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2026.10.16 Microsoft-Decision-1を活用した企業の業務判断のAI化に着手~判断工数・処理時間・AI利用コストの最適化に向け、Microsoft Foundry上での実装知見を「判断アセット」として蓄積~
AIプラットフォーム事業を手がける株式会社ヘッドウォータース(本社:東京都新宿区、代表取締役:篠田 庸介、以下「ヘッドウォータース」)と株式会社ヘッドウォータースコンサルティング(本社:東京都新宿区、代表取締役:加藤 健司、以下「ヘッドウォータースコンサルティング」)は、Microsoftが提供する判断特化型AIモデル「Microsoft-Decision-1」を活用し、企業の業務プロセスで繰り返し発生する分類、振り分け、優先順位付け、採否などの判断業務をAI化する取り組みに着手します。
本取り組みでは、企業固有の判断基準の構造化、Microsoft-Decision-1による判断、AIエージェントや業務システムによる処理実行を一体的に支援します。これにより、判断工数や処理時間、AI利用コストを含む業務プロセス全体の最適化を図ります。
また、Microsoft Foundry上での実装を通じて得た知見を、再利用可能な「判断アセット」として蓄積し、他の顧客や業務への展開につなげていきます。
■市場背景:Jevを契機に注目される判断特化型AIモデル
生成AIの活用範囲は、文章や画像の生成から、情報検索、分析、業務システムの操作へと広がっています。複数のAIエージェントが一連の業務を遂行するケースも増える一方、その過程では、依頼内容の分類、モデルやツールの選択、生成結果の採否、処理の継続・停止、人への確認など、多数の判断が必要です。
これらの判断を人が一件ずつ担えば、AIが処理する業務量の拡大に伴って、確認・承認作業が新たなボトルネックとなります。反対に、すべての判断を高性能なLLMへ委ねた場合には、判断回数に応じた処理時間やAI利用コストの増加が課題となります。
こうした背景から、自由な文章を生成することではなく、定義された選択肢に対する分類、評価、優先順位付けなどに特化した「判断特化型AIモデル」が、新たなAIモデルのカテゴリーとして注目されています。
先行して登場したTypeSafe AIの「Jev」(※1)は、AIエージェントのルーティング、ランキング、再試行、エスカレーションなどの判断を担うモデルとして、この領域への関心を高めました。
さらに、Microsoftが「Microsoft-Decision-1」(※2)をMicrosoft Foundryから提供したことで、判断特化型AIモデルを既存のAzure環境やAIエージェントへ組み込む選択肢が広がっています。
※1 System One Models と Jev - TypeSafe AI ブログの紹介
※2 Microsoft-Decision-1:迅速な意思決定のためのモデル
両社は、今後のエンタープライズAIでは、すべての処理を単一のLLMへ任せるのではなく、生成モデル、判断モデル、ルール、人を用途やリスクに応じて組み合わせることが重要になると考え、本取り組みに着手しました。
■Microsoft-Decision-1とMicrosoft Foundryについて
・Microsoft-Decision-1の特徴
Microsoft-Decision-1は、あらかじめ定義された選択肢を評価し、判断結果を確率とともに返す判断特化型AIモデルです。自由形式の文章や判断理由を生成するLLMとは異なり、テキストまたはJSONに対する判断結果を、ソフトウェアが利用しやすい数値形式で返します。
この特徴により、分類、ルーティング、優先順位付け、AI出力の評価、利用するモデル・ツール・AIエージェントの選択などに活用できます。例えば、判断結果の確率が一定の基準を上回った場合は処理を継続し、確信度が低い場合は別のAIや担当者へ確認を求めるといった制御が可能です。
・Microsoft Foundryによる企業向け利用環境
Microsoft-Decision-1はMicrosoft Foundryから利用でき、Microsoft Entra IDによる認証が推奨されています。モデルのデプロイや管理にはAzure RBACによるアクセス権限を利用できるため、企業のID・権限管理と組み合わせた構成を検討できます。
生成AIやAIエージェントの利用が拡大するなか、機密情報や業務データの取り扱い、アクセス管理、利用状況の把握など、セキュリティ・ガバナンスの重要性も高まっています。
両社は、顧客のセキュリティポリシーやデータ要件を踏まえ、認証、権限、ネットワーク、ログ監視などを設計し、Microsoft-Decision-1を既存のAzure環境やAIエージェント、業務システムへ組み込む構成を支援します。企業での利用にあたっては、対象となるデータや接続先、利用者の権限、ネットワーク、ログ、利用リージョンなど、顧客ごとの要件に応じた設計・運用を行います。
ただし、モデルを利用できる環境を整えるだけでは、企業固有の業務判断を再現できません。判断基準や選択肢、例外条件を整理し、その結果を実際の業務プロセスへつなぐ仕組みが必要です。
■ヘッドウォータースとヘッドウォータースコンサルティングによる業務実装
企業の業務判断には、社内規定や過去事例、現場で蓄積された経験、顧客ごとの条件など、企業固有の知識が反映されています。
両社は、これらの知識を判断基準、優先順位、選択肢、例外条件として整理し、Microsoft-Decision-1による判断から実際の業務処理までを接続します。判断基準の構造化から判断、業務実行までを担う構成要素は、次のとおりです。
| 役割 | 構成要素 | 内容 |
|---|---|---|
| 判断基準を整える | SyncLect Data Intelligence | 判断基準、優先順位、選択肢、例外条件をAIが利用できる形に構造化 |
| 判断する | Microsoft-Decision-1 | 定義された選択肢を評価し、次の処理や人への確認を選択 |
| 業務を実行する | Agentic Work Flow | 判断結果に基づき、AIエージェントや業務システムが処理を実行 |
この構成では、低リスクで反復的な判断をAIが担う一方、確信度が低い場合、例外に該当する場合、企業が人の承認を必要と定める場合には、担当者へ処理を引き継ぎます。
Human in the Loopを一律になくすのではなく、人が介在すべき条件をあらかじめ明確にすることで、人は判断基準の設計、例外への対応、業務全体の監督といった役割に集中できます。
今回の取り組みでは、約3万件のタスク実行および回答を対象とした評価で正答率99%を達成した既存の「Agentic Work Flow」に、Microsoft-Decision-1による判断を新たに組み込みます。なお、正答率99%は「Agentic Work Flow」単体の既存実績であり、Microsoft-Decision-1を組み込んだ構成全体の実績を示すものではありません。
■顧客提供価値
Microsoft-Decision-1を企業の業務プロセスへ組み込むことで、個別作業の効率化にとどまらず、業務全体の処理能力向上を目指します。
| 顧客提供価値 | 価値につながる仕組み |
|---|---|
| 確認・承認工数の削減 | 採否、振り分け、優先順位付けなどの定型的な判断をAIが支援し、人による確認が必要な案件を絞り込む |
| 業務完了までの時間短縮 | 判断結果を次の処理へ接続し、承認待ちや担当者への振り分け待ちを削減する |
| 判断品質の安定化 | 共通の判断基準を継続して適用することで、担当者ごとの判断のばらつきを抑える |
| AI利用コストの最適化 | Microsoft-Decision-1、生成モデル、ルール、人を用途に応じて使い分け、ワークフロー全体のコストを最適化する |
| AI活用の拡張性向上 | AIエージェントや処理件数の増加に対応できる運用構造を構築し、追加人員や運用負荷を抑えながら適用業務を拡大する |
具体的な削減効果や投資回収期間については、対象業務の処理件数、現在の判断工数、例外の発生状況、求める品質水準などをもとに、顧客ごとに算定します。
こうした顧客提供価値を他の業務へ展開するため、実装を通じて得た知見を「判断アセット」として蓄積します。
■再利用可能な「判断アセット」の蓄積
判断アセットとは、判断特化型AIモデルを企業業務へ実装する過程で得られる、再利用可能な知見や実装要素です。
主に、次の内容を含みます。
・企業固有の判断基準を構造化する方法
・判断品質や業務効果を把握するための評価指標
・Human in the Loopへ切り替える条件
・AIエージェントや業務システムと接続するワークフロー部品
・セキュリティ・ガバナンス・監査設計
・判断ログを活用した評価・改善方法
案件ごとに得られた知見を蓄積・再利用することで、顧客や対象業務が変わるたびにすべてをゼロから設計するのではなく、共通の実装・評価方法を個別の業務要件に合わせて適用できるようになります。
これにより、導入期間の短縮と品質の標準化を図り、他業務への展開を促進します。導入後も判断ログを活用し、判断基準、Human in the Loopへの切り替え条件、ワークフローを継続的に評価・監視することで、運用実態に即した改善へつなげます。
■今後の事業展開
ヘッドウォータースとヘッドウォータースコンサルティングは、蓄積した判断アセットをもとに、金融、製造、モビリティ、流通、エネルギー、インフラ、公共など、大量の業務判断や現場判断が発生するエンタープライズ企業への提案を進めます。
企業ごとに、人が最終的に担うべき判断とAIへ移管できる判断を整理し、Microsoft Foundry上で安全性と運用性を考慮した実装を支援します。これにより、AIエージェントの処理能力を高めるとともに、企業における安全かつ継続的なAI活用に貢献してまいります。
以上
■参考情報
・Microsoft Learn「Microsoft FoundryでMicrosoft-Decision-1をデプロイして使用する」
・ヘッドウォータース「Agentic Work Flow 正答率99%」
・ヘッドウォータース「SyncLect Data Intelligence」
■商標について
記載されている会社名、製品名、サービス名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
■会社情報
会社名:株式会社ヘッドウォータース
所在地:〒163-1304 東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー4階
代表者:代表取締役 篠田 庸介
設 立:2005年11月
URL:https://www.headwaters.co.jp/
会社名:株式会社ヘッドウォータースコンサルティング
所在地:〒163-1304 東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー4階
代表者:代表取締役 加藤 健司
設 立:2022年2月
URL:https://consulting.headwaters.co.jp
■本件のお問い合わせ先
株式会社ヘッドウォータース
お問い合わせフォーム:https://prod.headwaters.co.jp/contact/
