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Human-in-the-Loop(HITL)
人とAIが協働する業務の設計・⁠実装

AIに任せる処理と、人が確認・⁠判断・⁠承認する場面を設計し、業務の流れとしてつなぐための考え方と進め方を整理します。
設計から実装・⁠運用改善までは、フォワードデプロイ(現場実装)で支援します。

01/概要

Human-in-the-Loop(HITL)とは:AIの処理に、人の確認・⁠判断・⁠承認を組み込む設計

Human-in-the-Loop(ヒューマンインザループ、HITL)は、AIが処理を進めながら、判断が必要な場面で人が関与する設計のことです。「人間参加型」と訳されることもあります。機械学習の分野では、人がデータに正解のラベルを付けるアノテーションや、AIが自信のないデータを選んで人に判定を求める能動学習(アクティブラーニング)のように、人のフィードバックで再学習を重ね、モデルの精度を高める仕組みを指して使われてきました。生成AIやAIエージェントを業務で使う場面では、AIの出力を人が確認・⁠補正する、AIが迷ったときに人へ相談する、重要な処理の前に人が承認する、といった形で使われます。

HITLは、AIの出力を全件人がチェックすることと同じではありません。どの処理をAIに任せ、どの場面で、誰が、何を見て判断するかを決め、その判断を受けて処理が先へ進むように業務を組み立てることが設計の対象です。人間中心、安全性、透明性、アカウンタビリティを重視するAI事業者ガイドラインの考え方とも整合するアプローチです。EUのAI法(AI Act)も、高リスクのAIシステムに人による監督を求めています。

HITLの要点
読み方・⁠略称 ヒューマンインザループ(HITL)。人間参加型とも訳される
定義 AIが処理を進めながら、判断が必要な場面で人が関与する設計
人の役割 確認・⁠補正、相談への回答、承認、品質の評価
AIの役割 読み取り、整理、検索、提案、既知のルールに沿った実行
設計の対象 任せる範囲、人へ回す条件、確認の画面、停止と再開、記録
関連する考え方 Human-on-the-Loop、人間中心のAI、AIガバナンス
Human-in-the-Loop 人の確認や判断が、処理の流れの中に組み込まれています。人が承認・⁠差し戻しを返すまで処理は先へ進まず、人の判断を受けて続きを実行します。
Human-on-the-Loop ヒューマンオンザループとも呼ばれます。AIが自律的に処理を進め、人は外側から監視し、例外のときに介入・⁠停止します。
Human-out-of-the-Loop 人が介在せず、AIやシステムが処理を自動で完了します。同じ業務でも、処理の影響度に応じて3つの段階を使い分けます。

02/注目される背景

AIエージェントの業務適用と、AI事業者ガイドライン・EU AI法・⁠金融庁での位置づけ

生成AIとAIエージェントは、読み取り、整理、検索、文書作成から、システム操作やロボットの動作まで、実行できる範囲を広げています。一方で、実務ではAIだけで業務が完結しにくい理由が残ります。完全自動化か全件人手かの二択ではなく、役割を分けて組み込む設計が求められています。

→ 正解を定義しにくい業務:状況によって求める答えが変わり、AIだけでは判断を確定できない
→ 入力しきれない情報:顧客の事情や現場の状況など、AIに渡しきれない文脈が残る
→ データと精度の限界:検索データの整備や読み取り精度が、業務の品質基準に届かない場面がある
→ 責任と説明:結果に責任を持つには、人が内容を理解し、判断した記録が必要になる
→ 二者択一の構造:認識や判断を伴う工程は、100%自動化か100%人作業かに分かれやすい
→ AIガバナンスの要請:人間中心、安全性、透明性、アカウンタビリティが、共通の指針として整理されている
全自動化か、全件人手かの二択
  • AIが迷う場面でも、そのまま処理が進む
  • AIの出力を、人が全件見直して工数が減らない
  • 人の確認が業務の外にあり、結果が処理に戻らない
  • 誰が何を判断したかが残らない
役割を分けて組み込むHITL
  • 人へ回す条件を、業務ごとに決めておく
  • 人は、必要な部分だけを確認・⁠判断する
  • 人の判断を受けて、処理が先へ進む
  • 判断の記録が、評価と改善の材料になる

公的ガイドライン・⁠法制度での位置づけ

人の判断を介在させる設計は、特定の企業の手法ではありません。国内外の公的な文書が、AIエージェントなどの自律的なAIを使う際に求める設計として整理しています。

総務省・⁠経済産業省 令和8年3月31日 AI事業者ガイドライン(第1.2版) AIエージェントとフィジカルAIの定義を追加し、自律的に動作する特性を踏まえた留意事項として、人間の判断を介在させる仕組みを挙げています。
AI提供者向け 人間の判断を介在させる仕組みの構築 AIエージェントやフィジカルAIは自律的に動作するため、人間の判断を介在させる仕組みの構築が重要とされています。判断が必要な事項を重要度に応じて整理し、適切に対象を選定することも示されています。
AI利用者向け 重大な影響が生じ得る出力への、人の判断 出力によって重大な影響又は被害が生じ得る場合は、人間の判断を介在させる仕組みに基づいて判断することが重要とされています。自律的に行動するAIは、操作履歴の定期的な確認と報告も重要とされています。
共通の指針(公平性) 適切なタイミングでの人の介在と、自動化バイアスへの対策 AIに単独で判断させるだけでなく、適切なタイミングで人間の判断を介在させる利用を検討し、その際は人間の判断が自動化バイアスに左右されない対策を講じるべきとされています。
発行主体
人の関与に関する記載
出典
EU(AI法)
高リスクのAIシステムは、使用期間中に自然人が効果的に監督できるよう、人と機械のインタフェースを含めて設計することが第14条で求められています。監督者が、システムの能力と限界の理解、自動化バイアスの認識、出力の正しい解釈、使用しない・⁠出力を覆す判断、停止を行えることが定められています。
金融庁
金融庁が130社に行ったアンケートでは、生成AIの活用で、人の関与(Human in the loop)を必須とする運用が大半であることが確認されています。ハルシネーションへの典型的な対策として、人間の関与を前提とした業務プロセスの構築が挙げられています。
金融安定理事会(FSB)
金融機関の責任あるAI導入に向けた12の実務慣行に、人間による監督を含めています。エージェントAIの行動を追跡する記録も扱っています。
デジタル庁
政府の生成AI調達・⁠利活用ガイドライン(令和8年6月12日版)は、リスクを判定する観点に、職員等が出力の適切さを判断して利用するかを含めています。人の生命・⁠身体・⁠財産に影響する業務、資格が求められる業務、高い説明可能性が求められる業務は、高リスクとして扱われます。
内閣府
AI法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)が2025年6月に公布され、9月に全面施行されました。同年12月には、人工知能戦略本部が適正性確保に関する指針を決定し、AI事業者ガイドラインはこの流れの中で更新されています。

技術解説:Human-in-the-Loopが必要な理由(Zenn)

03/関与の型

人の関与の5つの型:確認・⁠補正、人の主導、相談、承認、評価

HITLには、人がどの時点で、どのように関わるかによって、いくつかの型があります。1つの業務に、複数の型を組み合わせることもあります。

型
人とAIの役割
向いている業務
確認・⁠補正
AIが読み取り・⁠抽出できる項目を可能な限り処理し、人が結果を確認して、必要な部分だけを補正します。補正した結果は、そのまま後続の処理へ渡ります。
帳票の読み取り、データ入力、書類の審査前の整理
人が主導・AIが支援
人が顧客との対話や判断を担い、AIが会話の内容から必要事項をリアルタイムに整理・⁠取得して、案内を支援します。
窓口、コンタクトセンター、相談業務
相談
AIが既知のルールに沿って処理を進め、判断に迷う場面で人へ確認を求めます。人の回答を受けて、処理を継続します。
ロボットの操作、現場のオペレーション、例外の多い業務
承認(品質ゲート)
工程の節目で、人が成果物を確認・⁠承認してから、次の工程へ進みます。重要な判断や不可逆な処理の前に置きます。
システム開発・⁠移行、送金・⁠契約などの確定処理
評価
自動評価と人による評価を組み合わせて精度を測り、人の補正結果をフィードバックとして、プロンプトや条件の改善、モデルの再学習につなげます。
回答品質の管理、エージェントの継続改善

処理の途中で人が承認する型と、出力の品質を後から評価する型は、目的が異なります。前者は個々の処理を止めて判断し、後者は全体の精度を測って改善につなげます。

04/設計の要素

HITL設計の6要素:任せる範囲、引き継ぎ条件、確認画面、停止と再開、記録、改善

人の確認を置くだけでは、確認が滞ったり、判断の結果が処理に戻らなかったりします。業務として機能させるために、次の6つを設計します。

要素 1 任せる範囲と役割分担 AI、固定ロジック、人の分担を決めます。金額・⁠期限・⁠権限など、ぶれてはいけない処理は、関数や固定ロジックとして実装します。
要素 2 人へ回す条件 確信度のしきい値、例外、承認が必須の処理、情報の不足など、人へ引き継ぐ条件を構造化します。
要素 3 確認・⁠相談の画面 元の画像や根拠、該当箇所を並べ、人が短時間で承認・⁠差し戻し・⁠修正できる画面にします。承認待ちはMicrosoft Teamsへ通知して、日常の業務の流れで受け取れるようにします。音声で応答できる形もあります。
要素 4 停止と再開 人の応答を待つ間はワークフローを一時停止し、応答を受けて処理を再開します。判断の結果を、後続の処理へ反映します。
要素 5 記録 誰が、いつ、何を見て、どう判断したかを、AIの実行履歴とあわせて残します。
要素 6 評価と改善 人の判定結果を評価に使い、AIに任せる範囲と、人へ回す条件を見直します。

技術解説:Microsoft Agent FrameworkでAzure Document Intelligenceを使いワークフローを作る(Zenn)

05/設計の進め方

HITL設計の進め方:業務の分解から運用改善までの4工程

AIの機能から考えるのではなく、業務の流れと判断の場面から考えます。運用を始めた後も、人の判定結果をもとに関与の範囲を見直します。

工程
内容
主な成果
工程 1 業務を分解する
現行業務の流れ、判断の場面、例外、品質基準、関係者を洗い出します。人が判断している理由も記録します。
業務の分解図、判断の一覧
工程 2 分担と条件を決める
処理ごとに、AI・固定ロジック・⁠人の分担と、関与の型を決めます。人へ回す条件と、誤りの影響範囲を定義します。
役割分担表、引き継ぎ条件
工程 3 実装し、つなぐ
AIの処理、確認・⁠相談の画面、停止と再開、結果の反映、記録を、既存システムと接続して実装します。
動作するワークフロー
工程 4 測って見直す
人へ回る件数、確認の時間、補正の内容、誤りを測り、条件や画面、AIの処理を改善します。
評価結果、条件の改訂

06/当社の支援内容

HITLの設計・⁠実装支援:業務設計、確認・⁠相談の画面、処理連携、品質ゲート、評価

当社は、HITLを個別の業務システムやサービスに組み込む設計・⁠実装を支援しています。AIの出力を人が確認する仕組みにとどまらず、人の判断を受けた後の処理までを業務としてつなぎます。顧客の現場に入り、業務担当者とエンジニアが共同で検証するX-Tech FDE(フォワードデプロイエンジニアリング)で進めます。

支援 1

人とAIの役割分担・⁠業務設計

業務を分解し、AIに任せる範囲、人が判断する場面、例外時の引き継ぎ条件を設計します。判断基準や例外条件を、AIが参照できる形に構造化します。

支援 2

確認・⁠補正の画面の開発

AIの読み取りや抽出の結果を、人が確認・⁠補正できる画面を開発します。端末へのインストールが不要なWebアプリとして提供し、運用負荷を下げます。

支援 3

AIから人へ相談する仕組み

AIが判断に迷う場面で人へ確認を求め、人の判断を受けて処理を継続する仕組みを実装します。音声による応答や、ロボットなど実空間の動作にもつなげます。

組み合わせるサービス Physical AI Harness HWS Agent Camp
支援 4

処理の連携と、停止・⁠再開

読み取り、構造化、人の確認、結果の反映をワークフローとして接続します。人の応答を待って一時停止し、応答を受けて再開する処理を設計します。

支援 5

工程内の承認と品質ゲート

工程ごとの入力、実行範囲、成果物、品質基準と、人が承認するポイントを管理します。顧客固有の要件や重要な品質判断に、専門人材が関与します。

支援 6

評価と運用改善

自動評価と人による評価を組み合わせて精度を測り、人の判定結果とエージェントの実行履歴を、条件とプロンプトの改善に使います。

07/実装事例

HITLの実装事例:AI-OCR、テレビ窓口、フィジカルAI、マイグレーション

帳票処理、対面の手続き、実空間の作業、ソフトウェア開発と、異なる領域で、異なる型のHITLを実装しています。

第一生命保険様:AI-OCRの読み取りと、人による補正をつなぐ 確認・⁠補正

第一生命保険様:AI-OCRの読み取りと、人による補正をつなぐ

第一生命保険様のAI-OCR基盤更改で、Azure OpenAI Serviceと、Azure Document Intelligence を中核とする新システムの設計・⁠開発を担当しました。人による確認・⁠判断を組み込んだHITLのインターフェースを備え、帳票認識から文字認識、確認、結果反映までをEnd-to-Endで連携させています。基盤更改全体として、読み取り精度約20%向上、運用コスト約50%削減を実現しました。

人の関与 認識できる項目を可能な限り抽出したうえで、人が補正します。補正作業用のアプリは、ブラウザで使うWebアプリに刷新しました。

りそな銀行様・埼玉りそな銀行様:オペレーターの対話をAIが支える 人が主導・AIが支援

りそな銀行様・⁠埼玉りそな銀行様:オペレーターの対話をAIが支える

人とAIが協働する新たなテレビ窓口サービスのシステム開発を、ヘッドウォータースコンサルティングとともに、要件定義から設計・⁠開発・⁠テストまで担当しました。お客さまは紙の書類に記入せず、画面上の内容を確認して手続きを完了します。従来平均約30分の手続きを、約15分まで短縮することを目指しています。

人の関与 オペレーターが対話を担当し、AIが会話の内容から必要事項をリアルタイムに整理・⁠取得して、案内を支援します。

リモートロボティクス様:AIが相談し、人の判断で実行する 相談

リモートロボティクス様:AIが相談し、人の判断で実行する

リモートロボット操作基盤「Remolink」を活用し、音声を起点にロボットを扱うフィジカルAIの実証環境を構築しました。開始、投入、排出、再実行といった一連の作業フローを扱える構成とし、Microsoft AI Tour Tokyo 2026でも紹介されています。

人の関与 AIが既知のルールに沿ってロボットを動かし、判断に迷う場面では「相談UI」で人へ確認します。人は音声で判断を返し、AIがその内容を反映して処理を続けます。

レガシーマイグレーション:重要な工程で専門人材が承認する 承認(品質ゲート)

レガシーマイグレーション:重要な工程で専門人材が承認する

SyncLect Agentic Migration Harnessは、自律型AIによる解析、設計案の作成、コードとテストの生成を、工程をまたいで実行します。HITLを後工程の一括チェックではなく、工程内の品質統制として組み込んでいます。

人の関与 顧客固有の要件、業務ロジック、生成コード、テスト結果、本番切り替えなどを、専門人材が確認・⁠承認します。

08/特長

判断後の処理まで接続するHITL実装:当社の4つの特長

特長 1/4

人の判断の後の処理まで、End-to-Endで接続

確認の画面を作るだけでなく、人の判断を受けて結果を反映し、後続の業務へ渡すまでを実装します。第一生命保険様のAI-OCRでは、帳票認識から確認、結果反映までを一連のワークフローとして構築しました。

特長 2/4

帳票・⁠窓口・⁠ロボット・⁠開発まで、異なる型を実装

確認・⁠補正、人が主導する支援、AIからの相談、工程内の承認と、業務に応じて異なる型のHITLを実装しています。デジタルの業務だけでなく、Physical AI Harnessのように実空間の作業にも適用します。

特長 3/4

Microsoftの基盤で、既存システムとつなぐ

Azure OpenAI、Azure Document Intelligence、Microsoft Foundry、Copilot Studio、Microsoft Agent Frameworkを使い、Azure・Microsoft 365の環境に、Microsoft Entra IDによる認証を前提として構築します。

特長 4/4

運用の中で、人が関与する範囲を見直す

人の判定結果とAIの実行履歴を評価に使い、任せる範囲を広げるか、条件を厳しくするかを判断します。Agentic Work Flowでは、自動評価と人による評価を組み合わせて精度を改善しています。

09/顧客価値

課題から価値へ:HITL設計が解決する業務の課題と、役割別の価値

課題
価値につながる仕組み
得られる価値
AIの出力を全件人が見直している
確信度や例外の条件で、人へ回す対象を絞り込む
確認工数の削減と、確認の集中
AIに任せるのが不安で、本番に進めない
任せる範囲と承認の条件を、業務の言葉で定義する
任せる範囲が明確な、本番運用
人の確認が業務の外で行われている
確認の画面と結果の反映を、ワークフローに組み込む
後続の処理につながる確認
判断の根拠が残らず、説明できない
人の判定とAIの実行履歴を、あわせて記録する
後から確認できる、判断の記録
導入後に精度が上がらない
人の判定結果を評価に使い、条件とAIの処理を改善する
運用しながら上がる精度

役割別の価値

経営・⁠事業責任者 AI活用を本番に進める判断材料 人が責任を持つ範囲を残したまま、AIの処理能力を業務に取り込めます。確認工数と人へ回る件数を測り、適用範囲を段階的に広げる判断ができます。
業務部門 必要な判断に集中できる AIが整理した結果をもとに、必要な部分だけを確認・⁠判断します。例外時の扱いと、引き継ぎの条件が明確になります。
IT・基盤管理 既存システムと権限を前提にした実装 顧客のAzure・Microsoft 365環境、既存システム、認証・⁠アクセス制御と接続し、停止と再開を含むワークフローを構築します。
品質・⁠監査・⁠リスク管理 判断の記録と責任分界 誰が何を判断したか、AIが何を実行したかが残り、品質の根拠と責任の所在を後から確認できます。

10/想定ROI

業務別の削減工数の試算:帳票の確認・⁠補正、手続きの記録、承認前のレビュー

現行の件数と所要時間を置き、人が確認する対象の絞り込みと、確認1件あたりの時間短縮で削減できる工数を試算します。

対象業務
試算の前提
削減工数(月間)
帳票の確認・⁠補正
月10,000枚、1枚3分で全件確認(約500時間)。人が確認する対象を40%に絞り、1枚2分に短縮
約367時間
窓口・⁠問い合わせの記録
月1,500件、記録・⁠入力に1件10分(約250時間)。AIの整理により1件3分に短縮
約175時間
承認前のレビュー
月400件、1件30分(約200時間)。根拠と該当箇所の提示により1件15分に短縮
約100時間
合計
上記3業務の合計
約642時間

件数と所要時間は、試算のための仮の値です。

実際の削減幅は、AIの精度、人へ回す条件、例外の割合で決まります。当社は、スタートプランで現行の確認工数と、人へ回る件数の割合を実測し、本番の条件を決めたうえで適用範囲を広げます。

11/活用シーン

金融・⁠窓口・⁠製造現場・⁠社内承認・⁠開発・⁠公共手続きでの活用イメージと適性

01

金融:帳票処理・⁠審査書類の整理

申込書や本人確認書類をAIが読み取り、人が確認・⁠補正します。与信などの判断そのものは人が行う前提で、資料の整理をAIが支援します。金融業向けAIエージェントソリューションも参照ください。

02

窓口・⁠コンタクトセンター

オペレーターが応対を担い、AIが会話から必要事項を整理して、手続きの入力や案内を支援します。

03

製造・⁠物流の現場オペレーション

ロボットや設備をAIが既知のルールで動かし、判断が必要な場面だけ人へ相談します。遠隔から複数拠点の判断を担う運用にもつながります。

04

社内の申請・⁠承認

定型の判定は固定ロジックで処理し、例外や高額な申請だけを人の承認に回します。

05

システム開発・⁠レガシー移行

AIが生成した設計、コード、テストを、工程の節目で専門人材が承認してから、次の工程へ進めます。

06

自治体・⁠公共の手続き

多様な手続きを扱う窓口で、職員の対応をAIが支援し、記入や転記の負担を減らします。

HITL設計の適性チェック

適合する顧客
  • AIの精度だけでは、業務の品質基準に届かない
  • 誤りの影響が大きく、人の判断と責任を残したい
  • 現在、AIの出力や帳票を人が全件確認している
  • 例外や判断の基準が、規程や経験として存在する
  • 業務担当者とエンジニアが、共同で検証できる
適合しにくい顧客
  • ルールで確定的に処理でき、人の判断が不要
  • 人の確認を担う担当者や時間を確保できない
  • 判断の結果を記録・⁠評価する運用を作れない
  • 汎用のHITL製品を導入するだけで済ませたい

導入検討のDiscovery質問

→ AIの出力や帳票を、現在は誰が、どの範囲で確認していますか。
→ 人の判断が必要になるのは、どのような場面ですか。その基準は文書になっていますか。
→ 誤りが起きた場合の影響範囲と、取り消しの可否はどうなりますか。
→ 人の確認を担う担当者と、許容できる待ち時間はどの程度ですか。
→ 判断の結果は、どのシステムへ、どの形で反映する必要がありますか。
→ Azure、Microsoft 365、Foundry、Copilot Studioは、すでに利用していますか。

12/他の手段との違い

全件の人手確認・⁠完全自動化・⁠承認ワークフロー・⁠事後監査との違いと使い分け

手段
主にできること
HITL設計との違い
全件の人手確認
AIの出力や帳票を、人がすべて確認する
人へ回す条件を決め、確認の対象を絞ります。人は判断が必要な部分に集中します。
完全自動化
AIやルールで、処理を最後まで自動で進める
確定的に処理できる部分は自動化し、判断が必要な場面だけ人が関与します。誤りの影響が大きい処理を止められます。
承認ワークフロー・RPA
決まった経路で、決まった担当者が承認する
AIの確信度や例外など、処理の内容に応じて人へ回すかを決めます。承認の結果をAIの処理に戻します。
事後のサンプリング監査
処理の後で、一部を抜き出して品質を確認する
処理の途中で人が判断し、誤りが後続へ流れる前に止めます。事後の評価とも組み合わせます。
製品に付属する承認機能
ツールの実行前に、人の承認を求める
承認の画面だけでなく、業務の条件、記録、結果の反映、改善までを業務に合わせて設計します。

13/ガバナンス

責任分界・ID・権限・⁠記録・⁠セキュリティ:人とAIの協働を統制する運用設計

人の確認を置いても、誤りがなくなるわけではありません。確認が形式的になる、件数が多く見落とすといった問題も、設計の対象にします。

統制 1 責任分界 AIが実行する範囲と、人が確認・⁠承認する範囲を業務ごとに定義し、判断の責任者を明確にします。
統制 2 確認の形骸化への対策 AIの出力をそのまま受け入れてしまう自動化バイアスを前提に、人へ回す件数と確認時間を測り、確認が形式的にならない件数と画面に調整します。
統制 3 ID・権限 Microsoft Entra IDを前提に、確認・⁠承認できる人と、AIエージェントのアクセス範囲を設計します。
統制 4 エージェントの登録と管理 Microsoft Agent 365によるエージェントの登録・ID・権限・⁠監査の統制と組み合わせます。
統制 5 セキュリティ運用 Agentic Securityで、エージェントが使うID・権限・⁠データ接続・⁠実行履歴を継続的に把握します。
統制 6 AIガバナンス体制 体制・⁠ルールの整備と技術的なガードレールを、AIガバナンス構築支援として組み合わせます。

14/はじめ方

スタートプラン:HWS Agent Campで、人とAIの役割分担を2日間で試作・⁠検証

HWS Agent Campは、生成AIの活用・⁠内製化を目指す企業向けに、専門エンジニアが伴走する2日間の集中ハッカソンです。通常3〜6ヶ月かかるAIエージェント開発を、約2週間の事前準備のうえで2日間に凝縮し、本格的なプロトタイプを構築します。対象業務を1つ選び、AIに任せる処理、人へ回す条件、確認の画面までを試作して検証できます。

HWS Agent Camp
STEP 1事前準備(約2週間)対象業務、現行の流れ、例外、人が判断している場面と基準を明確にします。
STEP 22日間の集中開発顧客側のエンジニア・⁠業務担当者と専門家が共同で、AIの処理と人へ回す条件、確認の画面を試作します。
STEP 3検証・⁠事業化検討人へ回る件数と確認工数を測り、本格導入に向けたロードマップを策定します。

リモートロボティクス様:音声でロボットを遠隔操作

Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBEで、音声コマンドによるロボット・⁠カメラの遠隔操作プロトタイプを開発しました。その後の取り組みで、AIが判断に迷う場面で人へ確認を求める「相談UI」へ発展しています。

事例を見る →

JRE MALL様(東日本旅客鉄道):ECモール運営の業務適用

ECモール運営の実業務を題材に、「データ取得→分析→提案」の流れをMicrosoft Foundry上でAIエージェントとして設計し、動作を検証しました。業務に組み込む際の設計観点、データ整備、構築・⁠運用に必要な役割分担を整理しています。

事例を見る →

15/当社について

認定バッジ

Microsoft Azure の AI Platform/Agentic DevOps Specialization取得

ヘッドウォータースは「Microsoft Solutions Partner for Digital & App Innovation(Azure)」の認定に加え、上位資格である「AI Platform on Microsoft Azure」「Agentic DevOps with Microsoft Azure and GitHub」の2領域のSpecializationを取得しています。厳格な技術要件と導入実績を満たしたパートナーのみに付与される称号で、2領域の同時取得は国内でも限られています。

認定バッジ

Microsoft AI Innovation Partner of the Year 2024 受賞

「AI イノベーション パートナー オブ ザ イヤー アワード」は、マイクロソフト製品の活用によってAI分野で革新を起こしたパートナーに贈られるアワードとして2024年に新設され、ヘッドウォータースは同分野において最も優れた実績をあげたとの評価を受け、初代受賞パートナーとなりました。

16/関連ソリューション

りそな銀行・埼玉りそな銀行のテレビ窓口(お知らせ)

人とAIが協働するテレビ窓口

りそな銀行・⁠埼玉りそな銀行のテレビ窓口(お知らせ). オペレーターの対話をAIがリアルタイムに支援する、Human-in-the-Loop型の窓口サービスのシステム開発を担当しました。

Remolinkを活用したフィジカルAI(お知らせ)

人が判断し、AIが実行するフィジカルAI

Remolinkを活用したフィジカルAI(お知らせ). AIが判断に迷う場面で人へ相談し、音声で返した判断をロボットの動作につなげます。

Agentic Work Flow

複数エージェントの業務遂行と評価

Agentic Work Flow. AI・固定ロジック・⁠人の判断を配置し、Human in the Loopの条件設計と三段構えの評価で、本番運用と継続改善まで支援します。

SyncLect Agentic Migration Harness

HITLと品質ゲート付きの移行実行

SyncLect Agentic Migration Harness. 自律型AIが解析・⁠設計・⁠コード・⁠テスト生成を工程横断で実行し、判断点に専門人材のHITLと品質ゲートを置くマイグレーション基盤です。

SyncLect Data Intelligence

判断基準と例外条件の構造化

SyncLect Data Intelligence. 判断基準・⁠例外条件・⁠優先順位をAIが参照できる形に構造化し、人へ回す条件の設計に使える業務知識を整えます。

HWS Agent Camp

最初の1業務を2日間で試作

HWS Agent Camp. 専門エンジニアが伴走する2日間の集中ハッカソン。約2週間の事前準備のうえで、プロトタイプを構築します。

17/よくあるご質問

Q. ヒューマンインザループ(HITL)とは何ですか。 A. Human-in-the-Loopの略で、AIが処理を進めながら、判断が必要な場面で人が確認・⁠補正・⁠承認などで関与する設計です。人の判断を受けて、処理が先へ進むように業務を組み立てます。
Q. AIの出力を、人が全部チェックすることですか。 A. いいえ。全件確認では、AIを使っても工数が減りません。確信度、例外、承認が必須の処理など、人へ回す条件を決め、必要な部分だけを人が判断します。
Q. Human-on-the-Loopとは何が違いますか。 A. Human-in-the-Loopは、人の判断が処理の流れの中にあり、人が応答するまで処理が進みません。Human-on-the-Loopは、AIが自律的に処理を進め、人は監視して必要なときに介入します。業務の影響度に応じて使い分けます。
Q. HITLのメリットとデメリットは何ですか。 A. メリットは、AIの処理能力を使いながら、精度、信頼性、説明責任を確保できることです。人の判断を残せるため、AIに任せにくい業務でも本番に進めやすくなります。デメリットは、人の確認にかかるコストと待ち時間、確認の形骸化です。人へ回す条件と画面の設計で抑えます。
Q. 人が確認すれば、AIの誤りはなくなりますか。 A. なくなるわけではありません。確認の件数が多すぎる、画面が分かりにくいといった理由で、見落としが起きることもあります。人へ回す件数、確認の時間、補正の内容を測り、条件と画面を改善します。
Q. どのような業務に向いていますか。 A. 誤りの影響が大きく、人の判断と責任を残したい業務や、AIの精度だけでは品質基準に届かない業務に向いています。帳票処理、窓口、現場のオペレーション、承認、システム開発・⁠移行などで実装しています。
Q. HITLの専用製品を提供していますか。 A. 当社の支援の中心は、個別の業務システムやサービスにHITLを組み込む設計と実装です。業務の流れ、既存システム、品質基準に合わせて、確認の画面、処理の連携、記録、評価を構築します。
Q. 人へ回す条件は、どのように決めますか。 A. 現行業務で人が判断している場面と理由を洗い出し、確信度、例外、金額や権限、情報の不足などの条件に整理します。判断基準や例外条件の構造化には、SyncLect Data Intelligenceも使います。
Q. 人の応答を待つ間、処理はどうなりますか。 A. ワークフローを一時停止し、人の応答を外部からのイベントとして受け取って再開します。待ち時間の上限や、応答がない場合の扱いも設計します。
Q. 第一生命保険様の精度向上とコスト削減は、HITLの効果ですか。 A. 読み取り精度約20%向上と運用コスト約50%削減は、生成AIの活用やクラウド化を含む、AI-OCR基盤の更改全体の成果です。HITLはその構成要素の1つで、認識できる項目を可能な限り抽出したうえで人が補正する仕組みとして組み込まれています。
Q. Microsoft-Decision-1とは、どのように関係しますか。 A. Microsoft-Decision-1は、分類・⁠振り分け・⁠採否などの判断を担うMicrosoftの判断特化型モデルです。当社は、判断ログをもとに、判断基準とHuman in the Loopへの切り替え条件を評価・⁠改善する取り組みに着手しています。
Q. どの環境で構築しますか。 A. 顧客の環境に合わせて構築します。Azure・Microsoft 365を中心に、Microsoft Foundry、Copilot Studio、Azure OpenAI、Azure Document Intelligenceなどと、既存の業務システムを接続します。
Q. 最初は何から始めればよいですか。 A. 対象業務を1つ選び、現行の流れ、人が判断している場面、例外、品質基準を整理するところから始めます。短期間で試作したい場合は、2日間のHWS Agent Campも利用できます。

Human-in-the-Loopの設計・⁠実装に関するご相談

対象業務の選定、人とAIの役割分担、確認の画面と処理の連携、評価と運用改善まで、貴社の状況に合わせてご提案します。

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