会長ブログ(株式会社ヘッドウォータース代表取締役:篠田庸介)

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2009年03月27日 17:35

不況(!?)を乗りきる奥義

以前にも書いたが、二月末の段階で社内に待機しているSEはゼロ人のHWS。業界的には厳しい市況という話しだが、社内にいると各所から前向きな報告ばかり。実際、クライアントからプロジェクト参画の延長依頼が来たり、四月から始まるプロジェクトの増員要請が来たりと人員が足りない状況だ。

あまりやっかまれても嫌なので、一応世間では「いやー、厳し目ですねぇ・・・」と言ってはいる。かと言って嘘もつけないので、現状については本当の事を話す。まあ、一年前に比べれば、選べる開発案件の数は減ったが、仕事が無いという状態ではない。

ポロリポロリと現状の話しをすると、「どうやって案件をとっているんですか?」「社長のコネですか?」「値段を下げているんですか?」と色々聞かれる。一々答えるのも面倒なので、本日は不況下でも仕事が取れる奥義を業界の皆様に公開したい。
(注)奥義??が期待はずれだったときに私へのクレームはご遠慮下さい。

ぶっちゃけ、コネとかお付き合いの延長とかで私が開発をとることはほとんど無い。HWSにおいては、営業は全てエンジニア達が行う。営業社員もほとんどいない。間接部門のコストもかからず、仕事も他社よりもとれるので効率的な体制ではある。

こう言っては何だが、パフォーマンスに自信があるので、料金も下げない。大体開発現場では他の同業者と比べても一番高めの料金設定だ。料金を下げずとも、メンバーのパフォーマンスや印象が良いので、仕事の依頼がある。

さて、それでは奥義の話しに入る。

先ほど、木村事業部長と何気なく会話をしていた。酒に飲まれると自分を見失う事で有名な事業部長だ。比較的無邪気に自分を見失うので、それほど有害ではない。酒を飲むと有害な事業部長は他に一名いる・・・。(とく○け事業部長)

笠原&野口木村事業部には、先日結婚したばかりの笠原というメンバーがいる。「ラーメン、ツケメン、僕笠原でーすっ!」と言うお寒い自己紹介で一斉を風靡した男だ。それ以来社内では誰も笠原と呼ばず、「おーい、ツケメン」と声をかけられている。恐らく本名を知る人は少ないだろう。先日結婚式に出席させてもらったが、笠原一族は全て同じノリだったので、「血筋か・・・」と合点がいった。

それはさておき、三月で終了のはずの彼の参画案件が延長になったという報告を受けた。

話しを聞いてみると、案件自体は終了したが、コストはかけてでも笠原には現場に留まってもらって、次のプロジェクトにも参画して欲しいという要請らしい。このご時世にありがたい話しだ。

いったい笠原のどこが、そこまでクライアント様にインパクを与えたのだろう。

高い技術力か?高度なプレゼンスキルか?またはマネージメントスキルか?寒いギャグか?

その開発現場に入ってまだ一ヶ月程度だ。積年の人間関係でつないだのでもない。彼が現場に残れた要員は、どうやら「挨拶の声が大きい」と言うことらしい。もう一つは「勤怠が良い」と言うことが決め手らしい。笠原からしてみれば当たり前の行為のはずだ。

確かに本社にいる時も大体私よりも早く出社していた。私も始業の一時間前には会社に来るが、毎日それより前には出社していた。勤怠の良さ間違いの無いところだ。

当たり前と言えば、当たり前の事ばかりだ。勤怠が良いのが本来偉いわけではない。普通だ。挨拶の声が大きいのも、現場の雰囲気などを慮れば当然だ。ところが、これが突出している事によって、仕事がこの時期でも来てしまうのだ。

実は奥義はない。あえて言うなら挨拶と勤怠か。

メンバー達のモチベーションやビジネスに当たるスタンスによって、仕事が次々に舞い込んで来ているのだ。

不況だ不況だと世間は言うが、SI業界に限れば、それは嘘だ。まあ象徴的な話ではあるが、大きな声で挨拶して仕事が途切れず取れる現実がある。当然、技術力や業務知識が最低限ないと駄目だ。しかし、技術力に一定の自信があっても仕事が取れないエンジニアが巷には溢れている。その技術力はノルマであって、他者と自己を区別化する決定打にはなっていない。

今が厳しいと言うよりも、今までが甘すぎたのだ。挨拶もろくに出来ない三流社会人でも仕事が取れたことが間違いだ。勤怠が悪い、出来損ないの社会人でも仕事があったこと自体が間違っている。

社会人として自活能力が無い出来損ないのエンジニア達を、目先の利益の為にチヤホヤしたつけを各企業は払っているだけなのだ。

大きな声と勤怠で仕事が取れる業界を不況と呼んだら罰が当たる。優秀な企業が勝ち残るのではない。基準にも満たない未熟な企業が勝手に落ちていくだけだ。真の優秀さが問われる厳しい時代はこれから来る。現状で不況を感じている企業が生き残れる未来はない。もし、現状で厳しいなら、外部要因は考えず自社のエンジニア達を死ぬ気で教育し直さなければ駄目だ。

経営は常に時限的だ。勤怠も挨拶も身だしなみもビジネスマンとして十分なレベルに社内のエンジニア達を仕上げるのが先かキャッシュアウトが先か、各企業は時間との戦いになる。この平均レベルに達しないメンバーを抱えて次世代も生き残ろうと思う事が、そもそも甘すぎるのだ。

先ずは自社のメンバーを本気で締め上げ、鍛え直す事をお勧めする。甘さを払拭し、生命力を与えるべきだ。これは大人の義務だ。大人か子供かは、年齢の多寡の問題ではない。ビジネスパーソンとして成熟出来ていなければ、何歳でも子供だ。この子供を大人へ教育し、未来を作る義務が雇用した企業にはあるはずだ。

繰り返す。業界は不況ではない。ファインプレーを繰り返さないと生き残れない状況ではない。マイナスをゼロにするだけで、次々に仕事が舞い込む甘い環境だ。これをベースに自社を顧みることだ。

現場のメンバー達は大変な思いをして、仕事を取り開発をこなしているが、これは不況だからではない。価値のあるビジネスとはそもそもがそう言うものだ。

日本のIT業界を底上げするには良い時代が来た。今まで許されていたビジネスパーソンとしの甘さを日本中のエンジニア達が自覚するには最高の時代となった。アジア各国でも優秀なエンジニア達が育っている。ハイテク立国としての日本をIT方面から支える使命がSE達にはある。そこそこの努力で身につけた業務経験と技術力にあぐらをかかず、ビジネスパーソンとして将来を生き抜き、自らの使命を果たすべく成長を目指すのだ。

その成長の為の最後のチャンスが今の市況だと知り、根底から自らを造り直す覚悟をSE達には持って欲しい。

エンジニア達よ、同業のビジネスパーソン諸兄よ。この時代から本物とは何かを学び、共に未来の繁栄を目指そうではないか。