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2021.03.09 セキュアIoTプラットフォーム「Azure Sphere」をエッジ端末としたTiny Machine Learning構築サービス「SyncLect Tiny ML」開始

AIソリューション事業を手掛ける株式会社ヘッドウォータース(本社:東京都新宿区、代表取締役:篠田 庸介、以下「ヘッドウォータース」)は、日本マイクロソフトが提供するセキュアIoTプラットフォーム「Azure Sphere」を活用したTinyMLエッジAIサービスを開始しました。

Synclect_Edge.png
■背景:
Society5.0の社会実装や5Gサービスが本格的に開始されている昨今、毎年90億台の新たなデバイスがデプロイされると言われるIoT機器のうち、セキュリティ対策が取られているのは1割に過ぎないと言われており、サイバー攻撃者からの対策が急務となっております。そうした懸念を受け、総務省ではIoTセキュリティガイドラインが公表されており、経済産業省からもIoTセキュリティ・セーフティ・フレームワークが公表されるなど、サイバー空間とフィジカル空間を繋ぐエッジ/IoT機器とシステムのセキュリティ対策ソリューションが求められています。

エッジAIはIoTデバイス内で機械学習予測やディープラーニング推論を行う技術で、主に自動運転に用いられている技術です。クラウドを利用しない事でリアルタイム性の向上やセキュリティ上インターネットに上げたくないデータをIoTデバイス自身で処理を行います。
エッジAIの大きな課題は、処理性能を求め高価な専用GPUを利用したIoTデバイスを採用するとハードデバイスコストが響き、大規模展開しづらいという点です。大規模展開を目指すには、低スペック・低価格なIoTデバイスの必要があり、かつ低電力・低負荷・低容量で圧縮されたエッジAIを実行する必要があります。

またセンシティブな情報がインターネットに流れることを嫌いエッジAIを採用したにも関わらず、IoTデバイス側のセキュリティが十分に対応しておらず利用場面を限定的なものにしています。

そこで、ヘッドウォータースでは、低電力・低容量でAIを実現する「Tiny ML」と、IoTデバイスのマイコン層、OS層、通信層におけるデバイスセキュリティを実現する「Azure Sphere」を活用した、セキュアエッジTinyML構築サービスを開始しました。

edge_azure_sphere_image.png

■Azure Sphereとは
Azure Sphereは、マイクロソフトのセキュリティテクノロジーが組み込まれた Azure Sphere 対応 MCU (マイクロコントローラー: プロセッサーやストレージ、メモリー、IoT機能を備えたシングルチップコンピューター)と、Linuxベースの「Azure Sphere OS」、「Azure Sphere Security Service」から成り立っており、このセキュリティサービスによって認証や、脅威への対応、デバイスあるいはアプリケーションの障害情報の提供といった機能が実現されます。

■Tiny MLとは
Tiny Machine Learning(Tiny ML)は、ディープラーニングネットワークを縮小して小さなハードウェアに適合させる機械学習の一種です。超低電力の組み込みデバイスとマイクロコントローラー用の組み込み機械学習フレームワークの導入によりAIを利用したIoTデバイスの展開が可能となります。

これらにより、Tiny YOLOを活用した映像物体検知、Tensorflow.liteを用いた画像解析や手書き文字認識、LightGBMを用いたIoTデバイスデータから予測分類、Pytorchにおける音声周波数解析を実現し、マルチAIプラットフォーム「SyncLect」と連携する事で、TinyMLとMLOps、Webアプリ連携など、セキュアなエッジ+クラウドのハイブリッド構成を早期に実現する事ができます。


■日本マイクロソフト株式会社からのコメント
日本マイクロソフト株式会社 パートナー事業本部 ISVビジネス統括本部長 野中智史様 日本マイクロソフトは、ヘッドウォータース様によるAzure Sphereを活用した「SyncLect Tiny ML」の発表を心より歓迎いたします。 Azure Sphere上でのMachine Learningを行うセキュアなIoT×AIソリューション「SyncLect Tiny ML」によって、急速に高まるIoTデバイス向けのセキュリティニーズに対して、市場で既に稼働中の各種デバイスをインターネットにより安全に接続することが可能となり、企業が抱えるIoTのセキュリティ課題解決に貢献できると期待しています。また、「SyncLect Tiny ML」によって、IoTエッジ側にAI機能を実装することで、クラウド側のIoTアプリケーションプラットフォームである「Azure Sphere」の各種サービスとのハイブリット活用の幅が広がり、お客様のビジネス成長を推進するソリューションとなることを確信しております。今後も日本マイクロソフトはヘッドウォータース様と連携し、お客様のデジタルトランスフォーメーションの推進に貢献してまいります。


今後は、よりセキュリティが求められるスマートシティやエンタープライズ企業におけるスマートストア、スマートコンストラクション、スマートマニュファクチャリング領域においてセキュアIoT環境のエッジAIソリューションを拡充して参ります。

なお、本件による当社の当期業績に与える影響は軽微であります。今後開示すべき事項が発生した場合には速やかにお知らせいたします。

※記載されている会社名および商品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。
※Microsoft、Azureは、米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。


【株式会社ヘッドウォータースについて】
会社名:株式会社ヘッドウォータース
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿2-16-6新宿イーストスクエアビル7階
代表者:代表取締役 篠田 庸介
設立 :2005 年11 月
URL:https://www.headwaters.co.jp


<本件のお問い合わせ>
株式会社ヘッドウォータース TinyML担当:
メール:info@ml.headwaters.co.jp