01/概要
MCP(Model Context Protocol)とは:AIエージェントと外部ツールをつなぐ標準規格
MCP(Model Context Protocol、モデルコンテキストプロトコル)は、AIアプリケーションやAIエージェントを、業務システム、データベース、ファイル、外部APIなどにつなぐためのオープンな標準規格です。AIエージェントがリアルタイム情報や外部ツールと連携し、より高度なタスクを実行するための共通基盤になります。Anthropic社が公開し、現在はLinux Foundation傘下のAgentic AI Foundationが運営しています。
接続先ごとに用意する「MCPサーバー」が、システムの機能をツールとして公開し、AIアプリ側の「MCPクライアント」が共通の手順で呼び出します。AIアプリと接続先の組み合わせごとに連携を作り込む必要がなくなります。
MCPの要点
正式名称・読み方
Model Context Protocol(モデルコンテキストプロトコル)
定義
AIアプリケーションを、外部のデータ・ツール・業務システムにつなぐオープンな標準規格
構成
ホスト(AIアプリ)、クライアント、MCPサーバー
MCPサーバーが公開するもの
ツール(操作)、リソース(データ)、プロンプト(定型の指示)
運営
Linux Foundation傘下のAgentic AI Foundation(2025年12月にAnthropicが寄贈)
当社の支援
接続先の選定、MCPサーバーの構築、既存APIのMCP化、エージェントへの組み込み、認証・統制
AIアプリAAIアプリBAIアプリC
✕ ✕ ✕ 組み合わせごとに個別開発 ✕ ✕ ✕
CRMデータベースSaaS
個別のAPI連携
AIアプリと接続先の組み合わせごとに、認証、呼び出し方、データ形式を個別に作り込みます。AIアプリや接続先が増えるほど、開発と保守の手間が掛け算で増えます。
AIアプリAAIアプリBAIアプリC
MCP(共通の接続手順)
MCPサーバー
CRMMCPサーバー
データベースMCPサーバー
SaaS
MCPによる接続
接続先ごとにMCPサーバーを1つ用意すれば、MCPに対応した複数のAIアプリから同じ手順で使えます。接続先の追加や、AIアプリの入れ替えにも対応しやすくなります。
02/注目される背景
AIエージェントの外部ツール連携と、ベンダー中立なオープン標準への移行
AIエージェントは、回答の生成にとどまらず、社内のデータを参照し、業務システムを操作する範囲へ広がっています。そのための接続方法を、特定の製品に依存しない標準にそろえる動きが進んでいます。
MCPの公開からオープン標準への移行(各社の公式発表をもとに作図)
Anthropicが公開
→
主要なAI製品が採用
→
クラウド各社が実行環境を提供
→
2025年12月 Agentic AI Foundationへ寄贈
→
参照から操作へ:AIエージェントが、検索や要約だけでなく、業務システムへの登録・更新まで担うようになっている
→
連携の個別開発:AIアプリと接続先の組み合わせごとに連携を作ると、開発と保守の手間が増え続ける
→
主要なAI製品の採用:ChatGPT、Gemini、Microsoft Copilot、Visual Studio Codeなどが、MCPに対応している
→
ベンダー中立な運営:MCPはLinux Foundation傘下の団体に移り、特定企業に依存しない運営になった
→
既存APIの活用:Azure API Managementなどで、既存のREST APIをMCPサーバーとして公開できるようになった
→
接続先の統制:接続先が増えるほど、認証、権限、どのMCPサーバーを使ってよいかの管理が必要になる
標準化団体・開発元・クラウド事業者の公式発表
発行主体
記載内容
出典
Linux Foundation(2025年12月9日)
Agentic AI Foundation(AAIF)の設立を発表しました。AnthropicのMCP、BlockのGoose、OpenAIのAGENTS.mdが設立時のプロジェクトです。MCPを、AIモデルをツール・データ・アプリケーションにつなぐ標準プロトコルと位置づけています。
Anthropic(2025年12月9日)
MCPをAAIFに寄贈すると発表しました。公開から1年で、稼働中の公開MCPサーバーが1万を超え、ChatGPT、Cursor、Gemini、Microsoft Copilot、Visual Studio Codeなどが採用していると記載しています。
Model Context Protocol(仕様)
ホスト、クライアント、サーバーの構成と、JSON-RPCに基づく通信を定めています。ホストは、接続の許可、セキュリティ方針、ユーザーの同意を管理します。
Microsoft Learn(Azure API Management)
API Managementで管理するREST APIをMCPサーバーとして公開でき、API操作がMCPのツールになります。既存のMCPサーバーをAPI Management経由で公開し、ポリシーでアクセスや認証を制御することもできます。
03/仕組み
MCPの仕組み:ホスト・クライアント・サーバーと、ツール・リソース・プロンプト
MCPの仕様は、ホスト、クライアント、サーバーの3つの役割で構成されます。通信はJSON-RPCに基づき、サーバーはローカルのプロセスとしても、ネットワーク越しのリモートサービスとしても動かせます。
ホスト
利用者が操作するAIアプリ。接続の許可と、ユーザーの同意を管理します。
Microsoft 365 CopilotGitHub Copilotエージェント
→
クライアント
ホストの中で、サーバーごとに1対1の接続を保ちます。サーバー同士は分離されます。
→
MCPサーバー
接続先の機能とデータを、3種類の部品として公開します。
ツールリソースプロンプト
→
業務システム・データ
社内のAPI、データベース、ファイル、SaaS。
部品
内容と例
使うタイミングを決める側
ツール
AIが呼び出して実行する機能。データベースへの書き込み、外部APIの呼び出し、ファイルの変更など。例:フライトの検索、メッセージの送信、予定の作成
モデル(利用者の依頼に応じて、AIが使うかを判断)
リソース
参照用のデータ。ファイルの内容、データベースのスキーマ、APIのドキュメントなど。例:文書の取得、ナレッジベースへのアクセス
アプリケーション(AIアプリが文脈に加えるかを判断)
プロンプト
入力の形と進め方を定めた定型の指示。業務の手順を、再利用できる形で共有する
ユーザー(利用者が明示的に選んで使う)
出典:Understanding MCP servers(Model Context Protocol)をもとに作成
04/導入の進め方
MCP導入の進め方:接続先の選定から運用までの5工程
MCPサーバーを作ることから始めず、AIエージェントに任せたい業務と、そのために必要な接続先から決めます。
1
対象業務と接続先の選定
AIエージェントに任せたい業務を決め、そのために参照・操作が必要なシステムとデータを洗い出します。
成果
対象業務
接続先一覧
2
接続方式の選択
接続先ごとに、製品の公式MCPサーバー、既存REST APIからの変換、カスタムMCPサーバーのどれを使うかを決めます。
成果
接続方式
MVPの範囲
3
認証・権限と接続の共通口の設計
利用者とエージェントの認証、操作できる範囲、承認が必要な操作、接続先の登録方法を決めます。
成果
認証方式
操作許可の設計
4
エージェントへの組み込みと評価
MCPサーバーをエージェントやワークフローに組み込み、正しいツールを選べているか、結果が業務で使えるかを評価します。
成果
動作するエージェント
評価結果
5
登録・運用と拡張
MCPサーバーを登録して検索できるようにし、利用状況とログを見ながら、接続先とエージェントを広げます。
成果
運用手順
ロードマップ
KPI
05/当社の支援内容
MCP支援の8つのメニュー:つなぐ・動かす・管理する
当社は、企業の既存システムを、AIエージェントが利用できる業務機能として接続し、実装します。2025年5月に開始したカスタムMCPサーバー導入ハンズオンラボサービスでは、Microsoft AzureやMicrosoft 365 Copilotの専任ソリューションエンジニア、AIエージェントコンサルタント、Pythonエンジニア、スクラムマスターなど、顧客企業専用の体制で伴走します。
柱 1
つなぐ
既存API・業務システムを、AIエージェントが使える接続先にする
支援1ワークショップ・アセスメント
支援2カスタムMCPサーバー構築
支援3既存APIのMCP化
→
柱 2
動かす
MCPをエージェントやワークフローに組み込み、参照から業務操作へ広げる
支援4Microsoft Foundry
支援5Copilot Studio
支援6GitHub・AI駆動開発
支援7マルチエージェント基盤
→
柱 3
管理する
接続先の登録・検索、認証、操作対象の制限、統制方針を設計する
X-Tech FDE顧客企業専用の体制で全体に伴走し、必要な柱から組み合わせて提供
支援 1
MCPワークショップ・MCPアセスメント
MCPの基本的な理解を行うワークショップと、実践によるMCPサーバーハンズオンワークショップを行います。MCPアセスメントを通して、お客様環境に合ったMCPのMVPとロードマップ、期間内に目指すべきKPIをご提案し、MCPを活用したAIアプリケーションの開発・評価まで伴走します。
支援 2
カスタムMCPサーバーの構築
公式のMCPサーバーが用意されていないシステムに対し、お客様のMicrosoft Azure環境で、Azure Container Apps/Azure App Service上にカスタムMCPサーバーを用意します。
支援 3
既存APIのMCP化
Azure API ManagementにAPIを登録・プロキシ化し、ポリシーを設定したうえで、既存のREST APIをMCPサーバーとして公開します。作り直さずに、既存のAPIをAIエージェントから使えるようにします。
支援 4
Microsoft FoundryでのMCP活用
AI CoEやAI Agent Opsをご検討のお客様に、Microsoft Foundryのワークショップと導入支援、Foundryを利用したMCPサーバーの作成を伴走型で支援します。検索(RAG)と業務操作(MCP)を使い分けるエージェントも構築します。
支援 5
Copilot StudioでのMCP活用
Microsoft 365 CopilotやPower Platformをご利用のお客様向けに、Copilot StudioでのMCPサーバー作成を伴走型で支援します。OAuth 2.0による認証付きの接続設定、MCPツールの登録、操作できる範囲の設定まで扱います。
支援 6
GitHub MCPサーバーとAI駆動開発
GitHub MCPサーバーを活用したAI-Driven-Development型のDevOps導入支援とアドバイザリーを行います。GitHub CopilotからMCP経由で、ワークフローの作成・更新・有効化などの操作を自然言語で行う構成にも対応します。
支援 7
マルチエージェント基盤のためのMCPサーバー作成
Microsoft Azureのマルチエージェント基盤との連携を前提に、MCPサーバーとアーキテクチャを用意します。各社が提供するMCPサーバーとSyncLect AI Agentを連携させ、AIエージェントをコンポーネント化し、マルチエージェント向けに保持・呼び出しを可能にします。
支援 8
MCPサーバーの登録・認証・統制
Azure API CenterへのMCPサーバーの登録と検索、API Managementでの入口の認可とバックエンドの認証の分離、Microsoft Entra IDによるID・権限の設計を行います。エージェントごとに使えるMCPサーバーを決めます。
06/接続構成
企業向けMCP接続構成:AIアプリ・エージェント・接続の共通口・MCPサーバー・業務システム
企業でMCPを使うときは、AIアプリとMCPサーバーを直接つなぐだけでなく、認証、権限、接続先の管理を間に置きます。接続先の種類に応じて、3つの方法でMCPサーバーを用意します。
接続構成の例(顧客環境に合わせて構成)
AIアプリ(ホスト)Microsoft 365 CopilotCopilot StudioGitHub Copilotその他のMCP対応クライアント
↕
エージェント実行基盤Microsoft Foundry/SyncLect AI Agent複数のエージェントとMCPサーバーを組み合わせて実行
↕
接続の共通口認証・認可Entra IDOAuth 2.0
ゲートウェイAPI Management
登録・検索API Center
↕
MCPサーバー① 製品の公式MCPサーバー② 既存REST APIからの変換③ カスタムMCPサーバー
↕
業務システム・データCRM・SFAデータベース社内APISaaSワークフロー
方法 1
製品の公式MCPサーバー
GitHub、Microsoft 365、各種SaaSなど、提供元が用意するMCPサーバーを使います。接続の設定と、使ってよい範囲の設計が中心になります。
方法 2
既存REST APIからの変換
Azure API Managementで、管理している既存のREST APIをMCPサーバーとして公開します。API操作がツールになり、ポリシーでアクセスと認証を制御します。
方法 3
カスタムMCPサーバー
公式のMCPサーバーがなく、APIの整備も必要なシステムには、Azure Container Apps/App Service上にMCPサーバーを構築します。
07/特長
接続・実装・統制まで扱うMCP支援:当社の4つの特長
特長 1/4
接続先に合わせて3つの方法を使い分け
公式MCPサーバー、既存REST APIの変換、カスタムMCPサーバーから、接続先の状況に合わせて選びます。MCPサーバーを作ることを目的にせず、既存の資産を活かします。
特長 3/4
認証・権限と、操作できる範囲の設計
OAuth 2.0による認証付きの接続、Microsoft Entra IDによるID・権限、プロジェクトやエージェントごとの操作許可を設計し、つながることと、使い過ぎないことを両立させます。
特長 4/4
参照から業務操作、マルチエージェントへ
情報の参照に加えて、ワークフローの作成・更新・有効化などの業務操作までMCPで扱います。SyncLect AI Agentで、複数のエージェントとMCPサーバーを組み合わせる基盤も提供します。
08/顧客価値
課題から価値へ:MCPで解決するAI連携の課題と、役割別の価値
課題
価値につながる仕組み
得られる価値
AIアプリごとに、同じシステムとの連携を作り直している
接続先ごとにMCPサーバーを1つ用意し、複数のAIアプリで共有する
連携の開発と保守の手間の削減
既存のAPIがあるのに、AIから使えない
API Managementで既存のREST APIをMCPサーバーとして公開する
作り直さずに、既存資産をAIで活用
公式のMCPサーバーがないシステムがある
顧客のAzure環境に、カスタムMCPサーバーを構築する
社内固有のシステムも、エージェントの接続先に
AIが何に接続し、何を操作できるか分からない
MCPサーバーの登録、認証、操作許可、ログを一元的に設計する
後から確認できる、統制された接続
AIの活用が、検索や要約で止まっている
MCPで業務システムの操作やワークフローまでエージェントに組み込む
参照から、業務の実行への拡大
役割別の価値
経営・DX推進責任者
AIを業務の実行まで広げる基盤
接続先を共通化することで、新しいAIアプリやエージェントを追加するときの投資を抑え、展開の速度を上げられます。
業務部門
使い慣れたAIアプリから、業務システムを使える
Microsoft 365 CopilotやCopilot Studioのエージェントから、CRMや社内システムの情報を参照し、登録や更新まで行えます。
IT・基盤管理
接続先を、同じ手順で管理できる
MCPサーバーを登録して検索できるようにし、API Managementでアクセスとポリシーを一元的に管理できます。
セキュリティ・リスク管理
認証と操作範囲を、接続ごとに制御
エージェントごとに使えるMCPサーバーと操作を限定し、実行の記録を残すことで、監査に必要な根拠を確認できます。
09/取り組み事例
公開されている取り組み:SyncLect AI AgentのMCP連携、ハンズオンラボ、決済AIエージェント
製品
SyncLect AI Agent:MCP連携を開始
マルチAIエージェントのためのマイクロサービス型プラットフォームであるSyncLect AI Agentが、Azure、Excel、OneNote、Teams、Cosmos DB、GitHub、Deep Research、Databricks、Elasticsearch、Dify、Stripe、Salesforceなど各社が提供するMCPサーバーとの連携を開始しました。
お知らせを見る →
サービス
カスタムMCPサーバー導入ハンズオンラボサービスを開始
AIエージェント基盤の導入やAI CoEを設置するMicrosoft Azure、Microsoft 365 Copilot利用企業向けに、ワークショップ・アセスメントからカスタムMCPサーバー構築、Foundry・Copilot Studio・GitHubでのMCP活用までの6メニューを提供しています。
お知らせを見る →
製品
SyncLect AI Agent:マルチAIエージェント基盤
AIエージェント同士が連携し、複雑なタスクを効率的かつ柔軟に遂行するマイクロサービス型のプラットフォームです。企業の業務環境に合わせてカスタマイズでき、MCPサーバーを使ったエージェントをコンポーネントとして呼び出せます。
お知らせを見る →
サービス
決済AIエージェント:Stripeエージェントツールキット
Stripeエージェントツールキットをサービスラインナップに追加し、AIエージェントと決済を組み合わせたペイメントエージェントの構築を支援しています。
お知らせを見る →
10/想定ROI
連携開発工数の試算:接続先の追加、AIアプリの追加、保守
AIアプリと接続先の組み合わせごとに個別連携を作る場合と、接続先ごとにMCPサーバーを用意して共有する場合の差を試算します。
対象
試算の前提
削減工数
接続先の追加
AIアプリ3種 × 接続先5システムを個別連携(15本、1本あたり80時間、計1,200時間)。接続先ごとにMCPサーバーを1つ用意して共有(5本、1本あたり100時間、計500時間)
約700時間
AIアプリの追加
4つ目のAIアプリを追加する場合、個別連携では5本の新規開発(計400時間)。MCP対応のAIアプリなら接続設定のみ(1接続先あたり8時間、計40時間)
約360時間
仕様変更時の保守
接続先1システムのAPI変更が年4回、個別連携では3本ずつ改修(1本あたり16時間、計192時間)。MCPサーバー1本の改修で済む(計64時間)
約128時間/年
合計(初年度)
上記3項目の合計
約1,188時間
接続先の数、AIアプリの数、1本あたりの工数は、試算のための仮の値です。
実際の削減幅は、既存APIの整備状況、接続方式、認証の要件で決まります。当社は、MCPアセスメントで現行の連携工数と接続先を棚卸しし、MVPとKPIを決めたうえで広げます。
11/活用シーン
営業・社内問い合わせ・ソフトウェア開発・決済・業務自動化・マルチエージェントでの活用イメージと適性
01
営業:CRMの参照と記録
最新の顧客データを参照し、未完了のタスクに基づいてフォローアップメールを作成し、結果をCRMとプロジェクト管理ツールに記録するといった、複数のシステムをまたぐ業務を一連で行います。
02
社内問い合わせ:検索と手続きの組み合わせ
社内規程や備品情報の検索はRAGで、貸出や申請などの手続きはMCPで行うなど、参照と操作を1つのエージェントで使い分けます。Agentic RAGと組み合わせます。
03
ソフトウェア開発:GitHubとの連携
GitHub MCPサーバーを使い、リポジトリ、Issue、Pull Requestの情報をAIエージェントから扱います。AI駆動開発の標準として組織に定着させます。
04
決済・EC:ペイメントエージェント
Stripeなどの決済サービスと連携し、提案から購入・決済までをエージェントが担う構成を作ります。決済AIエージェントも参照ください。
05
業務自動化:ワークフローの操作
ワークフローツールをMCPサーバー経由で操作し、自然言語でワークフローの作成・更新・有効化・無効化を行います。人とエージェントの操作の重なりを避ける運用も設計します。
06
マルチエージェント:専門エージェントの組み合わせ
職能ごとのエージェントに、必要なMCPサーバーだけを割り当て、データと権限を分けたうえで連携させます。SyncLect AI Agentを基盤にします。
MCP導入の適性チェック
適合する顧客
- AIエージェントから、社内システムやデータを使わせたい
- 複数のAIアプリで、同じ接続先を使い回したい
- 既存のREST APIがあり、作り直さずにAIから使いたい
- 公式のMCPサーバーがないシステムを接続したい
- Microsoft 365・Azureを基盤に、認証と権限をそろえたい
適合しにくい顧客
- AIの利用が、文書の要約や翻訳など単体の用途に限られる
- 接続先が1つで、今後も増える予定がない
- 接続先のシステムに、APIや操作の手段がない
- 認証や権限の設計をせずに、すぐに全社へ公開したい
導入検討のDiscovery質問
→
AIエージェントに、どの業務システムの参照や操作を任せたいですか。
→
接続したいシステムに、REST APIはありますか。提供元の公式MCPサーバーはありますか。
→
利用者が使うAIアプリは、Microsoft 365 Copilot、Copilot Studio、GitHub Copilotなど、どれですか。
→
接続先の認証は、Microsoft Entra IDやOAuth 2.0にそろえられますか。
→
AIに任せる操作のうち、人の承認が必要なものはどれですか。
→
Azure API ManagementやAPI Centerは、すでに利用していますか。
12/他の手段との違い
個別API連携・Function Calling・RPA・製品付属のコネクタ・A2Aとの違いと使い分け
手段
主にできること
MCPとの違い・使い分け
個別のAPI連携
AIアプリごとに、接続先のAPIを呼び出す処理を作り込む
MCPは接続先ごとにサーバーを1つ用意し、複数のAIアプリで共有します。接続先とAIアプリが増えるほど差が大きくなります。
Function Calling(関数呼び出し)
モデルに関数の定義を渡し、呼び出す関数と引数を決めさせる
Function Callingはモデルとアプリの間の仕組みで、MCPはツールを外部のサーバーとして公開し、別のAIアプリからも使える形にそろえる規格です。両者は組み合わせて使います。
RPA
画面操作を記録し、決まった手順を自動で繰り返す
MCPはAPIを通じて機能を呼び出し、AIが状況に応じて使うツールを選びます。APIがない画面操作中心の業務はRPAが向く場合があります。
製品付属のコネクタ
特定の製品の中で、決められたシステムと連携する
製品付属のコネクタはその製品の中でのみ使えます。MCPに対応した接続先は、MCP対応の複数のAIアプリから使えます。
A2A(Agent2Agent)
異なるベンダーのAIエージェント同士が連携するための通信規格
MCPはエージェントとツール・データの接続、A2Aはエージェント同士の連携を扱い、補完的な関係です。部門の独立性と中央の統制のバランスに応じて使い分けます。
13/ガバナンス
MCPのセキュリティと統制:同意・認証・最小権限・接続先の登録・記録
MCPの仕様は、ツールを任意のコード実行として慎重に扱い、ホストがツールを呼び出す前にユーザーの明示的な同意を得ることを求めています。Security Best Practicesには、第三者のAPIにつなぐMCPサーバーが悪用される「Confused Deputy」などのリスクと対策が整理されています。当社は、これらを前提に接続を設計します。
統制 1
ユーザーの同意
ツールは任意のコード実行として扱い、ホストがツールを呼び出す前に、利用者の明示的な同意を得る設計にします。
統制 3
最小権限
エージェントやプロジェクトごとに、使えるMCPサーバーとツールを限定し、必要な操作だけを許可します。
統制 4
入口とバックエンドの分離
API Managementで、AIアプリからの入口の認可と、業務システムへのバックエンドの認証を分け、資格情報をMCPサーバーに渡し過ぎないようにします。
統制 5
接続先の登録
Azure API Centerなどに、利用を認めたMCPサーバーを登録し、検索と実行テストができる状態で管理します。技術解説
14/はじめ方
スタートプラン:HWS Agent Campで、MCPを使うエージェントを2日間で試作
HWS Agent Campは、生成AIの活用・内製化を目指す企業向けに、専門エンジニアが伴走する2日間の集中ハッカソンです。約2週間の事前準備のうえで、本格的なプロトタイプを構築します。最初に接続する業務システムを1つ選び、MCPサーバーとエージェントを組み合わせて動かすことで、接続方式と認証の要件を早く確かめられます。
STEP 1事前準備(約2週間)対象業務、接続先のシステム、既存APIの有無、認証の制約を整理します。
STEP 22日間の集中開発顧客側のエンジニア・業務担当者と専門家が共同で、MCPサーバーとエージェントのプロトタイプを構築します。
STEP 3評価・展開計画結果をもとに、接続方式、認証・権限の設計、MVPとロードマップ、KPIを決めます。
15/当社について
Microsoft Azure の AI Platform/Agentic DevOps Specialization取得
ヘッドウォータースは「Microsoft Solutions Partner for Digital & App Innovation(Azure)」の認定に加え、上位資格である「AI Platform on Microsoft Azure」「Agentic DevOps with Microsoft Azure and GitHub」の2領域のSpecializationを取得しています。厳格な技術要件と導入実績を満たしたパートナーのみに付与される称号で、2領域の同時取得は国内でも限られています。
Microsoft AI Innovation Partner of the Year 2024 受賞
「AI イノベーション パートナー オブ ザ イヤー アワード」は、マイクロソフト製品の活用によってAI分野で革新を起こしたパートナーに贈られるアワードとして2024年に新設され、ヘッドウォータースは同分野において最も優れた実績をあげたとの評価を受け、初代受賞パートナーとなりました。
16/関連ソリューション
MCPサーバーと複数エージェントの基盤
SyncLect AI Agent. 各社のMCPサーバーと連携し、AIエージェントをコンポーネント化して呼び出せるマルチエージェント基盤です。
検索と業務データの連携
Agentic RAG. 多段階検索と自律的推論を備え、業務データを根拠付きで扱うエージェントを構築します。
最初の1業務を2日間で試作
HWS Agent Camp. 専門エンジニアが伴走する2日間の集中ハッカソン。約2週間の事前準備のうえで、プロトタイプを構築します。
17/よくあるご質問
Q. MCP(Model Context Protocol、モデルコンテキストプロトコル)とは何ですか。
A. AIアプリケーションやAIエージェントを、業務システム、データ、外部ツールにつなぐためのオープンな標準規格です。Anthropic社が公開し、現在はLinux Foundation傘下のAgentic AI Foundationが運営しています。
Q. MCPサーバーとMCPクライアントの違いは何ですか。
A. MCPサーバーは、接続先の機能やデータをツール・リソース・プロンプトとして公開する側です。MCPクライアントは、AIアプリ(ホスト)の中でMCPサーバーとの接続を担う側です。
Q. 既存のAPIがあれば、MCPサーバーを作らなくてもよいですか。
A. 既存のREST APIは、Azure API ManagementでMCPサーバーとして公開できます。作り直さずに使える場合が多く、当社はまずこの方法を検討します。API Managementでは、MCPのツールに対応し、リソースとプロンプトには対応していない点に注意が必要です。
Q. 公式のMCPサーバーがないシステムも接続できますか。
A. できます。お客様のMicrosoft Azure環境で、Azure Container Apps/Azure App Service上にカスタムMCPサーバーを用意します。
Q. Function Callingとは何が違いますか。
A. Function Callingは、モデルに関数の定義を渡して呼び出させる仕組みです。MCPは、ツールを外部のサーバーとして公開し、複数のAIアプリから同じ手順で使えるようにする規格です。両者は組み合わせて使います。
Q. A2Aとはどう違いますか。
A. MCPはエージェントとツール・データの接続、A2A(Agent2Agent)はエージェント同士の連携を扱う規格で、補完的な関係です。
Q. セキュリティ上の注意点は何ですか。
A. ツールは任意のコード実行として扱い、呼び出し前の同意、認証・認可、最小権限、接続先の登録、実行の記録が必要です。MCPの公式ドキュメントでは、第三者のAPIにつなぐMCPサーバーが悪用されるConfused Deputyなどのリスクと対策が示されています。
Q. MCPサーバーの管理はどのように行いますか。
A. Azure API Centerに利用を認めたMCPサーバーを登録し、検索と実行テストができる状態で管理します。API Managementでアクセスと認証のポリシーを設定します。
Q. 何から始めればよいですか。
A. MCPワークショップ・アセスメントで、対象業務と接続先、MVPとロードマップ、KPIを決めます。短期間で試作したい場合は、2日間のHWS Agent Campで、最初の接続先とエージェントを動かします。
Q. どの環境で構築しますか。
A. お客様の環境に合わせて構築します。Microsoft Azure・Microsoft 365を中心に、GitHubや各種SaaSとの接続にも対応します。
Q. 効果はどのように測りますか。
A. アセスメントで現行の連携開発・保守の工数と接続先を棚卸しし、MVPのKPIを決めて測ります。一律の削減率や回収期間は、事前にお約束しません。
MCPによるシステム接続・エージェント実装のご相談
接続先の選定、MCPサーバーの構築、既存APIのMCP化、エージェントへの組み込み、認証・権限の設計まで、貴社の環境に合わせてご提案します。
お問い合わせ