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Microsoft Fabric IQ
業務とデータの意味づけと、AIエージェントへの接続・統制

Fabric IQの提供元はMicrosoftです。当社は、既存のFabric基盤とセマンティックモデルを土台に、オントロジーによる意味づけ、Data Agent・Microsoft Foundryとの接続、権限と運用の設計を担い、企業固有のコンテキストをAIエージェントへ届けます。

01/概要

Fabric IQ(ファブリックIQ)とは:業務の言葉でデータを扱うためのMicrosoft IQの機能群

Fabric IQは、Microsoft Fabricのデータを「顧客」「出荷」「設備」といった業務の言葉に引き上げ、人とAIエージェントが同じ意味でデータを解釈し、判断できるようにする機能群です。Microsoft Learnでは、Microsoft IQの一部として、業務のエンティティとデータに関するコンテキストを提供するものと説明されています。2025年11月のMicrosoft Ignite 2025で発表されました。

Fabric IQは単一のツールではありません。OneLakeの統合データ、Power BIのセマンティックモデル、オントロジーの3つの層と、Data Agent、Graph、Operations Agent、Planningなどのアイテムを、目的に応じて組み合わせて使います。テーブルや列の構造ではなく業務の概念でデータを扱えるため、AIの回答の揺れやハルシネーションを抑える基盤になります。

Fabric IQの要点
読み方・⁠位置づけ Fabric IQ(ファブリックIQ)。Microsoft IQの一部で、Microsoft FabricのIQワークロード
定義 Fabricのデータを業務の言葉に引き上げ、人とAIエージェントに業務のコンテキストを提供する機能群
3つの層 OneLake(統合データ)、Power BIセマンティックモデル、オントロジー
主なアイテム オントロジー、セマンティックモデル、Graph、Data Agent、Operations Agent、Planning
関連する用語 セマンティックレイヤー、意味モデル、業務コンテキスト、AI-Readyデータ
当社の支援 データ基盤とモデルの整備、オントロジー設計、Data Agent・Foundryとの接続、権限と運用の設計
Microsoft IQの中でのFabric IQの位置づけ(Microsoft Learnの記載をもとに作図)
Work IQ従業員の働き方の文脈
Foundry IQ規程・⁠正式な文書の文脈
Web IQWebからの文脈
Fabric IQ業務のエンティティとデータの文脈
↓
人・⁠アプリケーション・AIエージェントが、組織全体の文脈を使って判断する

02/注目される背景

テーブルとスキーマの限界と、AI-Readyなデータに求められる業務の意味

企業のデータは、機械のために作られたテーブルとスキーマで管理されています。一方、業務は顧客、出荷、資産といった概念で動いています。AIエージェントに業務を任せる段階では、この2つの間を誰が埋めるかが課題になります。

T_ORD_HDR CUST_CD SHP_STS AMT_01
スキーマだけを渡す場合 AIがテーブル名や列名から意味を推測するため、結合や集計を誤りやすくなります。質問のたびに、業務の専門家が意味を補う必要があります。
顧客 ─ 発注する → 注文 ─ 含む → 出荷
業務の意味を定義した場合 概念、関係、ルール、指標を一度定義して実データに結び付けると、レポートもAIエージェントも同じ定義でデータを解釈します。
→ 定義の揺れ:「売上」「顧客」「在庫」の定義が部署やレポートごとに異なり、AIの回答も揃わない
→ スキーマへの依存:AIがテーブル名や列名から意味を推測し、結合や集計を誤る
→ 専門家による翻訳:質問のたびに、業務とデータの両方を知る担当者が意味を補っている
→ データのサイロ化:業務データが部門ごとに分かれ、部門をまたぐ問いに答えられない
→ 参照から実行へ:AIエージェントが、回答だけでなく監視、検知、業務の実行まで担うようになっている
→ 既存資産の活用:Power BIのセマンティックモデルなど、すでに本番で使っている定義を、AIでも再利用したい

Microsoftの公式ドキュメントでの位置づけ

文書
記載内容
出典
Microsoft Learn(Fabric IQの概要)
Fabric IQを、Work IQ、Foundry IQ、Web IQとともにMicrosoft IQを構成する機能と位置づけています。統合データ、ビジネスインテリジェンス、オペレーショナルインテリジェンスの3層で、業務のコンテキストを提供すると記載しています。
Microsoft Learn(オントロジー)
オントロジーを、顧客、製品、資産、注文などの概念と、そのプロパティ、関係、ルール、指標を定義し、企業データに結び付けるものと説明しています。人、アプリケーション、AIエージェントが同じ語彙と文脈を使えるようにします。
Microsoft Learn(Microsoft Foundry)
FoundryのエージェントにFabric IQをツールとして登録すると、自然言語の問いをFabric IQに委ね、データの取得、オントロジーに基づく推論、回答の生成を任せられると記載しています。
Microsoft Fabric Blog
Microsoft Ignite 2025での発表で、Fabric IQを企業のAIのためのセマンティックな基盤と位置づけています。

03/構成要素

Fabric IQの3つの層:OneLake・セマンティックモデル・⁠オントロジー

Fabric IQは、統合データ、ビジネスインテリジェンス、オペレーショナルインテリジェンスの3つの層で、業務のコンテキストを提供します。下の層が整っていることが、上の層の前提になります。

Fabric IQの層構成(Microsoft Learnの記載をもとに作図)
利用する側
Data AgentOperations AgentMicrosoft FoundryCopilot StudioPower BI
↕
層3 オペレーショナルインテリジェンス
オントロジーエンティティ型・⁠プロパティ・⁠関係・⁠ルール・⁠指標を、実データに結び付ける
↕
層2 ビジネスインテリジェンス
Power BIセマンティックモデルメジャー、階層、ディメンション。オントロジーの生成元になる
↕
層1 統合データ
OneLakeLakehouseEventhouseショートカットミラーリング

IQワークロードの6つのアイテム

アイテム
内容
使う場面
オントロジー
エンティティ型、関係、プロパティ、ルールで、部門とデータソースをまたぐ共通の業務の語彙を定義する
部門をまたぐ定義の統一、AIエージェントの根拠づけ
Power BIセマンティックモデル
メジャー、階層、リレーションを持つ、レポート向けの分析モデル
信頼できるKPIと、対話的な可視化
Graph
ノードとエッジで、つながったデータを保存し、たどる
影響の連鎖、依存関係など、関係中心の問い
Data Agent
Fabricのデータに接続し、特定の領域の自然言語の質問に答える仮想のアナリスト
Microsoft 365、Foundry、Copilot Studioからの問い合わせ
Operations Agent
リアルタイムのデータを監視し、業務の概念に基づいて対応を提案する
異常の検知と、統制された対応
Planning
計画、予測、レポートを、同じデータ基盤の上で共同で行う
予算と実績の比較、動的な予測
関係をたどる推論の例(Microsoft Learnの記載をもとに作図)
注文→ 出荷→ 温度センサー→ コールドチェーンの逸脱
概念どうしの関係をたどることで、結果の原因を部門やデータソースをまたいで説明できます。

04/導入の進め方

Fabric IQ導入の進め方:業務の問いから、AIエージェントでの検証までの5工程

全社の概念を最初から網羅するより、AIに答えさせたい問いを決め、その問いに必要な概念とデータから始めると、早く検証できます。

1
業務の問いと対象データの選定 AIに答えさせたい問いと任せたい判断を決め、必要なデータソースとセマンティックモデルを洗い出します。
成果 業務の問い 対象データ一覧
2
データ基盤とセマンティックモデルの整備 OneLakeへの集約、メダリオン構成でのデータ整備、指標とリレーションの定義を整えます。
成果 整備済みデータ セマンティックモデル
3
オントロジーの設計と結び付け セマンティックモデルからオントロジーを生成し、業務の概念、関係、ルール、指標を加えて、実データに結び付けます。
成果 オントロジー データバインディング
4
エージェントへの接続 Data Agentを作成し、Microsoft Foundry、Copilot Studio、Microsoft 365 Copilotから呼び出す経路と権限を設計します。
成果 Data Agent 接続構成
5
検証・⁠改善と展開 想定する問いへの回答と失敗した問いを確かめ、定義とデータを直しながら、対象の業務を広げます。
成果 評価結果 展開ロードマップ

05/当社の支援内容

Fabric IQ支援の7つのメニュー:データ基盤・⁠意味づけ・⁠接続・⁠統制・⁠運用

当社は、Microsoft Fabricソリューションで培ったデータ基盤の構築と、業務の暗黙知を構造化するSyncLect Data Intelligenceを組み合わせ、データ側と業務知識側の両方から意味を整えます。Fabric IQの機能の導入にとどまらず、AIエージェントが業務で使える状態までを支援します。

段階 1 データを整える
支援1データ基盤とAI-Readyデータ
支援2セマンティックモデル・KPI
→
段階 2 意味を定義する
支援3オントロジー設計
支援4業務知識の構造化
→
段階 3 エージェントにつなぐ
支援5Data Agent・Foundry連携
→
段階 4 統制し、運用する
支援6権限・⁠ガバナンス
支援7運用・BizOps
X-Tech FDE現場に入り込み、全段階に伴走して、必要な段階から組み合わせて提供
支援 1

データ基盤の構築とAI-Readyデータの整備

OneLakeを中心としたデータ統合、メダリオン構成でのデータ整備、ショートカットやミラーリングによるデータ供給を設計します。Fabric IQの意味づけの前提になるデータを整えます。

支援 2

セマンティックモデルとKPIの設計

fact/dimensionのモデル、リレーション、メジャーを設計し、部署ごとに異なる指標の定義を揃えます。オントロジーの生成元となるセマンティックモデルを整えます。

組み合わせるサービス Microsoft Fabricソリューション
支援 3

オントロジーの設計と構築

エンティティ型、プロパティ、関係、ルール、指標を定義し、セマンティックモデルからの生成とOneLakeのデータへの結び付けを行います。Graphで関係を確かめます。

支援 4

業務知識の構造化

会話や文書から、判断基準、例外処理、役割、条件、イベント、関係性を抽出し、データにない業務知識をオントロジーの設計に加えます。

組み合わせるサービス SyncLect Data Intelligence SyncLect Agent Garden
支援 5

Data Agent・Microsoft Foundryとの連携

オントロジーとセマンティックモデルをデータソースにしたData Agentを作成し、Microsoft Foundry、Copilot Studio、Microsoft 365 Copilotから呼び出す構成を構築します。

支援 6

接続経路・⁠権限・⁠ガバナンスの設計

接続経路の使い分け、読み取りと書き込みの分離、Microsoft Entra IDによる権限、Microsoft Purviewによるデータ管理、容量とコストの設計を行います。

組み合わせるサービス Microsoft Entra ID Microsoft Agent 365
支援 7

運用とBizOps

GitHubと連携したCI/CDでの変更管理、導入後の運用管理、経営指標と現場データをつなぐ活用シナリオの設計とトレーニングを行います。

伴走体制

X-Tech FDEによる伴走

現場に入り込み、業務ヒアリング、暗黙知の抽出設計、AI-Ready化のチューニング、本番実装に向けた基盤構築までを一気通貫で支援します。

組み合わせるサービス X-Tech FDE

06/接続構成

AIエージェントからFabric IQへの接続構成:3つの経路の使い分け

AIエージェントからFabricのデータを使う経路は1つではありません。問いの種類、求める速度と確実さ、読み取りか書き込みかに応じて、経路を使い分け、権限と監査を経路ごとに設計します。

接続構成の例(顧客環境に合わせて構成)
利用者・AIアプリ
Microsoft 365 CopilotTeams業務アプリ
↕
エージェント実行基盤
Microsoft Foundry/Copilot Studio業務エージェントが経路を選んで呼び出す
↕
接続の経路
① Fabric IQツール② Data Agent(MCP接続)③ 定型照会のゲートウェイ
↕
Fabric IQ
オントロジーセマンティックモデルGraph
↕
データ・統制
OneLakeMicrosoft PurviewEntra ID
経路 1 Fabric IQツール FoundryのエージェントにFabric IQをツールとして登録し、自然言語の問いを委ねます。オントロジーに基づく推論と回答の生成を任せる、業務の言葉での問い合わせに向きます。
経路 2 Data Agent(MCP接続) 領域ごとに作成したData Agentを、MCPなどで複数のAIアプリから呼び出します。Microsoft 365やCopilot Studioから、同じ定義で問い合わせられます。
経路 3 定型照会のゲートウェイ 決まった集計や照会は、検証済みのSQLを呼ぶゲートウェイで実行します。速度と再現性が求められる問いに向き、読み取りと書き込みの権限を分けて監査します。

07/特長

業務とデータの意味を整え、AIエージェントにつなぐ実装力:当社の4つの特長

特長 1/4

データ側と業務知識側の両方から意味を整える

Microsoft FabricソリューションでのデータモデルとKPIの整備に加えて、SyncLect Data Intelligenceで会話に埋もれた判断基準・⁠例外・⁠関係性を構造化します。データに現れない業務の意味まで、オントロジーの設計に取り込めます。

特長 2/4

オントロジーからAIエージェントまでの接続を検証済み

Lakehouse、セマンティックモデル、オントロジー、Data Agentを作成し、Microsoft Foundryから呼び出す構成を検証し、データソースによる挙動の違いや失敗した問いも含めて公開しています。実装時の制約を踏まえて構成を決めます。

特長 3/4

Fabric基盤の構築・⁠ガバナンス・⁠運用の経験

メダリオン構成、OneLakeでの統合、Power BI、Microsoft Purview、容量・⁠コスト・⁠権限の設計、GitHubと連携したCI/CD、BizOpsマネージドサービスまで、Fabricを全社で使い続けるための設計を提供してきました。

特長 4/4

接続経路と権限を分けた設計

Fabric IQツール、Data Agent、定型照会のゲートウェイを問いに応じて使い分け、読み取りと書き込みの分離、権限、監査、代替経路まで設計します。つながることと、使わせ過ぎないことを両立させます。

08/顧客価値

課題から価値へ:Fabric IQで解決するデータ活用とAIの課題と、役割別の価値

課題
価値につながる仕組み
得られる価値
部署ごとに指標の定義が違い、数字が揃わない
セマンティックモデルとオントロジーで、概念と指標を一度だけ定義して共有する
レポートとAIで揃う数字
AIがテーブル構造から意味を推測し、回答を誤る
オントロジーの関係・⁠ルール・⁠指標を根拠にData Agentが問いを解釈する
業務の言葉で問える、根拠のある回答
部門をまたぐ問いに、担当者が手作業で答えている
OneLakeとオントロジーで、データソースをまたいで関係をたどる
部門横断の問いへの迅速な回答
定義をエージェントごとのプロンプトに書いている
定義をオントロジーに集め、複数のエージェントから参照させる
定義の更新が、利用するエージェントに反映
AIに渡すデータの範囲と権限が曖昧
接続経路ごとに権限、読み取りと書き込み、監査を設計する
統制された、AIからのデータ利用

役割別の価値

経営・⁠事業責任者 揃った指標で、意思決定を速める 部門をまたぐ問いに、共通の定義に基づく回答をすぐ得られ、データに基づく判断のサイクルを短くできます。
業務部門 業務の言葉で、データに問い合わせられる テーブル名やクエリを知らなくても、Microsoft 365 CopilotやTeamsから、顧客、出荷、設備といった業務の言葉で質問できます。
データ基盤担当 既存のモデルを活かし、意味を後から重ねる 本番で使っているセマンティックモデルからオントロジーを生成し、定義を1か所で管理できます。
IT・セキュリティ 経路ごとの権限と監査 AIからのデータ利用を、接続経路、読み取りと書き込み、ID・権限ごとに制御し、記録を残せます。

09/取り組み事例

Fabric IQの土台となるデータ基盤の事例:メーカー・⁠自動車・⁠エンターテインメント・⁠エネルギー

業務データの整備、ドメインを踏まえたデータ統合、ガバナンスと運用の設計は、Fabric IQで意味を定義する前提になります。当社がMicrosoft Fabricで支援した公開事例です。

大手メーカー様: 大手メーカー

大手メーカー様:Fabricと生成AIによる業務データ活用・⁠市民開発支援

需給・⁠在庫・⁠業務データの活用高度化を目的に、メダリオンアーキテクチャを採用したデータ整備で、業務部門が自らデータを分析・⁠活用できる環境を整備しました。生成AIを組み合わせ、業務判断を支援するAI活用の検証にも取り組んでいます。

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グローバル自動車メーカー様: グローバル自動車メーカー

グローバル自動車メーカー様:Fabricを活用したデータ分析基盤の構築支援

ガバナンス、セキュリティ、コスト管理の観点から、Fabricを安全かつ継続的に利用するための運用ルールや管理プロセスを整理し、全社展開を前提とした基盤設計を行っています。

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大手エンターテインメント企業様: 大手エンターテインメント企業

大手エンターテインメント企業様:IP・事業データ活用基盤の構築支援

グループ全体で保有するIP・商品・⁠売上データをFabric上に集約・⁠整理し、Power BIで可視化しました。属人化していたIP紐づけ業務に対して、生成AIを活用した自動化の検証も行いました。

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エネルギー・インフラ企業様: エネルギー・⁠インフラ企業

エネルギー・⁠インフラ企業様:AI活用を前提としたFabric全社統合データ基盤

OneLakeを中心としたデータ統合に加え、Microsoft Purviewによるガバナンス設計や、Capacityを考慮したコスト・⁠性能設計を行いました。段階的なPoCや構想策定を通じて、AI Readyなデータプラットフォームの実現を目指しました。

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流通・サービス企業様: 流通・⁠サービス企業

流通・⁠サービス企業様:Fabric × GitHub連携によるデータ運用高度化

GitHubを活用したCI/CD基盤の整備やドキュメント自動生成で、手作業によるリリース・⁠運用負荷を削減しました。中長期的にはFabricへの段階移行とメダリオンアーキテクチャの導入を見据えています。

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BizOpsマネージドサービス: サービス

BizOpsマネージドサービス:Fabric/Azure Databricks基盤の伴走支援

データ活用基盤の構築から導入後の運用管理、ビジネス部門とIT部門をつなぐBizOps支援までをワンストップで提供します。独自のAIエージェント技術を組み込み、データ分析業務の自動化と意思決定の迅速化を支援します。

お知らせを見る →

Fabric IQのオントロジー、Data Agent、Microsoft Foundryを接続する構成は、当社の技術ブログで手順と挙動を公開しています。技術解説

10/想定ROI

削減工数の試算:データの問い合わせ、定義の突合、AIの回答修正

業務の意味を一度定義し、レポートとAIエージェントで共有した場合の差を、業務別に試算します。

対象業務
試算の前提
削減工数(月間)
データの問い合わせ対応
業務部門からデータ担当への集計・⁠抽出の依頼が月60件、1件1.5時間(計90時間)。Data Agentで業務部門が自ら問い合わせ、担当者の対応は月20件に
約60時間
指標の定義の確認・⁠突合
部署間で数値の定義を確認・⁠突合する作業が月20時間。指標をセマンティックモデルとオントロジーで共通化し、月8時間に
約12時間
AIの回答修正
AIの回答月300件のうち、定義や結合の誤りで修正が必要な30件、1件30分(計15時間)。誤りを10件に
約10時間
合計
上記3業務の合計
約82時間

件数と所要時間は、試算のための仮の値です。

実際の削減幅は、セマンティックモデルの整備状況、対象業務、データの品質で決まります。当社は、最初の業務で現行の問い合わせ件数と突合の工数を測り、オントロジーの範囲を決めたうえで広げます。

11/活用シーン

製造・⁠小売・⁠物流・⁠エネルギー・⁠経営管理・⁠人事での活用イメージと適性

01

製造:需給・⁠在庫の判断

製品、拠点、在庫、受注の関係を定義し、需給と在庫の状況を業務の言葉で問い合わせます。属人化した判断の解消につなげます。

02

小売:売上・⁠利益率・⁠返品の分析

店舗、商品、顧客、取引を定義し、売上、利益率、返品率の問いに、共通の指標で答えます。

03

物流:出荷とコールドチェーン

注文、出荷、ルート、センサーの関係をたどり、遅延や温度逸脱の原因を説明します。Operations Agentによる監視にもつなげます。

04

エネルギー・⁠インフラ:設備と運用

設備、拠点、点検、イベントを全社で同じ定義にし、部門をまたぐ設備の状況を把握します。

05

経営管理:KPIと予実

経営指標と現場データを同じ定義で結び、予算と実績の比較や、指標の変動の理由を問い合わせます。

06

人事・⁠組織:評価とスキル

社員、評価、スキル、プロジェクトの関係を定義し、評価の根拠や配置の検討に使います。当社の技術解説では、エンジニアの評価データを題材に検証しています。

Fabric IQ導入の適性チェック

適合する顧客
  • Microsoft FabricやPower BIで、データとセマンティックモデルを整備している
  • 部署ごとに指標や用語の定義が異なり、数字が揃わない
  • AIエージェントに、データに基づく回答や判断を任せたい
  • 複数のデータソースをまたぐ問いに、すぐ答えたい
  • Microsoft 365 CopilotやFoundryから、Fabricのデータを使いたい
適合しにくい顧客
  • 分析対象のデータが、まだどこにも集約されていない
  • AIに答えさせたい業務の問いが決まっていない
  • 定義を確認・⁠承認する業務担当者を置けない
  • Microsoft Fabric以外の基盤だけで完結させたい

導入検討のDiscovery質問

→ AIに答えさせたい業務の問いは、どのようなものですか。
→ Microsoft FabricやPower BIで、どのデータとセマンティックモデルを整備していますか。
→ 部署によって定義の異なる指標や用語はありますか。
→ 利用者が使うAIアプリは、Microsoft 365 Copilot、Copilot Studio、Foundryのどれですか。
→ AIからのデータ利用で、読み取りだけでなく書き込みも必要ですか。
→ 定義を確認・⁠承認できる業務担当者を、どの範囲で置けますか。

12/他の手段との違い

セマンティックモデルのみ・RAG・データカタログ・Text-to-SQL・Fabric IQの単体構築との違いと使い分け

手段
主にできること
当社のFabric IQ支援での扱い
セマンティックモデルのみ
分析向けにテーブル、リレーション、メジャーを定義する
セマンティックモデルを土台にオントロジーを生成し、ルールや部門をまたぐ関係を加えて、AIエージェントが使える形にします。
RAG(文書検索)
規程やマニュアルなどの文書を検索して回答する
RAGは文書、Fabric IQはデータの意味を扱います。文書はFoundry IQやRAGで、データはFabric IQで扱うよう、問いに応じて組み合わせます。
データカタログ・⁠用語集
データの所在と用語の定義を揃える
用語に加えて、関係、ルール、指標を実データに結び付け、AIが参照できる形にします。既存のカタログは入力として活かします。
Text-to-SQL
自然言語からSQLを生成してデータを照会する
スキーマだけに頼らず、オントロジーの定義を根拠にします。決まった照会は検証済みのSQLを呼ぶ経路に分けます。
Fabric IQの機能の単体構築
オントロジーやData Agentを作成する
前提となるデータ整備、業務知識の構造化、AIエージェントとの接続経路、権限と運用までを一体で設計します。

13/ガバナンス

Fabric IQの統制設計:定義の承認・⁠版・⁠データ権限・⁠エージェント権限・⁠記録

業務の意味を共有するほど、定義の誤りや権限の設定は多くのエージェントに影響します。定義、データ、エージェントの3つを分けて統制します。

統制 1 定義の承認 AIが生成した定義の候補と、業務担当者が承認した定義を区別し、承認した定義だけをエージェントに使わせます。
統制 2 版と変更管理 オントロジーの名前空間と版を管理し、GitHubと連携したCI/CDで、定義の変更を確認してから反映します。
統制 3 データの権限 Fabricのワークスペースとアイテムの権限、Microsoft Purviewによるデータの分類と保護を、オントロジー経由の利用にも引き継ぎます。
統制 4 エージェントの権限 Microsoft Entra IDによる認証と、エージェントごとに使えるData Agentと経路を決め、読み取りと書き込みを分けます。
統制 5 容量とコスト Fabricの容量(Capacity)と利用量を見ながら、問い合わせの量と応答時間、コストのバランスを設計します。
統制 6 記録と改善 問いと回答、失敗した問い、人による修正を記録し、定義とデータの改善に戻します。Microsoft Agent 365と組み合わせます。

Fabric IQの各アイテムの提供状態(プレビュー・⁠一般提供)は、Microsoftの更新に従って変わります。導入時に最新の情報で確認し、構成を決めます。

14/はじめ方

スタートプラン:HWS Agent Campで、Fabric IQを使うエージェントを2日間で試作

HWS Agent Campは、生成AIの活用・⁠内製化を目指す企業向けに、専門エンジニアが伴走する2日間の集中ハッカソンです。約2週間の事前準備のうえで、本格的なプロトタイプを構築します。既存のセマンティックモデルを題材に、オントロジーとData Agentを作り、業務の問いへの回答を確かめられます。

Fabricの利用イメージから確かめたい場合は、実業務のデータと実シナリオでエンドツーエンドの分析を体験するMicrosoft Fabricハンズオンワークショップもご用意しています。

HWS Agent Camp
STEP 1事前準備(約2週間)業務の問い、対象のセマンティックモデルとデータ、利用するAIアプリ、権限の制約を整理します。
STEP 22日間の集中開発顧客側のエンジニア・⁠業務担当者と専門家が共同で、オントロジー、Data Agent、エージェントのプロトタイプを構築します。
STEP 3評価・展開計画回答の正しさと失敗した問いを確かめ、接続経路、権限、オントロジーの拡張範囲を決めます。

15/当社について

認定バッジ

Microsoft Azure の AI Platform/Agentic DevOps Specialization取得

ヘッドウォータースは「Microsoft Solutions Partner for Digital & App Innovation(Azure)」の認定に加え、上位資格である「AI Platform on Microsoft Azure」「Agentic DevOps with Microsoft Azure and GitHub」の2領域のSpecializationを取得しています。厳格な技術要件と導入実績を満たしたパートナーのみに付与される称号で、2領域の同時取得は国内でも限られています。

認定バッジ

Microsoft AI Innovation Partner of the Year 2024 受賞

「AI イノベーション パートナー オブ ザ イヤー アワード」は、マイクロソフト製品の活用によってAI分野で革新を起こしたパートナーに贈られるアワードとして2024年に新設され、ヘッドウォータースは同分野において最も優れた実績をあげたとの評価を受け、初代受賞パートナーとなりました。

16/関連ソリューション

Microsoft Fabricソリューション

Fabricの導入からFabric IQの活用まで

Microsoft Fabricソリューション. Microsoft Fabricの導入伴走から、Fabric IQによるオントロジーとData Agentの活用、ガバナンス設計までを支援します。

オントロジー構築・活用支援

業務の意味モデルを設計・⁠実装

オントロジー構築・⁠活用支援. 会話・⁠文書・⁠業務データから判断基準や例外を構造化し、Fabric IQやDatabricksに実装します。

SyncLect Agent Garden

会議の判断を、業務担当者が育てる

SyncLect Agent Garden. Teams会議や業務資料から、オントロジーとスキルの候補を抽出し、企業固有のAIエージェントへつなぎます。

SyncLect Silver Data Coordinator

業務ファイルを共通のデータ資産に

SyncLect Silver Data Coordinator. 企業内の多様な業務ファイルを、複数のAIエージェントで再利用できるSilverデータとして継続供給します。

BizOpsマネージドサービス

データ基盤の運用と活用定着

BizOpsマネージドサービス. Microsoft Fabric/Azure Databricks基盤の構築から運用管理、BizOps支援までをワンストップで提供します。

コンテキストエンジニアリング

AIに渡す文脈の設計・⁠供給・⁠統制

コンテキストエンジニアリング. AIに渡す動的な文脈の設計・⁠供給・⁠統制・⁠改善を、支援領域ごとに提供します。

X-Tech FDE

現場に入り込み、実装まで伴走

X-Tech FDE. 業務ヒアリング、暗黙知の抽出設計、AI-Ready化のチューニング、本番実装に向けた基盤構築までを支援します。

HWS Agent Camp

最初の1業務を2日間で試作

HWS Agent Camp. 専門エンジニアが伴走する2日間の集中ハッカソン。約2週間の事前準備のうえで、プロトタイプを構築します。

17/よくあるご質問

Q. Fabric IQ(ファブリックIQ)とは何ですか。 A. Microsoft Fabricのデータを業務の言葉に引き上げ、人とAIエージェントが同じ意味でデータを解釈できるようにする、Microsoft IQの機能群です。OneLake、Power BIセマンティックモデル、オントロジーの3つの層で構成されます。
Q. Fabric IQとオントロジーはどう違いますか。 A. オントロジーは、Fabric IQの中核となるアイテムの一つで、業務の概念、関係、ルール、指標を定義して実データに結び付けます。Fabric IQは、オントロジーにセマンティックモデル、Graph、Data Agent、Operations Agent、Planningなどを加えた全体を指します。オントロジーそのものの設計は、オントロジー構築・活用支援で詳しく紹介しています。
Q. Power BIのセマンティックモデルは、そのまま使えますか。 A. 本番で使っているセマンティックモデルから、オントロジーを生成できます。計算列やメジャーも指標として引き継げるため、既存の定義を活かして始められます。
Q. Data Agentとは何ですか。 A. Fabricのデータに接続し、特定の領域の自然言語の質問に答える仮想のアナリストです。セマンティックモデルやオントロジーを根拠にし、Microsoft 365、Microsoft Foundry、Copilot Studioなどから利用できます。
Q. Microsoft FoundryやCopilot Studioから使えますか。 A. 使えます。FoundryのエージェントにFabric IQをツールとして登録する方法や、Data Agentを呼び出す方法があります。当社は、問いの種類と権限に応じて経路を使い分ける構成を設計します。
Q. Foundry IQやWork IQとは何が違いますか。 A. いずれもMicrosoft IQを構成する機能です。Fabric IQは業務のエンティティとデータ、Foundry IQは規程や正式な文書、Work IQは従業員の働き方の文脈を提供します。問いに応じて組み合わせて使います。
Q. RAGを導入していても、Fabric IQは必要ですか。 A. RAGは文書の検索に向き、Fabric IQはデータの意味を扱います。売上や在庫など、データに基づく問いや判断をAIに任せる場合に、Fabric IQで定義を揃えると回答の揺れを抑えられます。
Q. Fabric IQはすべて一般提供されていますか。 A. 機能ごとに提供状態が異なり、オントロジーなど一部はプレビューです。提供状態はMicrosoftの更新に従って変わるため、導入時に最新の情報で確認して構成を決めます。
Q. データ基盤が整っていなくても始められますか。 A. Fabric IQは、統合されたデータ基盤を前提にします。データが分散している場合は、OneLakeへの集約とセマンティックモデルの整備から始めます。
Q. データにない業務の判断や例外も扱えますか。 A. SyncLect Data Intelligenceで、会話や文書から判断基準、例外処理、関係性を抽出し、オントロジーの設計に加えます。
Q. 何から始めればよいですか。 A. AIに答えさせたい業務の問いを1つ決め、必要なデータとセマンティックモデルを確認します。短期間で試作したい場合は、2日間のHWS Agent Campをご利用いただけます。
Q. 効果はどのように測りますか。 A. 最初の業務で、現行の問い合わせ件数、定義の突合の工数、AIの回答修正の件数を測り、導入後と比べます。一律の削減率や回収期間は、事前にお約束しません。

Fabric IQによる業務の意味づけ・AIエージェント接続のご相談

データ基盤の整備、セマンティックモデルとオントロジーの設計、Data AgentとMicrosoft Foundryの接続、権限と運用の設計まで、貴社の環境に合わせてご提案します。

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