唯一無二存在として実社会にそびえ立つのだ。

その間、政治的な要素を含んだ組織体制の危機を何度も乗りきるのだろう。共和制と専制の間を何度も往復しながら、独自の文化を醸造するだろう。

ローマの繁栄と比べれば、HWSが日本最大最高の企業になるのは難しくない。そこに奇跡は必要ない。全員が理想の実現に燃えれば良いのだ。私の利得は全員で勝利した後に、自然と来る物だと理解すれば良いのだ。歴史が示し、繰り返してきた正しい道を、ひたすら歩み続けるのみだ。

最期に

HWSの会社説明会に来る若人に伝えたい。

営業なのか、技術なのか、企画なのか、経理なのかは実は関係ない。大事なのは、HWSの理想に共鳴できるかどうか。その理想を実現する為に自分ができる貢献を全力で行えるかどうかだ。

HWSの市民となり、共和制の中で経営権を持ち、理想を理解し、意思を持ち日々の仕事にあたる気があるかどうかだ。

会社に入社させてもらうのでもなく、会社に給料を頂くでもなく、自分の力で会社を牽引し多くの仲間を喰わし、理想の一翼を担う気概があるかどうかだ。

年齢も性別も関係ない。学歴も家柄も関係ない。必要なのは気概と、性根だ。

そして、最期には強靱なビジネスマンとして確立し、日本の経済界になくてはならない人として生涯を走り抜ける強い意志なのだ。


私はHWSを使ってこぢんまり儲ける気は毛頭ない。何度でも言うが、我々しか担えないミッションが無いのなら、HWSなど即時解散すべきだ。もし、私よりHWSの理想を実現する為に適切な人間がいるなら、いつでも社長のポジションを降りる。別に社長をやりたいわけではない。理想を実現し、自分の生涯を燃やし尽くして終わりたいだけだ。自分の才能を、自分の天命を試したいだけだ。

私の私欲でHWSを使わない事を公の場を借りて宣言する。だから、君達はHWSにおいて、利用されることも不遇に悩むこともない。

逆に環境に不満を言い、言い訳することはやめなければ駄目だ。才能や運のせいにして、自分の不遇を呪っても駄目だ。冷めたふりをして、自分の力の無さをごまかしても駄目だ。それでは君達は幸せになれない。満たされることもない。

つまらないプライドを捨てて、理想に燃えるのだ。失敗した時の恥ずかしさや恐怖に打ち勝って、自分の人生を賭ける道を定めるのだ。企業に頼るのではなく、自分の力で未来を切り開き生き抜くのだ。そして、自分の幸せだけではなく、自分を信頼し期待してくれた人々を幸せにするのだ。

若者よ、哲学を持ってくれ。未熟な君達の知識で打算を考えたところで、所詮正しい答は出ないよ。得を追うよりも、理想を追ってくれ。自分の人生を何につぎ込むのか考えてくれ。それが、君達の特殊性を育み結果としての安定ももたらすのだよ。浅はかに考えるより、熱に突き動かされるように生きたらどうだろう。どちらにしろ、安定など未来に無いのだから、せめて燃えられる時間を過ごす方が実は賢いのだよ。


こんな感じで生きても、俺は十分飯も食えているし、生きている事が楽しくしょうがない。仕事に向かうことが楽しくてたまらない。未来が楽しみで、ワクワクする。

こんな感覚で40歳を迎えたければ、一度会って、俺の熱を受け取って欲しい。