| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
| 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
| 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
| 29 | 30 | 31 |

世の中には、現場の事が気になってしょうがない社長がいる。基本的に真面目な性格ゆえだろうから、仕事に飽きて業務をサボる経営者よりは良い。しかし、社員が何十人と増えて行っても、全ての業務を自分が把握し指示を出さなければ安心出来ないのなら、組織の成長は止まる。
経営者は会社全体の事象を把握しているので、通常判断材料をメンバー達より多く持っている。また、経験もメンバーに比べて豊かな場合が多いので、自己の判断とメンバー達の判断とのギャップなどに当初ストレスを感じる。もっと上手いやり方、もっと的確な選択があると思い、社員に一々指示を出したくなる。それが続くと社員も正しい判断を考えるより、社長に怒られない判断を考えるように習慣づけられる。
当然、メンバーの成長もなく、組織の成熟も実現されない。
そこまで気を配ってストレスをためて指示を出しても、実のところ成果は大して変わらない。メンバー一人一人が自分の意志で責任感を持って動いた方が、多少の間違いはあっても成果に執着するのでパフォーマンスは高くなる。
未来のメンバーの成長を考え、組織の発展を考えれば思い切って任せてしまった方が実入りは大きい。
しかしながら、細かく指示を出してしまったり、実務的なタスクを部下に渡せない経営者の気持ちも分からないではない。最終的に会社が傾き、破産するのも経営上多くの連帯保証をしている社長のみだし、これを配慮して自分を守ってくれる人間は自分しかいないと言う強迫観念に縛られる事も心理的にはあるだろう。ある意味、現実でもある。
特に現在の市況下では、社員に任せられないとばかりに成果にかかわらず、全てに口を出したい経営者の心理も分かる。ただし、口を出したから業績が上がるわけではない。厳しくなって経営者があたふたしては、上がる成果も上がらない。率先垂範して、背中を見せるのは大事だが、不安に駆られて右往左往することは区別しなければならない。
話しは少しとぶが、この間の日曜日に弊社のサテライト・オフィスに行くと09年の新卒達が10年の新卒の内定者研修について議論を交わしていた。今年の経験を踏まえて会社に入社する前の人間が、未来の自分達の後輩の育成について熱く議論を交わしている。冷静に考えると異様な光景だが、これがHWSの文化だ。
HWSの現メンバーすら知らないところで、HWSの未来の為に汗を流している仲間がいる。
先日、営業の人間がどうしてもクライアントの為に対応したい案件があり、社内でメンバー達に協力を呼びかけた所、面白い開発や楽な開発ではないが、会社の為なら何とかしましょうと言うことで、多数のメンバーが対応を志願してくれた。自分の好き嫌いや、大変さなどを横に置いて、仲間と連携する姿がHWSには普通にある。
クライアント先で弊社の関わりの無い部分でサーバーの不具合が生じた。関係ないと言えば無いのだろうが、出来ることは対応しようと言うことで、スキルマッチする社内のエンジニアに担当者が協力要請をしたところ、対象となる全メンバーから協力のリアクションがあった。最終的には自分が受け持っているプロジェクトが忙しいので、時間が空けられないはずのメンバーが夜の7時過ぎに駆けつけ、数時間で全てを解決したとの事だ。
ちなみに全メンバーは自分の業務を抱えているので、それをこなした上での協力となる。文字通り身を挺して、仲間のため、組織の為に動いているのだ。
多少手前味噌の話しに聞こえるかもしれない。しかし、不況下で組織をあげて生き残るというのはこういう事なのだろう。
見えない所で頑張っている仲間がいる。たまたま情報として知り得た件以外にも見えないところで様々な尽力があるはずだ。一つ一つのメンバーの頑張りは知りたいが、知らなかったとしても恐らく英知を尽くし、全勢力を持って各所で仲間達が戦っているだろうことは想像に難くない。これには絶対的な信頼を持てる。
これらは、全ては私を含めた役員や事業部長の指示ではない。各メンバーが組織において一番必要な事は何か、自分がどう動けばHWSとして正しいのかを考えて動いたのだ。
経営者が一々指示を出したら、こんな動きは出来ないはずだ。私が予想する以上、私が指示する以上の動きを、メンバー達が自己判断で行っている。
強い組織は、経営者が見ていないところで当たり前の様にファインプレーをする。このファインプレーは細かい指示からは生まれない。前線で身体を張って戦う各人の姿勢からしか生まれない。
これだけ機動的に、適切に動かれては現場を常に監視して口を挟む必要がなくなる。無くなった分だけ、経営者は組織の未来を創るべく動けば良い。
組織には良性循環か悪性循環か、どちらかのサイクルしかない。
経営者が不安に駆られ、カリカリとしてながら社員の行動をチェックしていては、良性循環は作られない。
メンバーを信じるから任せる。その信に応えようと頑張り、見えないところでファインプレーが生まれる。それを伝え聞き、リーダーは更に大きな裁量権をメンバーに付与する。メンバー達も仲間の見えない所の頑張りを信じ、仲間達に負けぬよう自分の成果に執着する。
見えない所の仲間の頑張りを信じられるかが、組織の熟成具合を計る一つの指針となろう。
良い組織の中には、見えない所でサボる奴はいない。見えない所の仲間の頑張りを思い描き、自分のモチベーションにする奴らがいる。
こうして良性の循環は生まれるのだ。
不況下では、組織の真の力が試される。この様に発言する経営者は多いが、言うほど簡単な話ではない。昨今になってそんな話をし始めたとしても、メンバー達は聞く耳を持たない。試されているのは、今のパフォーマンスではない。この市況になる何年も前から、どの様な組織を作り、どの様な文化を組み上げたのかが問われているのだ。試されているのは過去の歳月をどう使ったかだ。今の空元気を試されているのではない。
よく組織の文化は大きくなると薄まるという。強い目的意識や、自組織に対するロイヤリティーも規模と同時に希薄なると聞く。
HWSはこの常識に真っ向から対抗したい。本来、組織の文化は規模が大きくなればなるほど、強く深くなる。仲間達の見えない頑張りを信じるなら巨大組織の方が、より自分のモチベーションは高まるはずだ。多くの仲間の期待を感じ、多くの仲間との連携を志向するなら、一人一人のモチベーションや動きの質は規模が大きくなるほどに高まるはずだ。
今ある良性のサイクルは、規模が大きくなるほどに拍車がかかり、強い力をうむはずなのだ。
多くの方が、無理だと否定する未来に挑みたい。HWSの課題は組織が大きくなったときに今の体質を維持できるかだという提言をよく頂く。極めて常識的で真っ当なアドバイスだ。組織を研究し、組織をよく研究し、作り続けてきた私も当然この事は理解している。その上で世界中の組織が実現できない非常識な良性循環をHWSにおいて実現したいのだ。
HWSでは、年に一回自分が所属する事業部を選ぶ事が出来る。どの事業部で次の期に活動するかを決め為に、二月度の総会では各事業部長が指針プレゼンを行う。それを聞いて最終的に自分が所属する事業部を決めるのだ。
先週の金曜日は、その総会があった。まだ入社前の09年内定者も自分が所属する事業部を選定すべく総会に出席した。彼らも、自分が所属する事業部を選択することが出来る。もっとも、事業部長が受け入れてくれるかという問題もあるので、我が儘に所属を選ぶ事は許されない。
事業部長達の発表も様々だ。
パワーポイントを使って巧みプレゼンをする人間もいれば、トーク一本槍でエモーショナルなプレゼンを行う者もいる。現在、海外に長期出張中の山田事業部長は、音声入りのプレゼン資料を作成し、不在ながら見事な発表を実現していた。なかなか面白い。
木村事業部長の発表なども良かった。
こんな人材を募集しています
・面白そうだ。是非参加したい
・WEBの技術を学びたい
・たくさん稼ぎたい
パワーポイントの画面で、この三項目が表示された後の次のクリックで、大きな×が表示され三項目が消された。上記の様な動機で参加する人間はいらないと言うことらしい。
本当に欲しい人材は
・事業部に利益を休みなく入れられる
・新規事業の為に身を粉にして働ける人
・事業の成功をイメージ出来る人
との事だ。(木村事業部長談)
これもHWSらしい。メンバーにも媚びず、主義主張を持って事業部の未来や、組織への貢献を考えている。入社の段階から求められるスタンスなのでHWSのメンバー的には違和感がないだろう。
面白そうだと思って入社する人間は、仕事が先へ進み困難に当たったときに辞める事になる。苦境へのチャレンジも含めて面白いと言う意味なら良いが、業務自体が面白そうだという人間は、目先の感情に流されているだけだ。感情に流される人間は、マイナスの感情にもすぐに流される。苦境下では、辛い、つまらない、と言った感情にすぐ流される。よって、長期の戦いの中で良いときも悪いときも運命を共にする仲間としては受け入れられない。
技術を学ぶ為に会社に来るに人間もいらない。会社は学校ではない。技術を学ぶのも、ビジネススキルを身につけるのも、組織に貢献し、組織の理想を達成する為だ。個人がスキルを得る為に組織が存在している訳ではない。そのベースを理解していない発言は受け入れられない。結果として様々な技術を身につける事は多いだろうが、それが目的では駄目だ。基本的なスタンスが間違っている。スタンスが間違っている人間とビジネスをするといずれ必要のないストレスに苛まれる。最初から手を組むべきではない。
沢山稼ぎたい。これ自体は間違いではない。ただし、「沢山」稼ぐには時給で自分の時間を切り売りしては駄目だ。小銭を稼ぐならちょっとスキルを上げて要領よく動けば良い。しかし、「沢山」稼ぐなら、その為の仕掛けをしなければならない。大きな組織を作る、新しい事業を構築するなどの行為が必要だ。この仕掛けが構築されるまでは、お金は稼げない。目先の小銭を無視して、大きな発展を狙わなければ巨大な利益を得られない。当初は得ではないし、稼ぐことは出来ない。
努力してからリターンが来るまでの間にはタイムラグがある。大きなリターンを志向すればするほどタイムラグは大きい。その間は滅私の中で、未来を信じて突っ走るしかない。事業家とはこの様なものだ。サラリーマンの様に何時間会社にいれば、いくらもらえるという仕事ではない。自分の労力や時間を注ぎ込み、リスクに挑戦し、リターンを得るのが事業家だ。注ぎ込んでいる最中にリターンはない。
これらのスタンスがHWSでは常識となっている。少なくてもHWSスピリッツを理解しているメンバーの間では当たり前となっている。構築すべき企業の文化をよく理解した上で事業部の方針を語る姿は頼もしい。
木村事業部長の実例を挙げたが、大なり小なり各事業部長達はHWSスピリッツの体現を狙っている。この姿勢が組織の隅々まで行き届けばHWSが市況に関わらず衰退することはない。HWSの成功は確定していると言っても過言ではない。商品内容や事業戦略は組織文化の吐露だ。組織文化が無い中に、気の利いた戦略や商品が投入されてもブレイクしないだろう。逆に、この組織文化が息づき続ければ、市況や商材が凡でも、成長軌道を外れないはずだ。HWSの存在自体が競争力の根源となる。当たり外れの問題ではない。
私が総会の最後で話した内容で、この項を締めたい。
自分が行きたい事業部を選ぶな。自分が楽しめそうな事業部を選ぶな。自分の感情や、やりやすさなどどうでも良いのだ。自分が一番組織に貢献できるチームを選べ。HWSのビジョン達成の為に、一番自分が貢献できるチームを選べ。滅私の中で、組織の勝利を最優先に考えれば、自分が所属すべき事業部は自ずと明らかになるはずだ。公人として、己の未来を定めよ。
先週ベトナムから帰国したが、この時期は会社説明会やら新卒の面接やら立て込んで、隙間無く予定が埋まる。これもHWSの未来に必要な時間だ。
業務の方は多少のトラブルがあっても、現場レベルで何とかしようと全力で動いている。この市況下で楽なことばかりではないが、業績も組織の強さも段々上がって来ている。HWSのメンバーの恐るべきところだ。
若山が社長としてベトナムに赴任し、最大の事業部のリーダーがいなくなった訳だが、その中から三名が新事業部長として名乗りを上げ、承認を得ている。新しい力がHWSを更なる高みに上げることを期待したい。
ベトナムに赴任した若山も責務に対するプレッシャーで今頃は悶々としているだろう。彼は責任感が強すぎるせいか、成果に対して極めてシビアだ。当然、自分に対する要求も高い。早期に成果を出すべく奔走するだろう。そのプレッシャー故に飯が食えなくなるときあるかもしれない。あまりの重責に飯がノドを通らない経験も何度かした方が良い。それもビジネスパーソンとなるための糧だ。
対ベトナムの戦略やビジョンはあるが、そう簡単には成果に繋がらないだろう。先ずは成果を抜きにして、全メンバーと毎日少しの時間でもコミュニケーションを取り合い、お互いを理解し合うことだ。時間を使い寝食を共にし、良いチームが作られる土台を作るのに数ヶ月使っても遠回りではない。
この部分は理屈ではない。感情を育む必要があるのだ。
今回のベトナム出張では、仕事が終わった後に夜の8時から現地のメンバーとサッカーもやった。延々と一時間半もノンストップで紅白戦をやった。共同でベトナムの企業に出資をした盟友、バリストライド社の畠山社長も今回一緒にベトナムに来ていたので、別のチームに分かれて戦った。
運良く私の決勝ゴールで勝利した。スコアは3対2なので接戦だ。ちなみに畠山社長も1得点華麗なシュートを決めているので、日本の技術を見せつけた感じか・・・。または接待サッカーか・・・。
サッカーの後はオープンエアでチープな店で宴会となる。12時過ぎまでみんなで飲んだ。ベトナムでは未だ一気の文化がある。昔の日本を見るようだ。私も最近ではここまで飲んだことは無いくらい痛飲した。若山社長はベトナムのエンジニア達に両側を支えられながらトイレに運ばれていた・・・・。
「日本から資金を持っているお偉い社長が来た」「株主が視察に来た」という認識を突破するのに、万の言葉を尽くすより、共に汗を掻き、酒を飲んだ方が良い場合もある。「我々は仲間だ」「共に未来を目指そう」という事実を腑に落とさせる為には、お互いをさらけ出す事が必要だ。
その日の朝から夕方までは、リーダークラスのメンバーと会社のビジョンや戦略について話し合った。どうすれば会社がもっと良くなるかの意見もヒアリングした。そして、己の会社として考えるように諭しもした。それらが実感として彼らの腹に落ちるには、我々の熱意と、仕事を含めた人生を共にする多くの時間が必要だろう。
若山社長就任のキックオフとして良い時間を過ごせた。
アジアでビジネスを展開するには、戦略性や語学力以上にタフさが必要だ。精神も体力もタフでなければ、任務を遂行出来ない。身体も動かし、酒も飲まなければ彼らに受け入れられない。血の通った組織を構築出来ない。
また、これから現地のメンバーを一流のビジネスマンとして育てようとすればするほど、抵抗があるだろう。普通のエンジニアに、今まで以上の努力と成果を要求する上で、対応出来ないエンジニア達からは「ベトナム流と違う」という反撃をくらうはずだ。国を越えたビジネスを展開する時、両国の担当者達は失敗した時に言い訳として、必ず文化の違い習慣の違いを挙げる。しかし、それを理由にしては何も出来ない。苦難はあるから、チャレンジする価値はある。それを突破してこそ、担当者の存在価値があるのだ。若山はその辺を十分理解しているが現地のメンバーに教育するのは一苦労だろう。実際はビジネスをする上での理屈は大差ない。
就任当日から、若山は現地のメンバーに四十歳の時に欲しい収入額と就きたいポジションについて質問していた。ベトナムのエンジニア達は国の成長も含めて30万円から50万円程度は月収で欲しいと言う。欲があることは悪くない。そして、ベトナムのメンバー達は、その金額を取るためには営業やマネージメントを鍛えなければならないという自覚もある。
若山社長が要求したのは、「マネージメントや営業は教える。しかし、その為に会社が終わった後の時間や日曜日に会社に出てきて学習する気はあるか?」と言うこと。
他社のエンジニアと同じ時間を使い同じ開発をして、君達が抜きんでられるはずは無いだろうと言うこと。欲しい未来を実現するのは決して無理ではないが、その為に代償を払えと言うことだ。
ベトナムのメンバー達は二つ返事で「イエス」と答えていた。これも頼もしい。若山のスタンスも正しい。現在のHWSのメンバーも、こうやって鍛えて来たのだ。
これからベトナムの会社も数々の困難をむかえるだろう。その全てを糧として、若山を中心にベトナム最強の組織を目指して欲しいものだ。アジア全体が互角の国力の中で連携を保ち、グローバルなビジネスを展開する未来を実現したい。その為の試みをHWSは今後も続けていこう。
ここ最近は風邪が流行っているらしい。私自身は自分が風邪になることを認めていないので、元気なものだ。
HWSの管理部の中では、風邪になったら焼肉をおごらなければならないと言うルールが
あるらしい。自己管理が出来ず、周りに迷惑をかける償いということだろう。風邪になっても同情は一切されず、迷惑をかけた分贖罪をするらしい。
HWSでは勤怠に関しては、かなり厳しくしている。勤怠は自己管理を含めた努力の問題なので、これが駄目な人間は多少技術があろうが頭が良かろうが、HWSには必要ない。エンジニアを人間として扱わず、エンジニア自身も自分は人間ではなく商品であると考える環境では、遅刻に対しては寛大だ。将来、管理職として育てる気も無く、一生を仲間として過ごす気も無ければ、今だけ金になれば良い。我々は育てる気満々なので寛大にはなれない。
理由のいかんは問わず、月に二回以上遅刻か欠勤があれば、即時役員三名との面談となる。一応理由は聞くが、正当性が認められない者には強い叱責が飛ぶ。それで改善されなければ退職してもらう。
以前、アクセンチュアから転職してきたコンサル系のエンジニアがいた。技術のベースもあり弁もそこそこ立つので、クライアントからの受けも良かった。ただし、勤怠に問題があったのでクライアントから売り上げを見込むことは出来たが、勧告の上辞めてもらった。目先の売り上げのために彼を残せば、組織の文化は間違いなく崩壊する。私が提唱してきたことも嘘になる。
HWS流で言えば電車遅延は遅刻理由にならない。ほとんどの病気も休む理由にはならない。雪で交通障害が予測されるなら、前泊して仕事に臨めとなる。
当然、家族の病気や育児の分担なので、どうしようもない時があることも分かっている。これに対しては全員で力をあわせてフォローしたい。仲間だから当然のことだ。しかし、怠惰故の遅刻欠勤を繰り返すなら、その人間は仲間ではない。自らHWSの仲間としての道を放棄している。この人間を守る理由も意思も私にはない。守るべきはその他のメンバーだ。
HWSらしさを全メンバーで追求した先に、文化の醸造がある。
ベンチャーが実現する企業文化は、ゆっくりとした時間の中で自然と育まれるのではない。そんなことでは、あっという間に人生の幕が下りる。自分達の意思で、「HWSとはこうあるべき」と定め、無理やりにでも醸造させていくのだ。なるべき姿へと自組織を意識的に組み上げるのだ。
最近は社内のそこかしこで、「HWS的には○○が正しいよね」と言った声が聞こえる。その中で下された判断や決定は、感情に流されず私がイメージしたものに近い答えになるはずだ。HWSとしてどの様に判断すれば良いかを全メンバーが考え徹底できれば、その組織は強烈な機動力を得る。現場レベルで即断即決し、私とほとんど同じ選択が可能だからだ。その時に得る組織の機動性を考えただけで、ワクワクする。
面白ことに、まだ入社前の内定者の口からも「HWS的に・・・」という事を聞く。既にHWSのメンバーとして自覚を持ち、自分達のあり方や発言を作りこんでいるのだろう。当然全てにおいて未熟な奴らだが、未来の成長を考えると頼もしい。
全メンバーが自分の楽さやメリットばかり考えず、HWS的な正しさを追求していけるのなら、現状で発揮できる最大のパフォーマンスを得られる。また、特定個人に依存した組織では、最後にクライアントやメンバーに迷惑をかける可能性がある。万が一私が倒れて組織が機能しなくなっては無責任だ。
HWSとしての正しさを今まで判断してきたのは私だ。私がビジネスパーソンとしての信念と、HWSのミッションに照らし合わせあらゆる判断をした。しかし、これからはHWSの正しさを決めるのは、「HWSらしさ」であって欲しい。各人が言い訳もせず、時には個の利益も捨ててHWSらしさを追求して欲しい。これが可能なら私がいなくても、HWSは続伸するはずだ。
この「HWSらしさ」が、事実上のHWSの支配者となった時に、劣化しない文化を武器にHWSは世界で戦うグローバルIT企業へとステップを踏んでいく。何千人、何万人の規模へと組織が巨大化しても、この強さを失わず、ベンチャーとしての機動力失わずダイナミックに事業を展開しているだろう。
今月からベトナムに赴任する若山を連れて、成田から飛び立った機中にて執筆している。最終的に社長としてベトナム行きとなったのは、HWSにおいて最大の事業部を率いていた若山事業部長だ。
エンジニアとしてのキャリアもあり、HWSにおいて営業経験もあり、事業部長としてのマネージメント経験もある。HWSの事業部長は、事業戦略の立案実行を求められ、メンバーに対しても自チームのミッションを明確に示さなければならない。先を読んだ営業戦略も必要で、後手に回ると大きな利益の損失を被る。
その中で、最大の事業部を作り上げ運営した人材として、今回の任務には適任者である。適任と思わせる実績があるだけに、当然国内でも多くの任務があった。それを全て後発に預け、若山事業部長はベトナムに飛ぶ。
組織が急激に成長できるかどうかの分水嶺は、この役割の委譲をどれだけ早く行えるかであろう。
経営者から見れば、今ある業務を継続させた方が固く利益を確保できる。よって、実績を出した業務を極力長い間継続させようとしてしまう。これによって、後発の人間は閉塞感を感じるし、当事者はマンネリズムに陥る。組織は停滞感に蝕まれ、生産性は落ちる。
時に経営者は「もったいない」という感情を捨て、メンバーの役割を加速度的にステップアップさせなければならない。まあ、あくまでも成長を志向するならの話ではある。
その意味では、若山にはちょうど良いタイミングだ。前向きに組織に貢献し続ければ、成長のステップはおのずと来る。組織への貢献が過去にあるから、多少の冒険であっても、この人物に重責を任せようと言う気にもなる。
自分の成長の為、自分の面白さの為だけに新しい任務を求める奴に重責を渡すわけにはいかない。重責には少なからずコストがかかる。事業なので成否はあろうが、奴が全力でやって駄目ならと、納得できる人材にしか新しい領域を任せるわけにはいかない。
若山も完成されたビジネスマンではない。まだまだ未熟な点も多くある。もっと上手く出来るのにと思うことある。しかし、滅私の中で組織への貢献を全力で狙うであろうことは疑いの余地はない。組織に貢献し、組織を伸ばすために全ての時間と労力をつぎ込むだろう。彼で駄目なら、それがHWSの現在の実力だ。甘んじて批判を受け、全員でフォローに動けばよい。
文字通り、若山は片道切符でベトナムへ飛ぶ。HWSスピリッツの体現者としてベトナムへ乗り込む。
先ほど本人と話してたところ、「会社を勝利させる為の任務だったら、国内のクライアント先だろうがベトナムで経営だろうが、必要なところにすぐ行きますよ」と言っていた。国が変わるくらいはどうということはなく、普通に任務を遂行しに言ってきますと言った具合だ。
当面の彼の任務はオフショア開発を成功させることではない。ベトナム国内に最強の組織を出現させる事だ。現在、ベトナムにいるメンバーに組織論を叩き込み、多くのベトナム人SEの中で抜きん出た人材として育成することだ。
ベトナムで強靭な組織を作り上げた暁には、ベトナムのメンバー達が次の伝道者となりカンボジアやラオスへ飛ぶ。そして、経験の中で作り上げられた技術力とマネージメント力を駆使して、各国に強力な組織を出現させるのだ。
我々は社歴の浅いベンチャーなので、資本に物を言わせて海外へ展開することは出来ない。その戦い方では、巨大資本に太刀打ちできない。しかし、人の育成、組織の構築には一日の長がある。大企業では真似出来ないレベルの結束とモチベーションを持ち、自己犠牲もいとわず任務遂行のためには、何のためらいも無く国境も越える。そんな集団をアジア各国に作り上げられれば、他の進出企業とは一線を画した価値を作り出せるはずだ。
壮大な話だが、HWSがグローバルIT企業として世界に羽ばたくには、案外現実的な選択だ。あまり、無理をする部分がない。要は日本で我々が成功したモデルを、同じように他国で作りこめるかだけの話だ。金や爆発的な商品のヒットを期待しなくても実現できる。極めて現実的だ。苦労はあるが、ファインプレーはいらない。出来ることを地道に繰り返せばよい。
恐らくベトナムで成功できれば、どの国でも展開可能だ。多少の国民性の差はあれど、若者達の蛮勇と行動力は万国共通だ。そこに大きな可能性があれば、強い衝動を持って一歩を踏み出す若者達が必ず存在する。彼らの力で、いかんなく発揮させればよいのだ。
成否は常に「三十年後に聞いてくれ」でよい。成功しそうだから展開するのではない。誰かがやらねばならないからチャレンジするのだ。そこに大儀があり、幾ばくかの可能性があれば動くしかない。ベンチャースピリットとはそのようなものだ。吉田松陰先生が提唱した大和魂とはそのようなものだ。
先ずアジア中で勃興するIT企業群が見本とする組織を日本国内に作り上げよう。同時にその文化をアジア中に伝播しよう。より多くの人が幸せになる未来を目指してひたすら事業をすすめていこう。
我々が目指すの、日本中のエンジニアの、アジア中のIT企業の源流となることだ。
先日、㈱インフォランスの佐々木社長に、出版記念パーティーに招待されたので、出席させて頂いた。
めざせ!ベンチャー就活ガイド2010
http://www.amazon.co.jp/dp/4860590724
HWSも掲載されているこちらの本になる。就活系の書籍なので、学生も140名程度パーティーに出席しており、企業と学生のマッチング会的な意味合いも含まれるイベントだった。
知り合いの社長も数名主席されていたので、会が始まる前に挨拶を済ませてた。せっかく学生と接せられる機会なので、会が始まってからは話しっぱなしだった。二時間でビールを二口程度飲んだだけで、何かを食べる暇もなかった。
最後に閉会の挨拶を頼まれたので快諾し、学生にメッセージを残して終わった。学生達もせっかく時間を使って集まったのだから、今後につたながるものを渡したいと思い、短い時間だったが全力で話した。
多くの学生達は未だに大手志向が強い。また、エンジニアを希望する人間も少ない。そこに思想があれば良いが未熟な彼らの背景にあるのは、依存心と目先の充実感や楽さに過ぎない。
不況になればなるほど、公務員や大手企業への志望者が増えるのは、依存心の表れだ。しかし、その行動は決して正しくは無い。
もう右肩上がりの経済状況の中で普通に勤め上げれば生涯の食を確保できる時代ではない。大手に入社しても安定が手に入らないのは昨今の人員削減ブームを見れば明らかだ。十年以上好業績を継続できる企業もほぼ無いし、今回の様な不況も十年に一度くらいは来る。
いくら探しても依存できる企業など存在しないのに、依存先を必死に探す哀れな学生が巷には溢れている。大事なのは依存先を探すことではなく、依存を放棄する事なのに、そこに至る学生は少ない。もっとも、依存を捨て自力で未来を切り開く決意を持っている社会人すら少ないので、仕方が無いところではある。
多くの学生はエンジニアを志望しない。前向きな学生でも、もっとお手軽に充実感が味わえる仕事を探す。仕事は何十年と続くのに、短い時間しか過ごさない二十代の充実感や楽しさを職場に求め企業を選ぶ。
技術をコツコツと積み上げるには勢いではごまかせない努力が必要だ。学生に「ハードワークをしなければ性能は上がらないよ」と言うと、短期的な苦痛に耐えたり、徹夜を何日もしたりという状況をイメージする。仕事をしていたら、そんな事もあるだろうが、一番難しいのは、コツコツとした努力を意識的に継続することだ。一時的な勢いなど大した成果にはつながらない。
エンジニア道を極めるなら、このコツコツとした努力は避けて通れない。この継続的な努力から逃げたいがちょっと前向きな人たちは、エンジニアの道を選ばず、企画や営業などでハードワークを志向する。そもそも仕事でがんばる気が無い人間は、楽そうな仕事を感情が赴くままに探す。「コツコツと」「継続的に」が勢いだけで行きたい人にはハードルが高いらしい。
現在、諸外国から見た日本の強さは、資本力と技術力だろう。日本の市場としての価値も、投資力も全てはテクノロジーにおいて勝利したことによって、世界中から金を集めた過去があったからだ。簡単に言ってしまえば、日本に金があるのは、技術を売って貿易黒字を実現し続けたからだ。
この国のビジネスパーソンとして海外に行ってビジネスを展開する未来望むなら技術から離れては駄目だ。
インド、中国、ベトナムなどアジア諸国と連携したビジネスを模索し何年も過ごした。日本企業が行けば、どの国の経営者も熱烈に歓迎してくれる。それは、自分に価値があるからではなく、ジャパニーズマネーの力を期待しているからだ。または、日本の優れた技術と連携し、自社の価値を高めたいからだ。
金か技術を持っていかなければ、君達を相手にする酔狂なビジネスパーソンはいない。金は天下の回りものなので、固く世界で戦える様に準備するなら技術をベースにすべきではないか。
エンジニアを志向したところで、四十歳以降も現場で技術だけを扱う事は許されない。現場から離れて、管理職としての技能を示さなければ、社内外に居場所はなくなる。いつかは、組織も運営し、営業もこなし、経営的なバランス感も身につけなければならない。それが駄目なら、それが無理なら会社のお荷物になるしかない。いつかは切られる。
どうせ、技術だけで許されず、営業も企画もしなければならないなら、大学を卒業してすぐにそれをしなくても良いではないか。コツコツとした努力を社会に出た当初に修め、その後に嫌でも営業も企画もやらざるを得ない。技術の習得を仕事上で許されるのは若手のうちだけだ。キャリアを積み社会的評価を得た後は、高い収益を上げることが責務となる。勉強している場合ではない。
技術を習得した後に、徹底してその他のビジネススキルを積み重ねていくのは難しくない。今の業界では、エンジニアが前向きに営業に取り組むだけで、素晴らしいとなる。自分の価値を上げるチャンスはいくらでもある。
今すぐに多くの学生に伝えたいことは絞れば二つある。
● 依存を前提に未来を考える愚を理解せよ。
● 二十代に仕事で楽しむことなど放棄せよ。二十代は苦痛の中で己を練磨せよ。
語りたい事は山ほどあるが、間違った就職活動から脱却する為に、端的にアドバイスをするなら、この二つとなる。
依存をせず、自力で生き残る道を歩め。その上で、企業から何かを頂くのではなく、企業へ何かを与える存在になるのだ。
修練の中で、体力や技術を上げなければ、どんなスポーツでも楽しむ事は出来ない。練習をせずにコースに出ても、ゴルフなどは辛いだけだ。仕事も一緒だ。二十代で基礎体力や基礎技術を積み上げずに、歳を重ねれば思い通りにならないストレスに生涯苛まれなければならない。基礎作る過程は、どんな分野でも楽しいものではない。将来を見据えて、基礎的な努力はコツコツ重ねるのみだ。
この前提を理解し、就職活動をすればよい。名前の知れている有名企業に入れば成功なのではない。早い時期に内定が取れれば成功なわけでもない。正しいスタンスで自分の将来を睨み社会への一歩を踏み出せばよい。就職先など、どこに決まっても問題はない。その後全力で仕事に没頭し、自己を練磨すれば道は拓ける。
多くの若者達は、苦しみもがきながら二十代を楽しんで欲しい。
昨夜、カンボジアで大理石関係の企業を経営する友人と久しぶりに会った。元々は会計士であり、その後はVCの役員として転身し、現在は自分で企業経営をしている。米国の会計士の資格もあり、数カ国語を操る。VC時代は一種の経営コンサルとしても手腕をふるっていた。相当優秀な人間だ。
彼との会話から得たことをいくつか書きたい。
彼自身は現在、カンボジアを中心に動いている。原石をヨーロッパから仕入れ、カンボジアで加工して中東に売る流れでビジネスは展開している。加工機械や技術は品質に優れた日本の技を使う。
現地で七名の社員を採用しているらしいが、幹部候補として三名のメンバーを徹底的に教育しているらしい。試用期間中なので、様々な調査や調整業務を任せ、レポートを上げさせて指導している。カンボジア人の社員にしてみれば、日本でも屈指のコンサルタントが直接鍛えてくれるので、非常に良い職場だと思っているようだ。
正確な金額はここでは伏せるが、彼らの給与は2~3万円程度だろう。
英語は文法に基づき完璧にこなす。レポーティングの質も急激に上がっている。一人のメンバーは、日本語までかなり巧みに話すらしい。
一方、日本国内を見ると、東大でも卒業してコンサルティング・ファームなどに入社すると二十代中盤から後半あたりでも年収700万円前後は行くだろう。給与はカンボジア人の十倍を優に超える。
十倍の報酬を取るなら、十倍のパフォーマンスを求められるのがビジネスの世界だ。私の友人の弁では、試用期間のカンボジア人が上げてくるレポートと二十代のコンサルタントもどきの日本人が上げてくるレポートでは大差は無いという。逆に英語でキッチリとレポートを作成するなら、カンボジア人の方が上だろう。
それでも、報酬は1/10以下だ。
私の友人は、日本人を雇う経済的合理性が全く見あたらないと言う。仕事自体もマーケットもメンバーも英語がベースなので、日本語を話せることの優位性が一切ない。報酬とそれに見合った成果を考えた時に、日本人の価値は世界の中でも最下層かもしれない。
カンボジア人やベトナム人の十倍もの給与を大した努力もせず当たり前のように享受する。それは本人の実力ではない。たまたま日本が経済的に勝利した過去があったので、その恩恵に預かっているだけだ。それに気づかず、その給与に不満を言いながら暮らしている。本人の実質的な価値など、その1/10に過ぎないのにだ。
途上国も台頭し、欧米が力を取り戻した後の世界で、日本語の優位性は無くなっていくはずだ。成果を導くための腕と、情熱が純粋に問われる時代が来るだろう。
この状況を受け、危機感を抱かない奴がいたら馬鹿だ。今の給与を当然と思っている人間がいたら馬鹿だ。薄氷の上に今の社会はあり、常に反転する可能性を感じなければ駄目だ。感じなければ、努力もしないし執着心も持たないだろう。執着もせず努力もしなかったとしたら、日本人がアジアの中でリーダーシップを取り続ける事は不可能だ。所得も社会の豊かさも、他のアジア諸国に近づくはずだ。
危機感を持たず、時間だけが過ぎれば確実に日本の競争力は霧散していく。大人達は、若者達に正しい危機感を伝える責務がある。
その友人と私の共通の見解だが、日本にはまだ自力がある。子供の頃から詰め込み教育を受け、円周率も知っているし、三平方の定理も知っている。世界の歴史も国の文化も義務教育で学ぶ。
一見無駄に見える知識を詰め込み、平均的な教育レベル、労働者のモラルは他のアジアとは一線を画する。また、エンドクライアントが使う事をイメージし、サービスや製品を煮詰めていく感性は世界の中でも突出している。組織に対するこだわり、ロイヤリティーも強い。組織戦で戦えば他国には負けない。
その気になれば、世界を席巻したジャパニーズパワーが再度取り戻される可能性は十分にある。
現在内包している地力を顕在化し、日本が世界を牽引していくリーダーとして再び力を持つためには、若者達の危機意識がキーではないか。危機により、必死になる中で本来社会が有している力は発揮される。人間追い込まれないと努力もしないし、本来の力も出さない。
若者を追い込み、日本の未来を託す力を育む。これが事業家としての大人としての一つの使命だ。
だから、啓蒙活動と称して、就職活動中の学生には厳しく当たる。彼らの未来の為にも、日本の未来の為にも平和な日本の中で若者達が危機意識を持つことが重要だからだ。
私自身、日本の再起を信じて疑わない。若者達は馬鹿ではないし、強い日本のDNAをしっかり有している。戦いの場に身を投じるきっかけがあれば目を覚ます。そのきっかけをHWSの存在によって与えられるなら本望だ。
最後に私の友人はこんな事も言っていた。
敏腕コンサルタントとして高給を取り、会社の経費を使って仕事をしていた時も、自分は経営を分かっているように思っていた。しかし、実際自分でリスクを取りオーナーとして事業を回してみると予想を遙かに上回る圧力を感じるとのことだ。この感覚はどんなに優秀でも、イマジネーションでは埋めきれないものだ。
人間は追いつめられないと、分かっているようでも理解出来ないことがある。彼自身がそれを実感している最中だ。事業家としての肥やしを得ている最中なのだ。
若者達に危機感を持てと言うのは容易い。しかし、それは分かった気にするだけで、何の力にもならない。若者達を危機に追い込み、危機を実感させるところから日本の再生は始まるのだろう。
HWSを目指すエンジニア達へ。
HWSに来たら、早期に事業部長として責務を背負い事業を回す事を目指して欲しい。聞くのとやるのとでは、全く違うことに気が付くはずだ。リスクヘッジに神経をすり減らして欲しい。プロフィットに追われて、冷や汗を流して欲しい。レベルの低い部下の愚痴や意見にストレスを感じながら対応して欲しい。
そしていつか、企業の中軸として通用する自分を作り上げるのだ。多大なる責務と裁量権が、その為の気づきを君達に授けてくれるはずだ。
エンジニアに限らず、個人を評価されて喜ぶ社会人は多い。まあ、分からないではないが、その延長線上に未来の発展はない。
エンジニアは技術職なので、個人のスキルを誇る。客先などで、自分のスキルや人間性などを評価されると喜ぶ。喜ぶのは良いが、それで満足するのは間違いだ。
長嶋茂雄氏は一人の野球選手としても偉大だ。成績も十分だし、ファンとのコミュニケーションも良好だった。プロ野球選手として、素晴らしい姿を体現した。
しかし、それ以上に私が評価しているのが、彼の名前が常に「読売巨人軍」とセットで浮かぶところだ。彼の活躍は、常に巨人の勝利とセットであり、彼が評価は常に巨人と共にある。
これによって彼が受けた恩恵もある。巨人軍の地位や評判が上がり、多くの優秀な新人が入団してきた事によって、当時の圧倒的な強さの一端は作られたはずだ。チームの強さがあるので、更に自分の評価も高まるし、報酬も上がるのだ。個人として名前が売れただけでは、尊敬はされるし自分の事を選手の間は高く売れるが、それだけの事だ。自分の業績や実績を組織の名声へと転化して、初めてテコの力が働く。
結果的に長島氏は、選手としての寿命が尽きても、監督になり、顧問となり、現在に至っている。引退後の報酬も莫大だったろうし、生涯野球に関わりながら豊かに過ごせたのは、野球人としての力を組織と一体化して世に示した結果だ。
弊社のメンバーの中でも、この理屈を理解する者が多く現れ始めた。
クライアントに個人として評価されるのはHWSのメンバーとして当然であり、それは通過点に過ぎない。意識的に、「このパフォーマンスは私が素晴らしいのではなく、弊社のメンバーなら普通の事です。もっと取引を大きくしてもらえれば、会社としてのパフォーマンスにびっくりするはずですよ。」と言って、自分の努力と業績を会社に付け替えるのだ。
人間には認められたいと言う欲求があるので、自我が強い者は、この行為に心理的な抵抗を感じるだろう。「自社が凄いのではなく、僕が凄いんです。」と言いたいだろう。例えそれが事実でも、グッとこらえて、仲間を褒められるかどうかが、リーダーとして未来に羽ばたけるか否かの境目でもある。
評価がエンジニア個人で自己完結してしまっては、その人を指名しての仕事は来るだろうが、企業としての大規模な仕事や提携の話しは生まれない。結果として、評価を頂いたエンジニアもリーダーとして、部下を持つためのプロジェクトを得ることも出来ず、クライアントからの受注拡大も出来ず、次のステップに進むことが出来ない。
一度自分の虚栄心を捨ててみたらどうか。
全ての評価を仲間や組織に振り替えてみたらどうか。
自分の評価を喜ぶ人間より、自分の業績を誇って喧伝する人間より、自分の努力を他者に付与する姿の方が、潔く美しい。
クライアントも上司もその姿を必ず見ている。優秀な人間ほど、君達の行動の価値を理解するはずだ。会社と自分の名前が同時に売れていけば、組織の力を背景に更に大きな仕事、価値のある仕事を狙える。自分の価値や評価も、実はレバレッジが効いて上がっていく。
自我の強さは強いエネルギーを生む。それ自体は素晴らしい性質だ。しかし、どこかで精神を成熟させ、高次の視点で自我を満たす方向に行かなければ駄目だ。自我が生み出すエネルギーはそのままに、リーダーとして強く美しい姿を体現し欲を満たしていくのだ。
あえて言う。
仲間達で創り上げる組織の評判を第一にせよ。
個の評価に浮かれるな。
評判は未来を創るためのテコだ。その場の快楽を味わう為にあるのではない。
HWSは、これを受け入れ、各現場にて強烈な目的意識を持って成果を狙う集団でありたい。組織の評判を上げ、組織のミッションを追い、その実現によって各自のロマンや豊かさの実現を狙って行こう。