会長ブログ(株式会社ヘッドウォータース代表取締役:篠田庸介)

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2008年01月21日 14:09

86% !?

先日、どこで拾ってきた情報か定かではないが、HWSのメンバーが現時点での09年新卒者の内定率の話をしていた。86%の学生は既に内定を決めているとのことだ。

就職コンサルなどをする会社からは、「今からでは遅いですよ」「最近の大学生の傾向は・・・」などのアドバイスは多く受けてきた。ノウハウで言うなら、夏ぐらいからは採用活動を行った方が良いらしい。

しかし、冷静に考えてみてくれ。大学三年の冬休み前に就職活動をすることは道義的に正しいのだろうか?

昔なら「青田刈り」と言われ、批判を浴びる行為ではないか。ルールが変わったところで、本質的な道義は変わらないはずだ。

本来、稲は熟してから刈り取るべきだ。他に刈り取られる事を恐れ、青い内に刈り取っては、本来のうま味のある米にはならない。自己の利益の為に、稲本来の価値を殺す行為だ。

大学生の本分は就職活動ではない。あくまでも学問だ。本来大学とは、何のためにあるのか考えて欲しい。世界の人口の2/3が栄養失調であると、言われる昨今において、本来「生きる」と言うテーマは簡単な事ではない。元々は「生きる」為に学問があり、大学はあったのだ。

国家が生き残り、個人が生き残る為に、「指導者の育成」と「職業訓練」を目的として創られたのが、そもそもの大学だ。長い年月、先代達の努力により平和な日本が続いてきた。豊かだし、餓死する級友など皆無な時代が続いた。我々から下の世代は「生きる」と言うテーマを意識する必要なく育った。危機意識の欠如した若者にとって、大学の本来の目的は見えなくなり、人生を無為に過ごす場所となった。

社内プロジェクトMTG風景社会に出て仕事をするのが嫌なので、逃避しながらも社会的な地位を得るために大学に行く。大学に入ったくせに勉強を嫌がり、遊びに興じる。大学側もこれに対する指導力を欠き、学生も哲学の欠如から、より楽な方に流れる。

これが現状の大学の大筋の姿だろう。日本の競争力が薄れ、食にありつくことが難しくなれば、実力が問われる。本来、大学は社会に出て数年はアドバンテージを得る程度の実力を育める場所でなければならない。また、使命感を持った若者が、多くの人の為に自分の才能を使おうと、勉学に励み後に官僚などとなり国家の基盤を担う為に大学に行くのだ。

その為の学業が本分であり、学を十分修めた学生達が将来を探す行為が就職活動ではないか。よって、より学が成った段階で判断する為にも就職活動は遅い方が良い。

ぬるい温室で実社会と接点を持たず過ごしていた学生生活から、熱湯の様なビジネス界へ移行する間には価値観の変化は日々起こる。大学三年の秋と、大学四年の夏で同じ価値観である可能性は少ない。就職活動を通して、少しずつ現実を知り、価値観を急激に進化させるからだ。

だから、昔は各企業の良識の元に採用活動に解禁日を定め、守ってきた。青田で刈らない方が、日本全体に良い人材を送り出すという観点から言えば、当然の事だ。

何でもかんでも自由化すれば良いわけではない。最低限の社会性があって、その上に自由は乗るはずだ。社会性や良識を考慮せず自由を行使できるなら、世の中は犯罪だらけになる。

良識があれば、早期に内定を決めず学生達にもっと広い視野を持たせるべきではないか。企業も学生もマスコミや情報に踊らされているのではないかと思う。「早く内定を決めないと取り残される」と言う強迫観念に学生も企業も乗せられているように感じてならない。

原理原則に従い進めば良い。採用活動は人と企業がその人格を摺り合わせる大事な儀式だ。企業の人格も、個人の人格も問われる。そんな場だからこそ、手段やノウハウで採用をしようと思わず、自社の主張や精神性にのっとって採用活動をすべきだ。

よって、HWSでは多くのアドバイスを無視して、自社の主張通り採用活動をこれから本格的に始める。86%の大学生に内定が出ていようが、他社様の動きはどうでもよい。我々の主義主張のまま動くだけだ。そして、その主張に共鳴する仲間を集うのみだ。これからHWSと出会い、理念に共鳴して道を定めてくれる人を探すのみだ。

HWSの主張にそって考えれば、現段階で内定率は86%ではなく、ほぼ0%となる。

HWSは唯一無二の存在として自信がある。他社とHWSを比較して入社する馬鹿もいないだろう。HWSのあり方に共鳴出来る人間は、他社という選択は自然となくなる。逆にHWSに共鳴出来なければ、この道はない。その程度の個性はある。

シュウカツ生の皆さんは多くを見るべきだ。君達は自分が思っているより、何倍も未熟だ。就職活動の時期は、自分の人生と真剣に向かい合える貴重な時間だ。安心を得るために、見栄を満たすために、早期に内定を取って喜んでいる場合ではない。

どの会社に就職するかも大事だが、もっと大事なのはどんな決意を持って君達が社会に一歩を踏み出すかだ。自分にとって何が大事で、自分の人生を費やして何をするかを真剣に考えるのだ。その時間は長い方がよい。結論が出ない苦しみは長い方がよい。

企業の哲学や、理想に触れ、温室から出た後の、実社会のシビアさと面白さを感じ取り、希望と覚悟を持って社会に一歩を踏み出して欲しい。

HWSにとって、採用活動は一つの啓蒙活動でもある。就職するかどうかは結婚みたいなもので、縁が無ければ成立しないし、全学生と結婚するわけにもいかない。

最終的に就職にたどり着かなかったとしても、多くの若い方に刺激を与え、きっかけを作り、共に日本社会で戦っていく仲間として羽ばたいてくれればと思う。

日本の現実を教えたい。日本が世界と戦い生き残る道を教えたい。一人の人間が出来ることは思ったより大きいことを教えたい。学生の時代が一番楽しい訳ではなく、自分の力でで、リアルな世界で戦う社会人の方が格段に面白い事も教えたい。

教えたい事は山ほど有るし、その結果つまらない大人ではなく、何歳になっても希望に燃え、自分の人生に燃える人達が一人でも育ってくれればと心から願っている。

その為の啓蒙活動を今日も地道に続ける。

HWSの採用に関しては、理想に共鳴出来るなら20名でも30名でも採用する。そこに納得がいかなければ、一人も採用しなくても良いと思っている。数合わせの採用はしない。お互い心から求め合うスタートを目指したい。