会長ブログ(株式会社ヘッドウォータース代表取締役:篠田庸介)

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2010年08月16日 15:48

建築す

組織作りは建築に似ている。土台から計画的に組み上げねば、強固なものにならない。

先日、某大手金融機関の方と食事をした時に、「経営幹部を集めるのに苦労しませんか?」とご質問を頂いた。まあ、この規模で勢いのあるベンチャーは社長のキャラクターで牽引している場合が多い。弊害として、優秀な上位人材が集まらず、苦労している経営者は多い。

社長の魅力は創業期には大事なのだろう。社歴も資産も無ければ、そのくらいしか人材を集める術は無い。しかしながら、物事には作用と反作用がある。これは善し悪しの問題ではない。

基本的に社長の個性で人材を集めては、社長以上のスタッフは来にくい。社長としては、「社長に惚れて来ました!」と言われれば心地良いだろうが、この手の人材は伸びしろに限界がある。この言葉には多少の依存心が含まれている。

基本的な話しになるが、企業には大義が必要だ。その企業が何を成し遂げるのかという、存在意義が必要なのだ。本当に優秀な人間は、誰かに殉じるのではなく、大義に殉じるものだ。誰かに殉じるのは、私である。多くの人を動かす原動力にはならない。大義に殉じるのはあくまでも公だ。そこには万人を動かす正義がある。

大義に反するなら、社長すら排斥するくらいの純粋さが組織内にあってこそ、社長の器を超えた人材も集まる。社長の上に大義がある以上は、社長の言葉は絶対ではない。社長はある種の不安を抱えながら経営に当たる事になる。常に努力し、自分の存在価値を組織に与え続けなければ居場所はない。

そもそも論で言えば、安心したいなら大きな組織に所属すれば良い。何かを成す為に起業したのなら、優先順位は安心よりも発展であり、事業の成功だ。あらゆるメンバーの上位に来るのは、企業の大義であり、その大義を成す為の組織である。これは社長の上位にも来る。

ここに一点の曇りも無ければ、良い人材も集まるだろう。自分を上回る素材も惹き付けるだろう。

HWSにおいて、今の所スタッフに不満を感じた事は無い。それぞれ未熟さはあれど、私には及ばないものを持っている。問題が生じれば、当事者としてそれぞれが解決に向かう。会社のせいにする訳でもなく、市況のせいにする訳でもなく、ひたすら解決に向かう。そんな人材がHWSには多く存在する。私が口を出す余地は年々減っている。「奴が駄目なら、俺がやっても駄目だ」という信頼があるので、目くじらを立ててメンバーの素行を監視する必要もない。

事業部長や役員だけではない。多くのメンバーは昨年の市況下でも、このスタンスを堅持している。立場があるからではなく、一人一人がHWSなのだと感じる。

よってHWSでは、ヘッドハンティングに全く興味がない。幹部は外から採るのではなく、内部の人材が必要に応じて、その役割を担う。HWSを理解し、HWSの発展に貢献した人間が自然とその任を担うのみだ。

人に恵まれたという軽い話しでもない。メンバー達が純粋に組織に貢献し、大義に向かって行く事で必然的に良い人材が集まったのだ。運や縁だけではなく、我々の明確な意志によってHWSの組織は成形されて来たのだ。

HWSが選んだ道は、あくまでも公であると言うことだ。

公が正しい訳ではない。何を目的とするかは企業によって違う。個人が富を作る為に創業することも、それはそれで良い事業が生まれるなら社会貢献となる。徹底して私を追う姿も、ある意味清々しい。ただし、我々は企業は特定個人のものではなく、株主のものでもないと考える。あくまでも社会のものであり、多くの人に貢献する為にある。これが我々のスタンスであり、我々にとってはこれが正しい。

HWSが純粋である間は、多くの良い人材が集まるだろう。己の腕を活かす場所を探している強者は世に多くいる。彼らはどこに行ってもそこそこ稼げるのだが、報酬と同時に自分の人生を注ぎ込む大義を探している。人生は短いので、淡々と日々の糧を得ている内に気がついたら年老いてしまう。同じ時間を使い、同じ様に糧を得るなら、より価値を感じる事に従事したいはずだ。

良い人材が欲しい、経営幹部が欲しいと考えるなら、上手い採用の切り口を考えるよりも、お金をかけて良い広告を出すよりも、純粋である事が必要だ。人が自然と集まるくらいに、純粋で情熱に溢れているのなら、必ずやその想いは必要な人に届くはずだ。

HWSでも今期は増員に力を入れる。実際、仕事が溢れて戦力が足りない。欲しいのは、HWSの大義に、HWSの環境に魂が震える人材だけだ。