HOME/ビジネス/AIソリューション/オントロジー

オントロジー構築⁠・⁠活用支援
業務の意味モデルとAIエージェント実装

会話⁠・⁠文書⁠・⁠業務データから、業務プロセス、判断基準、例外、関係性を構造化し、AIエージェントが参照できる業務オントロジーにします。SyncLect Data Intelligence、Microsoft Fabric、Fabric IQ、Foundry IQ を組み合わせ、業務知識の発見からAI実装・継続改善までを支援します。

01/オントロジーとは

オントロジー(Ontology):業務の概念⁠・⁠関係⁠・⁠ルールを、人とAIが共有する意味モデル

オントロジーとは、ある領域に何が存在し、それぞれがどんな意味を持ち、互いにどう関係するかを、人と機械の両方が解釈できる形で定義したものです。もとは哲学で「存在論」を指す言葉で、情報科学ではセマンティックWeb、データベース、知識表現の分野で使われてきました。

企業で使うオントロジーは、顧客⁠・⁠製品⁠・⁠設備⁠・⁠注文⁠・⁠契約といった業務の概念と、その属性、関係、業務ルール、指標を定義し、実際のデータに結び付けます。Microsoft Learnでは、Microsoft Fabric IQ のオントロジーを、組織にとって重要な概念とその関係⁠・⁠ルール⁠・⁠指標を定義し、人、アプリケーション、AIエージェントが同じ語彙と文脈を使えるようにするものと説明しています。

業務の意味モデル、セマンティックレイヤー、業務コンテキストなど、呼び方は文脈によって異なります。いずれも、テーブルや文書を業務の言葉で解釈できるようにするための層です。

オントロジーで定義するもの
  • 業務の概念(エンティティ)
  • 概念が持つ属性(プロパティ)
  • 概念どうしの関係(リレーションシップ)
  • 業務ルールと指標
  • 実データとの対応(データバインディング)

02/関連用語との違い

タクソノミー⁠・⁠ナレッジグラフ⁠・⁠セマンティックモデル・RAGとオントロジーの関係

オントロジーは、目的の近い複数の技術と組み合わせて使われます。それぞれが扱う範囲と、オントロジーとの関係を整理します。

用語
主に扱うもの
オントロジーとの関係
用語集⁠・⁠データカタログ
用語の定義、データの所在⁠・⁠所有者⁠・⁠メタデータ
用語の意味は揃うが、概念どうしの関係やルールまでは表さない。オントロジーを作る際の入力になる
タクソノミー(分類体系)
上位⁠・⁠下位の階層による分類
「〜の一種」という階層関係が中心。オントロジーは階層に加え、多様な関係とルールを持つ
ナレッジグラフ
個々の実体と、実体どうしの関係のネットワーク
オントロジーが型と関係の定義(スキーマ)を与え、ナレッジグラフがその実体データを持つ
セマンティックモデル
分析用のテーブル、リレーション、指標(メジャー)
分析向けの意味の層。Fabric IQでは、Power BIのセマンティックモデルからオントロジーを生成できる
RAG(検索拡張生成)
文書を検索し、回答に使う
文書は探せるが、用語の揺れや関係は解釈しない。オントロジーで概念を揃えると、RAGの検索と回答を補える
コンテキストエンジニアリング
AIに渡す文脈の設計⁠・⁠供給⁠・⁠統制
オントロジーは、AIに渡す業務コンテキストの中核となる定義を担う。コンテキストエンジニアリングの一部として設計する

03/注目される背景

AIエージェントの業務展開と、データの意味⁠・⁠業務コンテキストの欠落

生成AIの活用が、質問に答えるアシスタントから業務を実行するAIエージェントへ広がるにつれ、AIがデータと業務の意味を正しく解釈できるかが課題になっています。Microsoft は Microsoft Ignite 2025 で、Fabric 上のデータに業務の意味を与える Fabric IQ を発表し、その中核の一つにオントロジーを置きました。

→ 定義の揺れ:「売上」「顧客」「稼働」の定義が部署やシステムごとに異なり、AIの回答が揃わない
→ スキーマ依存:AIがテーブル名や列名から意味を推測し、結合や集計を誤る
→ 暗黙知:判断基準、優先順位、例外対応がマニュアルに書かれず、担当者の頭の中にある
→ 議事録⁠・⁠文書の限界:会議や資料を検索できても、判断の条件と根拠は構造化されていない
→ プロンプトの重複:業務ルールをエージェントごとのプロンプトに書き、更新が追いつかない
→ 多数展開の壁:エージェントを増やすほど、専門人材による個別の知識整理が展開速度の制約になる

04/構成要素

エンティティ型⁠・⁠プロパティ⁠・⁠リレーションシップ⁠・⁠ルール⁠・⁠指標⁠・⁠データバインディング

Microsoft Fabric のオントロジーでは、次の要素で業務の意味を表します。定義は実データをコピーせず、データ基盤上のソースに結び付けて使います。

要素
内容
例
エンティティ型
業務上の概念の、再利用できる定義
顧客、出荷、設備、店舗
エンティティインスタンス
データに裏付けられた個々の実体
特定の顧客、特定の機械
プロパティ
エンティティ型が持つ属性
顧客のメールアドレス、機械の稼働状態
リレーションシップ
エンティティ型どうしのつながり
顧客が注文を行う、機械が生産ラインに属する
指標(メトリック)
統制された計算の定義
売上、在庫金額、アクティブ顧客数
ルール
業務ロジックを自然言語で表した文
条件に応じた承認者の変更
データバインディング
定義と実データの対応づけ
Lakehouse、Warehouse、セマンティックモデル
名前空間⁠・⁠バージョン
定義の範囲の整理と、変更履歴の管理
部門別の語彙、版の復元

業務オントロジーで加える要素:判断⁠・⁠例外⁠・⁠根拠⁠・⁠結果

AIエージェントに業務を任せるには、データの意味に加えて、誰(またはどのAI)が、どの状況で、何を根拠に、どのルールを適用し、何を判断⁠・⁠実行し、その結果どうなったかを表す必要があります。業務オントロジーでは、次の要素も扱います。

業務プロセス 誰が、どの順で、何を対象に作業するか。役割、対象、条件、イベントの関係
例外⁠・⁠優先順位 標準の手順から外れる条件と、そのときの対応、複数の要件がぶつかったときの優先順位
判断⁠・⁠行動 どのルールを適用し、何を判断し、何を実行したか
根拠(エビデンス) 判断の拠り所となった規程、会議、資料、データ
結果(アウトカム) 判断⁠・⁠実行の結果と、品質⁠・⁠時間⁠・⁠コストなどのKPI
イベント⁠・⁠因果 業務上の出来事と、それが引き起こした結果の関係

05/構築のアプローチ

トップダウン設計⁠・⁠既存データからの生成⁠・⁠会話と文書からの抽出

オントロジーの作り方は、出発点によって大きく3つに分かれます。実務では、対象業務に合わせて組み合わせます。

アプローチ 1 トップダウン設計 業務の専門家とモデリング担当者が、概念と関係を一から定義します。整合性を保ちやすい一方、時間と専門人材を要します。 向く場面 規制⁠・⁠標準の定義が明確な領域、全社で共通する中核概念
アプローチ 2 既存データからの生成 Power BIのセマンティックモデルやデータ基盤のテーブルから、エンティティ⁠・⁠プロパティ⁠・⁠関係を生成して拡張します。既存の定義を再利用できますが、データにない判断や例外は含まれません。 向く場面 分析基盤とセマンティックモデルが整っている領域
アプローチ 3 会話⁠・⁠文書からの抽出 会議、ヒアリング、規程、マニュアルなどから、AIが概念⁠・⁠判断基準⁠・⁠例外の候補を抽出し、担当者が確認⁠・⁠補完します。データに現れない暗黙知を扱えます。 向く場面 熟練者の判断や例外対応に依存する業務

標準の記述形式には、W3C の RDF や OWL があります。Microsoft Fabric のオントロジーは、RDF・Turtle・OWL の定義のインポートと、RDF・Turtle 形式でのエクスポートに対応しています。

06/設計の進め方

業務の問いから始める、オントロジー設計の6つの手順

全社の概念を最初から網羅するより、AIに答えさせたい問いや任せたい判断を一つ決め、その判断に必要な概念から定義すると、早く検証できます。

手順 1 目的と問いの設定 AIに答えさせたい業務の問いと、任せたい判断を決めます。
手順 2 用語と概念の収集 用語集、帳票、システム、会議やヒアリングから、業務の言葉を集めます。
手順 3 関係と階層の定義 概念どうしの関係、上位⁠・⁠下位、共通する属性を定めます。
手順 4 ルール⁠・⁠例外⁠・⁠指標の記述 判断の条件、例外、優先順位、計算の定義を書き出します。
手順 5 データとの結び付け 定義を、データ基盤のテーブルやセマンティックモデルに対応づけます。
手順 6 AIでの検証と更新 想定する問いへの回答で検証し、版と承認を管理しながら更新します。

07/当社の支援内容

業務知識の発見から、AIエージェントでの活用⁠・⁠更新までの業務オントロジー支援

当社は、オントロジーを定義するだけでなく、企業の仕事そのものから業務知識を獲得し、データ基盤に実装し、AIエージェントで使い、結果から更新するまでを支援します。中心になるのは、会話や文書から業務オントロジーを抽出する独自エンジン SyncLect Data Intelligence(SDI)と、Teams会議から業務担当者がオントロジーを育てる SyncLect Agent Garden です。

実装先には Microsoft Fabric(Fabric IQ)と Databricks を、AIエージェントの基盤には Microsoft Foundry、Copilot Studio、Microsoft 365 Copilot を用い、X-Tech FDE が導入から最適化まで伴走します。

SyncLect Data Intelligence

業務オントロジーの9つの支援領域と、組み合わせるサービス

領域
支援する内容
組み合わせるサービス
発見
熟練者へのインタビュー(エキスパートInterview Agent)、業務会話⁠・⁠会議の解析、規程⁠・⁠マニュアル⁠・⁠設計書の解析から、業務知識の候補を集める
構造化
役割、対象、条件、イベント、判断基準、例外、根拠を抽出し(業務プロセス⁠・⁠オントロジー抽出 Agent)、業務プロセスとして整理する
SDI
オントロジー設計
共通のID、版、権限を持つ業務オントロジーとして設計し、AIが提示した候補を担当者が確認⁠・⁠承認する流れで管理する
SDI、Agent Garden、X-Tech FDE
データ整備
業務ファイルを共通データ資産にし、Raw→Bronze→Silver→Goldの流れで、オントロジーに結び付くデータを整える
意味の層(IQ)
Fabric IQのオントロジー、Foundry IQ、Work IQと接続し、業務文脈⁠・⁠データの意味⁠・⁠ナレッジをAIへ供給する
Fabric IQ、Microsoft Foundry
AIエージェント
承認済みの業務知識から業務エージェントを構築し、Data Agentで自然言語からデータを照会する
Agent Garden、Copilot Studio、Microsoft Foundry
実行の統制
知識の承認、データの権限、エージェントの権限を分け、高度な判断は人の承認を経て実行する
学習⁠・⁠更新
人による修正⁠・⁠上書き、品質⁠・⁠時間⁠・⁠コスト⁠・⁠結果を記録し、業務知識へ戻して更新する
SDI、AgentOps
組織標準化
案件で得た業務知識と設計パターンを、組織標準のオントロジーとして再利用する

課題別に見る、サービスの組み合わせ方

熟練者の判断を、AIエージェントへ引き継ぎたい

SDI × X-Tech FDE

エキスパートInterview Agentが熟練者へ質問⁠・⁠深掘りし、判断基準⁠・⁠例外対応⁠・⁠属人的なノウハウを形式知化します。抽出の設計とAI Ready化のチューニングは、X-Tech FDEが伴走します。

組み合わせるサービス SyncLect Data Intelligence X-Tech FDE
日々の会議の判断を、現場で業務知識に育てたい

Agent Garden × Microsoft 365

Teams会議や業務資料からオントロジーとスキルの候補を抽出し、業務担当者が選択⁠・⁠補完⁠・⁠検証します。専門家が一から聞き出す方法に加え、担当者自身が整備と更新を担えます。

組み合わせるサービス SyncLect Agent Garden Copilot Studio
Fabricのデータに、業務の意味を持たせたい

Fabric IQ × セマンティックモデル

Power BIのセマンティックモデルからオントロジーを生成し、ルールと指標を加えます。Data Agentを通じて、Microsoft 365 CopilotやMicrosoft Foundryから利用します。

散らばった業務ファイルを、AIが使えるデータにしたい

Silver Data Coordinator × SDI

ファイルごとのデータ処理方式をAIが構成し、複数のエージェントで再利用できるSilverデータを継続供給します。SDIで、そのデータを概念⁠・⁠関係⁠・⁠ルールへ統合します。

Databricksの上で、業務の意味とデータをつなぎたい

Databricks × 業務の意味モデル

Agent Gardenで整理した業務の意味モデルを、Databricksのデータ・AI基盤と結び付け、AIエージェントの精度向上と業務展開につなげます。

開発組織の知識も、オントロジーで標準化したい

SAIDDar × AI駆動開発

属人化しないAI駆動開発のための組織標準オントロジーで、案件で得た設計判断やレビュー観点を、標準とテンプレートへ還元します。

組み合わせるサービス AI駆動開発(SAIDDar) AI駆動開発

08/特長

特長 1/4

企業の仕事そのものから、オントロジーを獲得する

SyncLect Data Intelligenceは、2つのコアエージェントを搭載しています。エキスパートInterview Agentが現場の有識者に自律的に質問⁠・⁠深掘りし、業務プロセス⁠・⁠オントロジー抽出 Agentが対話ログから業務上の役割、対象、条件、イベントの相関関係を抽出します。SyncLect Agent Gardenは、Teams会議、業務資料、AIインタビューから、判断基準、業務手順、例外対応、判断根拠、関係者、利用データを候補として整理します。データに現れない暗黙知を対象にできる点が、既存データから生成する方法との違いです。

特長 2/4

根拠と承認を持ち、更新できる業務オントロジー

議事録には、正式決定前の意見、却下案、その場限りの例外も含まれます。当社は、AIが抽出した候補を業務担当者が選択⁠・⁠修正し、不足する条件への質問に回答し、想定する業務質問への回答を確かめながら改善する流れを設計します。判断の根拠と版を残し、承認した知識をAIに使わせることで、運用しながら定義を更新できます。

特長 3/4

Microsoft Fabric・Databricksへの実装と、AIエージェントでの活用

Fabric IQのオントロジーをセマンティックモデルやOneLakeのデータに結び付け、Data AgentやMicrosoft Foundryから呼び出す構成を検証し、技術解説として公開しています。Microsoft Fabricソリューションでは、セマンティックモデルからオントロジーを抽出してAIと共有する構成を、事業データによる意思決定の高度化などのテーマで提供しています。Databricksのデータ・AI基盤とも連携できます。

特長 4/4

使うほど育つ知識循環と、X-Tech FDEの伴走

当社は、暗黙知を対話で共有し、SDIで構造化し、Microsoft Fabricなどの基盤と連結し、AIが実務を担った結果を組織へ還元する知識循環(AI-SECIモデル)を提唱しています。X-Tech FDEが、業務ヒアリング、暗黙知の抽出設計、AI Ready化のチューニングまでを一気通貫で支援します。

09/顧客価値

担当者の頭の中にある判断から、AIと組織が再利用できる業務知識資産への転換

変える対象
従来
導入後に起きる価値
用語⁠・⁠定義
部署ごとに定義が異なり、AIの回答や集計が揃わない
共通の概念と指標の定義で、人とAIが同じ言葉で集計⁠・⁠回答する
暗黙知
判断基準や例外対応が、担当者の経験に依存する
根拠つきの業務知識として残り、AIと後任者が参照できる
回答⁠・⁠実行の精度
AIがスキーマやプロンプトから意味を推測し、誤りが起きる
関係⁠・⁠ルール⁠・⁠指標に基づいて回答⁠・⁠実行し、根拠を示せる
展開速度
エージェントごとに、専門家が知識を個別に整理する
承認済みの業務知識を、複数のエージェントで再利用できる
更新
ルールが変わるたびに、プロンプトごとに修正する
オントロジーを更新すれば、利用するエージェントに反映される
経営⁠・⁠事業責任者 属人化した判断を組織の資産にし、AIに任せられる業務の範囲を広げられる
AI・DX推進 PoCで止まる原因の業務知識の不足を、段階的に解消できる
業務部門⁠・⁠熟練者 会議やインタビューで話した判断が、確認⁠・⁠補完するだけで業務知識になる
データ基盤担当 セマンティックモデルや既存のデータを活かし、業務の意味を後から重ねられる
IT・セキュリティ 知識の承認、データの権限、エージェントの権限を分けて統制できる
新任者⁠・⁠後任者 判断の理由と例外を、根拠つきで参照しながら業務を覚えられる

10/ユースケース⁠・⁠適性

金融⁠・⁠保険⁠・⁠製造⁠・⁠モビリティと、顧客対応・IT運用⁠・⁠調達⁠・⁠コンプライアンス業務

01

金融:事務センターの業務

構造化する知識 厳格な法規制、複雑な例外判断、審査の基準

利用イメージ 例外判断を構造化し、業務を完遂するAIエージェントの導入につなげます。

02

保険⁠・⁠金融:契約保全⁠・⁠事務品質

構造化する知識 契約変更の手続き、確認項目、差し戻しの理由

利用イメージ 手続きごとの条件と確認の根拠を揃え、事務品質の確認をAIが支援します。

03

製造:設備保守⁠・⁠品質対応⁠・⁠技能継承

構造化する知識 熟練工の判断ロジック、異常時の対応、品質基準

利用イメージ 現場の判断ロジックをAI Ready化し、保守と品質対応の判断を支援します。

04

モビリティ:運行判断⁠・⁠異常時対応

構造化する知識 運行判断、異常時の手順、現場の知見

利用イメージ 現場の知見を可視化し、業務品質と自動化を両立させます。

05

顧客対応⁠・⁠営業

構造化する知識 問い合わせの分類、回答の条件、提案の判断基準

利用イメージ 顧客⁠・⁠商品⁠・⁠契約の関係を定義し、応対と提案の根拠をAIが示します。

06

IT運用⁠・⁠開発

構造化する知識 障害対応の判断、設計判断、レビュー観点

利用イメージ 運用手順と設計の知識を構造化し、対応と開発の標準に再利用します。

07

調達⁠・⁠契約

構造化する知識 取引先、契約条件、承認の基準、例外の扱い

利用イメージ 契約条件と承認ルールを関係づけ、確認と判断をAIが支援します。

08

コンプライアンス

構造化する知識 規程、確認事項、判断の根拠

利用イメージ 規程と業務の対応を定義し、確認の抜けと説明の負担を減らします。

このほか、教育⁠・⁠育成のシミュレーションや、技能⁠・⁠知見を継承するナレッジ基盤としても活用できます。

業務オントロジー導入の適性チェック

適合する顧客
  • 判断や例外対応が熟練者に依存している
  • AIエージェントの回答が、部署ごとの定義の違いで揃わない
  • RAGやCopilotを導入したが、業務の判断までは任せられない
  • Microsoft Fabric・Databricks・Power BIでデータを整備している
  • 複数の業務へ、AIエージェントを継続して展開したい
適合しにくい顧客
  • 対象となる業務や、AIに任せたい判断が決まっていない
  • 定型の検索・FAQで十分に足りている
  • 業務知識を確認⁠・⁠承認する担当者を置けない
  • 全社の概念を、最初から一度に網羅したい

初回のご相談でお聞きすること

Q1 AIに任せたい判断と、その判断を今担っている人は誰ですか。
Q2 判断の条件や例外は、どこに書かれていますか(規程、マニュアル、会議、担当者の経験)。
Q3 部署やシステムによって、定義の異なる用語や指標はありますか。
Q4 Microsoft Fabric、Databricks、Power BIなど、利用中のデータ基盤は何ですか。
Q5 業務知識を確認⁠・⁠承認できる担当者を、どの範囲で置けますか。
Q6 AIの回答⁠・⁠実行で、人の承認が必要な判断はどれですか。

11/想定ROI

業務知識の整理・AIの回答修正⁠・⁠定義の突合⁠・⁠後任者の立ち上がりの工数削減

指標
前提
導入前
導入後
削減
業務知識の整理工数
対象10業務。熟練者へのヒアリングと整理に1業務40時間かかる作業を、抽出候補の確認⁠・⁠補完へ切り替え
400時間
約160時間
約60%
AIの回答修正
月300件の回答のうち、用語⁠・⁠条件の誤りで修正が必要な30件、1件30分
15時間/月
約6時間/月
約60%
定義の確認⁠・⁠突合
部署間で数値の定義を確認⁠・⁠突合する作業に、月20時間
20時間/月
約9時間/月
約55%
後任者の立ち上がり
判断業務の習熟に1人あたり約480時間。判断の理由と例外を根拠つきで参照
480時間
約320時間
約33%

代表的な1業務で、現行の知識整理の工数とAIの回答修正の件数を測定し、試算を実測値に置き換えてご判断いただけます。

12/導入ステップ

対象業務のヒアリングからMVP導入までの6段階の進め方

STEP 1 対象業務のヒアリング AIに任せたい判断と、関わる担当者⁠・⁠システム⁠・⁠データを把握します。 成果物:対象業務の定義
STEP 2 会話と既存データの整理 会議、ヒアリング、規程、マニュアル、既存データの所在を整理します。 成果物:知識ソース一覧
STEP 3 抽出対象の設計 抽出する概念、判断基準、例外、根拠の範囲と粒度を決めます。 成果物:抽出設計書
STEP 4 活用シナリオと導入ロードマップ 業務オントロジーを使うエージェントと、展開の順序を決めます。 成果物:活用シナリオ、ロードマップ
STEP 5 基盤アーキテクチャの設計 Microsoft Fabric、Databricks、Foundryなどとの接続と、権限の構成を設計します。 成果物:アーキテクチャ設計書
STEP 6 MVPの導入 最初の業務で業務オントロジーとエージェントを動かし、効果と課題を測定します。 成果物:MVP、効果測定

13/他の手段との違い

データカタログ整備、Fabric IQ単体の構築、議事録のAI登録、専門家による手作業との使い分け

他の手段
主にできること
当社の支援での扱い
用語集⁠・⁠カタログの整備
用語とデータの定義⁠・⁠所在を揃える
関係⁠・⁠ルール⁠・⁠判断⁠・⁠例外まで扱い、AIエージェントが参照できる形にする。既存のカタログは入力として活かす
Fabric IQのオントロジーを単体で構築
既存のセマンティックモデルやデータから、概念と関係を定義する
データに現れない判断と例外を会話⁠・⁠文書から抽出して加え、Fabric IQを実装先として使う
議事録⁠・⁠文書をAIに登録(RAG)
会議や文書の内容を検索し、回答する
正式決定前の意見や却下案を分け、判断の条件を確認⁠・⁠補完した業務知識にする
専門家による手作業の構造化
重要な業務の知識を、専門家が一件ずつ整理する
AIによる候補の抽出と担当者の確認を組み合わせ、多数のエージェントの展開と継続的な更新に対応する
グラフデータベースの個別開発
独自のスキーマとグラフ基盤を構築する
顧客のMicrosoft・Databricks環境を中心に実装し、個別開発は不足する部分に絞る

14/ガバナンス

業務知識の承認⁠・⁠データの権限⁠・⁠エージェントの権限を分けた統制設計

実行環境は、顧客の Microsoft Azure・Microsoft 365 環境を中心に、テナント、認証、アクセス制御、データ管理方針に沿って構成します。

業務知識の統制
  • AIが抽出した候補と、承認済みの知識の区別
  • 正式決定前の意見⁠・⁠却下案⁠・⁠その場限りの例外の切り分け
  • 判断の根拠となる原文⁠・⁠会議⁠・⁠資料への追跡
  • 定義の版管理と、廃止した知識の扱い
データとエージェントの統制
  • データ基盤の権限(行⁠・⁠列⁠・⁠オブジェクト単位のセキュリティ)の継承
  • エージェントごとのIDと、参照⁠・⁠実行できる範囲の制限
  • 高度な判断は、人の承認を経て実行する設計
  • 人による修正の記録と、業務知識への反映
機能の範囲について Microsoft Fabric のオントロジーなど、各製品の機能の提供状態(プレビュー⁠・⁠一般提供)は、提供元の更新に従って変わります。導入時に最新の情報で確認し、構成を決めます。

15/当社について

「AI Platform on Microsoft Azure」Specializationを更新(2026年10月)

第三者機関ISSIによる更新審査を完了し、すべての要件への適合が認められ、是正措置はありませんでした。AI導入の企画⁠・⁠設計から開発、セキュリティ、ガバナンス、本番運用、導入後支援までを一貫して提供する組織能力が確認されています。

認定バッジ

Microsoft Azure の AI Platform/Agentic DevOps Specialization取得

ヘッドウォータースは「Microsoft Solutions Partner for Digital & App Innovation(Azure)」の認定に加え、上位資格である「AI Platform on Microsoft Azure」「Agentic DevOps with Microsoft Azure and GitHub」の2領域のSpecializationを取得しています。

認定バッジ

Microsoft AI Innovation Partner of the Year 2024 受賞

「AI イノベーション パートナー オブ ザ イヤー アワード」の初代受賞パートナーです。日本航空(JAL)様のSLM活用や大和証券様のAIオペレーター、JR西日本様の「Copilot for 駅員」など、エンタープライズ企業向けの大規模AIエージェント開発を数多く手がけてきた実績が評価の背景にあります。

16/はじめ方

スタートプラン:HWS Agent Campで、最初の1業務を2日間で試作⁠・⁠検証

HWS Agent Campは、生成AIの活用⁠・⁠内製化を目指す企業向けに、専門エンジニアが伴走する2日間の集中ハッカソンです。通常3〜6ヶ月かかるAIエージェント開発を、約2週間の事前準備のうえで2日間に凝縮し、本格的なプロトタイプを構築します。業務オントロジーに向けては、対象業務の判断⁠・⁠例外を題材にエージェントを試作し、必要な業務知識とデータを検証できます。

暗黙知の構造化や、ベテラン依存業務の引き継ぎから始めたい場合は、SyncLect Data Intelligence の先行導入・MVP支援もご相談いただけます。

HWS Agent Camp

JRE MALL様(東日本旅客鉄道):ECモール運営の業務適用

ECモール運営の実業務を題材に、「データ取得→分析→提案」の流れをMicrosoft Foundry上でAIエージェントとして設計し、動作を検証しました。業務に組み込む際の設計観点、データ整備、構築⁠・⁠運用に必要な役割分担を整理しています。

事例を見る →

リモートロボティクス様:音声でロボットを遠隔操作

Microsoft AI Co-Innovation Lab KOBEで、音声コマンドによるロボット⁠・⁠カメラの遠隔操作プロトタイプを開発しました。音声認識からFunction Callingによるデバイス制御までの流れを検証しています。

事例を見る →

17/関連ソリューション

SyncLect Data Intelligence

暗黙知を、 AIが参照するオントロジーへ。

SyncLect Data Intelligence. インタビューや業務会話から判断の理由、優先順位、例外対応を抽出し、AIが参照⁠・⁠実行できるオントロジーへ変換する独自エンジンです。

SyncLect Agent Garden

会議の判断を、 業務担当者が育てる。

SyncLect Agent Garden. Teams会議や業務資料の判断⁠・⁠経験則から、オントロジーとスキルの候補を自動抽出し、企業固有のAIエージェントへつなぎます。

SyncLect Silver Data Coordinator

業務ファイルを、 共通のデータ資産に。

SyncLect Silver Data Coordinator. 企業内の多様な業務ファイルを、複数のAIエージェントで再利用できるSilverデータとして継続供給します。

Microsoft Fabricソリューション

Fabric IQで、 データに業務の意味を。

Microsoft Fabricソリューション. Microsoft Fabricの導入伴走から、Fabric IQによるオントロジーとData Agentの活用、ガバナンス設計までを支援します。

DataPark

企業データにも、 意味と関係を。

DataPark. グループ会社NBSが提供する、企業データオントロジーとData as Productの考え方で、企業データベースに意味と関係性を付与する営業支援基盤です。

AI駆動開発(SAIDDar)

開発の知識を、 組織標準のオントロジーに。

AI駆動開発(SAIDDar). 属人化しないAI駆動開発を実現する組織標準オントロジー。案件の知見を標準⁠・⁠テンプレート⁠・⁠エージェント定義へ還元します。

コンテキストエンジニアリング

業務コンテキストを、 設計⁠・⁠供給⁠・⁠統制する。

コンテキストエンジニアリング. AIに渡す動的な文脈の設計⁠・⁠供給⁠・⁠統制⁠・⁠改善を、支援領域ごとに提供します。

X-Tech FDE

現場に入り込み、 抽出設計から伴走する。

X-Tech FDE. 業務ヒアリング、暗黙知の抽出設計、AI Ready化のチューニング、本番実装に向けた基盤構築までを、現場に入り込んで支援します。

Microsoft Agent 365

AIエージェントの ID・権限⁠・⁠監査を統制する。

Microsoft Agent 365. 業務オントロジーを使うAIエージェントの登録・ID・権限⁠・⁠データ保護⁠・⁠監査を、統制面として設計します。

HWS Agent Camp

最初の1業務を、 2日間で試作する。

HWS Agent Camp. 専門エンジニアが伴走する2日間の集中ハッカソン。約2週間の事前準備のうえで、AIエージェントの本格的なプロトタイプを構築します。

18/よくあるご質問

Q. オントロジーとは何ですか。 A. ある領域に何が存在し、それぞれがどんな意味を持ち、互いにどう関係するかを、人と機械の両方が解釈できる形で定義したものです。企業では、業務の概念、属性、関係、ルール、指標を定義し、実データに結び付けて使います。
Q. ナレッジグラフとは、どう違いますか。 A. オントロジーは概念の型と関係の定義(スキーマ)で、ナレッジグラフはその定義に従った個々の実体と関係のデータです。両者は組み合わせて使われます。
Q. RAGを導入済みでも、オントロジーは必要ですか。 A. RAGは文書を検索して回答の根拠にしますが、用語の揺れや概念の関係、判断の条件は解釈しません。AIに業務の判断や実行を任せる段階では、オントロジーで概念とルールを揃えることで、検索と回答の精度を補えます。
Q. Microsoft Fabric IQのオントロジーとは何ですか。 A. Microsoft Fabric IQの機能の一つで、業務の概念、プロパティ、関係、ルール、指標を定義し、Fabric上のデータに結び付けます。Power BIのセマンティックモデルから生成することもできます。提供状態はMicrosoftの最新情報をご確認ください。
Q. SyncLect Data Intelligenceは、何をするものですか。 A. インタビューや業務会話から、業務判断の理由、優先順位、例外対応などの暗黙知を抽出し、AIが直接参照⁠・⁠実行できるオントロジーに変換する当社独自のエンジンです。エキスパートInterview Agentと業務プロセス⁠・⁠オントロジー抽出 Agentを搭載しています。
Q. SDIとSyncLect Agent Garden は、どう使い分けますか。 A. SDIは、熟練者へのインタビューや業務会話から業務知識を抽出し、企業全体の業務知識基盤をつくります。Agent Gardenは、日々のTeams会議や資料から候補を抽出し、業務担当者自身がオントロジーとスキルを整備⁠・⁠更新する仕組みです。両者を組み合わせて導入します。
Q. Microsoft Fabricを使っていなくても導入できますか。 A. はい。Databricksのデータ・AI基盤とも連携できます。顧客のMicrosoft Azure・Microsoft 365環境を中心に、利用中のデータ基盤に合わせて構成します。
Q. 最初から全社のオントロジーを作る必要がありますか。 A. いいえ。AIに任せたい判断を一つ決め、その判断に必要な概念から定義すると、早く検証できます。その後、業務ごとに広げます。
Q. 抽出した業務知識の正しさは、どう担保しますか。 A. AIが抽出した候補を業務担当者が選択⁠・⁠修正し、不足する条件を補い、想定する業務質問への回答で確かめます。承認した知識をAIに使わせ、根拠と版を残して更新します。
Q. 効果はどのくらいですか。 A. 一律の削減率はお約束できません。想定ROIは試算で、導入時に現行の知識整理の工数とAIの回答修正の件数を測定して検証します。
Q. 何から始めればよいですか。 A. 対象業務のヒアリング(STEP 1)から始めます。短期間で試作したい場合は、2日間のHWS Agent Campや、SDIの先行導入・MVP支援もご利用いただけます。

業務オントロジーについてのご相談

対象業務の選定から、業務知識の抽出、データ基盤への実装、AIエージェントでの活用まで、貴社の状況に合わせてご提案します。

お問い合わせ