01/Decisions APIとは
Azure OpenAI Decisions APIとは:文章ではなく判断の結果を返すAPI
Azure OpenAI Decisions APIは、テキストや画像(またはその両方)を評価し、生成した文章ではなく、型の決まった答えを返すAPIです。「この問い合わせは返金の依頼か」「どの部署が担当すべきか」「不具合はどの程度深刻か」といった問いに対し、確率、選んだ選択肢、段階の評価を数値で返します。結果をそのまま業務システムの分岐に使えるため、振り分け、分類、優先順位付け、品質の確認を自動化できます。
OpenAIが開発したAPIで、MicrosoftのMicrosoft Foundry(Azure上でAIを開発・運用する基盤)から一般提供されています。Azure OpenAIのリソースに専用の窓口(エンドポイント)が用意され、判断を担うAIモデルはGPT-6 Luna(gpt-6-luna)です。サービスの提供元はOpenAIとMicrosoftで、当社は業務への設計・実装・運用・定着を担います。
Decisions APIの要点
名称
Azure OpenAI Decisions API(判断専用のAPI)
提供元
OpenAI、Microsoft(Microsoft Foundryで一般提供)
判断を担うAIモデル
GPT-6 Luna(gpt-6-luna)。現時点で対応するのはこのモデルのみ
判断の材料
テキスト、画像(PNG・JPG・WebP・GIF)、またはその両方
返す答え
当てはまる確率、選んだ選択肢、段階の評価。選択と段階には確信度(confidence)も付く
料金の目安
入力100万トークンあたり0.10米ドル(Microsoftの発表記事の価格表)
判断の流れ
判断の材料問い合わせ文、申込書や商品の写真
→
業務の質問当てはまるか、どれに当たるか、どの程度か
→
Decisions APIGPT-6 Lunaが材料を読み、質問ごとに評価
→
数値の答え確率、選んだ選択肢、段階の評価と確信度
→
次の処理担当へ振り分け、自動で進める、人が確認する
Microsoft Learnの記載をもとに作図
Decisions APIを使うメリット
分岐に直接使える
答えが決めた選択肢か数値で返るため、文章を読み取る処理が要りません。
確からしさが分かる
選択肢ごとの確率と確信度で、自動で進めてよいかを判断できます。
人の確認を入れられる
確信度が低い答えや回答拒否だけを、人の確認へ回せます。
写真や書類も判断できる
商品写真の傷、書類の撮影状態など、画像を見て判断できます。
まとめて判断できる
1回の依頼で、返金の有無・担当部署・深刻度などを同時に評価できます。
Azureの中で管理できる
Azure OpenAIのリソースで動き、Microsoft Entra IDで利用者を管理できます。
02/注目される背景
AIアプリとAIエージェントの小さな判断:次に何をするかを速く決める仕組み
生成AIを使ったアプリや、業務を実行するAIエージェント(目的に沿って自分で手順を考え、システムを操作するAI)は、文章を作るだけでなく、処理の途中で「次に何をするか」を何度も判断しています。どの担当へ回すか、どのAIや社内システムを使うか、人の確認が必要か、といった判断です。これまでは、文章を生成するAIに判断させ、その答えの文章を読み取って処理を分けていましたが、答えの言い回しが揺れる、判断のたびに時間と費用がかかる、という課題がありました。
Microsoftは2026年10月22日に、OpenAIのDecisions APIをMicrosoft Foundryで一般提供(GA)しました。発表では、AIアプリやエージェントが絶えず行う判断を、速く、焦点を絞って行うための専用の仕組みと位置付けています。Microsoft Learnには、質問の種類、画像の扱い、答えの読み方、人の確認へ回す閾値の決め方が示されています。
文章を生成するAIに判断させる場合
- 答えが文章で返り、読み取りの処理が別に必要
- 同じ内容でも言い回しが揺れ、分岐が崩れることがある
- 判断の確からしさが数値で分からない
- 判断の件数が増えるほど、待ち時間と費用が増える
Decisions APIで判断する場合
- 答えは、決めた選択肢か数値でだけ返る
- 選択肢ごとの確率と確信度が付く
- 確信度で、自動で進めるか人が確認するかを分けられる
- 1回の依頼で、複数の質問をまとめて評価できる
03/仕組み
predicate・choice・score:3種類の質問と返ってくる答え
1回の依頼は、使うAIモデル、判断の材料(テキスト、画像、またはその両方)、質問の3つで構成します。質問には種類があり、業務で知りたい答えの形に合わせて選びます。答えは質問と同じ順番で返り、質問に付けた名前で対応が分かります。
predicate(はい・いいえ)
条件に当てはまるか
条件が正しい確率を0から1の数値で返します。決めた閾値と比べて、はい・いいえを判断します。
例:写真の商品に目に見える傷があるか、問い合わせが返金の依頼か
choice(選択)
どの選択肢に当たるか
渡した選択肢から1つを選び、選択肢ごとの確率と確信度を返します。当てはまらない場合の「その他」を入れておきます。
例:問い合わせの担当部署、書類の種類、撮影の条件
score(段階評価)
どの程度か
低い順に並べた段階に照らして評価し、段階ごとの確率と、その加重平均の評価値、確信度を返します。
例:不具合の深刻度(軽微・回避策あり・停止)、対応の優先度
返ってくるもの
質問ごとの答え(質問と同じ順番。質問に付けた名前で対応が分かる)
選択と段階評価では、選択肢・段階ごとの確率と、別に確信度(confidence)
AIが答えを控えた場合は「回答拒否(refusal)」。同じ依頼の他の質問には答えが返る
AIが処理した文字量(トークン)。説明の文章は返らない
1件の問い合わせに3つの質問をまとめた例
返金の依頼か(predicate)
はい(確率1.00)
担当部署はどこか(choice)
請求担当(確信度1.00)
深刻度はどの程度か(score)
軽微と回避策ありの間(評価値0.58、確信度0.31)
入力:「注文の料金が二重に請求されました。余分な分を返金してください」。当社技術ブログの実行結果を要約
04/他の手段との違い
生成AI・Microsoft-Decision-1・ルールとの違い:判断の種類に合わせた使い分け
Decisions APIは、生成AIの代わりではなく、役割の違う部品です。Microsoft Learnは、項目の抜き出しや説明文の作成には生成AIの構造化出力を、AIからシステムの操作を呼び出すには関数呼び出しを使うよう案内しています。判断の結果だけが必要な場面で、Decisions APIを使います。
手段得意なこと判断での使いどころ
Decisions API
決めた選択肢・段階・条件に対する判断。テキストと画像の両方を材料にできる
振り分け、分類、優先度、品質の確認など、結果だけが必要な判断。確信度で人の確認と分担する
生成AI(構造化出力)
決めた形式での項目の抜き出し、説明文や返信文の作成
判断の理由を文章で示す、書類から項目を抜き出す。判断の前後の作業を担う
生成AI(関数呼び出し)
AIから社内システムの操作や検索を呼び出す
判断の結果を受けて、登録や通知などの操作を実行する
ルール・プログラム
条件がはっきりした計算、チェック、安全のための制御
金額の検算や期限の確認など、決まった条件はルールで処理し、AIに任せない
人
重大な判断、取り消せない判断、前例のない判断
高い責任を伴う最終判断と例外の対応。AIは人に回す対象を絞り込む
Microsoft-Decision-1は、Microsoftが提供する判断専用のAIモデルです。テキストやJSONの判断が中心で、Decisions APIは画像も判断の材料にできる点が異なります。
05/人の確認との分担
確信度と閾値:自動で進める判断と、人が確認する判断の分け方
Decisions APIの答えには、確率や確信度(confidence)が付きます。どの値以上なら自動で進めるかという境目(閾値)は、自社の業務の正解付きデータで試し、誤って通した場合と誤って止めた場合の損失を比べて決めるよう、Microsoft Learnは案内しています。AIが答えを控える「回答拒否」は、確率が低い答えとは別の扱いとして、人の確認へ回します。人の判断を処理の途中に組み込む設計は、Human-in-the-Loop(人間参加型)と呼ばれます。
答えの行き先
1
確信度が閾値以上
自動で次の処理へ進めます。答えと確信度を記録し、あとから確認できるようにします。
2
確信度が閾値に届かない
人の確認へ回します。選択肢ごとの確率を確認画面に表示し、担当者が判断しやすくします。
3
回答拒否が返った
確率が低い答えとは別の扱いとして、人の確認へ回します。
4
前の答えで次の質問が変わる
依頼を分けて順に判断します。例:傷の有無を確かめ、傷がある場合だけ修理の区分を判断します。
Microsoft Learnの記載をもとに作図
06/利用の準備
Azure OpenAIリソースとGPT-6 Luna:利用開始までの流れと留意点
Azureの契約の中にAzure OpenAIのリソースを作り、GPT-6 Lunaを使える状態にしてから、専用の窓口に判断の依頼を送ります。本人確認の方法は、APIキーとMicrosoft Entra ID(Microsoftのアカウント管理・認証の仕組み)の両方に対応しています。
STEP 1
Azureの準備
Azureの契約と、Azure OpenAIのリソースを用意します。
STEP 2
GPT-6 Lunaを使える状態にする
リソースにGPT-6 Lunaを配置(デプロイ)します。依頼では、配置したときに付けた名前を指定します。
STEP 3
本人確認の方法を決める
APIキーかMicrosoft Entra IDを選びます。業務で使う場合は、Entra IDで利用者と権限を管理します。
STEP 4
質問を作る
判断ごとに質問の種類、指示、選択肢や段階の説明を書きます。観察できる基準で書くのがこつです。
STEP 5
正解データで試す
業務の正解付きデータで答えを比べ、確信度と正解率の関係を確かめます。
STEP 6
閾値と流れを決める
自動で進める境目、人の確認へ回す条件、回答拒否の扱いを決めて業務に組み込みます。
使う前に押さえておくこと
- 利用できる地域は、GPT-6 Lunaを提供している地域で順次広がっています。米国東部2は対象外です。
- 1回の依頼に、質問は最大400件、画像は最大128枚(合計32MBまで)を入れられます。
- 画像は、データとして埋め込むか、公開されたURLで渡します。社内ネットワークの中にある画像のURLは使えません。
- 開発で使うOpenAIのライブラリ(SDK)は、Pythonで3.26.0以降、JavaScriptで7.30.0以降が必要です。
- 閾値は一律に決めず、業務の正解付きデータで、誤って通した場合と誤って止めた場合の損失を比べて決めます。
- 最新の対応地域と価格は、Microsoft Foundryの公式情報で確認します。
07/当社の支援内容
判断の選定から業務への組み込みまで:5つの支援メニュー
Decisions APIは、呼び出すだけでは業務の判断になりません。何を判断するか、選択肢をどう説明するか、どの確信度から人に回すかを、業務の正解データで決める必要があります。当社は、判断を選ぶところから、精度の確認、人の確認との分担、業務システムへの組み込みと運用までを一続きで支援します。
支援の流れ
支援 1・2判断を選び、質問にする対象業務、選択肢、段階の基準
→
支援 3正解データで精度を測る苦手な分類、確信度と正解率の関係
→
支援 4人の確認との分担を決める閾値、確認画面、回答拒否の扱い
→
支援 5業務に組み込み、運用するシステム連携、記録、定期的な見直し
伴走体制:
X-Tech FDEのエンジニアが
現場に入り、業務担当者と一緒に判断の基準と運用を決めます
支援 1
対象とする判断の選定
業務やAIエージェントの処理の中から、人が毎回確認している判断を洗い出し、件数・誤りの影響・選択肢の明確さで最初の対象を選びます。
組み合わせるサービス:AIエージェント開発、AI Agent CoE
支援 4
人の確認との分担の設計
閾値、確認画面に出す情報、回答拒否の扱い、取り消せない処理を人が判断する条件を決めます。
組み合わせるサービス:Human-in-the-Loop
08/特長
判断の品質を測る検証力・判断基準の整備・Microsoft基盤での実装と統制
特長 1
判断の品質を数字で測れる
Decisions APIを実装し、正解率だけでなく、確信度ごとの正解率、自動で処理できる割合、苦手な分類まで評価した検証を公開しています。どこまで自動で処理し、どこから人に回すかを、根拠をもって決められます。
09/取り組み事例
文書画像の撮影条件の判定:確信度と正解率・自動処理の割合の検証
当社のエンジニアが、文字の読み取り(OCR)の前処理を想定し、文書の写真がどの条件で撮られたかをDecisions APIで分類する仕組みを実装・テストし、期待する動作を確認しました。公開データの同じ20ページを5つの撮影条件(スキャン、紙の湾曲、斜め撮影、画面の撮影、照明のむら)で撮った計100件を判定し、正解率に加えて、確信度ごとの正解率と、自動で処理できる割合を測っています。
自動で採用する条件正解率自動で処理できる割合
すべての答えを採用
72.0%
100%
確信度0.50以上を採用
82.1%
78%
確信度0.80以上を採用
92.5%
53%
確信度0.90以上を採用
94.9%
39%
確信度が高い答えだけを採用すると正解率は上がり、その分、自動で処理できる範囲は狭くなります。回答拒否は0件、確率の当たり具合を表す指標(ブライアスコア)は0.149でした。一方、紙の湾曲を正しく見つけられた割合は20%にとどまり、苦手な分類があることも確かめています。100件・特定の条件での結果で、貴社の業務での性能を示すものではありません。本番では、貴社の書類と正解データで同じ評価を行い、どこまで自動で処理し、どこから人に回すかを決めます。
技術解説
Azure OpenAI Decisions APIとは?
1件の問い合わせに対し、返金の依頼か・担当部署・深刻度の3つを1回の依頼で判断する実装と、その実行結果を解説しています。
当社技術ブログ(Zenn)を見る
判断AIの検証
Microsoft-Decision-1でAI-OCRの品質ゲート
読み取りが崩れた請求書を、生成AIに渡す前に判断AIで見分けて人へ回す仕組みを実装し、11件中10件で正解と一致することを確認しました。
当社技術ブログ(Zenn)を見る
業務を実行するAIエージェントの開発事例
Agentic Work Flowで正答率99%
RAGを活用した複数のAIエージェントによる自律的な業務遂行で、約3万件の評価にもとづき正答率99%を達成しました。
お知らせを見る
10/顧客価値
振り分けの待ち時間・判断のばらつき・確認作業の偏りの解消と、役割別の効果
よくある課題Decisions APIでの対応得られる価値
問い合わせや申請の振り分けに、人の待ち時間が発生している
内容を読み、担当部署や種類を選んで、確信度とともに返す
受付から担当者に届くまでの時間を短くし、振り分けの担当者を本来の業務に戻せる
担当者によって、判断の基準や深刻度の付け方がばらつく
段階ごとの説明を書いた同じ基準で、すべての案件を評価する
判断のばらつきを抑え、基準を変えるときも説明を直すだけで済む
すべての案件を人が確認しており、確認作業が追いつかない
確信度が高い答えは自動で進め、低い答えだけを人へ回す
人の確認を、判断が難しい案件に集中できる
書類や写真の不備に、後工程で気付いて手戻りになる
受付の時点で、撮影の状態や傷の有無を画像から判断する
不備を早く見つけ、撮り直しや差し戻しを受付の段階で済ませられる
業務部門の責任者
判断の基準と、人が確認する範囲を、業務の言葉で決めて管理できます。
現場の担当者
確信度の低い案件だけを、選択肢ごとの確率を見ながら確認できます。
情報システム部門
Azureの中で、認証・記録・費用を、既存の仕組みと同じ方法で管理できます。
11/業界ユースケース
金融・保険・製造・流通・公共・IT運用での活用例と、向いている企業
業界判断の材料業務での使い道
金融・保険
問い合わせ、申込書・本人確認書類の画像
手続きの種類と担当の振り分け、書類の撮影状態や記入漏れの確認、要確認案件の抽出
製造
検査の写真、設備の点検報告、不具合の報告
傷や異常の有無の判定、不具合の深刻度、保全作業の優先度
流通・EC
問い合わせ、商品写真、レビュー
返品・返金の依頼の判定、商品写真の品質確認、レビューの分類
物流
配送の問い合わせ、荷物や伝票の写真
遅延・破損などの種類の分類、対応の緊急度、担当窓口への振り分け
公共
申請書、住民からの問い合わせ
申請の種類と担当課の振り分け、添付書類の不足の確認。人に関わる決定は人が行う
IT運用
障害の報告、問い合わせ、画面の写真
障害の種類と深刻度の分類、対応チームへの振り分け、回避策の有無の判定
向いている企業
- 毎月、同じ種類の判断が大量に発生している
- 判断の選択肢や段階を、業務の言葉で説明できる
- Azure・Microsoft 365をすでに利用している
- 判断の結果を記録し、基準を見直す体制を作れる
向きにくいケース
- 判断の選択肢が毎回異なり、決めておけない
- 判断の件数が少なく、人が判断しても負担が小さい
- 判断の理由を文章で説明することが主な目的である
- 人に関わる重大な決定を、AIだけで行いたい
最初に確認したいこと
Q1
人が毎回確認している判断は何ですか。月に何件ありますか。
Q2
その判断の選択肢と基準は、規程や手順書になっていますか。
Q3
判断の材料は、文章ですか、書類や写真ですか。
Q4
誤って通した場合と誤って止めた場合、どちらの損失が大きいですか。
Q5
過去の判断結果(正解)を、評価用に集められますか。
Q6
Azure OpenAIやMicrosoft Entra IDは、すでに利用していますか。
12/想定ROI
月間の判断件数別:AIの利用料と人の確認時間の試算
Decisions APIの利用料は、AIが読み込んだ文字量(トークン)に応じた従量課金です。判断の件数が多い業務ほど、AIの利用料に比べて、人が確認する時間の削減が大きくなります。
月間の判断件数AIの利用料(目安)すべて人が確認約半数を自動で処理
10万件
約5米ドル
約833時間
約417時間
100万件
約50米ドル
約8,333時間
約4,167時間
1,000万件
約500米ドル
約83,333時間
約41,667時間
前提:テキストの判断1件あたり約500トークン(当社技術ブログで3つの質問をまとめた例が約490トークン)、入力100万トークンあたり0.10米ドル(Microsoftの発表記事の価格表)、人の確認は1件30秒。自動で処理する割合は、当社検証で確信度0.80以上を採用した場合の53%を参考に約半数としました。画像を含む判断は、画像の大きさに応じてトークンが増えます。
実際の効果は、判断の定義、閾値、人へ回す割合、確認作業の手順で決まります。当社は、技術検証で現在の確認時間と精度を測り、業務全体の費用で判断できる状態にします。
13/ガバナンス
認証・判断の記録・定期的な再評価:AIの判断を管理する運用設計
判断の記録
判断の材料、答え、確信度、人による修正を記録し、あとから判断の経緯を確認できるようにします。
閾値の管理
自動で進める閾値と、人に回す条件を文書にし、誤りの傾向に応じて見直します。
定期的な再評価
選択肢の説明や対象業務を変えるときは、正解付きデータで精度を測り直してから反映します。
人の最終判断
取り消せない処理や、人に関わる重大な決定は、責任者が最終判断します。
全社のAI管理との整合
AIガバナンスの方針と合わせ、AIの利用範囲、データの扱い、記録の保存期間を決めます。
14/はじめ方
スタートプラン:判断を1つ選び、HWS Agent Campで試作する
最初は、件数が多く、選択肢がはっきりしていて、誤りの影響が小さい判断を1つ選びます。短期間で動くものを確かめたい場合は、専門エンジニアが伴走する2日間のHWS Agent Campで試作できます。
STEP 1
判断の洗い出し
業務の中の判断を洗い出し、件数・誤りの影響・選択肢の明確さで、最初の1つを選びます。
STEP 2
質問と正解データの準備
選択肢や段階の説明を書き、過去の判断結果から評価用の正解データを用意します。
STEP 4
精度と分担の確認
確信度ごとの正解率と自動で処理できる割合を測り、閾値と人の確認の流れを決めます。
STEP 5
業務への組み込み
業務システムやAIエージェントにつなぎ、記録と管理の仕組みを整えます。
STEP 6
対象の拡大
記録と修正内容をもとに基準を見直し、X-Tech FDEの伴走で対象の判断を広げます。
15/当社について
Microsoft AI Innovation Partner of the Year 2024と、Azure AI・Agentic DevOpsのSpecialization
Microsoft Azure の AI Platform/Agentic DevOps Specialization取得
ヘッドウォータースは「Microsoft Solutions Partner for Digital & App Innovation(Azure)」の認定に加え、上位資格である「AI Platform on Microsoft Azure」「Agentic DevOps with Microsoft Azure and GitHub」の2領域のSpecializationを取得しています。厳格な技術要件と導入実績を満たしたパートナーのみに付与される称号で、2領域の同時取得は国内でも限られています。
Microsoft AI Innovation Partner of the Year 2024 受賞
「AI イノベーション パートナー オブ ザ イヤー アワード」は、マイクロソフト製品の活用によってAI分野で革新を起こしたパートナーに贈られるアワードとして2024年に新設され、ヘッドウォータースは同分野において最も優れた実績をあげたとの評価を受け、初代受賞パートナーとなりました。
大和証券様のAIオペレーター、JR西日本様の「Copilot for 駅員」、日本航空様のSLM活用など、エンタープライズ企業向けのAIエージェント開発を手がけています。事例はMicrosoft Foundryのページで紹介しています。
16/関連ソリューション
テキストの判断を、判断専用モデルで。
Microsoft-Decision-1. Microsoftの判断スコアリングモデルの仕組み・使いどころと、当社のAI-OCR品質ゲートの検証を紹介しています。
複数エージェントの自律業務を、正答率99%で。
Agentic Work Flow. RAGを活用した複数AIエージェントによる自律業務遂行で、約3万件の評価にもとづき正答率99%を達成したお知らせです。
Azure上のエージェント基盤で、運用まで回す。
Microsoft Foundry. モデルの選定・評価・配置・運用の基盤を設計・導入し、継続的な改善を支援します。
現場に入り、定着まで伴走する。
X-Tech FDE. エンジニアが顧客の現場に入り、セキュリティ・ガバナンス・既存の仕組みに合わせて、定着まで伴走します。
最初の1業務を、2日間で試作する。
HWS Agent Camp. 専門エンジニアが伴走する2日間の集中ハッカソン。約2週間の事前準備のうえで、AIエージェントのプロトタイプを構築します。
17/よくあるご質問
Q. Azure OpenAI Decisions APIとは何ですか。
A. テキストや画像を評価し、文章ではなく、当てはまる確率・選んだ選択肢・段階の評価を返す判断専用のAPIです。Microsoft Foundryで一般提供されており、判断を担うAIモデルはGPT-6 Lunaです。振り分け、分類、優先順位付け、品質の確認に使います。
Q. Decisions APIというAIモデルがあるのですか。
A. ありません。Azure OpenAIのリソースに用意された専用の窓口(/openai/v1/decisions)で、判断はGPT-6 Lunaが行います。利用するには、リソースにGPT-6 Lunaを配置しておく必要があります。
Q. 生成AIに判断させる方法と何が違いますか。
A. 生成AIは答えを文章で返すため、読み取りの処理が必要で、言い回しも揺れます。Decisions APIは、決めた選択肢か数値でだけ答え、確率と確信度が付きます。理由の説明や項目の抜き出しが必要な場面は、生成AIの構造化出力を組み合わせます。
Q. Microsoft-Decision-1とは何が違いますか。
A. どちらも決めた選択肢に確率を返す判断用のAIです。Microsoft-Decision-1はMicrosoftの判断専用モデルでテキストやJSONが中心、Decisions APIはAzure OpenAIのリソースで動き、画像も判断の材料にできます。業務のデータで両方を比べて選ぶこともできます。
Q. 画像はどのように判断できますか。
A. 文章と画像を同じ依頼に入れて判断できます。PNG・JPG・WebP・GIFに対応し、1回の依頼で最大128枚(合計32MBまで)です。複数の画像には説明の文章を添え、質問から参照できるようにします。
Q. 確信度(confidence)はどう使えばよいですか。
A. 自動で進めるか人が確認するかを分ける境目(閾値)に使います。閾値は一律に決めず、業務の正解付きデータで、確信度ごとの正解率と自動で処理できる割合を確かめて決めます。当社の検証では、確信度0.80以上を採用すると正解率92.5%、自動で処理できる割合53%でした。
Q. 回答拒否(refusal)とは何ですか。
A. AIが特定の質問に答えを控えた状態です。同じ依頼の他の質問には答えが返ります。確率が低い答えとは別の扱いとして、人の確認へ回す流れを決めておきます。
Q. 料金はいくらですか。
A. Microsoftの発表記事では、GPT-6 Lunaの入力100万トークンあたり0.10米ドルとされています。文章を生成しないため、費用は主に判断の材料の量で決まります。最新の価格はAzure OpenAIの価格ページで確認してください。
Q. どの地域で使えますか。
A. GPT-6 Lunaを提供している地域で順次利用が広がっています。Microsoft Learnでは、米国東部2は対象外とされています。業務の要件に合う地域は、導入前に確認します。
Q. Human-in-the-Loop(人の確認)はなくせますか。
A. なくすのではなく、人が確認する対象を絞ります。確信度が高い判断は自動で進め、確信度が低い判断・回答拒否・取り消せない処理は人が確認する、という分担を前提にします。
Q. 日本語の業務で使えますか。
A. 当社技術ブログでは、日本語の問い合わせ文で返金の有無・担当部署・深刻度を判断できることを確認しています。業務の日本語データでの精度は、正解付きデータで個別に確認します。
Q. 最初は何から始めればよいですか。
A. 件数が多く、選択肢がはっきりしていて、誤りの影響が小さい判断を1つ選び、過去の判断結果を正解データとして用意するところから始めます。短期間で試作したい場合は、2日間のHWS Agent Campも利用できます。
Decisions APIの業務活用に関するご相談
対象とする判断の選定、正解データでの精度の確認、人の確認との分担、業務システムへの組み込みまで、貴社の状況に合わせてご提案します。
お問い合わせ