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三月から四月にかけては、各事業部長とメンバーとの個別面談が展開される。未来の方向性を定め、日々の業務に集中する為には必要なことだ。人間は生きてく中で多くの迷いを持つ。その迷い故に集中力が欠け、パフォーマンスも落ち、自らの評価を落とす。多くの社会人に見られる傾向だ。
私もメンバーの数が百名近くになるまでは、個別面談を年二回行って来た。評価についても話したが、師として、仲間として、どの方向性を本人が目指せばよいかを全力で考えたものだ。
今は組織も拡大したし、更に進んだ強さを組織が持つためにも、その任は事業部長に託した。彼らは真剣に仲間のことを考え、厳しい話も含めて面談を進めたようである。
現在ベトナムに赴任した若山社長も、HWS流を十分体得した人間なので、メンバー一人一人の未来を考え、現地において面談を進めている様子だ。
多くの未熟な人間は、迷いに直面すると、立ち止まるか、逃避するかの行動に出る。
迷いがあるので、本気で仕事が出来ません。迷いがあるので、仕事に集中できません。こう言って立ち止まるパターンがひとつ。
もう一つは、迷いがあるので、他を探します。隣の芝は青く見えるので、そちらに移ります。こう言って迷いや苦境から逃避するパターンがもうひとつ。
凌ぎを削りあうビジネスの世界では、両方とも命取りとなる。
立ち止まれば他者に出し抜かれる。立ち止まっている状態のパフォーマンスが自分の姿だと仲間にも認識されてしまう。それなりの性能だと思われてしまう。信頼や期待も失うことなる。心情としては迷っている人間を、励まし、ゆっくり待ち、引き上げたいのだが、戦場とも言えるビジネスの前線では、弱者に歩みを合わせれば、組織全体が敗北の危機に直面する。良い悪いの問題ではない。事実の話だ。
迷いにより、一瞬立ち止まってしまうのは人の性だが、それが長引けば仕事人としては命取りになるということだ。
「迷っているので、集中できません」とは甘美な言葉だ。成果が出ないときも、リスクに挑戦しなければいけないときも、自分自身を説得して楽な方向へ進めるからだ。当然、発展的な未来は近づいてこないのだが。ひ弱で無能な上司なら、そう言っておけば話しを聞いてくれる。フォローもしてくれる。正面切って、成長の為に激を飛ばしてくれる上司の方が少ない。
逃避傾向のある人間は更に悪い。
迷った時に思考を停止させ、現状から逃げるという結論に達しては、ビジネスの深みも高みも理解できない。新しい領域に踏み込む時には必ずストレスがかかる。自分が出来なかったこと、嫌なことも背負わなければならないので、気分的には逃げたくなるのは当然だ。しかし、理性の力で、一歩進むからこそ進歩は実現出来るのだ。
人間関係で壁に当たったから、転職します。会社が自分の言うことを聞いてくれないので、転職します。今の仕事の先が見えないので、職種を変えます。
様々な理由で、迷いから逃げていく人は多い。
人間関係で壁に当たって逃げても、次のところで同じ様な状態に必ずなる。より責任のかかるポジションに上げれば上がるほど、人間関係構築に関しては高いスキルが求められる。人と話すのが苦手だからとか、あの人は合わないとか言えるのは、無責任なポジションだからだ。無責任なポジションであることを求めて、転職を繰り返していたら、高い地位や報酬は益々遠ざかり、別のストレスに苛まれることになる。
実力が付き、仲間から必要な存在として頼られる様になれば、ビジネスの世界で人間関係は、ほとんど上手く行く。
プロ野球の世界で考えて欲しい。多少性格が悪くても、気が利かなくても、ホームランを誰より打ってくれるなら、チームとしては大歓迎だ。仲間として、多少の性格の悪さは目をつむる。逆に多少の性格の悪さも個性として扱ってくれる。どんなに良い人でも、三振ばかりするバッターは仲間として留め置くことは出来ない。これがビジネスの世界のルールだし、現実なのだ。
人間関係が上手く行かないなら、先ずは実力をつけることだ。成果を積み重ね、仲間から頼られる事だ。これで、かなりの人間関係におけるストレスは解消される。
仕事の先が見えないと言って職種を変えてみたら、また一から実績を作り直さなければならない。そして、自分の要領の良さだけでは対処出来ないレベルまで向上して来たときに、「この仕事も自分には合わないのでは・・・」と迷うことになる。仕事が合わないのではなく、成長するために必要なストレスに耐えられないだけなのだ。
新しい仕事は、自分の横には落ちていない。ワクワクして、充実感もある楽しい仕事は自分の横には落ちていない。目先が変われば、最初だけは新鮮さで楽しめるだろうが、早晩飽きが来る。
自分が本当に満たされる仕事は、己の前にしか存在しない。前進し、自分が成長すれば、同じ職種、同じ業種でも、全く違った面白さを見いだせるのだ。IT業界も一人のプログラマーとして臨むのか、リーダーとしてチームを率いて臨むか、何を創造するかをも自分で決められる経営的なスタンスで臨むのかで、全く違う仕事となる。自分の仕事のあり方を前へ進めるしか、マンネリズムから脱却する道はない。
迷いがあり、現状から逃避しても、本質的に逃げ場はなく、苦しみを先送りするだけなのだ。
私の経験上、成長する人材は、立ち止まらない。逃避もしない。
迷いは誰にでも訪れよう。しかし、出来る人間は、迷いを理由に、自らの歩みを止めない。迷っていても、目の前にある業務は最高の成果を求める。その為に必要なエネルギーと集中力を常に発揮する。迷うが、それと成果とは全く別問題として扱うのだ。
また、成長する人材は逃避もしない。ストレスがかかっているときは成長のチャンスだ。自分のビジネス体力が鍛えられている最中なのだ。そこから逃げたら、成長の機会を逃す事になる。
人間関係も、仕事に対する飽きや将来に対する不安も、会社に自分の主張を通すことも、全て自力本願での解決を狙うべきだ。出来る人間は、常にその様に動くものだ。
愚痴も、迷いの言も、弱音もいらない。ひたすら自力本願で、未来を創り上げるのだ。歩みを止めず、目の前にある業務に集中し、最高の成果を狙うのだ。迷うなとは言わない。迷うのも悩むのも人間の性だ。ただし、どんな時も、決して立ち止まらないこと、決して逃げ出さないことを忘れないで欲しい。成長する人間、出来る人間の基礎を早期から築いて欲しいと願う。