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iphoneが驚異的な販売台数を記録し、話題になっている。それに伴いアップル社の売り上げは日本の巨大メーカー群へと迫る勢いだ。クラウド的な環境が広がれば、モバイル市場はよりスマートフォンが中心となり、シェアを伸ばしていくだろう。
アップル社の驚くべき点は、日本の総合電気メーカーの様に多品目を製造し、その総和としての売り上げではないと言うことだ。意志を込めて、こだわった製品だけを世にだし、結果として日本のメーカーを凌駕しつつある。更に言えば、政府と癒着し公共事業を狙うわけでもなく、誰からの支配も受けず、コンシューマーと正面から相対し、実力のみで売り上げを伸ばしている。
規模が拡大し、体力も上がり社会的な地位が確保されれば、次は安定する為に既得権益を求めるものだが、今のところその気配はない。
小品目だけに勝ち負けもあろうが、先手が取れた時は強い。あらゆる経営資源は分散されず、戦うべき市場に投入される。高い利益率も実現できる。その資源を再投資し、次の先手を狙うこともできる。
iphoneは既にプロダクトではない。一種のインフラだ。iphoneというインフラを通して、ビジネスやエンターテーメントが繰り広げられる。私も常々言い続けてきたのは、事業家が目指すべきは、インフラ構築であると言うことだ。初期の事業は一つの製品であったり、サービスであったりするだろうが、それをステップに目指すべきは社会の基盤へと昇華することだ。現在の実力は各企業様々だろうが、その大小に関わらず目指すべき目線をどこにするかが大事だ。
Windowsも製品時代はOSであったはずだが、結果的にはコンピュータを社会に波及させインフラとなった。インフラとなったからこそ、現在の業績を実現している。インフラ故に、自らが創り出した世界は支配できる。当然、賞味期限はある。驕れば必ず後発の雄が、その地位を奪う。
ネット関連のビジネスにおいて、未だ日本は世界に向けてインフラを発信していない。各企業もプロダクトやサービス構築に意識を向け、インフラを創ろうという気概を見せない。結果、日本マーケットのみでしか売れない製品・サービスしか生み出されない。その意味でグローバルIT企業は、日本には存在しない。ただし、楽天なども海外の企業を買収したり、外国人の採用に積極的な姿勢を見せたりと、飽和した国内市場から視線をグローバルに移しつつあるようだ。今後に期待したい。
HWSは小企業なので、先ずは一点突破しなければならない。一点突破で一定のステージをクリアしなければ、次の一歩はない。しかし、目線は常にその先にありたい。HWSが社会のインフラとして、広く貢献できる未来を目指したい。
HWSはエンジニアのキャリアパスとして、技術に卓越したビジネスパーソンになる道を提唱している。エンジニアの世界では、最終的に技術だけで生きていける少数の天才と、それだけでは抜きん出る事が出来ない大多数に分かれて行くと思われるが、後者のキャリアパスを確立し、日本の競争力を担保できればと思う。
よって、時たまメンバーからビジネスアイディアなども私の所に持ち込まれるが、常に聞くのは、収益モデルと未来への広がりだ。持ち込んだ人間の視点が、短期的な売り上げなのか、連続性のある収益構造を見ているのか、インフラとして発展する未来まで求めているのかを探る。
メンバーから持ち込まれたビジネス案自体が形になるならないもあるが、出来れば積極的ビジネスを考えて来た人材を、その機会を利して教育したい。
世界の潮流を見てみると、面白いものでインフラとなる様なサービスを生み出す企業は「総合○○」ではない。凝りに凝らなければ、技術力があってもインフラを生み出すまではいかない。IphoneにしてもWindowsにしても、同じ時代に似た様な製品を作る技術を、多くの巨大企業群は有していたはずだ。しかし、インフラを作るのは常にベンチャー気質を残し、その製品に全てをかけた企業だった。
社会のインフラを生み出す上で、決して規模は優位に働かない。企業は巨大になる過程で多くの資産を創出するが、その資産の中には負の部分もある。それは余分となってしまった全時代の事業に関わる人材だったり、他の企業や政府との関係だったりする。最大の負は大手のネームバリューに惹かれて集まってきた人材群が形成する根本的に保守的な企業体質だろう。
大手企業には資本もあり、技術力もある。ブランド性も高く、優秀な人材がそろっている。それにも関わらず、インフラを生み出せないのはその体質故だ。巨大企業の唯一の弱点は自己変革できないことだろう。更に言えば、自己否定できないことだ。
よって、偏りに偏り、凝りに凝ったベンチャーがインフラを生み出す。身体を張って体力の無さを補い、ベンチャーがインフラを生み出す。ただし、日本のベンチャー群は未だインフラを創り切れていない。
願わくば、我々は未来のインフラとなりたい。我々は何も持っていないが、同時に負の資産もない。何者にも拘束されないHWSは、大いなる未来を目指し、ギリギリの戦いを繰り返してこそ、世に存在する価値がある。