会長ブログ(株式会社ヘッドウォータース代表取締役:篠田庸介)

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2010年08月24日 13:04

解釈

2010_0824_a.jpg企業にはビジョンがある。文化もある。明文化されているものもあるが、何とかなく認知されているものもある。

常々思うがビジョンと一口に言っても、解釈の仕方で全く違う。例えば「インターネットの未来をリードする」と掲げても、幅が広すぎて企業の意思統一にはつながらない。このビジョンは人によって別ものとなる。

「我々は常に挑戦する集団である」と言ってみても、どのレベルの挑戦をするかで意味合いは全く変わる。企業の存続をかけて挑戦をするのか、比較的に前向きに業務の改善を図るのかは全く別物だが、見方によってはどちらも挑戦だ。

よほどシンプルな表現でないと、ビジョンも企業理念も統一されたものにはならない。シンプルなものでも、異なった解釈の余地は十分にある。

人間は様々な事を自分なり解釈し、自分の中に積み上げていく。その解釈の質により、人格もビジネスパーソンとしてのレベルも定まっていく。仕事柄多くの人と合うが、この解釈の質が高い人間は総じて仕事が出来る。信頼も出来る。

色々なタイプがいるので、別に明らかに聡明で無くても良い。竹を割ったように、明快かつ迅速に解釈されなくもてよい。自分なりに咀嚼し、深みのある解釈が生まれればよい。それぞれの中で矛盾無く、得心した答えがあれば良いのだ。ただし、外から見ればそのレベルで自分の価値は量られるあ

ビジョンの徹底とは、明文化した内容を暗記させることではない。毎朝、連呼することでもない。組織全体の解釈のレベルを向上させる事だ。思考停止の中で暗記されたビジョンにも理念にも、何かを生み出す力は宿らない。実行力を宿すには、各々の思考、解釈の先に理念が無ければ駄目だ。

2010_0824_b.jpgHWSにも掲げるビジョンがある。標語化はあえてしていないので、壁には貼っていないが、ここかしこで私も発信しているし、HWS内部でも判断基準として「HWS的にはどうだ・・・」と普通に使われているので、ビジョンも理念も確かに存在している。

HWSにおいて各メンバーは、各所に点在している理念の断片を拾い集めて、自分なり解釈しなければならない。HWSにおけるビジョンとは何か。理念とは何か。自らの意思で答えを組み上げなければならない。その解釈の質の高さがビジネスパーソンとしての質の高さでもある。

人間は時に外形にとらわれがちだ。大きな本社ビルや、ネームバリューなども企業を判断する指標ではあるが、内部の人間として大事なのは、自らが解釈し理解した自社の存在価値であろう。その目的の為には面子など捨てるべきだ。

先日、某都市銀行の方とお会いした時に、合併が上手く行った理由を聴いた。合併の際に、規模の大きい銀行側の頭取が、記者会見にて次の様な質問をされた。
「吸収する側として、どの様なマネージメントをするつもりですか?」
これを聴いた頭取は感情を顕にして怒ったと言う。
「我々は対等に合併し、新しい銀行を作るのだ。吸収とはなんだ!」
と言い質問した記者に叱責を浴びせたと言う。また、都内某所では、規模が大きい方の銀行の支店長が、隣接する規模が小さいほうの銀行に支店に、支店の全社員を連れて挨拶に行ったと言う。次の日は逆に小さい銀行の支店長が全員を連れて挨拶に行ったと言う。

どちらが吸収する側とか、どちらが格下とかは面子の話だ。一緒になってしまえば、同じゴールを目指すしかない。その為にはチームワークが必要だ。面子という障壁なしに交わらなければ、強い組織になるわけがない。ゴールも近づかない。

大事なのは資本主義社会の心臓とも言える銀行業務において、社会の基盤たる組織を作ることだ。その機能を全うすることだ。それ以外は二の次であろう。

2010_0824_c.jpg理念やビジョンには解釈が必要だと書いたが、そもそもビジョンや理念に対して真摯に向き合わない社会人も多い。彼らの動機レベルは、飯が食えればよい、平穏無事に暮らせれば良いという、原始的な部分を超えない。それは生存のベースなので否定はしないが、その欲求のみを抱えて生涯を過ごすのは、あまりにも残念だ。誤解を恐れず言えば、犬でも猫でも平穏に暮らしたいと思っているし、ご飯が食べたいとも思っている。その感情の上に、自らの意志で何らかの目的を人生に織り込んでこそ人間なのだと思う

人間として、意志を持って生きようと思った時に、自分が人生の一部をつぎ込む組織のビジョンや理念は重要となる。これが自分の人生と重なってこそ、人は迷い無く幸せに仕事に向かえる。

そして、そのビジョンや理念は口を開けていれば、自然と流れ込んで来る物ではなく、自らの意志で解釈し、形にしなければなならないのだ。ビジョンの解釈まで企業に求めては駄目だ。それは無理な相談だし、無意味なことだ。解釈は各人が行い、自分のレベルを示せば良いのだ。

私にとって企業において大事なのは、実現する未来だ。標語でもなければ、規模の事でもない。多くの人たちが幸せになり、喜んでくれる未来のことだ。その他は全て些事に過ぎない。その為に全速力でHWSを成長させ、強い影響を世に与えたいと願う。