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2026.09.29 ヘッドウォータース、企業内の多様な業務ファイルを共通データ資産化し、AIエージェントの全社展開を支える「SyncLect Silver Data Coordinator」を提供開始 ~複数のAIエージェントで再利用できるSilverデータを継続供給し、ファイルごとのデータ処理方式をAIが自動構成~
AIプラットフォーム事業を手がける株式会社ヘッドウォータース(本社:東京都新宿区、代表取締役:篠田 庸介、以下「ヘッドウォータース」)は、企業のAI活用が個別のチャットボットや検索システムから、業務・部門・役割ごとに複数のAIエージェントを全社展開する段階へ移る中、企業内の多様な業務ファイルをAIエージェント向けの共通データ資産へ自動変換する「SyncLect Silver Data Coordinator」の提供を開始します。
本サービスは、製品仕様書、設計書、図面、法令・規制文書、融資・審査資料、運行・保安文書、設備・点検記録など、人間が利用することを前提に作成された業務ファイルの内容・構造・文脈を、AIが解釈しやすいMarkdown等へ再構成します。さらに、出所、権限、処理履歴などを付与し、複数のAIエージェントやナレッジベースで再利用できるAI-ReadyなSilverデータとして継続的に供給します。
従来、こうした業務ファイルをAIエージェントで利用するには、データエンジニアがファイルの内容や形式を確認し、解析方式、出力形式、分割方法、文脈付与、安全化、登録方法などをファイル種別や案件ごとに設計・調整する必要がありました。本サービスでは、これらのデータ処理方式をAIが「企業レシピ」として自動構成します。生成したSilverデータと企業レシピを蓄積・再利用することで、ファイル種別やAIエージェントが増えるたびにデータエンジニアリングを人手で繰り返す構造を変え、AIエージェントの全社展開に伴うデータ準備人月の増加を抑制します。
■背景:AIエージェントの全社展開に伴い、業務ファイルのデータ準備が新たなボトルネックに
AIエージェントを業務・部門・役割ごとに展開するには、それぞれが必要な企業データへ継続的にアクセスできる状態が必要です。一方、人間向けに作成された業務ファイルには、文字だけでなく、表、図、レイアウト、注記、単位、前後関係などを通じて情報が記録されています。
これらをAIエージェントで利用するには、単に文字を抽出して登録するだけでなく、内容や形式に応じた解析、構造・文脈の再構成、分割、安全化、出所・権限の保持が必要です。こうした処理をAIエージェントや案件ごとに個別設計すると、展開規模に比例してデータエンジニアリング工数と保守対象が増加します。
データ基盤では、生データをBronze、検証・標準化したデータをSilver、用途別に加工したデータをGoldとして段階的に品質を高めるメダリオンアーキテクチャが利用されています。
ヘッドウォータースは、この考え方を企業ファイルへ適用し、原本をBronze、AIが利用できる形へ再構成し、文脈・出所・権限・処理履歴を付与した状態を「非構造Silverデータ」と定義します。
■多様な業務ファイルを、再利用可能なSilverデータへ
「SyncLect Silver Data Coordinator」は、業務ファイルの取得、解析、Markdown等への再構成、文脈・ガバナンス情報の付与、ナレッジベースへの登録までを一連の処理として実行します。複数のAIエージェントで再利用するデータを「Silverデータ」、その変換に必要な処理方式を「企業レシピ」として管理します。
Silverデータは、特定のナレッジベースやAIエージェントに閉じない再利用可能なデータ資産です。企業レシピは、Silverデータの作り方を残し、同種ファイルや次の利用先へ再利用する設計資産です。
| 資産 | 内容 | 再利用価値 |
| Silverデータ | 内容・構造・文脈をAI向けに再構成し、出所・権限・処理履歴を保持した中間データ | 複数のAIエージェント、ナレッジベース、部門で共通利用 |
| 企業レシピ | 企業ファイルをSilverデータへ変換するための処理方式と設定 | 同種ファイルや新しい利用先へ適用し、設計のやり直しを削減 |
■本サービスが実現する3つの変化
1.増え続ける業務ファイルを複数のAIエージェントへ継続供給
新規・更新される業務ファイルに企業レシピを適用してSilverデータへ変換し、複数のナレッジベースやAIエージェントへ継続的に供給します。AIエージェントの追加ごとに同じ業務ファイルを加工し直すのではなく、共通Silverデータを再利用します。
2.Silverデータと企業レシピを共通資産として蓄積
生成したSilverデータと、その作り方である企業レシピを共通資産として蓄積します。AIエージェントが必要な情報を取得できたか、元の内容に沿って回答できたかを確認し、その結果も次回の企業レシピ生成や処理方式の見直しに利用します。
この継続運用を通じて、Silverデータ、企業レシピ、評価情報が蓄積されます。これらを次のファイル、部門、AIエージェントへ再利用し、継続供給の負荷を下げる資産循環を、ヘッドウォータースは「ナレッジデータフライホイール」と位置づけています。
3.ファイルごとのデータ処理方式をAIが自動構成
AIがサンプルファイルの内容や形式を分析し、解析方式、出力形式、分割方法、文脈付与、安全化、登録方法など、50項目以上の設定を含む企業レシピを自動生成します。生成した企業レシピは必要に応じて人が調整したうえで実行し、同種ファイルへ再利用します。
本サービスのアーキテクチャに基づく当社試算では、1つの業務ファイル種別について、データ処理方式を人が個別に設計・調整する場合と比較し、企業レシピの自動生成を利用することで、初期設計・調整に要する人作業工数を約80%削減できると見込んでいます(※)。
※当社が設定した標準的な作業工程に基づく試算です。実際の削減効果は、ファイル形式、内容、複雑度、品質要件、利用環境などによって異なります。
■Microsoft FabricやDatabricksと連携し、AIエージェントへのデータ供給を補完
本サービスはMicrosoft Azureを基盤として活用し、Microsoft FabricやAzure AI Searchをはじめ、Databricksなどのデータ・AI基盤と連携します。構造化データは既存のデータプラットフォームで統合・活用し、人間向けに作成された多様な業務ファイルは本サービスでSilverデータへ変換することで、AIエージェントへ供給するデータの範囲を広げます。
また、生成したSilverデータは、マイクロサービス型の構成により、SDIによる意味統合や、Agent GardenによるSkill・Playbook化などの後段処理と組み合わせることができます。
■主な利用シーン
| 業界 | 対象ファイル例 | 利用イメージ |
| 製造 | 要求仕様書、提案書、製品仕様書、設計書、図面・CAD、検査・保守記録 | 営業・提案、設計、品質、調達、保守のAIエージェントへ共通供給し、提案・設計・保守業務に利用 |
| 金融・保険 | 法令・規制文書、融資・審査資料、保険約款、社内規程、顧客応対記録 | 照会、審査、コンプライアンス確認に加え、顧客問い合わせ対応や案内・提案の高度化に利用 |
| 交通・運輸 | 運行規程、保安文書、整備記録、運行・運航マニュアル、問い合わせ履歴 | 運行支援、安全管理、整備・保守に加え、利用者問い合わせ対応や案内の高度化に利用 |
| エネルギー・インフラ | 設備図面、保安規程、点検記録、工事・運転マニュアル | 設備保全、安全管理、現場支援に利用 |
また、顧客との対話ログや問い合わせ履歴を格納したCSV等もSilverデータ化し、製品情報やCRM等の顧客情報と組み合わせることで、顧客問い合わせへの回答支援、社内照会の効率化、顧客理解、一人ひとりに合わせた案内・提案の高度化にも活用できます。
■セキュリティ
Microsoft Entra IDによる認証やManaged Identityを利用したアクセス制御、Private Endpointによる閉域接続、監査ログなどを組み合わせ、顧客のセキュリティ・ガバナンス方針に沿った構成を提供します。認証情報や暗号鍵などの機密情報の管理にはAzure Key Vaultを活用します。
また、企業ファイルや対話ログに含まれる個人情報を検出・マスキングする処理や、ファイル内の命令文をAIエージェントに対するシステム指示として扱わないための安全化処理を組み込みます。機密情報や個人情報を保護し、出所やアクセス範囲を保持しながらSilverデータ化できるようにします。
■提供方法
「SyncLect Silver Data Coordinator」は、エンタープライズ企業向けのソフトウェアライセンスとして提供します。顧客が指定するクラウド環境またはオンプレミス環境へ配置し、対象ファイルの調査、企業レシピの設計、既存のデータ・AI基盤との接続、評価・改善運用などの導入支援を提供します。
顧客が管理する環境内へ配置できるため、機密性の高い企業ファイルを顧客の管理外へ持ち出さず、既存のネットワーク、認証、アクセス制御、データ管理方針に沿った構成で処理できます。これにより、設計書、仕様書、契約・審査資料、対話ログなど、外部環境への送信が難しいデータも、顧客のセキュリティ要件に応じた構成でSilverデータ化できます。
■今後の展開
今後、ヘッドウォータースは、製造、金融・保険、交通・運輸、エネルギー・インフラなど、専門性の高い企業ファイルを大量に保有する業界を中心に導入を進めます。顧客への導入を通じて得られたファイル種別ごとの処理方式や評価方法を企業レシピとして蓄積し、次のファイル、部門、AIエージェントへの展開に再利用します。
個別案件で得た知見を製品機能や業界別テンプレートへ還元し、ソフトウェアライセンス、導入支援、継続運用を組み合わせることで、案件ごとに人月を投入する提供モデルから、ソフトウェアと再利用資産を基盤とした継続的な事業モデルへの移行を進めます。また、中小企業や大企業の部門・グループ会社に向けては、専門的なデータ基盤を個別に構築することなく、企業ファイルをAI-Readyなデータへ変換・運用できるSaaSとして展開します。エンタープライズ向けの顧客環境配置と中小企業・部門向けSaaSに共通の技術基盤を活用し、顧客の規模、セキュリティ要件、既存システム、運用体制に応じた提供形態を整備します。
以上
■商標について
記載されている会社名、製品名、サービス名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
■会社情報
会社名:株式会社ヘッドウォータース
所在地:〒163-1304 東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー4階
代表者:代表取締役 篠田 庸介
設 立:2005年11月
URL :https://www.headwaters.co.jp/
■本件のお問い合わせ先
株式会社ヘッドウォータース
お問い合わせフォーム:https://www.headwaters.co.jp/contact/
