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Azure IoT Hub
現場の機器とクラウドをつなぐIoT基盤の設計・⁠構築・⁠運用

Azure IoT Hubは、工場の設備、ロボット、センサー、カメラなどの機器をクラウドに安全につなぎ、データを集めて指示を返すMicrosoftの仕組みです。提供元はMicrosoft社で、当社は機器の接続と登録、通信の品質の設計、データの活用、エッジAIの配信、運用と改善までを担います。

01/Azure IoT Hubとは

Azure IoT Hubとは:現場の機器とクラウドが双方向にやり取りする中継の仕組み

Azure IoT Hub(アジュール IoTハブ)は、たくさんの機器(デバイス)とクラウドのアプリの間で、データと指示をやり取りする中継役のMicrosoftのサービスです。IoT(モノのインターネット)とは、機器をネットワークにつなぎ、離れた場所から状態を知ったり操作したりすることです。機器からクラウドへは温度や稼働の状況などの値を送り、クラウドから機器へは設定の変更や動作の指示を送ります。Microsoftは、数百万台規模の機器との双方向のやり取り、機器の管理、ファームウェア(機器のソフト)の更新に対応すると説明しています。

IoT Hubに登録した機器だけがつながり、機器ごとの状態を記録する「デバイスツイン」で、離れた場所の機器の設定や状態をクラウドから確かめられます。集めたデータは、Microsoft Fabricなどの分析の基盤や業務システムへ振り分けて使います。現場の端末でAIを動かす場合は、IoT Hubから配信・⁠管理するAzure IoT Edgeと組み合わせます。IoT Hubは、当社のAzure PaaS開発で扱うサービスの1つです。

Azure IoT Hub
機器・⁠IoT Hub・⁠活用のつながり
現場の機器 センサー・⁠設備(温度・⁠振動・⁠稼働状況)ロボット・⁠ロボットを動かすPCカメラ・⁠小型の端末(Jetson・⁠Raspberry Pi)設備の制御装置(PLC)
⇄
Azure IoT Hub 登録した機器だけをつなぐ機器から送られる値を受け取る条件ごとに保存先や業務へ振り分ける機器へ設定の変更や動作の指示を送る
→
業務での活用 分析・⁠見える化(Microsoft Fabric・⁠Power BI)業務アプリ・⁠通知・⁠自動処理デジタルツイン(3D空間での再現)AIでの判断・⁠報告書の作成
Microsoft Learnの記載をもとに作図
Azure IoT Hubを使うメリット
多数の機器をまとめてつなぐ 数台の試作から、拠点をまたぐ数千台規模まで、同じ仕組みで機器をつなげます。
現場へ指示を返せる データを集めるだけでなく、設定の変更や動作の指示をクラウドから機器へ送れます。
登録した機器だけがつながる 機器ごとに認証の情報を持たせ、登録されていない機器からの接続を受け付けません。
離れた機器の状態が分かる 機器ごとの設定と状態をクラウドに記録し、現地に行かずに確かめられます。
データを分析・⁠業務に回せる 受け取ったデータを条件ごとに振り分け、Microsoft Fabricや業務システムで使えます。
端末のAIもまとめて管理 Azure IoT Edgeと組み合わせ、現場の端末で動くAIの配信と更新もIoT Hubから行えます。

02/注目される背景

製造現場のデータ活用とIoT機器のセキュリティ:ものづくり白書・⁠JC-STAR・⁠EUサイバーレジリエンス法

工場の設備、ロボット、店舗やビルの機器から集めたデータを、業務の改善やAIに使う取り組みは、国の政策でも重視されています。一方で、ネットワークにつながる機器が増えるほど、機器を狙った攻撃への備えも求められます。国の白書、国の制度、海外の法令が示す動きを、立場ごとに整理します。

製造業のデータ活用 データは集めていても、効果が出ている企業は4割台 製造工程のデータを何らかの目的で取得している事業者は66.0%、活用している事業者は51.4%、効果が得られた事業者は43.9%でした。企業間のデータ連携は2年前からほぼ変化がないとしています。経済産業省は、製造現場の加工・⁠稼働データを集めてデータベースを整え、AIを組み込んだ製造の基盤づくりを支援する「製造AX拠点」の整備を進めています。 経済産業省・⁠厚生労働省・⁠文部科学省「2026年版ものづくり白書」(2026年5月)
IoT機器を選ぶ・⁠調達する側 セキュリティの基準を満たす機器を選ぶ 経済産業省と情報処理推進機構(IPA)は2025年3月25日、IoT製品のセキュリティの水準を星の数で示すラベリング制度「JC-STAR」の運用を始めました。2025年9月の政府機関等のガイドラインの改定では、IoT機器の選定基準にこの制度を含めることが明記されました。重要インフラ事業者や地方公共団体の調達でも、活用を求める調整が進んでいます。 経済産業省・⁠IPA「JC-STAR」、国家サイバー統括室「政府機関等の対策基準策定のためのガイドライン」
IoT製品をつくって売る側 欧州で売る機器に、脆弱性の報告義務 EUのサイバーレジリエンス法(Cyber Resilience Act)では、2026年9月11日から、ネットワークにつながる製品の製造者に、実際に悪用された脆弱性(セキュリティ上の弱点)と重大なインシデントの報告が義務付けられました。把握から24時間以内に早期の警告、72時間以内に通知を出します。主な義務は2027年12月11日から適用されます。 欧州委員会「Cyber Resilience Act」「Cyber Resilience Act - Reporting obligations」
IoT機器のセキュリティをめぐる制度の動き
2025年3月25日 JC-STARの運用開始 IoT製品のセキュリティの水準をラベルで示す国の制度が始まりました。
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2025年9月 政府機関のIoT機器の選定基準に 政府機関等のガイドラインの改定で、IoT機器の選定基準にJC-STARが含まれました。
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2026年9月11日 EUで脆弱性の報告義務が開始 悪用された脆弱性と重大なインシデントを、24時間以内に早期の警告として報告します。
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2027年12月11日 EUサイバーレジリエンス法の本格適用 設計・⁠開発の段階のセキュリティ要件など、主な義務が適用されます。
経済産業省・⁠IPA・⁠国家サイバー統括室・⁠欧州委員会の公表資料の記載をもとに作図

これらの動きから、現場の機器をつなぐ仕組みには、データを集めて業務に使うことに加えて、どの機器がどこで動いているかを把握し、機器を認証し、ソフトを更新し、異常を記録し続けることが求められています。Azure IoT Hubの機器の登録、認証、ソフトの更新の機能は、こうした管理の土台になります(03 仕組み)。

03/仕組み

Azure IoT Hubの処理の流れ:機器の登録から、データの受け取り・⁠振り分け・⁠指示まで

機器をIoT Hubに登録し、機器が送る値を受け取って、条件ごとに保存先や業務アプリへ振り分けます。クラウドからは、機器へ設定の変更や動作の指示を送り、機器ごとの状態を記録して見守ります。新しい機器を多数置くときは、最初の起動時に自動で登録する仕組みを使います。

処理の流れ
1 機器を登録する 機器をIoT Hubに登録し、認証の情報を持たせます。多数の機器は、最初の起動時に自動で登録します。
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2 データを受け取る 機器が温度や稼働の状況などの値を送り、IoT Hubが受け取ります。
→
3 振り分けて使う 条件ごとに、保存先、分析の基盤、業務アプリ、通知へ振り分けます。
→
4 指示を返し、見守る クラウドから機器へ設定の変更や動作の指示を送り、機器ごとの状態を記録します。
Microsoft Learnの記載をもとに作図
できること 内容 業務での使い道 機器から値を送る機器→クラウドのメッセージ 温度、振動、位置、稼働の状況などを、機器からクラウドへ送ります。 設備の稼働状況を全拠点分まとめて集める 機器へ指示を送るクラウド→機器のメッセージ・⁠ダイレクトメソッド クラウドから特定の機器へ、指示や設定を送ります。すぐに結果を受け取る呼び出し方もあります。 ロボットへの動作の指示、機器の再起動 機器の状態を記録するデバイスツイン 機器ごとに、望む設定と実際の状態をクラウドに記録し、両者を合わせます。 通信が切れていた機器も、つながったときに最新の設定に合わせる データを振り分けるメッセージの振り分け(ルーティング) 送られた値の内容に応じて、保存先や処理先を分けます。 異常値だけを通知に回し、全データは分析の基盤へ送る(Microsoft Fabric) 多数の機器を自動で登録するDevice Provisioning Service(DPS) 機器を最初に起動したときに、自動でIoT Hubへ登録します。 新しい拠点に多数の機器を置くとき、1台ずつの設定作業を減らす 機器のソフトを更新するDevice Update for IoT Hub 機器のソフトやファームウェアの更新を、クラウドから配信します。 不具合の修正を、現地に行かずに全台へ届ける 機器の一覧と証明書を管理するAzure Device Registry・⁠証明書の管理(プレビュー) 機器をAzureの管理画面で一覧にし、機器の証明書の発行と更新を扱います。 数千台規模の機器の証明書の期限を、まとめて管理する

04/使いどころ

IoT Hubが向く場面と、IoT Hub・⁠IoT Edge・⁠IoT Operationsの選び方

機器がクラウドに直接つながり、離れた場所から状態を知りたい、指示を送りたい、という業務にIoT Hubが向いています。集めたデータは、現実の設備や場所をデジタル上で再現するデジタルツインにも使えます。

遠隔監視 離れた場所の設備の状態を知りたい 工場、店舗、ビル、屋外の設備など、担当者が常にいない場所の稼働状況や異常をクラウドで確かめたい場合に向いています。
遠隔操作 現場の機器に指示を送りたい ロボットの操作、機器の再起動、設定の変更など、クラウドから機器を動かしたい場合に向いています。
多数の機器 台数が多く、管理が追いつかない 拠点や台数が増えても、登録、認証、ソフトの更新をまとめて管理したい場合に向いています。
データ活用 機器のデータを分析や業務に使いたい 集めたデータを分析の基盤、ダッシュボード、AIでの判断、業務アプリにつなげたい場合に向いています。
Microsoftの製品 つなぎ方 向いている場面 Azure IoT Hub 機器がクラウドに直接つながる(クラウド接続型) 機器の値を集めて分析する、機器へ指示を送る、多数の機器を管理する場合 Azure IoT Edge 端末でアプリを動かし、IoT Hubから管理する 現場の端末でAI・⁠SLMを動かし、クラウドから配信・⁠更新したい場合(Azure IoT Edge) Azure IoT Operations 工場などに専用のサーバー群を置き、設備のデータをまとめて扱う(エッジ接続型) 工場の設備の共通の通信規格(OPC UA)などでデータを集めて整える、新しい仕組みをつくる場合
Microsoft Learn「Introduction to Azure IoT」の記載をもとに整理

05/当社の支援内容

機器の接続・⁠通信品質の設計から、データ活用・⁠エッジAIの配信・⁠運用改善までの支援

当社は、IoT Hubを設定するだけでなく、現場の機器をつなぎ、データを集めて業務に使い、AIを届けて管理し続ける一連の仕組みをつくります。商用サービスでの継続開発で得た通信の設計の知見と、エッジAI開発の経験を組み合わせて支援します。

支援の流れ
支援 1 構想と方式の選定 機器・⁠台数・⁠通信の状況から構成を決める
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支援 2・⁠3 接続と通信の設計 機器の登録、環境の分け方、通信の品質
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支援 4・⁠5 データとAIの活用 分析の基盤との連携、エッジAIの配信と更新
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支援 6 運用と改善 監視、構成の見直し、通信方式の改善
伴走体制:X-Tech FDE(現場に入り込む実装支援)で、現場の機器と業務の条件を確かめながら、試作から展開・⁠運用までを貴社のチームと進めます。
支援 1 構想と方式の選定 機器の種類と台数、通信の状況、更新の頻度から、IoT Hub・⁠IoT Edge・⁠IoT Operationsの組み合わせを決めます。IoT Hubで扱う通信と、画面への即時の表示などほかの通信の仕組み(Azure Web PubSubなど)に任せる通信の分担も決めます。 組み合わせるサービス:Azure PaaS開発 Azure IoT Edge
支援 2 機器の接続と登録の設計 センサー、設備の制御装置(PLC)、ロボットを動かすPC、Jetson・⁠Raspberry Piなどの小型の端末をIoT Hubにつなぎます。DPSでの自動登録、登録の削除の手順、本番・⁠開発・⁠検証・⁠品質確認の環境の分け方を設計します。 組み合わせるサービス:エッジAI開発
支援 3 通信の品質の設計 認証の期限が切れたときの再接続で処理が止まらないようにする、クラウドから送った指示が滞ったり失われたりしないようにする、指示の順番を守る、画像の遅れやメッセージの量と費用を抑える、といった実サービスで起きる課題を設計に織り込みます。 組み合わせるサービス:Azure PaaS開発
支援 4 データの活用 受け取ったデータを振り分けて保存し、Azure Cosmos DBやMicrosoft Fabric(Eventstream・⁠Lakehouse・⁠Eventhouse)へ取り込み、Power BIで見える化します。デジタルツインや業務アプリにもつなぎます。 組み合わせるサービス:Microsoft Fabric デジタルツイン
支援 5 エッジAIの配信と継続更新(Edge MLOps) 現場の画像の収集、AIの学習、端末への配信(通信を使った更新)、設定の配信、状態と記録の収集を一続きで設計します。IoT Edgeでモジュールを配信し、端末で動くAIを更新し続けられるようにします。 組み合わせるサービス:Azure IoT Edge SLMアプリ開発
支援 6 運用と改善 Azure Monitorでの監視、構成をコードで管理するTerraformでの構築、セキュリティの評価を行います。導入後も、用途に応じて通信の仕組みを見直します。 組み合わせるサービス:Azure PaaS開発 Microsoft Fabric

06/特長

機器・⁠通信・⁠データ・⁠AIをつなぐ構成と、ロボット個体管理の設計の例

当社は、現場の機器からクラウドでの活用、運用の監視までを1つの構成として設計します。IoT Hubを何にでも使うのではなく、用途に応じてほかの通信の仕組みと役割を分けます。

構成イメージ
Field現場の機器 センサー、設備の制御装置、ロボット、カメラ、小型の端末。端末でAIを動かす場合はIoT Edgeを入れます。センサー・⁠PLCロボットPCJetson・⁠Raspberry PiAzure IoT Edge
Connect接続と登録 機器を自動で登録し、登録した機器だけをつなぎます。機器の状態はデバイスツインに記録します。Azure IoT HubDPSデバイスツイン証明書
Process振り分けと処理 受け取った値を振り分け、必要な処理を行います。画面への即時の表示などは別の通信の仕組みに分けます。メッセージの振り分けAzure FunctionsAzure Web PubSub
Use活用 データを保存・⁠分析し、ダッシュボード、デジタルツイン、業務アプリ、AIでの判断に使います。Microsoft FabricAzure Cosmos DBPower BIAzure Digital Twins
Operate運用 機器と仕組みの稼働を監視し、ソフトの更新や構成の見直しを続けます。Azure MonitorDevice UpdateTerraform
顧客環境に合わせて構成
設計の例:ロボットの個体管理 多数のロボットを1台ずつ見分けて登録し、状態と稼働のデータを集め、ソフトの更新と監視までを行う構成です。当社が提案で設計した構成の例で、お客様の環境に合わせて組み替えます。
ロボット(個体) 1台ずつを識別できる情報を持たせ、稼働と状態の値を送ります。
→
Azure IoT Hub DPSで自動登録し、デバイスツインで設定を配り、クラウドから指示を送ります。
→
Microsoft Fabric Eventstreamで受け取り、Eventhouseに蓄えて、個体ごとの履歴を分析します。
→
Power BI・⁠管理アプリ 個体ごとの稼働状況を見える化し、管理用のWebアプリで操作します。
運用:Device Updateでロボットのソフトを更新し、Azure Monitor・⁠Log Analyticsで稼働と記録を監視します。
特長 1/3 商用サービスの通信品質に向き合ってきた 遠隔でロボットを操作する商用サービスで、2022年の提供開始から、認証の更新と再接続、指示の滞留と順番、画像の遅れに向き合い、2026年も通信の方式を見直しています。
特長 2/3 機器から3D空間・⁠業務アプリまでつなぐ センサーやカメラの値をIoT Hubで受け取り、デジタルツインの空間に反映し、家電や設備の操作まで返す仕組みを設計・⁠開発してきました。
特長 3/3 エッジAIの配信と管理まで扱う IoT HubとIoT Edgeで端末のAIを配信・⁠監視し、案件での運用の手順を技術ブログで公開しています。Raspberry Piで動く軽量なエッジAIは1,000台以上で稼働しています(Raspberry Piエッジアプリ開発)。

07/取り組み事例

遠隔ロボット操作の商用サービス・⁠重工業・⁠デジタルツイン・⁠設備接続でのIoT Hub活用

Azure IoT Hubを使った機器の接続、遠隔での操作と監視、データの活用、エッジAIの配信について、商用サービスの開発と継続改善、顧客の構築支援、検証の形で取り組んできました。提案資料・⁠社内記録が根拠の顧客は業種で紹介します。

対象・⁠テーマ 取り組み内容 ロボティクス企業(商用サービス・⁠2022年〜)遠隔ロボット操作サービスの開発と継続改善IoT Hub・⁠DPS・⁠Azure Web PubSub・⁠Azure Functions 離れた場所からロボットを操作する商用サービスの開発で、IoT Hubを使った通信を担当しています。2022年の最初の版の提供開始以降、認証の期限切れに伴う再接続で処理が止まる問題、クラウドから送る指示の滞留や取りこぼし、処理を並行して動かすときの指示の順番、画像の遅れやメッセージの量に向き合ってきました。本番・⁠開発・⁠検証・⁠品質確認の環境の構成、DPSとIoT Hubでの機器の登録と削除の手順も整えています。2026年には、ロボットの制御はIoT Hub、別の用途の通信はAzure Web PubSubとFunctionsに分ける方式を検討し、新しい方式を本番に反映しました。 重工業メーカーエッジのセキュリティ機器と遠隔制御のサービス開発IoT Hub・⁠Azure Functions・⁠Azure Synapse Analytics・⁠Azure Cosmos DB・⁠Terraform 現場の機器のセキュリティを守る装置と、そのサービスの開発を支援しました。IoT Hub、Azure Functions、Azure Synapse Analytics、Azure Cosmos DBを含むAzureの構成を設計し、Terraformで構築しています。IoT Hubを使った現場の機器の遠隔での制御、クラウドと現場の両方のセキュリティの仕組みづくり、セキュリティの評価の作成と検証を担当しました。 通信事業者デジタルツインの空間とスマートホームの開発IoT Hub・⁠Azure Digital Twins・⁠Azure Functions・⁠Unreal Engine Jetson、Raspberry Pi、カメラ、温湿度のセンサー、3Dのカメラなどの機器をIoT Hubにつなぎ、デジタルツインの空間に反映する開発を担当しました。センサーの値をIoT Hubで受け取り、Azure Functionsで処理してAzure Digital Twinsを更新し、条件に応じてクラウドから家電を操作する流れを設計しています。機器の上で動くAIと、3D空間を描くUnreal Engineの設計・⁠開発まで担いました。 製造業設備の制御装置とクラウドの接続PLC・⁠MQTT・⁠IoT Hub 工場の設備を動かす制御装置(PLC)から、現場の通信の仕組みを経由してIoT Hubへデータを送る接続を実装しました。工場の設備のデータをクラウドで扱うための入り口をつくっています。 当社(検証・⁠技術ブログ)IoT Hubからのデータの保存と分析Blob Storage・⁠Azure Cosmos DB・⁠Microsoft Fabric IoT Hubで受け取ったデータを、条件を指定して保存先へ振り分ける構成、Azure Cosmos DBを経由してMicrosoft Fabricで分析する構成、FabricのEventstreamで直接取り込む構成を構築し、手順を公開しています。 当社(検証)機器の遠隔での再起動と停止IoT Hub・⁠OSConfig・⁠Azure DevOps IoT HubとMicrosoftの機器の設定の仕組み(OSConfig)を使い、Raspberry Piを遠隔で再起動・⁠停止する方法を検証しました。Azure DevOpsから機器のスクリプトを動かす方法も確かめています。
公開している関連の取り組み
ローソンで店舗DXに向けたエッジAIの実証実験
エッジAIデバイスの運用管理 ローソンで店舗DXに向けたエッジAIの実証実験 プライムベンダーとしてAzureでデータの統合・⁠分析の仕組みを構築し、7店舗のエッジAIデバイスの一元管理と遠隔での更新を担いました。
SyncLect Digital Twin(2021年サービス開始)
エッジAI×IoTのサービス SyncLect Digital Twin(2021年サービス開始) Azure IoT EdgeとAzure Digital Twinsを活用し、データとデバイスの一元管理、エッジAIの学習モデルの遠隔での修正・⁠更新を行うサービスとして提供を始めました。
東京エレクトロン デバイスとSLM×Microsoft IoT Edgeを検証
SLM×エッジAIの共同検証 東京エレクトロン デバイスとSLM×Microsoft IoT Edgeを検証 Phi系のSLMの軽量化と業務向けの調整、IoT Edgeでの開発・⁠配信、クラウドとエッジのデータ連携を共同で検証しました。

08/顧客価値

現地作業・⁠状態の把握・⁠データ集計・⁠通信の不安定さの解消と、役割別の効果

よくある課題 Azure IoT Hubでの対応 得られる価値 設備の状態を見に、現地へ通っている 設備をIoT Hubにつなぎ、状態をクラウドで確かめる 移動と点検の時間が減り、異常のある拠点に絞って対応できる 設定の変更やソフトの更新のたびに現地で作業している デバイスツインとDevice Updateで、クラウドからまとめて配る 現地での作業が減り、変更を早く全台に広げられる 稼働データを手作業で集めて報告している データを振り分けてFabricに取り込み、Power BIで見える化する 集計の手間が減り、拠点をまたいで比べられる 通信が切れると操作や処理が止まる 再接続、指示の滞留、順番を前提に通信を設計する 現場の機器を止めずに、遠隔での操作と監視を続けられる
経営層・⁠事業責任者 拠点ごとの設備の稼働と停止の状況をデータで把握し、投資や保全の判断に使えます。
製造・⁠保全の現場 異常を早く知らされ、現地に行く前に状態を確かめられます。
情報システム部門 多数の機器の登録、認証、更新、監視を、1つの仕組みでまとめて管理できます。
製品・⁠サービスの企画部門 自社の機器やロボットをクラウドにつなぎ、遠隔での操作や保守を新しいサービスとして提供できます。

09/業界ユースケース

製造・⁠ロボティクス・⁠産業機器・⁠住宅とビル・⁠小売・⁠物流での活用例と、向いている企業

業界 よくある状況 業務での使い道 製造 設備が多くの拠点に分かれ、状態の確認や保全が現地の作業に頼っている 設備の稼働の見える化、異常の通知、予知保全、制御装置(PLC)とのデータ連携(製造業向けAI) ロボティクス 多数のロボットを離れた場所から操作・⁠管理したい 遠隔での操作、ロボットの個体管理、ソフトの更新、稼働の記録と分析 産業機器メーカー 顧客先に置いた自社の機器の状態が分からない 自社の機器のIoT化、遠隔での保守、稼働データを使った新しいサービス 住宅・⁠ビル センサーや家電、設備が建物の中に散らばっている デジタルツインと組み合わせた室内の環境の再現、条件に応じた家電や設備の操作 小売・⁠店舗 多店舗の機器やエッジAIの端末をまとめて管理したい 店舗の機器の一元管理、端末のAIの遠隔での更新、来店や在庫のデータの集約 物流・⁠インフラ 車両や屋外の設備など、移動する・⁠広く分散した機器がある 位置と状態の把握、異常の通知、点検の記録の自動化
向いている企業 ・⁠現場の機器を、離れた場所から監視・⁠操作したい・⁠機器の台数が多く、登録と更新をまとめて管理したい・⁠機器のデータを、分析や業務アプリ、AIに使いたい
別の方法が合う場合 ・⁠機器がなく、業務システムのデータだけを扱う(Azure PaaS開発の構成を検討します)・⁠工場の設備のデータを現場でまとめて整える新しい仕組みをつくる(Azure IoT Operationsを含めて検討します)・⁠対象の機器が数台で、遠隔での管理や更新の必要がない
最初の打ち合わせで伺うこと Q. つなぎたい機器の種類と台数、拠点の数はどのくらいですかQ. 集めたいデータと、機器へ送りたい指示は何ですかQ. 現場の通信の状況と、社外に出せないデータはありますかQ. データをどの業務やシステムで使いたいですかQ. 機器のソフトをどのくらいの頻度で更新しますかQ. すでにIoT Hubを使っている場合、どんな構成ですか

10/想定ROI

設備の点検・⁠設定変更・⁠稼働データの集計・⁠故障への気づきの削減試算

15拠点に合計300台の設備を置き、担当者が現地で状態を確かめている製造業を想定した試算です。設備をIoT Hubにつなぎ、状態の確認、設定の変更、稼働データの集計をクラウドから行います。

作業 現状(前提) 導入後 削減 設備の点検・⁠状態の確認 300台 × 月1回 × 0.5時間 = 年1,800時間 クラウドで確かめ、異常時のみ現地へ。年540時間 ▲70% 設定の変更・⁠ソフトの更新 年4回 × 300台 × 現地作業1時間 = 年1,200時間 クラウドからまとめて配信し確認。年150時間 ▲87% 稼働データの集計・⁠報告 担当5名 × 週3時間 = 年780時間 自動の集計とダッシュボードの確認。年160時間 ▲79% 故障に気づくまでの時間 翌営業日の点検で発見。平均約16時間 異常の通知で発見。平均約1時間 ▲94%
実際の効果は、試作の段階で現行の作業時間と設備の停止時間を測って算出します。

11/他の手段との違い

機器メーカーのクラウド・⁠自前の通信サーバーとの比較

機器をクラウドにつなぐ方法は1つではありません。当社は製品ありきではなく、機器の種類と台数、既存の設備、運用の体制に合わせて方法を選びます。

方法 特徴 選ぶときの目安 機器メーカーのクラウド 特定の機器との相性がよく、すぐに使い始められる 対象の機器が1社の製品に決まっている場合に。複数社の機器が混在すると管理が分かれます 自前の通信サーバー 自由に作れるが、認証、増強、障害への対応、監視を自社で担う 台数が少なく、運用の体制を社内に持てる場合に Azure IoT Hub 多数の機器の接続、双方向のやり取り、自動登録、更新を備え、Azureの分析やAIとつながる 多数の機器を管理し、データを業務やAIに使いたい場合に(Azure PaaS開発)

12/ガバナンス

機器の認証・⁠環境の分離・⁠登録と削除・⁠データの扱いと運用ルール

現場の機器は数が多く、社外の場所に置かれることもあります。どの機器を信頼するか、誰が何を操作できるか、どのデータをどこへ送るかを、導入の最初に決めます。

機器の認証 IoT Hubに登録した機器だけがつながるようにし、証明書などで機器を確かめます。認証の期限と更新の手順も、運用の最初に決めます。
環境の分離 本番・⁠開発・⁠検証・⁠品質確認の環境を分け、変更を確かめてから本番に反映する手順にします。
機器の登録と削除 機器の追加、交換、廃棄のときの登録と削除の手順を決め、使わなくなった機器が残らないようにします。
操作の権限 機器へ指示を送れる人とアプリを限り、誰がいつ何を送ったかを記録します。Microsoft Entra IDで権限を管理します。
データの扱い クラウドへ送るデータ、現場で処理するデータ、保存しないデータを分け、社外へ出す範囲を決めます。
監視と記録 接続の切断、メッセージの滞留、機器の異常をAzure Monitorで見守り、通知と対応の手順を決めます。

13/当社について

Microsoftの認定パートナーとしてのIoT・⁠ロボティクス・⁠エッジAIの支援

Microsoft AI Innovation Partner of the Year 2024
Microsoft Solutions Partner
AI Platform / Agentic DevOps Specialization
Solutions Partner for Infrastructure(Azure)
Microsoft AI Innovation Partner of the Year 2024 マイクロソフト製品の活用でAI分野に革新を起こしたパートナーに贈られる賞の初代受賞パートナーです(受賞のお知らせ)。
Microsoftの上位パートナー認定 Microsoft Solutions Partnerに加え、上位資格の「AI Platform on Microsoft Azure」「Agentic DevOps with Microsoft Azure and GitHub」を取得しています(認定のお知らせ)。
IoT・⁠ロボティクスの蓄積 ロボットのアプリ開発の経験から、IoTの機器、クラウド、AIを組み合わせる開発に取り組んできました。2021年には、Azure IoT EdgeとAzure Digital Twinsを活用したSyncLect Digital Twinの提供を始めています。
エッジAI開発の実績 Raspberry Piで動く軽量なエッジAIは1,000台以上の端末で稼働しています(Raspberry Piエッジアプリ開発)。NVIDIA Jetsonなどを使ったエッジAIにも取り組んでいます(エッジAI開発)。

14/はじめ方

現状整理から試作・⁠展開までの5ステップのスタートプラン

最初は1つの拠点、1種類の機器に絞って試作し、接続の安定性、データの量と費用、運用の手間を確かめてから展開します。すでにIoT Hubを使っている場合は、今の構成の見直しから始めることもできます。

1
STEP 1 現状の整理 つなぎたい機器と台数、集めたいデータ、送りたい指示、通信の状況を整理します。ROI試算の前提となる現行の作業時間と停止時間もここで測ります。
2
STEP 2 構成の決定 IoT Hub・⁠IoT Edge・⁠IoT Operationsの組み合わせ、データの行き先、環境の分け方を決めます。
3
STEP 3 1拠点での試作 1つの拠点、1種類の機器で、接続、データの受け取り、指示の送信、見える化を試します。接続の安定性、データの量と費用を測ります。
4
STEP 4 運用の準備 機器の認証と登録・⁠削除の手順、操作の権限、監視、ソフトの更新の手順を決めます。
5
STEP 5 展開と改善 対象の拠点と機器を広げ、データを業務とAIに使います。X-Tech FDEで現場に入り込んで伴走します。

短期間で試作したい場合は、HWS Agent Camp(約2週間の事前準備と2日間の集中開発)で、設備のデータを読み取って保全の報告をまとめるAIエージェントなどを試作できます。

15/関連ソリューション

Azure IoT Edge

現場の端末で動くAIを、クラウドから配る

Azure IoT Edge. AIや業務アプリをモジュールとして現場の端末に配信し、IoT Hubから遠隔で管理します。SLMの端末での実行にも対応します。

Microsoft Azure PaaS開発

Azureの部品を組み合わせて、業務とAIを動かす

Microsoft Azure PaaS開発. AIアプリ・⁠AIエージェントを本番で動かすクラウドの基盤を、設計から開発・⁠移行・⁠運用まで支援します。

Microsoft Fabric

機器のデータを、分析とAIにつなぐ

Microsoft Fabric. OneLakeを中心に、データの取り込みからPower BIでの見える化までを1つにまとめたデータ基盤を構築します。

SyncLect Digital Twin

現実の場所と設備を、デジタル上で扱う

SyncLect Digital Twin. Azure IoT EdgeとAzure Digital Twinsを活用した、エッジAI×IoTのプラットフォームです。

エッジAI開発

現場で動くAIを、開発から展開まで

エッジAI開発. 映像解析・⁠音声・⁠センサーのエッジAIを、Jetson・⁠Raspberry Piなどの端末に合わせて開発します。

SLMアプリ開発

軽量な生成AIを、端末やオフラインで使う

SLMアプリ開発. Phi系などのSLMを業務向けに調整し、端末やオフラインの環境で動くアプリを開発します。

X-Tech FDE

対象業務と現場の条件を、先に設計する

X-Tech FDE. 対象業務、企業データ、権限、例外、品質要件、導入・⁠定着を、顧客企業とともに設計します。

HWS Agent Camp

現場の業務を、2日間で試作する

HWS Agent Camp. 専門エンジニアが伴走する2日間の集中開発で、AIエージェントのプロトタイプを構築します。

16/よくあるご質問

Q. Azure IoT Hub(アジュール IoTハブ)とは何ですか。 A. 工場の設備、ロボット、センサーなどの機器をクラウドにつなぎ、機器からのデータを受け取り、クラウドから機器へ指示を送るMicrosoftのサービスです。多数の機器の登録、認証、状態の管理、ソフトの更新にも対応します。
Q. IoT Edgeとは何が違いますか。 A. IoT Hubは機器とクラウドをつなぐ中継と管理の仕組みです。IoT Edgeは、現場の端末の上でAIや業務アプリを動かす仕組みで、IoT Hubから配信・⁠管理します。詳しくはAzure IoT Edgeのページをご覧ください。
Q. Azure IoT Operationsとはどう使い分けますか。 A. 機器がクラウドに直接つながる場合はIoT Hub、工場などに専用のサーバー群を置いて設備のデータをまとめて扱う場合はAzure IoT Operationsと、Microsoftは整理しています。当社は機器と業務の要件に合わせて選びます。
Q. 集めたデータはどこで分析できますか。 A. IoT Hubからデータを振り分け、Microsoft FabricのEventstreamやLakehouse、Azure Cosmos DBに取り込み、Power BIで見える化します。AIでの判断や業務アプリにもつなげられます。
Q. 遠隔での操作で、通信が切れたときはどうなりますか。 A. 認証の更新に伴う再接続、指示の滞留や取りこぼし、指示の順番を前提に設計します。当社は、遠隔でロボットを操作する商用サービスで、こうした課題に向き合ってきました。
Q. 工場の設備の制御装置(PLC)もつなげますか。 A. つなげます。制御装置から現場の通信の仕組みを経由してIoT Hubへデータを送る接続を実装した経験があります。設備の通信の規格と台数によっては、Azure IoT Operationsも含めて検討します。
Q. 取り組みの実績はありますか。 A. 遠隔ロボット操作の商用サービスで2022年の提供開始から継続して開発しているほか、重工業メーカーのエッジのセキュリティ機器のサービス開発、通信事業者のデジタルツインの空間の開発などに取り組んできました。顧客名は業種で紹介しています。
Q. どこから始めればよいですか。 A. つなぎたい機器を1種類選び、1拠点での試作から始めます。接続の安定性、データの量と費用、運用の手間を測ってから、対象を広げます。

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