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私のビジネス上の失敗を振り返ってみる。営業に長けていた私は、それなりに事業を運営する事に苦労しない。また、資金が無い時は社長兼経理で五十名程度の社員数までは、決算の準備から、年末調整まで自分で行った。日々の帳簿つけも自分でやっていた。財務的な知識も経営者としては平均以上であるとは自負している。
何よりも組織作りの経験と、実行力については経験的にも日本では特殊な位置にいるだろう。
奇抜な発想力など、才気溢れた事業は出来ないが、努力により後発的に身につける技能に関しては、それなりに自信がある。
よって、財務的な破綻も、組織的な崩壊も経営上経験はない。これに関しては早期に対処して手当出来る。
こんなバランスの取れた経営者であるはずの自分が懲りずに何度も失敗している事がある。
私自身、投資や投機のたぐいには興味がない。それは自分自身を事業家として強く規定しているからだ。投資家になる事にモチベーションも持たず、蓄財に興味もない。勉強がてら、株なども少しやった事はある。語るほどのノウハウも経験値もない。
よって、常に私の興味は事業の実体の方にあり、経済の側面でもある株式がらみの話には表面的な知識を得るに止めて来た。
しかし、株式は投資やレバレッジという話のみではなく、経営の実体とも深く関わる部分がある。企業統治という側面から見た場合株式は重要な意味を持つ。
私自身の失敗を振り返れば、この企業統治に無頓着だった事だ。自分の経営者としてのリーダーシップと人格、そして実行力があれば株式の保有比率など、どうと言うことは無いと言うスタンスでここまで来てしまった。
結果、会社が良い時も、会社が状況的に悪くなった時も、組織を統治しきれず苦労してきた。社長として部下の信を失ったことはないと思っている。いつも苦労するのは他の株主、ボードメンバーとの関係だ。
私自身は、お金を稼ぐという意味での経営者と言う面と、教育者として、思想家としての側面がある。これらは、高いレベルでは一体化するとは思うが、低層的、短期的には相反する場合がある。この教育者として、思想家としての面を理解して頂けないと、利益を上げボードメンバーを達が報酬を得ると言うことを中心に考えている人とは意見の相違が生まれる。
まあ、簡単に言ってしまえば、全社的に見たり、社会性という面で言えば正論だが、あまりに過激な主張過ぎて、他の経営陣に受け入れられない事が多いのだ。ボードメンバーの即時的利には、全く頓着しない主張だからだ。
危機が訪れた時は、当然強いリーダーシップの下、求める理想の一致が必要だ。当然、発言や行動はより剥き出しになり、過激さを増す。今までごまかしが許されていた相容れない部分が明らかになり、共に経営することが不可能になる。
会社の状態が良い時には、経営陣はお手盛りで利得を奪い合う事が多い。これを抑制して、適切な報酬を取り、事業を前に進めるために全力を投じる為には、克己心が必要だ。意識して克己をしている人間と、利得を得るための理由付けを探す人間とでは、相容れない主張の違いが生まれる。共に経営をすることはやはり不可能だ。
自分が経営者であったとき、その他のボードであったとき、何度もこれらの主張でぶつかった。私自身は克己の上での正論をぶつけるので、相手側には反論の余地を与えない。自分で言うのも何だが、会社の為には、最も良い方向性を過激なまでに打ち出すので、反論は出来ないのだ。ただし、他のボードに受け入れられるかは別問題だ。
結果、方針の違いにより、経営陣は空中分解してしまう。この様な事が何度かあった。社員と取引先には迷惑がかからないように手当はするので良いが、理想の実現の為には随分遠回りをしてきた。
この様な時に、経営の実態と株式の保有率を両面からしっかり堅持しておけば、法的にも実体としても、私を中心に事業を継続するだけで良いのだが、株式の保有に無頓着だった私は、ボードメンバーで適当に株式を持ち合っていた。法的な面から見れば、ちゃんと運営されていた企業を無傷で継承して行くことが出来なかった。
これにより学んだ事が二つある。
一つは、ボードメンバーは理念の共有でのみ募ると言うこと。利害の一致や、状況によってボードメンバーを編成することは、後に禍根を残す。理念、理想が共有出来るメンバー以外は、いかに能力が高かろうが、巨大なアライアンスを持っていようが、ボードメンバーにはしない。
HWSでは過去の反省を活かし、これに沿った人間しかボードメンバーにしていない。これから企業の拡大と同時に、ボードメンバーの増員が必要だが、このポジションにはPMを経て、実績と理想の一致を乗り越えなければ獲得させない。他社から優秀な人間をヘッドハンティングする事もしない。優秀な人材は自社にて育ってもらう。
もう一つは、私が完全な議決権を持てる分だけの株式を保有すると言うこと。七割以上の株式を私が持たずして、経営はしない。これも後に禍根を残す。私が企業の良心として、企業の理想を実現するための最終砦として機能するために必要な割合だ。
経営の実体と統治権が分離している状態では、必ずその矛盾から後に争いが起こる。私自身、事業の立ち上げや運営、組織の掌握には圧倒的な実績と自信がある。その実体と、法的な統治権が別な場合に、方向性の違いが生じればトラブルは必ず起こる。
IPOの直前になれば、より公的な存在として決意があるので、割合は変わるが、それでも過半数の株式を保有しない状態は考えていない。
HWSはそもそも、理念と理想の共有で全てのメンバーを集め、機能している。それが実現出来ないのなら、HWSとしての存在価値がない。
HWSのあり方を支持して頂き、多くの投資機関の方々がIPOの向けての、投資を希望してくれている。ありがたい話だが、後に不満を言われたくもないので、この様なHWSのあり方については、この公のブログでも、お会いした時にもクギを刺させて頂く。それで、異論が有る場合は投資をして頂かない方が良い。IPOを実現したとしても、株主総会にて同様に主張し続けるつもりだ。
理想の共有無くして何のHWSか。尖った個性が無くなって何のHWSか。
その為に必要なHWS独自の意志は、私が一命を賭して守る。利も地位もとうの昔に捨てているので、私には怖い物は特にない。HWSという存在を世に出し、我々メンバー全員が人生を投じるに足る偉業をひたすら狙いたい。
今回は少し、込み入った話なので、多くの読者にはイメージが湧かない内容かもしれない。しかし、読者の皆さんが経営組織の中枢に行けば行くほど、今回の内容から受ける啓示は多いはずだ。
多くの若い方が、今回の内容を実戦の中で噛みしめる日が来ることを心から願っている。
そして、私の、HWSの意志を強く世に打ち出し、HWSとの関わり方を多くの企業にご理解頂ければ何よりである。