01/Azure IoT Edgeとは
Azure IoT Edgeとは:クラウドから現場の端末へAIを届けて管理する仕組み
Azure IoT Edge(アジュール IoTエッジ)は、AIの判定や業務の処理を、クラウドではなく現場の端末(エッジ)で動かすためのMicrosoftの仕組みです。エッジとは、カメラ・センサー・設備の近くに置いた小型のコンピューターやPCのことです。アプリは「モジュール」と呼ぶ箱(コンテナ)に詰めて、クラウドからまとめて配信します。端末に入れた管理ソフト(ランタイム)が、モジュールが動き続けているかを見守り、クラウドの管理画面(Azure IoT Hub)から状態を確認できます。
LinuxだけでなくWindowsの端末でも、EFLOW(Azure IoT Edge for Linux on Windows)を使って動かせます。工場ですでに使っているWindows PCを、そのままAIを動かす端末として使えるのが特徴です。データが生まれる現場の近くで処理する考え方をエッジコンピューティング、現場でAIを動かすことを「エッジAI」と呼びます。近年は、文章を読み書きする軽量な生成AI(SLM、小規模言語モデル)を端末で動かす使い方も広がっています。
クラウドだけで処理する場合とエッジで処理する場合
クラウドだけ:データを送ってから判定する
① カメラ映像やセンサーの値をすべてクラウドへ送る
② クラウドのAIが判定し、結果を現場へ返す
③ 通信が切れると判定が止まる
応答の遅れ、通信費、機密データを社外へ送ることが課題になります。
Azure IoT Edge:現場で判定し、クラウドで管理する
① 現場の端末でAIが判定し、その場で知らせる
② 判定結果や要約だけをクラウドへ送る
③ AIの更新はクラウドから全端末へ配信する
通信が不安定でも動き、端末が増えても遠隔でまとめて管理できます。
Microsoft Learnの記載をもとに作図
Azure IoT Edgeを使うメリット
その場ですぐ判断できる
データをクラウドへ送らずに端末で判定するため、応答の待ち時間が短くなります。
通信が切れても止まらない
工場の奥や移動中の車両など、通信が不安定な場所でもAIが動き続けます。
機密データを外に出さない
映像や設備の記録は現場で処理し、結果や要約だけを社外へ送れます。
通信量と費用を抑えられる
必要なデータだけを送るため、映像をすべて送る場合より通信量が減ります。
遠隔でまとめて更新できる
AIやアプリの更新をクラウドから全端末へ配信でき、現地での作業が減ります。
今あるWindows PCを使える
EFLOWを使えば、現場のWindows端末でもLinux向けのアプリを動かせます。
02/注目される背景
エッジAIと生成AIの広がり:長期サポート版の更新と製品の使い分け
工場の検査、店舗の棚の確認、設備の保全など、現場ですぐに判断したい業務でエッジAIの利用が進んでいます(当社のエッジAI開発)。さらに、軽量な生成AI(SLM)を端末で動かせるようになり、通信のない場所での報告書作成や問い合わせ対応にも使い道が広がりました。
Azure IoT Edgeは、長期サポート版(LTS)を一定の期間ごとに切り替える方式です。Microsoftによると、1.5 LTSのサポートは2026年11月10日に終わり、2026年7月に提供された1.6 LTSは2028年11月14日までサポートされます。1.5から1.6への大きな機能の変更はないとされています。また、工場の現場に専用のサーバー群を置いて設備のデータをまとめて扱う新しい仕組みには、Azure IoT Operationsを推奨しています。すでに動いている端末の更新と、これから作る仕組みの製品選びを、あわせて考える時期に来ています。
長期サポート版(LTS)の切り替え
2022年8月〜2024年11月12日1.4 LTS(終了)サポートは終了しています
→
2024年4月〜2026年11月10日1.5 LTSWindows向けのEFLOW 1.5も同じ時期に終了
→
2026年7月〜2028年11月14日1.6 LTS(現在の版)1.5からの大きな機能の変更はなし
Microsoft Learn「Azure IoT Edge versions and release notes」の記載をもとに作図
Microsoft Learn(2026年7月17日更新)
長期サポート版の切り替え
1.5 LTSは2026年11月10日、Windowsで動かすEFLOW 1.5 LTSも同じく2026年11月まで。1.6 LTSは2028年11月14日までサポートされます。次の長期サポート版は、前の版の終了の約6か月前に提供する方針です。
Microsoft Learn「Introduction to Azure IoT」
クラウド接続型とエッジ接続型
端末がクラウドに直接つながる形はIoT Hub、現場の環境にまとめてつながる形はAzure IoT Operationsと整理しています。IoT Edgeを使った構成は、両方の要素を持つ形として説明されています。
03/仕組み
Azure IoT Edgeの処理の流れ:開発から配信・現場での実行・監視まで
アプリをモジュールにまとめてクラウドの保管場所に登録し、IoT Hubから端末へ配信します。端末では管理ソフトがモジュールを起動し、動作の状態や記録をクラウドへ伝えます。AIを更新するときも、同じ流れで新しいモジュールを配信します。IoT HubやContainer Registryなど、Azureのサービスを組み合わせて使います(当社のAzure PaaS開発)。
処理の流れ
1アプリを作るAIや業務の処理を作り、モジュール(コンテナ)にまとめます
→
2保管場所に登録する作ったモジュールを、クラウドの保管場所(Container Registry)に登録します
→
3端末へ配信するIoT Hubで、どの端末にどのモジュールを入れるかを決めて配信します
→
4現場で動かし見守る端末で管理ソフトが起動・監視し、状態や記録をクラウドへ伝えます
Microsoft Learnの記載をもとに作図
できること内容業務での使い道
アプリを箱に詰めるIoT Edgeモジュール
AIや業務の処理を、コンテナと呼ぶ持ち運べる箱にまとめます。
画像検査のAI、報告書を作るSLM、データの集計をそれぞれ別の箱にして組み合わせる
端末で見守るIoT Edgeランタイム
端末に入れる管理ソフトで、モジュールの起動、通信、再起動を担います。
アプリが止まったときに自動で立ち上げ直し、現地に行かずに済ませる
クラウドで管理するAzure IoT Hub
端末の登録、配信する内容の指定、状態の確認をクラウドで行います。
全拠点の端末の稼働状況を1つの画面で確かめる
Windows端末で動かすEFLOW
Windowsの中にLinuxの環境をつくり、Linux向けのモジュールを動かします。
現場のWindows PCに保存された保全データを、端末上のAIで読み取る(EFLOW)
多数の端末を登録するDevice Provisioning Service
端末を最初に起動したときに、自動でIoT Hubへ登録します。
新しい拠点に多数の端末を置くとき、1台ずつの設定作業を減らす
04/使いどころ
エッジAIが向く場面と、IoT Hub・IoT Edge・IoT Operationsの選び方
すべてをエッジで処理する必要はありません。現場で判断する理由がある業務をエッジに置き、集計や分析はクラウドで行うのが基本です。集めたデータは、現実の設備や場所をデジタル上で再現するデジタルツインにも使えます。
リアルタイム
その場ですぐ判断したい
製造ラインの検査、危険の予知、機械の制御など、数秒の遅れが問題になる業務に向いています。
オフライン
通信が不安定な場所で使いたい
工場の奥、地下、車両や航空機の中など、クラウドに常につながらない場所に向いています。
機密・プライバシー
データを外に出したくない
人が映る映像や設備の詳細な記録を現場で処理し、結果だけを送りたい場合に向いています。
大量のデータ
通信量を抑えたい
カメラが多い店舗や工場で、映像をすべて送ると通信費がかさむ場合に向いています。
Microsoftの製品つなぎ方向いている場面
Azure IoT Hub
端末が直接クラウドにつながる(クラウド接続型)
センサーの値をクラウドで集めて分析する。端末側での処理が少ない場合
Azure IoT Edge
端末でアプリを動かし、IoT Hubから管理する(両方の要素を持つ形)
PCや小型端末の上でAI・SLMを動かし、クラウドから配信・更新したい場合
Azure IoT Operations
工場などの現場に専用のサーバー群(Kubernetes)を置き、設備のデータをまとめて扱う(エッジ接続型)
工場の機械の共通の通信規格(OPC UA)などで設備のデータを集めて整え、現場とクラウドで使う新しい仕組みをつくる場合(製品ページ)
Microsoft Learn「Introduction to Azure IoT」の記載をもとに整理
05/当社の支援内容
エッジAIアプリの開発から、クラウドでの学習・配信・端末の保守・業務データの活用までの支援
当社は、Azure IoT Edgeを導入するだけでなく、「クラウドで開発・学習・管理し、現場の端末でAIを動かす」一連の仕組みをつくります。エッジAI開発とSLMアプリ開発の知見を組み合わせ、構想から運用までを支援します。
支援の流れ
支援 1構想と端末の選定エッジとクラウドの役割分担、端末の選び方
→
支援 2・3アプリ開発と配信モジュール化、Windows端末での実行、配信の手順
→
支援 4・5SLMの軽量化と実装業務向けの学習、端末でのオフライン実行
→
支援 6保守と業務データの活用版の更新、遠隔の保守、業務システム連携
伴走体制:フォワードデプロイ(FDE)(現場に入り込む
実装支援)で、現場の業務と端末の条件を確かめながら、試作から展開・運用までを貴社のチームと進めます。
支援 1
構想と端末の選定
どの処理を現場で行い、どの処理をクラウドで行うかを決めます。必要な性能から、Windows PC、小型のLinux端末、GPU付きの端末などを選び、IoT Edge・IoT Operationsのどちらで組むかも判断します。
支援 2
エッジAIアプリの開発
PythonやDockerで作ったアプリを、IoT Edgeのモジュールとして開発します。docker-composeで作った既存のアプリを、IoT Edgeの形に変換して使うこともできます。
支援 3
クラウドからの配信とWindows端末での実行
Container Registryへの登録、IoT Hubからの配信、稼働とログの確認までを手順にします。Windows端末ではEFLOWを設定し、Windows側のフォルダの共有やネットワークの設定も行います。
支援 4
SLM・生成AIのエッジ実装
Phi系などのSLMを端末上のモジュールで動かし、通信のない環境で保全レポートの作成や業務の質問への回答を行う仕組みをつくります。
支援 5
モデルの軽量化とクラウドでの学習
Azure VMで業務向けにモデルを学習させ、Microsoft Oliveで軽量化します(量子化、LoRA/QLoRA)。ONNX Runtime、DirectML、CUDAを使い、端末の性能に合わせて動かします。
支援 6
端末の保守と業務データの活用
IoT Edgeや端末上のソフトの版の更新、遠隔での保守を計画します。デジタルツインや外部のSaaS・業務アプリとつなぎ、現場のデータを業務の改善に使えるようにします。
06/特長
クラウドとエッジをつなぐ構成:学習・保管・配信・現場での実行
当社は、AIモデルの学習から現場の端末での実行、結果の業務への活用までを1つの構成として設計します。モデルを軽量化し、端末の性能に合わせて動かし、更新もクラウドから行えるようにします。
構成イメージ
Cloud / Train学習・軽量化
Azure VMで業務のデータを使ってモデルを学習させ、Microsoft Oliveで端末向けに軽量化します。Azure VMMicrosoft OliveLoRA/QLoRA
Cloud / Store保管
モデルとアプリを、モジュールとしてクラウドの保管場所に登録します。学習用のデータはBlob Storageに置きます。Container RegistryBlob Storage
Cloud / Manage配信・管理
IoT Hubから端末ごとに配信する内容を決め、モジュールの稼働を見守ります。Azure IoT Hub死活監視
Edge現場の端末
Windows端末ではEFLOW上で、Linux端末ではそのまま、AIや業務のモジュールを動かします。通信がなくても処理できます。IoT EdgeEFLOWONNX RuntimePhi
Business業務での活用
判定結果や要約をクラウドに集め、ダッシュボードやデジタルツイン、業務システムで使います。Power BIDigital Twins業務システム
顧客環境に合わせて構成
特長 1/3
配信・運用の実装経験
案件でエッジデバイスの運用にIoT HubとIoT Edgeを使い、既存のアプリの変換、配信、ログの確認までを手順化して技術ブログで公開しています。
特長 2/3
SLMをエッジで動かす検証
東京エレクトロン デバイスと、モデルの軽量化からIoT Edgeでの配信、さまざまな端末での実行までを組み合わせて共同検証しました。
特長 3/3
エッジの運用管理まで扱う
端末の監視や遠隔での更新、データの統合・分析まで、エッジAIを現場で使い続けるための仕組みをつくってきました。
07/取り組み事例
SLM×IoT Edgeの共同検証と、エッジデバイス運用・デモ開発・提案の実績
Azure IoT Edgeを使ったアプリの開発・配信、Windows端末での実行、SLMのエッジでの実行について、案件での利用、共同検証、デモ開発、提案の形で取り組んできました。提案資料が根拠の顧客は業種で紹介します。
対象・テーマ取り組み内容
東京エレクトロン デバイス(共同検証・2025年2月公表)SLM×IoT Edge
Microsoft Oliveによる量子化とLoRA/QLoRAで、Phi系のSLMを業務向けに調整しました。EFLOW、iotedge-compose、IoT Edgeのランタイムを使ったアプリの開発・配信、Azure VM・IoT Edge・Container Registryによるクラウドとエッジのデータ連携、DirectML・CUDA・ONNX Runtimeによる端末への適用を検証しています(発表)。
IoT関連案件(エッジデバイスの運用)IoT Hub・IoT Edge
エッジデバイスの運用にIoT HubとIoT Edgeを使いました。docker-composeで作ったアプリをIoT Edgeの形に変換し、Container Registryへの登録、Windows端末(EFLOW)への配信、ログの確認までを技術ブログで公開しています。
当社(デモ開発)保全レポートの作成Phi-3-mini・EFLOW
Windows上の保全データをIoT Edgeのモジュールと共有し、モジュール内のPhi-3-miniが、普段の言葉の依頼から対象の日付と項目を読み取ってレポートとグラフを作る構成です。公開データを加工した想定データで作ったデモです。
当社(検証)産業機器の質問対応SLM・オフライン
トラブルシューティングガイドを学習データにしたSLMを、IoT Edgeのモジュール内でオフラインで動かし、産業機器の質問に答える仕組みを検証しました。
自動車メーカー(提案)エッジVLM構想
画像と言葉を扱うAI(VLM)を現場の端末で動かし、クラウドでの監視、モデルの調整と配信、AIの運用、端末の選定を組み合わせた構成を設計し、提案しています。将来の構成には、IoT Edge、Device Provisioning Service、Container Registry、Azure DevOpsを含めています。
SyncLect Digital Twin(2021年サービス開始)IoT Edge・Azure Digital Twins
Azure IoT EdgeとAzure Digital Twinsを使い、データとデバイスの一元管理、エッジAIの学習モデルの遠隔での修正・更新、外部のSaaS・アプリとの連携を行うサービスとして提供を始めました(発表)。
公開している関連の取り組み
08/顧客価値
現地作業・通信量・機密データの課題の解消と、役割別の効果
よくある課題Azure IoT Edgeでの対応得られる価値
AIを更新するたびに現地で作業している
IoT Hubから全端末へ新しいモジュールを配信する
現地への移動と作業が減り、更新を早く広げられる
通信が不安定で、クラウドのAIが使えない
端末上のモジュールでAI・SLMを動かす
通信のない場所でも判定や報告書作成ができる
映像をすべて送ると通信費が高い
現場で判定し、結果と要約だけを送る
通信量と費用を抑えられる
機密の映像や記録を社外に出せない
処理を現場の端末で完結させる
データの持ち出しを最小限にできる
拠点ごとに端末の状態が分からない
管理ソフトが稼働を見守り、クラウドで状態を確かめる
止まった端末に早く気づき、遠隔で対応できる
経営層・事業責任者
現場のデータをもとに、拠点ごとの稼働や品質の状況を把握できます。
製造・保全の現場
その場でAIの判定や報告書の下書きを受け取り、通信のない場所でも使えます。
情報システム部門
多数の端末を遠隔でまとめて更新・監視でき、版の更新も計画的に進められます。
製品・サービスの企画部門
自社の機器や製品に生成AIを組み込み、新しい機能として提供する検討を進められます。
09/業界ユースケース
製造・産業機器・小売・モビリティ・スマートシティでの活用例と、向いている企業
業界よくある状況業務での使い道
製造
製造ラインのカメラやセンサーが多く、通信が不安定な場所もある
外観検査、設備の異常の検知、端末上のSLMによる保全レポートの作成
産業機器・半導体
顧客先に置いた機器の不具合への対応に時間がかかる
トラブルシューティングガイドを学んだSLMによる、オフラインでの質問対応
小売・店舗
多店舗に多数のカメラがあり、映像を送ると通信費がかさむ
棚の状況や来店客の動きを現場で解析し、結果だけを集める
自動車・モビリティ
車両や移動中の機器では、クラウドに常につながらない
画像と言葉を扱うAI(VLM)の車載・現場での実行と、クラウドからの更新
スマートシティ・ビル
センサーやカメラが広い範囲に分散している
デジタルツインと組み合わせた、データとデバイスの一元管理
物流・インフラ
倉庫や現場の作業をすぐに判断したい
作業の安全確認や危険の予知を、現場の端末で行う
向いている企業
・工場・店舗・車両など、現場でAIを動かしたい業務がある・通信が不安定、または機密データを外に出せない・多数の端末を遠隔でまとめて管理・更新したい・すでにIoT Edgeを使っており、版の更新や機能の追加を検討している
別の方法が合う場合
・端末側での処理がなく、データを集めるだけでよい(IoT Hubなどクラウド中心の構成を検討します)・工場の設備データをまとめて扱う新しい仕組みをつくる(Azure IoT Operationsを含めて検討します)・対象の端末が1〜2台で、更新の頻度も低い
最初の打ち合わせで伺うこと
Q. 現場でAIに判断させたい業務は何ですかQ. 端末を置く拠点の数と、1拠点あたりの台数はどのくらいですかQ. 現場の通信の状況と、社外へ出せないデータはありますかQ. 使っている端末はWindows PCですか、Linuxの端末ですかQ. AIやアプリをどのくらいの頻度で更新したいですかQ. すでにIoT HubやIoT Edgeを使っている場合、どの版ですか
10/想定ROI
AIの更新作業・保全レポート・設備の問い合わせ・通信量の削減試算
20拠点に合計100台のエッジ端末を置き、AIによる検査や設備の監視を行っている製造業を想定した試算です。AIの更新をクラウドからの配信に切り替え、端末上のSLMで報告書の下書きや問い合わせ対応を行います。
作業現状(前提)導入後削減
AIモデル・アプリの更新作業
年4回 × 100台 × 現地作業1.5時間 = 年600時間
クラウドからの配信と確認で、年80時間
▲87%
保全レポートの作成
保全担当10名 × 週2時間 = 年1,040時間
端末上のSLMの下書きを確認・修正し、年420時間
▲60%
設備の不具合の調べもの
月100件 × 20分 = 年400時間
オフラインの質問対応で、年200時間
▲50%
クラウドへのデータ送信量
映像をすべて送信し、月3TB
判定結果と要約だけを送り、月0.3TB
▲90%
実際の効果は、試作の段階で現行の作業時間と通信量、端末上のAIの精度を測って算出します。
11/他の手段との違い
クラウドだけでの処理・端末ごとの手作業・機器メーカーの管理ツールとの比較
現場でAIを動かす方法は1つではありません。当社は製品ありきではなく、業務の要件、端末の数、既存の設備に合わせて方法を選びます。
方法特徴選ぶときの目安
クラウドだけで処理する
端末側の仕組みが簡単で、高性能なAIをそのまま使える
通信が安定し、数秒の遅れやデータの送信が問題にならない業務に
端末ごとに手作業で入れる
仕組みは不要だが、更新や不具合のたびに現地での作業が発生する
端末が少なく、更新の頻度が低い場合に
機器メーカーの専用管理ツール
特定の機器やカメラとの相性がよく、すぐに使い始められる
対象の機器が1種類に決まっている場合に。複数の機器が混在すると管理が分かれます
Azure IoT Edge
Windows・Linuxの端末でAI・SLMを動かし、クラウドから配信・監視できる。Azureの学習・データ活用とつながる
多数の端末でAIを動かし、更新と業務データの活用まで行いたい場合に
12/ガバナンス
端末の認証・配信の管理・版の更新・データの扱いと運用ルール
現場の端末は数が多く、社外の場所に置かれることもあります。どの端末を信頼するか、何をいつ配信するか、どのデータを社外へ出すかを、導入の最初に決めます。
端末の認証
IoT Hubに登録した端末だけがつながるようにし、証明書などで端末を確かめます。多数の端末は自動の登録の仕組みで管理します。
配信の管理
何を、どの端末に、いつ配信したかを記録し、一部の端末で確かめてから全体へ広げる手順にします。
版の更新
IoT Edgeは長期サポート版の期限があります。1.5 LTSは2026年11月10日に終わるため、1.6 LTSへの更新を計画します(公式情報)。
AIモデルの管理
どの版のモデルがどの端末で動いているかを記録し、精度が落ちたときに戻せるようにします。
データの扱い
現場で処理するデータ、クラウドへ送るデータ、保存しないデータを分け、社外へ出す範囲を決めます。
通信の向き
端末からクラウドへの外向きの通信だけを使う設定にし、外から端末へ直接つながらないようにします。
13/当社について
Microsoftの認定パートナーとしてのエッジAI・IoTの支援
Microsoft AI Innovation Partner of the Year 2024
マイクロソフト製品の活用でAI分野に革新を起こしたパートナーに贈られる賞の初代受賞パートナーです(受賞のお知らせ)。
Microsoftの上位パートナー認定
「Microsoft Solutions Partner for Digital & App Innovation(Azure)」に加え、上位資格の「AI Platform on Microsoft Azure」「Agentic DevOps with Microsoft Azure and GitHub」を取得しています(認定のお知らせ)。
エッジAI開発の実績
Raspberry Piで動く軽量なエッジAIは1,000台以上の端末で稼働しています(Raspberry Piエッジアプリ開発)。NVIDIA Jetsonやソニーセミコンダクタソリューションズの「AITRIOS」を使ったエッジAIにも取り組んでいます(エッジAI開発)。
SLM・生成AIの現場での活用
東京エレクトロン デバイスとのSLM×IoT Edgeの共同検証のほか、端末で動くSLMを使ったアプリの開発に取り組んでいます(SLMアプリ開発)。
14/はじめ方
現状整理から試作・展開までの5ステップのスタートプラン
最初は1つの拠点、1つの業務に絞って試作し、端末上でのAIの精度、応答の速さ、更新の手間を確かめてから展開します。すでにIoT Edgeを使っている場合は、版の更新の計画から始めることもできます。
1
STEP 1 現状の整理
現場でAIに判断させたい業務、拠点と端末の数、通信の状況、社外に出せないデータを整理します。ROI試算の前提となる現行の作業時間と通信量もここで測ります。
2
STEP 2 構成と端末の決定
エッジとクラウドの役割分担を決め、端末を選びます。IoT Edge・IoT Operationsのどちらで組むか、既存の端末の版の更新が必要かも判断します。
3
STEP 3 1拠点での試作
1つの拠点、1つの業務で、モジュールの開発、配信、端末上でのAIの実行を試します。精度、応答の速さ、更新の手間を測ります。
4
STEP 4 運用の準備
端末の認証、配信の手順、監視、モデルの管理、データの扱いを決め、段階的に配信する仕組みを整えます。
5
STEP 5 展開と改善
対象の拠点を広げ、現場のデータでモデルを改善して配信します。フォワードデプロイ(FDE)で現場に入り込んで伴走します。
短期間で試作したい場合は、HWS Agent Camp(約2週間の事前準備と2日間の集中開発)で、保全レポートの作成や設備の問い合わせ対応などを題材に、AIエージェントを試作できます。
15/関連ソリューション
現場で動くAIを、
開発から展開まで。
エッジAI開発. 映像解析・音声・センサーのエッジAIを、Jetson・Raspberry Pi・AITRIOSなどの端末に合わせて開発します。
軽量な生成AIを、
端末やオフラインで使う。
SLMアプリ開発. Phi系などのSLMを業務向けに調整し、端末やオフラインの環境で動くアプリを開発します。
SLMとIoT Edgeを、
共同で検証した。
東京エレクトロン デバイスとの共同検証. SLM×Microsoft IoT Edge×ファインチューニングを活用したエッジAIの検証についてのお知らせです。
現実の場所と設備を、
デジタル上で扱う。
SyncLect Digital Twin. Azure IoT EdgeとAzure Digital Twinsを活用した、エッジAI×IoTのプラットフォームです。
店舗のエッジAIを、
7店舗で一元管理した。
ローソン 店舗DXの実証実験. エッジAIデバイスの一元管理と遠隔での更新、データの統合・分析を担った実証実験のお知らせです。
対象業務と現場の条件を、
先に設計する。
フォワードデプロイ(FDE). 対象業務、企業データ、権限、例外、品質要件、導入・定着を、顧客企業とともに設計します。
現場の業務を、
2日間で試作する。
HWS Agent Camp. 専門エンジニアが伴走する2日間の集中開発で、AIエージェントのプロトタイプを構築します。
16/よくあるご質問
Q. Azure IoT Edge(アジュール IoTエッジ)とは何ですか。
A. クラウドで作ったAIや業務アプリを、工場・店舗・車両などの現場の端末に配信して動かし、クラウドから遠隔で管理するMicrosoftの仕組みです。Azure IoT Hubの機能の1つとして提供されています。
Q. エッジAIとは何ですか。
A. AIの判定をクラウドではなく、カメラやセンサーの近くにある端末で行うことです。応答が速く、通信が不安定な場所でも動き、データを外に出さずに済みます。
Q. Windowsの端末でも使えますか。
A. 使えます。EFLOW(Azure IoT Edge for Linux on Windows)を使うと、Windowsの中にLinuxの環境をつくり、Linux向けのモジュールを動かせます。当社はWindows側のフォルダの共有などの設定も行っています。
Q. 生成AI(SLM)を端末で動かせますか。
A. 動かせます。当社は、Phi系のSLMをIoT Edgeのモジュールで動かし、通信のない環境で保全レポートの作成や質問への回答を行う仕組みを検証・デモ開発しています。端末の性能に合わせてモデルを軽量化します。
Q. IoT Edge 1.5のサポートはいつまでですか。
A. Microsoftによると、IoT Edge 1.5 LTSのサポートは2026年11月10日に終わります。後継の1.6 LTSは2028年11月14日までサポートされ、1.5からの大きな機能の変更はないとされています。最新の情報は公式ページで確認してください。
Q. Azure IoT Operationsとはどう違いますか。
A. IoT Edgeは端末の上でアプリを動かし、IoT Hubから管理します。Azure IoT Operationsは、工場などの現場に専用のサーバー群(Kubernetes)を置き、設備のデータをまとめて扱う仕組みで、Microsoftは新しいエッジ接続型の仕組みに推奨しています。当社は要件に合わせて選びます。
Q. すでに使っているIoT Edgeの更新も相談できますか。
A. できます。端末と版の一覧をつくり、端末上のソフトの更新、段階的な配信、動作の確認までを計画します。
Q. どんな端末を選べばよいですか。
A. 動かすAIの重さ、置く場所、台数で変わります。Windows PC、小型のLinux端末、GPU付きの端末などから、試作で性能を確かめて選びます。
Q. 取り組みの実績はありますか。
A. 案件でエッジデバイスの運用にIoT HubとIoT Edgeを使ったほか、東京エレクトロン デバイスとSLM×IoT Edgeの共同検証を行いました(発表)。2021年にはIoT Edgeを活用したSyncLect Digital Twinの提供を始めています。
Q. どこから始めればよいですか。
A. 現場でAIに判断させたい業務を1つ選び、1拠点での試作から始めます。精度、応答の速さ、更新の手間を測ってから、対象を広げます。
Azure IoT Edge・エッジAIに関するご相談
エッジとクラウドの役割分担、端末の選定、SLMの実装、版の更新と製品の使い分けまで、貴社の状況に合わせてご提案します。
お問い合わせ