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最近、社内体制強化の為に管理部門の採用を進めている。企業内情報を一括して処理する部署なので、採用基準は他の職種とはちょっと違う。
応募者が面接にて、自分の実務能力や実務実績を主張するケースは多いが、あまりそこに注視していない。実務能力は入社の段階であるに越したことははいが、長期での就業をお願いする訳なので、よっぽどの特殊技能でない限り時間と共にキャリアの差は埋めることが可能だ。素材が良く、真面目な人間であれば一定の処理などは一年もあれば覚える。
大事なのは、現状の実務能力よりも性質的な部分だ。
管理部門は会社の情報が一極化する部署なので、経営者と同等の情報をリアルタイムに得ることが出来る。あくまでも、現場感ではない数値情報だけではあるが、一般的に言われる経営情報はすぐに閲覧出来る。
この立場に着いた人間が道を間違えると、会社にとっては大きな損失となる。道を間違えるパターンは大きく分けて二つ。
一つ目は自分の立場を勘違いし、自我を膨張させるパターンだ。
つまり、経営情報が集中し、現場に対してやれ書類を出せだのルールを守れだの言える立場にもなる。最初は職務として、その役割を実行していた者が、時を経てそれが自分という人間に属する権能の様に思ってしまう。
簡単に言えば、自分は偉いと勘違いし、発言や行動の節々にそのいやらしさが滲み出るのだ。当然、現場からは反発を買うようになる。その担当が提案する新しい社内規程などには、誰も協力する気が起きなくなる。愚痴や不満が蔓延する職場で、実務の生産効率が上がるわけもない。
いずれ、その批判は、管理部にその人間を採用した会社や経営陣にも及ぶ。組織は崩壊する。
多くの情報を得る人間には自制心が必要だ。また、経営的な視点で物事を推進できるように勉強もしなければならない。人格もマネージメントスキルも極めて低レベルなのに、過分な情報を得てしまうので、人格がねじくれ人として受け入れ難い姿なってしまうのだ。だから、人格を鍛え、経営を学ぶ人間ではないと、管理部としての任を背負うことは出来ない。特に、経営者と管理部が近いベンチャーにおいて、管理部の人間には何よりも人格の良さが求められる。
二つ目は、職務意識の欠如から経営情報を外部にペラペラ話してしまうパターンだ。
組織には序列がある。HWSでは、役員と事業部長以外の役職がほぼ無い。構成としては極めてシンプルだが、それでも組織戦を仕掛けるための組織構成はある。
経営情報は正しいルートを通り、上長から流れなければならない。上長はメンバーを経営的な立ち位置に引き上げる為に、あらゆる経営情報を教育ツールとして使う。そして、その経営情報から自チームのミッションなどを導き、メンバーと共有しなければならない。
その経営情報が特殊なバイパスから垂れ流されていたら、上長が見込んだ教育は出来ない。また、伝わり方が変われば上長とメンバーとの信頼関係にヒビが入ることにもなりかねない。
オープンでフェアを標榜するHWSではあるが、それは経営情報を垂れ流す事を指していない。メンバー全員を経営的なスタンスを取れるように育て上げ、経営情報も戦略も共有し、各人が機動的に判断し動ける強靱な組織を目指しているのだ。その組織を持ってして、HWSの理想を達成するのだ。
メンバーに媚びるためにオープン&フェアを謳っているのではない。そんな軟弱な経営者として見られたら心外だ。
余談だが、理想に共鳴出来ないメンバーなど必要ない。再三再四言うが、誰でも出来る仕事を焼き直す為にHWSを設立したわけではないのだ。前人未踏の仕事を全力で創り上げる為の同胞を集めているのだ。誰も共鳴してくれないなら、一人でも推進する。設立当時に戻らなくてはならないが、再度一人からでも理想を追求する。そんな覚悟は常に持っている。
「武士道とは死ぬことと見つけたり」の心境だ。
だから、メンバーの愚痴も言い訳も一切却下できる。未熟な人間は正面撃退し、指導しなければ自分の未熟さに生涯気が付かない。メンバーをフォローするような制度も潤沢に整備しようとは思わない。全てをHWSの理想を達成する為に研ぎ澄ませていくつもりだ。
HWSでは、全メンバーを経営者として通用する人材に育てたい。そのスタンスから言えば、愚痴も不満も自ら動いて解決する問題だ。当事者意識も無く、体制に不満を言いながら心を慰めたいなら巨大企業に行くべきだ。その閉塞感を嫌い、自らの力で現状を変える自由が欲しくてHWSに集まって来たのではないのか。
自分の評価も、自分が標榜する会社の体制も、高い貢献度と共に主張すればよい。何よりも、自分が覚悟と決意を持って、リーダーとなり理想を提示し会社の舵を取れば良いのだ。
以上、余談終わり。二つ目のパターンに話を戻す。
経理情報などを握っている人間が、ちょっと得意気に同期の他部署の社員に内部の話をして、気持ちよくなっている姿は容易に想像がつく。よくあるパターンだ。社内だけならまだしも、その様な人間は機会があれば社外にも情報漏洩するだろう。悪気もないはずだ。幼稚で馬鹿なだけだ。
これらの悪気無い無能者のせいで、企業は情報漏洩のリスクを常に持ち、社内の組織運営にヒビが入る。最悪だ。
だから、管理部の担当者は先ず人格で採否を判断しなければならない。人間としての基本的な性質を重視し、採用を薦めるべきなのだ。
基本的に、おしゃべりは駄目だ。話し好きは良いし、話す力は管理部とて必要だ。しかし、無駄な話を延々としたい人や、何か大事な事を知ると人に話さないとストレスが溜まってしまうような人は管理部には向かない。
知ったかな態度で、人に「すごい」と言われると、心が満たされる様な奴も駄目だ。虚栄心が異様に強く、常に認められたいと思っている人間も駄目だ。バランスが取れていれば良い。この手の人間は、中身が無い自分を凄く見せるために、職務上知り得た情報を披露する。誰もそれで凄いと心では思っていないところが滑稽なのだが、本人は自慢げに語り満たされる。
批評家も駄目だ。こいつらには当事者意識や責任感がない。言うだけ言って、後の責任はとらない。当事者意識がある人間は簡単には何かの批判は出来ない。全て自分に返ってくるからだ。
精神的に弱い人間も駄目だ。何故なら、経営が上手く言っている時は良いが、会社がリスクをかけたチャレンジをする時や、財務的にギリギリの線で進んでいる時など、耐えられなくなって周りしゃべりまくってしまうからだ。これにより、社内の志気が下がり倒産に追い込まれた企業も多くある。自分の軟弱さから、職務を放棄し、情報漏洩を繰り返すのだ。
要は、真面目で素直で、性根が良い奴が望ましい。こう考えると、エンジニアでも営業でも同じなのかもしれない。基本的な性質が曲がっている人間に一定以上の成長は難しい。作業員に対しては性質よりも腕を求めるが、リーダーとなり組織の中核を担うなら腕よりも性質だ。腕の足りない部分は組織力で埋めれば良い。
最後に
結論で言えば、いずれの部署であれ、当事者意識やプロ意識が必要だ。これが無い人間は自ら「仲間」ではなく「従業員」の道を、自ら選んでいるのだ。
信頼をして欲しい、評価をして欲しいというサラリーマンは世に多くいる。しかし、二十代、三十代の作業員の時期は良いが、一線を越え経営に近いリーダーとして評価してくれ、信頼してくれと思うなら、相応の行動が必要だ。相応の発言が必要だ。
自分の行動や発言がリーダーとして満たされていなければ、本来であれば経営に口を出す資格もなく、何かを批判する資格もない。これが社会のルールだ。
信頼も評価も一線を越えた後は、上から降ってくるのではない。自分の意志で、その任を担い成果を出し勝ち取るものだ。作業員としての評価や価値など、一度捨ててしまえば良い。それに頼ろうとするから、作業員から抜け出せず歳を重なるのだ。
自らの力で、組織を勝利させて欲しい。作業員としての価値を捨て、事業という新たな世界で新しい価値と実績を創造して欲しい。HWSが取り組むエンジニアの革新は、実はマーケット攻略よりも、ビジネスモデル構築よりも、この意識改革の成否にかかっている。これを全メンバーが実感し実践出来るなら、日本を変える様な事業も容易に思えるはずだ。