会長ブログ(株式会社ヘッドウォータース代表取締役:篠田庸介)

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2010年09月02日 16:12

割に合う

世の中に、割に合う合わないという言葉がある。割に合わない事から逃げようと言う風潮ではあるが、案外、割に合わない事にこそ次へのステップが隠されているものだ。

私の二十代前半などは事業家を夢見て割に合わない事ばかりしていた。周りから見たら「馬鹿な奴だ」と思うだろうが、不思議なもので、二十年の歳月で考えるとそれらは割に合ってくる。そもそも割を気にしていたら起業など出来まい。

人材育成などは最たるものだ。未熟な人間に業務をふると、教える手間がかかる割には生産効率が上がらない。効率が悪いだけではなく、何かしらの失敗をすることも多いので、事後処理に工数を奪われることもしばしばだ。挙げ句の果てには、育った頃には会社を辞めたりする。とてもでは無いが割に合わない。

100902_c.jpgもし、育成した人材が手元に残れば将来にリターンが見込めるが、そう言う短期的な視点を抜きしても、人材を育成した側には多くのリターンがある。人材を育成する間に多くの経験をする。多くの葛藤も処理しなければならない。それらの時間が、自らの能力と人格を育む。

また強い組織を作り厳しい環境下でビジネスを展開するためには、メンバーに様々な負荷を強いらなければならない。自らが背負ったことのないほどの負荷をメンバーに要求するのは無理だ。その言葉に説得力はなく、誰の心を動かすことも出来ない。

割に合わない時間を使い、試行錯誤を繰り返し、負荷を背負った経験が有ってこそ説得力もマネージメントの強さも身につく。演技をしなくても、強いリーダーシップを持つ為のノウハウ本を読まなくても、自然と人を牽引する力が身についているはずだ。

新卒、中途も含めてHWSでは増員に力を入れている。とてもでは無いが、今居るメンバーだけでは仕事をこなしきれない事もあるが、HWSが提唱するビジョンを達成するためには更に社会的な影響力を増さなければならないので、現状の規模でデフェンスに回る事は許されないのだ。

エッジが立った企業な分だけ、HWSに合致する人間は他社と比較することなくHWSを選ぶ。良い人材を集めようと言うよりは、手を組むべき人材を集めようと徹底した結果、案外採用に困った事はない。意志を持った大人なら、HWSを選ぶか敬遠するか、明確に答を導き出せるはずだ。よって、他と比べることなく来る人は来るし、来ない人は来ない。その為に必要な明確さがHWSにはある。

100902_a.jpgよって、過去と同様にHWSに来るべき人は自然とHWSに集う。これから200名、300名とメンバー数が増えていく中で、当然現存のメンバーには強いリーダーシップを期待したい。強いマネージメントを期待したい。それは簡単な事ではないが、マネージメントスキルを向上させて対応すると言うよりも、各メンバーはリーダーとしての正しい覚悟を持ってその任に当って欲しい。

ここで言う覚悟とは、割に合わない事を自ら進んで背負う事だ。

様々な組織で権限委譲が叫ばれている。権限委譲にはルールがある。HWSでは極限まで権限を委譲するために様々な取り組みをしている。メンバーにも美味しいどころ取りではなく、自由と同時に背負うべき負荷も要求している。

HWSの勝利に貢献する能力も覚悟も無い人間には一切の自由も許されない。自然と降り注ぐ自由を期待してHWSの門を叩くと後悔するので、予め忠告したい。

これからHWSの門を叩く人間、またHWS現メンバーに一つアドバイスがある。HWSにいる以上は、いずれ強いリーダーシップが期待される。スキルもやる気も、ただ持っているだけでは価値がない。それらを使って成果出してこそ評価される。技術は何らかのコレクションではない。お金と同じで、使ったときにのみ価値を生み出す。HWSではひたすら成果が求められる。そこに一切の妥協はない。逃げ道もない。その成果も、出来る事をやって普通に出るような成果ではなく、現状のままでは手に入らないレベルで求められる。成長して今以上の自分になるか、HWSを逃げ出す以外に、未来の選択はない。

リーダーシップとは勝利を導く力だ。リーダーシップを定義するなら、それは勝利と同義語になる。成果や勝ち負けをテーブルに乗せずリーダーシップを論じるのは間違っている。当然、この言葉は私自身にも当てはまるので、心して事業に取り組む覚悟は持っている。繰り返すが、リーダーシップとは人を纏める力でも、調整する力でもない。ひたすら勝ち続ける力だ。

一旦、リーダーシップを発揮しようと決めたなら、勝利を最優先しなければならない。私情は捨て、勝利を追わなければならない。勝つ確率を少しでも上げる為に、割に合わない事をやり続けなければならない。勿論、ここで言う勝利とは一時的な繁栄を指さない。継続的な成果を指す。

100902_b.jpgその中で、具体的なアドバイスをするとしたら、リーダーは一番嫌な仕事は最期まで自分に残すべきだ。権限委譲により、リーダーの物理的な作業量が減るのは望ましい。自分の権限を部下に委譲し続けると自分のやるべき事が鮮明に浮かび上がる。権限委譲を徹底すると、リーダーしか出来ない仕事が残るはずだ。大きく分けて二つ残る。

一つは、リスクが極めて高い事業を推進する事だ。企業の発展を考えて攻めなければならない状況では、リーダーが陣頭指揮に立たなければならない。そして、全ての責任を取らねばならない。もう一つは、一番嫌だと思う職務は、やはりリーダーが背負わなければならない。組織を運営する中で、順調に行くことばかりではない。色々なねじれを修正し、前進しなければならない。その所々で、図らず嫌な作業が発生する。そのどうしても嫌な事は、自分の存在価値だと思い気概を持って自ら取り組まなければならないのだ。

かっこの良い言葉でまとめれば「ビジョン」と「最終責任」がリーダーの職務だと言ったところだが、実務ベースで言えば、上記の二つとなる。

そこで読者諸兄に一つだけアドバイスを残す。一番嫌なことは部下に委譲してはならない。そこそこ嫌なことは部下を育てる上で必要なので、次々に渡してしまえば良い。しかし、心から逃げ出したい局面では、自分が処理に当たらなければ駄目なのだ。

この覚悟がリーダーとしての自分を作り上げる。強いマネージメントも、対人能力も育む。しばらく割に合わないかもしれないが、いずれ自分の糧となり、未来の繁栄へと繋がる。いつか必ず割に合う様になる。