会長ブログ(株式会社ヘッドウォータース代表取締役:篠田庸介)

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2009年11月30日 15:04

「勢い」を生む

photo半期が終わって振り返ってみると、新規のクライアントが多数開拓されている。これは去年一昨年以上の成果だ。あるクライアントは開発を頼んでいた会社が経営不振に陥り、動きが悪くなったと言って新しい開発会社を探していたところ、紹介によってHWSとつながり、我々にとっては新しい仕事が発生した。あるクライアントはこの時期だからこそ、他社と区別化を計るべく今まで以上にシステムを強化しようと思い信頼出来るベンダーを探していたところ、弊社を紹介して頂いたのがスタートだ。

不況だからこそ、取れる仕事もある。ただし、この市況下でプラスの成果を生み出すためには、他社にない「勢い」が必要だ。目に見えない勢いが人を惹き付ける。一昨年くらまでは好景気の中で、多くの企業が自然と勢いを持っていた。結果、勢いは区別化要因ではなかった。

勢いは雪だるま式に大きくなっていくものなので、最初の段階は小さな雪玉を作らなければならない。更に慣性が働くまでは必死に押さなければならない。これらの努力を重ねなければ勢いは生まれない。

時勢に乗って勢いを得ていた人は、守勢に回ったときに脆い。意識的に勢いを作った訳ではないので、再度その勢いを取り戻すデザインが出来ないのだ。そうなると、勢いがあった時代を懐かしみ愚痴るしかない。勢いがある時は、多くの事が戦略性を持たずとも上手く行く。

人の採用にも苦労しない。社内の統率にも苦労しない。仕事も自然と集まってくる。勢いがある時のビジネスはそんなものだ。それなりに努力はしているのだろうが、勢いのレバレッジが効いて、実力以上の成果が出る。勢いに乗ることは大事だが、自分が手綱を引けていない勢いに踊らされては駄目だ。

この時代において勢いは他社との区別化を計る大きな要因だ。周りが沈んでいるだけに、自社が放つ光はより価値を持つ。今現在、勢いをもつのはそれだけ難しいのだが、守勢に回って実力が発揮されることも無いので、じり貧を待つよりは仕掛けた方が良い。

photo仕掛け方も、今すぐにお金になることばかり追っては駄目だ。その行為は「勢い」よりも「焦り」を社内外に印象づける。今すぐ資金が湧いてくるような仕掛けなど、そもそも無理だ。

来年も再来年も自社が伸びる前提で、その為に仕掛けて行くのだ。以前にも当ブログで書いたが、根本的な話しをすれば不況を生き残るために事業があるのではない。好不況に関係無く、本来標榜したミッションを成し遂げるために、産声を上げて推進されるのが事業体ではないか。だから、不況だからとか今は余裕が無いからではなく、自らの存在をかけて、自らのミッションを成すべく常に仕掛けることが必要なのだ。

この時代に勢いを出すためには、多少の勇気と努力は必要だ。しかし、多額のお金をかける必要はない。組織がつぎ込める経営資源は資金だけではない。特に役員に限って言えば、全ての時間や労力をつぎ込んでも、一切追加の資金はかからない。

標榜する未来の姿を実現する為に採用活動を進めても良い。数年先に主力にしようと思っていた事業を進めても良い。社内の制度や組織構成の変革に手を付けても良い。付け焼き刃で収益を狙うのではなく、長いスパンで強い事業体を作る為に出来る事をやればいいのだ。諦めず、面倒くさがらずにコツコツと取り組めば良いのだ。

クリエイティブな業務に向かっているうちに、自然と勢いが生まれてくる。今の業務に対しての姿勢も変わってくるはずだ。そして目指している未来を社内外に発信し、退路を断って成果を目指せば良いではないか。

勢いは時流の変化を待っても得られない。勢いは、自ら仕掛け、自ら生み出すものだ。空元気では、いずれ底が知れる。無理に勢いのあるふりをする必要もない。ひたすら、未来に向かって歩みを進めればよい。

HWSは生涯勢いを失わない企業でいるつもりだ。例え市況が厳しくなろうとも、プロジェクトが失敗し大きな損失を被ろうとも、この勢いだけは失わず未来への歩みを進める企業であろうと思う。あらゆる障害に負けず、自ら勢いを生み出せる集団であろうと思う。

2009年11月26日 11:46

講演のスタンス

photo何故か11月は講演依頼が立て込んだ。学生から経営者まで幅広い方々に対してお話しをさせて頂いた。ビジネスマンや経営者の方々に対する講演は楽だ。ちょっとリアクションは薄いが、筋を通して話せばしっかり聞いてくれるし、話しの内容に価値を感じれば素直に喜んでくれる。

講演対象が学生だとそうもいかない。社会に関してもビジネスに関しても無知なので、基礎から理論を組み上げなければ理解しないし、現実を突き付けると耐えられず拒絶する人間も少なくないので、配慮も必要だ。テンポ良く話さなければ、あっという間に集中力を欠き始める。

学生のリアクションは実に分かりやすい。私の講演内容が現実的な厳しさを強く伝えれば伝えるほど拒絶が増える。と言っても、プライドをいたく傷つけられて拒絶的な反応をする人は1割程度ではある。心理的な拒絶者は反応が過剰なのですぐ分かる。「全く勉強にならなかった」「威圧的で途中で気持ち悪くなった」などの反応も頂く。これらのご意見は事実の分析ではなく、心理的な拒絶であることは一目瞭然だ。

瞬間的に学生にやる気を起こさせ、私自身が非常に良い人だと思われるような話しは簡単だ。自分の過去の苦労でも語って自分に演出をかけた上で、最後は学生達を一切責めず「今のままでいいんだよ」「自分らしく生きればいいよ」「個性を大事にしようじゃないか」「マイペースで余裕をもって生きよう」などと虚言を吐けば良い。そうすれば学生達は勇気づけられ、「自分らしく生きて夢を達成しよう」と思い気持ちよくなってくれる。人間は自分を気持ちよくしてくれる人をなかなか批判できない。

私から発せられる言葉には、これらの甘美さは一切ない。

学生には先ず自分の無力さや、社会貢献など何もしていない現状を教える。正しいポジションを理解させる。学生と言うとある種の社会的な地位があるように感じるが、実際は何の生産性もない存在だと理解させる。有るのは未来の可能性だけであり、その可能性を現実にするための努力をする姿勢がなければ、可能性すら無いことも伝える。

photoしかも、丁寧な言葉では真意が伝わらないので、激しく適切な言葉を選ぶ。今まで厳しさから逃げてきた多くの学生からすると、耐えられない鋭さで胸をえぐる。学生達が自我を守るには謙虚になるか拒絶するしか無い。それを十分に理解し、嫌われるのも承知の上で厳しさを突き付けるのが私のスタンスだ。学生に好かれる為の話しなどしても時間の無駄だ。自己満足にしかならない。私自身「すごいですね」「かっこいいですね」と言われて喜ぶ歳でもない。すぐには受け入れられなくても、いつか彼らが厳しい現実に直面したときに思い出してくれれば本望だ。

これは、マネージメントにも共通する。部下に好かれるのは大事だが、目的ではない。チームが結束するのも大事だが、やはり目的ではない。

大事なのはクライアントに満足を与え、自社に収益をもたらすことだ。その為のチームがあり、上司部下の関係がある。あくまでも目的の為の手段がチーム内の円滑な人間関係である。収益を必死に追えないのに雰囲気の良いチームなどはもってのほかだ。完全に腐りきっている。

定めた目的に向かって一直線に進むは厳しさと強さが必要だ。要領の良さや賢さではなく、必要なのは厳しさと強さだ。

HWSには成すべきミッションがある。この達成の為には多くの困難があり、戦略や対応力も求められる。しかし、何十年という時間をかけて曲がらずゴールに向かう為に必要なのは、厳しさを受け入れる覚悟と外部のみならず自分の欲にも打ち勝つ強さだ。

目先の成果は才能のある人間が上手に導くだろう。しかし、長い時間を要する偉業を成し遂げるのは、愚直に己のミッションに殉じる人間だろう。

明日は本年度二回目の会社説明会がある。このスタンスを変えず、縁があり参加してくれた一人一人に話しかけて行くつもりだ。

2009年11月24日 12:41

地力を上げよ

photo現在私がこだわっているのは、HWSの地力を上げる事だ。もし私に卓越した商才があり、戦略のみで事業を拡大できたなら、組織の地力にここまでのこだわりを持たなかったかもしれない。しかし、幸か不幸か商才で他から抜きんでる自信はない。

HWSがオープン&フェアにこだわっているのは、メンバーのモチベーションを上げるためではない。メンバーのご機嫌取りでリーダーが動いては、統率されない軟弱な組織しか出来上がらない。メンバーのモチベーションを上げるためにリーダーが四苦八苦しているような組織は健全ではない。定めたビジョンに向かって純粋に進んでいけば、自然と全体がエネルギーで満たされるのが本来のあり方だ。

上司が部下に媚びても、部下が上司に媚びても健全ではない。お互いに共通にビジョンに向かって歩みを共にする同志なので、同じゴールに向かって最善を尽くすのみだ。

オープン&フェアの最大の効能は地力を上げざるを得ないことだ。アンフェアな部分があれば、地力を上げず政治的な動きで成果を狙えるかもしれない。しかし、完全にオープンな状態では、本質的に強い者が成果を得ることが出来る。

企業においての地力を具体的に挙げる。先ず我々の業界では、当然だが技術力だ。技術力といっても幅は広い。確実に予算と工期を守り開発をする能力だったり、最先端の技術を押さえておくことだったりする。いずれにしろ、その企業のコアである部分の力を上げない限り、採れる戦略上のオプションに限界が来る。技術力を上げなければ、そもそも勝負にならない。

また、企業が有する営業の強さも地力だ。市況に対応し、自社の戦略に対応し、確実に売上を確保する為に必要なのが営業的な地力だ。この部分が弱ければ、高い技術力も大きな収益につながらない。結果、兵糧が枯渇して技術力も立ち腐れる。

組織の体質も地力だ。苦境において信頼の下に協力体制が築けるのか、それとも苦境になると社内のエネルギー値が下がり、人が逃げ出し組織が瓦解するのか。自分達が作り上げてきた組織が、どの様に動くのかで地力の強さが分かる。苦境を迎えて組織が思ったほど強くなくても、悲観も焦りも必要ない。現状を正しく知り、組織作りを進めれば良い。結果的に苦境を脱した時に地力が上がっていれば良いのだ。

photo以前にも書いたが、私が注目してきた国家にシンガポールと台湾がある。どちらも、近年急速に力をつけている。シンガポールなどは一人当たりのGDPでは日本を抜いている。この両国のトップが建国の時期に共通して取り組んだのが、道徳や規律と言ったフェアさを生み出す根源の強化だ。

賄賂などの不正を取り締まり、道路に唾を吐けば多額の罰金を課す。一見やり過ぎに見えるが、フェアさを徹底しないと国の地力が上がらないことを両国の首相は熟知していたのだと思う。不正が通常となれば、国家の優秀な人材は上手くお金を懐に入れる手段を考える。不正が許されなければ、国家の中で正当な競争で勝ち、海外との競争に勝ち、地力において勝利し富むことを目指す。大きな流れの中で、フェアが徹底されれば国家は国際的競争力を持つ。大多数の国民が地力で勝負しようと思うからだ。

不況の時期に多くの経営者は一発逆転を夢見る。何かが当たって、一気に売上が上がることを欲する。その結果として新規事業に手を出したり、投資的な話しに乗ってしまったりする。冷静に考えれば、本業で利益が出せない人間が、本業以外で儲けられる可能性など限りなくゼロに近い。取り組むべきは、自らの生業を徹底して強化し売上につなげることだ。つまり、地力を徹底して上げるにかかるのが正しいのだ。

地力を上げる為に、取り組むべき事はいくらでもある。基本的には地道な作業であり、誰かが率先してリーダーシップを取らなければ進まないだろうが、組織が健全なら各所からリーダーシップを取る人間が名乗りを上げて、会社を推進していくはずだ。もし、社長しか苦境下でリーダーシップを発揮出来ないとしたら、その組織もメンバーもまだそのレベルだと言うことだ。

地力を上げる事により、将来のオプションは確実に増える。採れる戦略の幅が広がる。この地力を武器に進む事業にギャンブル性はない。確実な勝利を見こんで前進できるはずだ。私が理想とする企業は、勝つべくして勝つ組織だ。個人の才覚で企業を振り回しているうちは、常にリスクがつきまとう。一気に成長する時もあるだろうが、個人が倒れれば組織は瓦解する。個人のキレが落ちれば、組織は停滞する。

確実に自社が標榜する未来を実現する為には、個に左右されない組織を作らなければならない。組織全体の地力を上げることによって、例えトップが倒れても成長に陰りがない企業を作らねばならない。

不況下でひたすら邁進するのは、地力を上げる事だ。不況の負荷によって足腰を鍛えに鍛え上げ、その地力を基礎に後の飛躍を実現すれば良い。

2009年11月18日 16:27

度肝を抜く

photo先日、講演にてHWSの採用や人材育成の取り組みを話させて頂いた。大手企業の人材採用や教育を担当する方々が参加していたが、一様に度肝を抜かれたと言う感想を頂き嬉しい限りだ。身体をはって実戦した成果に関しては業界全体の繁栄の為にフィードバックを続けたい。

案外社内では何を話してもメンバー達は慣れてしまっているので度肝を抜かれない。たまに外部に行った方が、良いリアクションを頂けるのでちょっと嬉しい。逆にHWSのメンバーに対しては我々の取り組みが完成したら他社が度肝を抜かれる様な成果を生むという事実を自覚して欲しい。我々の取り組みは我々の為のみにあらず、業界全体の可能性を創るのだという誇りを持って業務に取り組んで欲しいと感じた。

自分が取り組んでいる作業に誇りと使命感を感じなければ、いずれ飽きる。誇りと使命感を持ちクリエイティブに挑めなければ、いずれその環境に飽きるのだ。HWSの側面を見れば飽きない会社の追及とも言える。どうすればメンバーが生涯飽きず仕事に向かえる環境を創れるかが命題でもある。

手を変え品を変えて、目先をいじってもいずれ限界が来るだろう。マネージメントサイドが常に刺激的な仕事を与え、業務に価値を見出せるような意識付けをしなければならないなら、企業の成長には限界が来る。

我々が行き着いた結論はシンプルだが、無限の裁量権を与え青天井にビジネスを作れる環境だ。自ら主体的に動けば、一切の規制なく仕事を作り上げられる。同時に言い訳の余地も一切無い。これを受け入れ、無限の自由をエンジニア達がつかめる環境を目指したのだ。

会社に不満があっても自ら動けば解消できる。業務に飽きが来ても自ら戦略的に動けば次のステップが見え閉塞感が生まれない。こんな環境が実現できれば、生涯飽きずに一つの会社で仕事が出来る。フェアでオープンであれば、仲間同士の信頼も崩れないし、頑張っても損をすることはない。

ただし、この理想を実現する為にはエンジニア自身が血を流さなければならない。エンジニアが言い訳を捨て、他力本願を捨て、自らの力で会社も仲間達も率いてビジネスに取り組む覚悟が必要だ。これを実現するには、狭い世界でプロジェクトを回し幾ばくかの利益を作るレベルで十分評価されていた過去と決別しなければならない。更に大きな責務と成果をコミットしなければならない。ほとんどのエンジニアは、理想を実現する為の前提を受け入れられまい。そこまでの血を流せと言うのは酷でもある。

photoだからHWSの門を叩く人間には予め隠さずHWSのスタンスを話す。覚悟を問う。

ほぼ経営者と同じスタンスが要求される代わりに、ほぼ経営者と同じ決裁権を奪取し、自由にビジネスをデザインできるようになるのだと理解させる。

私と同じ様に一切の言い訳を放棄しなければならない。全ては自己責任であり、自己の力で必要な改善は行わなければならない。「上司が・・・」「部下が・・・」「会社が・・・」を放棄しなければならない。

私と同じ様に一切の批判も放棄しなければならない。会社とは自分の事であり、誰かを批判する事は何もやらなかった自分、何もやれなかった自分を批判する事だと言う価値観を受け入れられなければ、経営者の領域まで意識レベルが向上しない。その意識レベルを持てない人間に自由を与えるほどビジネスの世界は甘くない。

私と同じ様にメンバーに対する責任感を持たなければならない。逃げる場所、退き帰す場所はどこにもなく、職務を完遂し生き残るしかない。そんなスタンスに自分を置き日々のビジネスに取り組まなければならない。

これらのスタンスは、一つずつ自由を放棄していけば、遵守する必要が無い。批判をし、言い訳をし、何かあれば逃げ出しても、自由を捨てているなら許される。言葉を発する自由、組織を方向付ける自由、主義主張を持って生きる自由を放棄するなら、楽な生き方はいくらでもある。酒を飲んで、くだを巻いて、無責任に発言をしても叱責はうけない。イヤになれば逃げればいいし、その程度の信頼と期待しかされないが、気持ち的にはだいぶ楽に過ごせる。

誰も飽きずに生涯仕事を楽しみ仕事に没頭できる企業を作り上げる事は一種の挑戦だ。規則や制度を整備するだけで実現できることではない。資金が潤沢なら良いわけでもない。情操教育を徹底し、企業の文化を全員で作り上げなければ駄目だ。それを基礎に、独自のシステムを構築していくのだ。

全メンバーの流した血と汗を土台にしなければ、後発の我々が真に度肝を抜くような企業を創ることは難しい。血と汗は流すが、そのメンバー達が流した血と汗が、いずれ誇りと充足に変わるような未来を全員の力で築き上げよう。

2009年11月16日 11:11

ちょっと宣伝

ちょっと宣伝です。明日開催される

「オフショア開発フォーラム2009in東京」
http://www.offshoringleaders.com/forum2009tokyo/

こちらで講演をします。14:40~15:25の45分間になります。小企業ながら海外に展開してきた経験を少しでも伝えられればと思い講演の依頼を受けました。興味がある方は是非ご参加を。

実は本日もIT協会主催の「IT人材活性化研究会」にて講演をします。テーマは上記とは全く違って

「新入社員の採用とやる気を発揮させる研修制度」

こちらになります。ヘッドウォータースが取り組んで成果を上げている採用から研修までの戦略をフルオープンで伝える予定です。こちらはIT協会の会員様限定だと思いますので宣伝は控えていました。

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宣伝は以上

photo最近、講演の依頼が多いのは、HWSの規模や実績よりも不況下をガンガン進んでいくバイタリティをご評価頂いてだろう。また、業界全体を活性化させたいという姿勢を貫いているので、使いやすいのだと思う。

技術力を上げる、戦略を立案実行する。これらは経営上大事だが、今のすぐに成果が出る内容ではなく、未来にむけて時間を使って取り組む事柄だ。今いるメンバーで今出せる最大の成果を狙おうと思ったら、エンジン全開で仕事に臨むしかない。

この面では他社の追随を許さない組織で有りたいと思う。全力で目前の成果に当たっている内に技術力も戦略性も自社に蓄積されていくはずだ。

2009年11月12日 11:45

ベンチャーの心意気

ITパークパーティーにて昨日「日本型ITパーク」をテーマにした交流会が開催された。企画時の思惑通り、クリエイティブなテーマで熱のある交流会となった。雨の中二百数十名の方々にご参加頂いた。皆様には心から感謝したい。

長年起業畑にいると声を発する大事さを痛感する。声を発すること、そして走りながら考え、発生したパーツを拾って、事業を組み上げるのが私にとっては基本となる。

過去の経験を武器に戦っては新興企業が既存の大手企業の領域を脅かすことは出来ない。経験の量、データの量ではベンチャーが大手を上回る道がない。事前の準備や計画性などで、大手企業を上回るのも難しい。資金も手数も大手が上なので、リサーチから計画策定までに十分注力出来る。しかし、それだけの準備をする体力をほとんどのベンチャーは持ち合わせていない。

最低限のリスクヘッジは必要だが、それが押さえられるならゴーをかけるしかない。成功の可能性など考えていても答は出ない。先ずは声を発する。自分達が志向するビジネスの価値とロマンを発信する。それに協賛してくれる企業や個人から、ご意見や助力が集まるようになる。それらの材料を組み上げて事業を象って行くのだ。

ITパークパーティーにて先ず走り出し、走りながら考えなければ、理想の実現は平気で数年単位で遅れていく。立ち止まっていては、一年経っても同じ状況で「いつか出来たらいいね」と慰め合うしか出来ない。それが嫌なら走り出さなければ駄目なのだ。ビジネスを組み上げるのに足りない材料は走りながら造るのだ。

日本型ITパーク構想も数年前から温めていたが、収益の為の事業ではないのでペンディングの状態が続いていた。自社の収益や成長を第一にするのは当然だ。しかし、それを十分に達成しながら更に仕掛けていく必要があったのだ。

日本型ITパークについては、とうとう正式に声を上げたことになる。もう次の一手を打っていく義務がうまれている。この状況に追い込み、走り出さなければ成るものも成らない。ビジネスは日々の収益に基本的には追われる。その上に何をプラスで背負えるかで、未来にどんな企業体になるかが決まる。

言うだけ言って、やるだけやって、駄目なら全力で撤退するのみだ。

私がITパークにおいて実現したいのは、PCにおけるウィンドウズの様な役割だ。多くの人達にとってハードルが高かったPCを日常的に使うきっかけを作ったのがウィンドウズだ。日本型のITパークが実現すれば、多くの中小企業が気軽に海外のリソースを使い、海外のマーケットを攻められるようになる。ブリッジSEやオフショア専門の企業などいらない。日本中に海外とネットワークを持ち、海外と連携して開発が出来るSEがあふれ、各社は当然の様に海外を視野に入れビジネスを進める。

ITパークパーティーにてオフショア開発が特別なものであるうちは普及しない。特別なブリッジSEやコンサル企業をはさまなければ海外を使えないようでは、オフショア開発は普及しない。当然、海外をマーケットとして攻めるには更なるパワーが必要なので、多くのベンチャーでは難しくなってしまう。

ボタンを押してスタートし直感的にクリックしていけば動くウィンドウズがあって、初めて爆発的な普及が実現する。常に多くの勉強や修練が必要な状態では、PCマーケットもインターネットマーケットも爆発的な成長は無かったはずだ。

中小企業が気軽に海外のITリソースと連携し、同時に海外のマーケットを攻められるなら、ビジネスの領域は飛躍的に拡大するはずだ。大手以上に画期的なアイディアを持ち革新的なビジネスモデルを志向している中小企業は存在する。その企業群がより海外のパワーを使い発展できるなら日本全体にとって大きな力となる。また、より深い海外との連携を中小企業レベルで進められるなら、他国に対する貢献も甚大であろう。

日本型ITパークの価値は分かっている。壮大な構想ではあるが物理的に不可能なレベルではない。

日本の閉塞感を打破するには、亀のように丸まって耐えているだけでは駄目だ。苦しいのは百も承知で、声を上げ走り出す企業群が必要だ。

先ずはHWSが声を上げる。そして走り出す。その結果、未来のIT業界を造る先駆けとなれれば本望だ。
ITパークパーティーにて

2009年11月10日 11:39

合同説明会で思う事

リクナビ合同説明会にて日曜日にリクナビ主宰の合同説明会に出展した。これで2011年新卒採用も本格的なスタートとなる。今年は学生も動き出しが早く多く参加していた。逆に採用の為に出展している企業は減っているので、多くの学生が弊社のブースに立ち寄ってくれた。一回三十分の講演を合計11回行ったのだが、毎回満席は当然として立ち見も二十人以上は集まっていたので、延べで言うと600名程度は弊社の説明会に参加したと思う。

HWSの未来を創る人材が採れれば良いが、600名の方々の大事な時間を頂いたので、何としても今後の就職活動や社会人生活に繋げて欲しいと思い全力で話した。その意味では、ほとんどHWSの社益は無視し、若い方々への啓蒙の時間とした。

私の声が異常に大きいらしく、他社様と同じマイクの音量設定だと会場の端まで声が通ってしまうので、リクルートのスタッフが何度も来て、ボリュームを下げ続けていた。他の出展企業からクレームがあったのだろう。まあ、それにクレームを言うよりは自社を活気づけた方が結果は良いと思うのだが・・・。

また以前から告知をしていた「日本型ITパーク設立交流会」も明日開催される。天気は微妙だが、気候ごとき無視してエネルギッシュな会にしたい。私も多少お時間を頂いて、IT業界全体が世界に向けて強く羽ばたく未来について話したいと思う。ここでも、HWSの社益は無視だ。

私自身、色々な場所で何かを発信する事が多い。このブログも主義主張の発信の場でもある。自社の理想を話し、業界のあるべき姿を話し、リーダーとしてのあり方を話す。内容に対して、好き嫌いは人によってあるのだろうが、とにかく現時点で自分が得心している事は自信を持って主張する。

リクナビ合同説明会にて今は機会も多少減ったが、10年ほど前はボランティアで経営塾なども運営していたので、毎月講演をしていた。主義主張を話すと同時に、私自身のあり方もコミットし続ける場所であった。私の言葉を心に受けてとめてくれる若い方々の顔を確認し、自分が発した言葉を実現していくことは私の義務となった。

最近あらためて強く感じるのは、「リーダーはもっと言葉を発信すべき」と言うことだ。好景気の時はお金も余っていたし、自信もあったので多くの方々が雑誌なり、講演の場なりで発信活動を行っていたと思う。しかし、昨今は時勢の問題もあり静かに身を伏せて時を待っている経営者も多いのではないか。

状況はそれぞれあるだろうが、基本的にはこの姿勢は間違っている。経営者も人間だ。最初からどの様な状況も平常心で乗り切れるほどの胆力は無いだろう。私は失敗経験も過去に多いので、現在の市況であれば危機レベルで判断してもさほど高くない。しかし、好景気に会社を創った方などは、かつて無い不況感を味わっているかもしれない。これに耐えるには、身を伏せていては駄目だ。声を発し、コミットし、何故自分が事業道を進んでいるか再度確認した方が良い。

人前で堂々と話すには、筋道を通さなければならない。自分の中にある筋道、自分の中にある正義を論理的に語らなければならない。これは自分の経営理念とリンクしているし、言葉で発することによって自分自身の意識を鼓舞することにもなる。

もっと簡単な話で言えば、多く方は主義主張があるから独立し経営の道に入ったはずだ。その主義主張を語って気持ちよくなればいいだけなのだ。その主義主張が正しいとか間違っているとかの問題ではない。個人としての主義主張を結果で示すのがビジネスの世界だ。自分が正しいと思ったことは発信し、正しさを証明すべく成果を残せば良いのだ。そして、主義主張を発する心地よさと同時に、自分が果たすべき義務を自覚し、誇りをもってそれを果たせばよいのだ。

リクナビ合同説明会にてこれ以外に不況を乗りきる胆力を育む道はあるまい。

私自身、自分の平常心ぶりには自信がある。過去に多くの苦難を乗りきった分だけ、平常心でやるべき事を構想し着手できる。どんな危機下でも高いパフォーマンスを発揮する自信がある。こんな私でも、しばらく発信の作業から遠ざかると人間としてずれていくのが分かる。リーダーとして経営者として、理想としていた姿からずれるのが分かる。他者は一切気がつかないが、自分だけが微少なズレに気がつき焦燥する。

こんな時は、人前で話すに限る。ブログも良いが出来れば目の前に人を置いて話すに限る。目前の方々に理想を語りコミットしているうちに自分の原点に帰ることが出来るのだ。

その意味で、合同説明会を含めた採用活動などは、学生に対する啓蒙活動であると同時に自分自身の原点を見失わず、未来へ進む道を明らかにする道標の様なものかもしれない。

経営者に限らず、多くのリーダーに求めたい。理想を発し、義務をコミットし、自分のあり方を再度定めたらどうか。それは苦しい事ではあるが、同時に誇りと使命感を喚起する事でもある。その前向きなエネルギーを持って、苦難に立ち向かわれることをお勧めする。

2009年11月06日 13:55

カンボジア訪問

カンボジア風景ベトナムへの出張に合わせてカンボジアを訪問した。強行日程だったので、毎日8時間くらいはバスや自動車の中である。インドに通っていた頃もそんなだったので懐かしい感じだ。アジアでのビジネスは肉体も精神もタフでなければもたない。

カンボジアは日本の半分程度の国土の中に1500万人ほどの人口を抱えている。タイは5000万人、ベトナムは8500万人の程度の人口なので、相対的にカンボジアの市場性や生産拠点としての価値は低く感じる。日系企業が海外進出する場合は第一に生産拠点として考える。安くてそこそこ良質な人的資源を使い、コストダウンを目論む。この観点から言えば、数値的にカンボジアの魅力は少なく見える。事実、日系企業もあまり進出していない。

表面的な知識と浅い思考で判断する人は、したり顔で「カンボジアは可能性が・・・」と言う。しかし、私が他国を多く周り得た結論は、その国の善し悪しを論ずる意味はなく、大事なのはその国々の利点を使う腕が自分にあるかということだ。

カンボジアは世界屈指の穀倉地帯である。人口の少なさも逆に考えれば、余剰食糧の多さにつながる。中東など自国で十分な食料を確保出来ない地域はカンボジアに強い魅力を感じている。

国連が主導し、早期に民主化を果たしたカンボジアの政情は非常に安定している。自国通貨が弱いのは善し悪しだが、ビジネスは全てドルベースで行われるし、ATMからもドルが引き出せる。どこのお店に行っても必ずドルは使える。外資からすれば、これだけでもビジネスの展開が極めて楽だ。ドルの出し入れも特に規制はないと言うことなので、投資もしやすい。

ストックマーケットも早ければ来年には開かれる。経済規模以上にビジネスチャンスがある。タイ・カンボジア・ベトナムを繋ぐ高速道路も貫通する。人や物の流通も自由になれば、人口の少なさはデメリットにはならないはずだ。ただし、現在の人口推移を見ると5000万人くらいまでは一気に増えそうではある。

私の友人も短期間で大理石の加工工場を造り、水田を東京ドーム40個分押さえビジネスを展開している。成否はこれからの動きによって決まるのだろうが、思い描いたビジネスを自由に展開出来ている喜びに満ちていた。

カンボジア風景慧眼な日系企業は既にカンボジアに投資を始めている。SBIは発展するカンボジアを予見し現地の銀行に資本を入れている。その他にも日本資本の銀行としてマルハン・バンクが設立されていた。収益も黒字化されているようだ。味の素も工業団地に大規模な工場を建設中だった。動く企業は既に動いている。

我々の専門でもあるITも、これからといった感じだ。ベトナムにおけるFPT社の様な絶対的強者もまだ生まれていない。最大規模のSIERでも社員数が180人程度だ。当然、今までは国内に市場も少ないので鍛えられたSEもあまりいない。

私の友人が政府の要人と強いネットワークを持っているので、入国もVIPゲートからだった。ノーチェックで入国し、預けた荷物とパスポートが後からホテルに届けられる。その関係もあり、政府がらみのセキュリティーの案件も受託できそうだが、コストの問題もあるだろうから可能ならベトナムのライフタイム社で受けようかと思う。また、ウェブバンキングシステムの依頼も某カンボジアの銀行からあり、上手くビジネスベースに乗るようなら対応したい。

自社にタフさと腕があれば、これから伸びゆく国には多くの可能性がある。現在、大したマーケットはないが、どこまで行くかは別として確実に拡大する。我々の様なベンチャー企業にとっては、十分メリットを出せる規模のマーケットはいずれ成立する。

状況報告はこのくらいにして、カンボジアで思う事を一つ書いて、この項を締めたい。

カンボジアは未だに地雷があるとか、ウルルンに出てくるとかのイメージが強い。カンボジアに行くと言うと心配される方も多いだろう。実際はよほど北の限られた地域に行かなければ地雷は無く、治安も比較的良い。民主国家なので、政治的にも安定している。プノンペンなどは綺麗に整備されており、道路も広く快適だ。ネット環境も整っている。

ただし、イメージというのは人間の行動に大きな影響を与える。悪いイメージを乗り越えてビジネスを展開する為には相当のパワーが必要だ。

カンボジア風景カンボジアに限らず、発展途上の国々には多くのチャンスとリスクが併存している。数字的なデータだけを並べて、この国へ進出しましょうという結論にはなかなか至らない。数字的に進出するメリットを証明できる段階なら、現在の中国のごとく市場は過当競争に突入しているはずだ。

新しい場所で新しいビジネスを展開するときに、確率を論議しても「絵に描いた餅」でしかない。可能性は精査するが、実際の成否を占える人間はいない。実際に早期に途上国に入り、確固たる地位を掴んでいる先駆企業群は大小に関わらず強権の決裁者が、「こうあるべき」「こうしたい」と言う思い入れを形にしていったケースが多い。

決裁権の無い人間が会議において「こういう可能性があります。」と説明しても「駄目な可能性もあるじゃないか。」と反論されて終わる。理屈では確かにそうだ。

だから、単純にトップが「カンボジアが気に入った」「ここに可能性を感じる」と決裁した場合にのみダイナミックに資本投下がされるのだ。これはどちらかという勘とか思い入れといったメンタリティに属する判断だ。誰かの勘が働いたのが、マルハンであり、味の素でもあるのだろう。

現在ベトナムに進出するのに勘は必要ない。ベトナムは押さえておかなければと言うような流れが既に出来ている。その分、無地のキャンバスに絵を描くようなビジネスチャンスは減っている。

カンボジアなどはまだまだ未知の開拓地だ。アジア随一の工業団地を設計している教授、カンボジアで他の大手が真似出来ない銀行を作ろうとしている頭取、日本の農業技術を使い米の収穫量を倍にしたJICAのリーダーなど何人もの方とお話をしたが、全員が眼に熱を宿し、自分の思い描いたものを形にする為に人生をかけていた。良い意味で何かに憑かれていた。日本では、この憑かれたビジネスマンに会う機会は少ない。

カンボジアで学んだ事の本質は、私自身の起業家としての起源だ。日本だのカンボジアだのではない。自らが思い描いた正義を、全ての時間と能力を注ぎ込み形にする。このシンプルな姿を徹底する為に起業家という道を選んだのだ。これこそが、ビジネスの最大の醍醐味であり、喜びであることを再度痛感させられた渡航であった。