会長ブログ(株式会社ヘッドウォータース代表取締役:篠田庸介)

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2010年07月29日 14:22

一歩

hws0730_a.jpg最近は仕事の関係もあり、iphone4とXPERIAを使い比べている。スマートフォン歴はそれなりに長いので、シンビアンからウインドウズ、アンドロイド、iOSと色々なOSも使ってみた。携帯としての完成度で言えば、やはりノキアが抜きんでていたので愛用していたが、iphone4を使って見ると流石に売れるだけの実力を持っている。

iphoneなどはブルートゥースで繋がるキーボードをセットで持ち歩くと、ほとんどノートPCも必要ないのではという快適さだ。文章入力とウェブブラウジングなら快適に行える。もうポメラは必要ないかもしれない。当分は楽しめそうだ。

話しは変わる。

hws0730_b.jpg先日、弊社の関連企業である東忠ヘッドウォータース社長の疋田と中国ビジネスについて話し合っていた。最近、日本国内の中国への投資熱や、中国マーケットに対する進出意欲は凄まじい。それに関連して「中国はこうだ!」と論じるにわか評論家やコンサルもタケノコのように現れている。まあ、大体が胡散臭い。

大手企業を中心に中国進出を検討していない方が少ないだろう。我々が提案に行った時にクライアント側が求めるのは常に、成功事例と実績である。

しかしながら日系企業が中国マーケットにて成功した事例などほとんど無いのが現状だ。局地的な勝利を誇張し、成功事例に仕立て上げている資料は多く出回っているが、ちょっと掘り下げると事実が見える。

コストをかけずに「ちょっとやってみる」と言うレベルなら良いが、本格的に収益を狙うなら、課題は山積している。

ぶっちゃけ、他社の成功事例を真似して、伸長する中国マーケットで一山当てようと言うスタンスに無理がある。成功事例が無いのだから、または過去の成功事例が使えないのだから、リアルタイムで噴出する課題に自ら対処し、事業を推進する覚悟を持たなければ駄目だ。

hws0730_c.jpg大手であればあるほど、社内調整に手間がかかるので、説得材料としての事例は必要だろうが、ベンチャー的な感覚で言えば情報や事例は走りながら集めろとなる。身体を張って戦う中で経験を積みあげろとなるのだ。今の中国には、このスピード感が必要なのだろう。しかし、これは多くの日系企業が失ってしまったものかもしれない。

ベトナムでもカンボジアでも、韓国企業、中国企業の台頭は目覚ましい。彼らの最大の武器は決裁スピードが圧倒的に速いことだ。進出も撤退も風の様に行う。

カンボジアで日本の投資により建設中の橋を見せてもらった。メコンにかかる重要な橋なのだが、何故か作りかけの橋の横に完成された橋が架かっている。「二本も橋はいらないでしょ?」と質問してみると、既に架かっている橋は中国資本で建設されたものだという。日本が計画を煮詰めている間に、中国はササッと橋の建設を決定し開始し完成させてしまったのだ。日本資本の橋はまだ一年以上の工期が必要らしい。笑えない話しだ。

この一事も見ても分かるように、決定スピード、実行スピードでは勝負にならない。確かに、橋の品質では日本の方が上かも知れない。慎重に計画を立てることによって、リスクヘッジがなされるかもしれない。しかし、膨張する市場において価値を持つのはスピードの方だ。

先日、中国人経営者の友人と話しをしていた時に、中国マーケットの話題となった。彼自身は冷静に現状を認識していた。彼曰く、「かつて日本がたどった道を中国はより早い速度で進んでいるだけであり、いずれ飽和を迎える。そして、その時期は意外に近い。」との事だ。下手をしたら10年、長くても20年もあれば順調に中国が成長したとしても、飽和を迎える。その僅かな時間に勝利を掴み、日本の巨大企業群の様なポジションを掴まなければ、グローバルな企業は創れないという焦燥感を、彼自身は強くもっている様だ。必要なのはスピードだ。一歩を先に踏み出さなければならない。

多くの企業が慎重に、中国進出を検討している間に、着々と市場を獲得している企業群がある。中国国内の企業は当然だが、欧米からも多くの企業が進出している。ワールドワイドな戦いである。

成功事例と情報量で勝負が決まるなら、我々の様なベンチャーが出る幕はない。しかし、勇気を振り絞って一歩を踏み出すことが勝敗を分けるなら、そこに勝機がある。逆に我々より早い決裁スピードを持っている大手企業もあるまい。

hws0730_d.jpg先んじる一歩が重要なのは、誰しも理解しているところだ。それでも一歩が踏み出せないのは、混沌さ故である。不確定要素が折り重なっているかである。それが無ければ誰でも踏み出している。

これは中国マーケットに進出の話しに留まらない。今の日本で生きる多くの社会人にも同じ事が言えるのではないか。

現状の忙しさや、現状の体制に不満を並べても未来は変わらない。今現在、閉塞感を抱いている多くの社会人に当てはまると思うが、現状を打破するにはあえて一歩を踏み出すしかない。あらゆる言い訳を放棄し、ただ一歩を踏み出すしかない。資金が無い事も、リスクも、多忙さも、全てを受け入れた上で一歩を踏み出すしかないのだ。

難しい話しは抜きだ。「一歩」が出せれば、未来は己の手中にある。