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Foundry IQ
AIエージェントのための社内ナレッジ基盤の構築と活用支援

Foundry IQは、Microsoft Foundryに含まれる、AIエージェントが社内の文書やデータを根拠に回答するための仕組みです。提供元はMicrosoft社で、当社は情報源の整理、検索の設計・構築、権限の設計、回答品質の評価と運用、業務への組み込みまでを担います。

01/Foundry IQとは

Foundry IQとは:複数のAIエージェントが共通で使う社内ナレッジベース

Foundry IQ(ファウンドリーIQ)は、社内の規程・マニュアル・報告書などの文書やデータをまとめて「ナレッジベース」にし、AIエージェントが質問に答えるときの根拠として使えるようにする、Microsoftの仕組みです。AIエージェントとは、人の指示を受けて、必要な情報を調べたり、システムを操作したりしながら業務を進めるAIのことです。AIは一般的な知識は持っていても、自社の規程や商品の情報は知りません。そこで、社内の情報を探してからAIに回答させる方法をRAG(検索拡張生成)と呼びます。

これまでのRAGは、AIのアプリごとに、文書の取り込み、検索の仕組み、閲覧権限の扱いを個別に作る必要がありました。Foundry IQでは、ナレッジベースを一度作れば、複数のAIエージェントが同じ知識を共有して使えます。質問の内容に応じてAI自身が探し方を考え、複数の情報源を調べ、出典を付けて答えを返します(エージェント型検索、Agentic Retrieval)。Microsoft FoundryのAIエージェントのほか、MCP(AIと外部の道具をつなぐ共通の規格)に対応した他のツールからも使えます。

これまでのRAGとFoundry IQの違い
これまで:アプリごとに個別に作る
社内規程の文書 商品マニュアル 問い合わせ履歴
→
総務AI(専用の検索) 営業AI(専用の検索) 窓口AI(専用の検索)
取り込みと権限の設定がアプリの数だけ必要になり、回答の質もばらつきます。
Foundry IQ:共通のナレッジベースを使う
文書 データ Web
→ ナレッジベース →
総務AI 営業AI 窓口AI
一度整えた知識を複数のAIで使い回し、権限と出典の扱いも揃えられます。
Microsoft公式ブログ・⁠Microsoft Learnの記載をもとに作図
Foundry IQを使うメリット
一度作って使い回せる ナレッジベースを一度整えれば、総務・営業・窓口など複数のAIエージェントで同じ知識を共有できます。
根拠を示して答える 回答に出典が付くため、利用者が元の文書を開いて確かめられます。
見てよい人にだけ見せる 利用者本人の権限で結果を絞り込めるため、閲覧権限のない文書が回答に混ざるのを防げます。
複数の場所をまとめて探せる ファイル保管場所、社内のデータ、Webなど、置き場所の違う情報を1回の質問で調べられます。
表や図を含む資料も読める 取り込み時に文書の構成を読み取り、表やグラフを含む資料からも答えを探せます。
他のAIツールからも使える MCPという共通の規格で公開でき、Microsoft以外のAIツールからも同じ知識を参照できます。

02/注目される背景

AIエージェントの本番利用:社内の知識を正しく、安全に渡す基盤の必要性

AIの使い方が、文章の作成や単純な検索から、社内の情報をもとに業務を進めるAIエージェントへ広がっています。試作の段階では動いても、本番で使うには、答えの根拠を示せること、社員ごとの閲覧権限を守ること、情報源が増えても品質を保つことが求められます。部門ごとにAIを作ると、同じ文書の取り込みや権限の設定を何度も作ることになり、管理の手間と回答のばらつきが増えます。

Microsoftは2026年6月2日、Foundry IQのナレッジベースと主要な情報源(Azure Blob Storage、検索用の索引、Web、OneLake)、セキュリティ機能を一般提供(GA)とし、サービス品質の保証(SLA)の対象にしました。同時に、ナレッジベースをMCPで外部に公開する機能も一般提供となり、Microsoft以外のAIツールからも同じ知識を使えるようになっています。SharePointの取り込みの拡充、Work IQ・⁠Fabric IQ・⁠Azure SQLとの接続、権限の同期や機密ラベルへの対応の強化は、試験提供中の機能(プレビュー)として追加されています。

Microsoft Foundry Blog(2026年6月2日) ナレッジベースの一般提供 本番のAIエージェントを支える基盤として、安定した接続方法、各種の認証、ネットワークの分離を備えたと説明しています。Microsoftの評価では、1回だけ検索する従来のRAGと比べ、必要な情報を拾える割合が最大54%向上したとしています。
Microsoft Learn(2026年9月17日更新) AIエージェントとの接続方法 AIエージェントからナレッジベースを呼び出すと、質問を分けて検索し、関連の高い順に並べ替え、出典付きの回答をまとめると説明しています。利用者本人の認証情報を渡すことで、その人が閲覧できる文書だけに結果を絞れることも示しています。

03/仕組み

エージェント型検索(Agentic Retrieval)の流れ:質問から出典付きの回答まで

Foundry IQは、ナレッジソース(つなぐ情報源)と、それらを束ねるナレッジベースの2つでできています。AIエージェントが質問を受けると、ナレッジベースが次の手順で情報を集めます。1回の検索で終わらせず、足りなければ探し直す点が、従来のRAGとの大きな違いです。

検索の流れ
1質問を分ける複雑な質問を、調べるべき小さな問いに分けます
→
2複数の場所を同時に探す言葉の一致と意味の近さの両方で、各情報源を並行して検索します
→
3関連の高い順に並べ直す見つかった内容を、質問との関連の強さで並べ替えます
→
4出典付きでまとめる結果を自然な文章にまとめ、元の文書への参照を付けます
↻ 情報が足りなければ、探し方を変えて追加で検索する Microsoft Learnの記載をもとに作図。探す深さ(検索の推論レベル)は、速さと回答の質のバランスで選べます

情報源のつなぎ方は2種類あります。どちらを使うかは、情報の量、更新の頻度、権限の管理方法で決めます。

つなぎ方内容向いている情報
取り込んで索引を作るIndexed(インデックス型) 文書をあらかじめ取り込み、検索用の索引(インデックス)を作っておきます。取り込みから索引の作成までは自動で行われ、表や図の読み取りにも対応します。 社内規程、マニュアル、報告書など、量が多く、くり返し参照される文書
その都度、元の場所に問い合わせるRemote(リモート型) 情報を取り込まず、質問が来るたびに元のシステムやWebに問い合わせて結果を得ます。 Webの最新情報や、元のシステムで管理を続けたい情報

04/使いどころ

Microsoft IQの中での位置づけと、Foundry IQが向く業務

Microsoftは、AIエージェントに会社の文脈を渡す仕組みをMicrosoft IQとしてまとめています。Foundry IQは規程や正式な文書などの「知識」、Fabric IQは業務データとその意味、Work IQは社員の働き方の文脈を受け持ちます。それぞれ単独で使え、問いに応じて組み合わせます。

Foundry IQ 規程・文書などの知識 SharePoint、Azure Blob Storage、OneLake、Webなどの文書を、AIエージェントが根拠として使えるナレッジベースにします。
Fabric IQ 業務データとその意味 Microsoft Fabricのデータに、顧客・商品・取引などの業務の意味(オントロジー)を付けて、AIに渡します。
Work IQ 社員の働き方の文脈 メール、会議、ファイル、Teamsのやり取りから、社内でどう仕事が進んでいるかをAIに渡します。
Foundry IQが向く業務の例
社内規程・マニュアルへの問い合わせ 総務・人事・経理への定型の問い合わせに、規程を根拠に答えるAIエージェントを用意します。担当者は根拠の確認と例外対応に集中できます。
専門情報を自社サービスに組み込む 業界ニュースや技術資料などの専門情報を検索するAIを、顧客向けのSaaSや新しいサービスに組み込みます。
全社を横断した情報・人材の検索 SharePointの文書や社員のプロフィールなどを横断して探し、TeamsやCopilot Studioから使えるようにします。
複数のAIエージェントで知識を共有 部門ごとに作るAIエージェントが、同じナレッジベースを参照するようにし、回答の内容と品質を揃えます。

05/当社の支援内容

Foundry IQによるナレッジ基盤の設計・⁠構築から、評価・⁠運用と業務への組み込みまでの支援

当社は、Foundry IQを使って、企業の知識を業務で使われるAIサービスに変えるところまでを支援します。検索の仕組みを作るだけでなく、どの情報をAIに渡すか、誰に何を見せるか、回答の質をどう測るか、運用費をどう抑えるかを、構築と並行して決めます。

支援の流れ
支援 1情報源と使い道の整理対象業務、情報源、権限の棚卸し
→
支援 2・⁠3ナレッジ基盤と権限の構築取り込み・⁠検索の設計、閲覧権限の反映
→
支援 4業務・⁠サービスへの組み込みAIエージェント、Teams、自社サービス
→
支援 5・⁠6評価・⁠運用と知識の拡充精度測定、費用試算、業務知識の整備
伴走体制:X-Tech FDE(現場に入り込む実装支援)で、検証から本番化、改善までを貴社のチームと進めます。
支援 1 対象業務と情報源の整理 AIに任せる業務、使う文書とデータ、置き場所、閲覧権限、更新の頻度を棚卸しします。取り込む方式とリモートで問い合わせる方式の使い分けも、ここで決めます。
組み合わせるサービスコンテキストエンジニアリング
支援 2 ナレッジベースの設計・構築 情報源をつなぎ、表や図を含む資料の取り込み、検索の深さ、回答のまとめ方を設計します。表やグラフを含む資料でも答えを取り出せるかを、実際の文書で確かめます。
組み合わせるサービスMicrosoft Foundry Agentic RAG
支援 3 閲覧権限と機密情報の設計 Microsoft Entra IDと連携し、利用者ごとに見てよい文書だけを返す設定を行います。対応する情報源の範囲、試験提供中の機能を使うかどうか、機密ラベルの扱いを含めて判断します。
組み合わせるサービスMicrosoft Entra ID Microsoft Purview
支援 4 業務・サービスへの組み込み Microsoft FoundryのAIエージェント、Copilot StudioやTeams、自社のSaaSなど、使う場面に合わせて接続します。複数の情報源をまとめる全社横断検索の構成も設計します。
組み合わせるサービスCopilot Studio MCP
支援 5 回答品質の評価と運用 回答の正確さの測定と再評価、利用ログからの運用費の試算、稼働の監視、障害時の対応を行います。評価と改善を回す仕組みは、AgentOpsラボの知見を生かして整えます。
組み合わせるサービスAgentOpsラボ
支援 6 業務知識とデータの拡充 文書だけでは足りない判断基準や例外の扱いをSyncLect Data Intelligenceで整理し、業務データはFabric IQで意味を付けて、同じAIエージェントから参照できるようにします。
組み合わせるサービスSyncLect Data Intelligence Fabric IQ

06/特長

企業ナレッジ基盤の構成:業務知識・⁠データ・⁠権限・⁠運用との組み合わせ

当社は、Foundry IQを単独の検索の仕組みとしてではなく、利用者の窓口、AIエージェント、業務データ、権限の管理を含む企業のナレッジ基盤の一部として設計します。文書の検索に加えて、業務データや現場の判断基準も同じAIエージェントから参照できる構成にします。

構成イメージ
Users利用者の窓口 社員はTeamsやCopilot Studioから、お客様は自社のサービスやアプリから質問します。TeamsCopilot Studio自社SaaS
AgentsAIエージェント Microsoft Foundryのエージェントが、質問に応じてナレッジベースや業務システムを呼び出します。Foundry Agent ServiceMCP
Knowledgeナレッジ層 Foundry IQのナレッジベースが、複数の情報源を探し、権限に沿って出典付きの結果を返します。Foundry IQAzure AI Search
Context業務知識・データの意味 判断基準や例外はSyncLect Data Intelligenceで、業務データの意味はFabric IQで整え、知識として加えます。SyncLect Data IntelligenceFabric IQ
Sources情報源・権限 文書の保管場所、データ基盤、Webをつなぎ、Microsoft Entra IDで利用者ごとの権限を管理します。SharePointBlob StorageOneLakeSnowflake等Entra ID
顧客環境に合わせて構成
特長 1/3 構築と検証の知見 Foundry IQの公開直後から、ナレッジベースの作成、表やグラフを含む資料での回答、取り込みの仕組み、接続時のエラーと回避方法までを検証し、技術ブログで公開しています。
特長 2/3 使われるサービスまでつなぐ 検索の精度だけでなく、利用者による検証、本番化に向けた課題の整理、運用費の試算、保守まで見据えて設計します。
特長 3/3 知識・データ・権限・運用を組み合わせる Foundry IQ単体で終わらせず、業務知識の整理、データ基盤、権限管理、評価の仕組みと組み合わせた企業のナレッジ基盤として設計します。

07/取り組み事例

Foundry IQの構築検証と、ナレッジ検索・⁠RAGの取り組み

Foundry IQの公開直後から構築・動作の検証を行い、その知見をもとに、専門情報の検索、全社横断の検索などの支援を組み立ててきました。お客様名は伏せ、業種と取り組み内容で紹介します。

対象・⁠テーマ取り組み内容
当社(技術検証)Foundry IQ 当社の決算資料のPDFからナレッジソースとナレッジベースを作成し、Microsoft FoundryのAIエージェントにつないで、売上や従業員数の推移、資本業務提携の内容など、表やグラフを含む資料への質問と回答を確かめました。取り込みの方式の違いと仕組み、検索の内部の動き、エージェント接続時のエラーと回避方法も調べ、技術ブログで公開しています。
商社(専門情報の検索AI)Microsoft Foundry・RAG 専門紙のデータを検索するAIを、SaaSや新しいサービスに組み込む構想で、Foundry IQの検索方式の適用、初期の精度測定、再評価、本番化に向けた課題整理を提案しました。その後、RAGのPoCとして検証アプリの改善、2回目のPoCでの回答精度の検証、利用ログからの運用費の試算を行い、Azure上で動くMVP(最小限の機能で試せる版)の開発・改善と保守に進んでいます。
IT企業(全社横断検索)Foundry IQ(構成提案) 社員のプロフィールとSharePointなどの文書を横断して探す検索で、Foundry IQをナレッジ層に置く構成を設計しました。AIエージェントとCopilot Studio・Teamsへの接続、Entra IDによる利用者ごとの表示の絞り込み、Snowflakeとの連携の拡張、試験提供中の機能・運用費・運用体制のリスクまで整理しています。
決済関連の事業者Foundry IQ(PoC提案) Foundry IQを使ったPoCを、期間と費用を抑えた進め方とともに提案しました。当社内の検証結果を、提案の内容に反映しています。
航空関連企業・自動車関連企業勉強会・構想提案 Foundry IQの考え方と、エージェント型検索・従来のRAGとの違いを解説する勉強会を開き、資料と録画を共有しました。また、Work IQ・Fabric IQ・Foundry IQとSyncLect Data Intelligenceを組み合わせ、暗黙知・文書・業務データをAIへ渡す構想を提案資料にまとめています。
公開している関連の取り組み(社内情報を参照するAIの開発事例)
JR西日本様「Copilot for 駅員」
鉄道 × 社内規則の検索 JR西日本様「Copilot for 駅員」 駅員がお客様対応の際に、多くの営業規則や商品の中から必要な情報を探す時間を減らすため、LLM・RAGの技術を生かして生成AIアシスタントの開発を支援しています。
大和証券様「大和証券AIオペレーター」
金融 × AIオペレーター 大和証券様「大和証券AIオペレーター」 ログイン手続きやNISA関連などの電話のお問い合わせに応対するサービスで、当社はプライムベンダーとしてAIコアエージェントとアプリケーションを開発しました。
Agentic RAGの提供
自律的な検索 Agentic RAGの提供 AIがタスクに応じて、何を検索し、どう活用するかを自ら判断し、多段階で検索と推論を行うRAGの技術を提供しています。

08/顧客価値

探す時間・⁠回答のばらつき・⁠作り直しの解消と、役割別の効果

よくある課題Foundry IQでの対応得られる価値
規程やマニュアルを探すのに時間がかかる 複数の保管場所をまとめて探し、出典付きで答える 探す時間が減り、元の文書もすぐ確認できる
部門ごとにAIを作り、回答がばらつく 共通のナレッジベースを複数のAIエージェントで使う 同じ質問には同じ根拠で答えられる
AIが見せてはいけない文書を答えないか不安 利用者本人の権限で検索結果を絞り込む 情報管理の方針を守ったまま、AIを全社に広げられる
表や図の多い資料が検索で拾えない 取り込み時に文書の構成を読み取り、表や図も検索対象にする 技術資料や決算資料でも答えが得られる
AIを増やすたびに検索の仕組みを作り直す ナレッジベースをMCPで公開し、他のAIツールからも使う 新しいAIの立ち上げが早くなる
経営層・DX企画 部門ごとの個別開発を減らし、全社で使える知識の基盤に投資を集中できます。
業務部門 規程や手順の問い合わせ対応が減り、根拠付きの回答で判断が早くなります。
情報システム部門 取り込み、権限、監視を1つの基盤で管理でき、AIごとの保守が減ります。
新規事業・サービス企画 自社の専門情報を、AIを組み込んだサービスとして顧客に提供する道が開けます。

09/業界ユースケース

情報サービス・⁠金融・⁠製造・⁠コンタクトセンターでの活用例と、向いている企業

業界つなぐ情報業務での使い道
情報サービス・メディア 記事・専門紙・調査レポート 専門情報を検索するAIを、顧客向けSaaSや新サービスに組み込む
金融・保険 商品資料、規程、手続きマニュアル 窓口・コールセンターの回答支援。根拠となる規程を示して回答
製造 技術資料、設計書、品質記録、図面 過去の不具合や設計判断の検索。表や図を含む資料からの回答
コンタクトセンター FAQ、応対履歴、マニュアル 引用付きの回答案の提示、複数の情報源の再利用、権限を守った回答
IT・サービス 社員プロフィール、SharePointの文書、社内データ 全社横断の情報・人材検索。Teams・Copilot Studioから利用
全業種(管理部門) 就業規則、経費規程、社内手続き 総務・人事・経理への定型の問い合わせに、規程を根拠に回答
向いている企業 ・規程やマニュアルなど、社内の文書が多く、探す時間がかかっている・部門ごとにAIエージェントを作る計画がある・Microsoft 365やAzureを使っており、権限管理をEntra IDで行っている・自社の専門情報を、AIを組み込んだサービスとして提供したい
別の方法が合う場合 ・対象の文書が少なく、Microsoft 365 Copilotなどの標準機能で足りている・使う文書がまだ整理されておらず、まず置き場所と権限の整理が必要(この場合は整理から支援します)・数値の集計や分析が主な目的(この場合はFabric IQやデータ基盤の整備が先になります)
最初の打ち合わせで伺うこと
Q. AIに答えさせたい問い合わせや業務は何ですかQ. 使う文書とデータは、どこに、どれくらいありますかQ. 文書の閲覧権限は、どのように管理していますかQ. AIを使う人は社員ですか、お客様ですかQ. 回答の正確さを、何で判断しますかQ. Microsoft FoundryやCopilot Studioの利用状況はどうですか

10/想定ROI

社内の情報探しと、AIごとの検索の作り込みの削減試算

社員1,000名のうち300名が規程やマニュアルを日常的に調べ、部門ごとに3つのAIエージェントを作る計画がある企業を想定した試算です。共通のナレッジベースで、情報を探す時間と、AIごとに検索を作る手間を減らします。

作業現状(前提)導入後削減
規程・マニュアルを探す時間 300名 × 月4時間 = 年14,400時間 根拠付きの回答で、年5,800時間 ▲60%
管理部門への定型の問い合わせ対応 月600件 × 10分 = 年1,200時間 AIが一次回答し、年480時間 ▲60%
AIごとの検索の作り込み 3件 × 240時間 = 720時間 共通のナレッジベースで、3件 × 80時間 = 240時間 ▲67%
文書の更新と権限設定の保守 AIごとに月10時間 × 3 = 年360時間 1つの基盤で、年120時間 ▲67%

実際の効果は、PoCで現行の工数と回答の正確さを測って算出します。

11/他の手段との違い

個別のRAG・⁠Copilotの標準機能・⁠Azure AI Search単体との比較

方法特徴選ぶときの目安
アプリごとに作るRAG 用途に合わせて自由に作れる。取り込み・検索・権限をアプリごとに実装する AIが1つで、要件が特殊な場合に。AIが増える計画なら、作り直しと保守が増える
Microsoft 365 Copilot・Copilot Studioの標準のナレッジ 設定だけで社内の文書を参照できる。Microsoft 365の権限をそのまま使える 社員がMicrosoft 365の中で使う用途に。自社サービスへの組み込みや細かな検索設計には向きにくい
Azure AI Searchを直接使って作り込む 検索の細部まで調整できる。Foundry IQの土台となる検索サービス 検索の専門知識があり、独自の要件が多い場合に
Foundry IQ ナレッジベースを複数のAIで共有。エージェント型検索、出典、権限の絞り込み、MCPでの公開を備える 複数のAIエージェントや自社サービスで、同じ知識を安全に使い回したい場合に

12/ガバナンス

閲覧権限・⁠機密情報・⁠回答品質の管理と運用ルール

社内の知識をAIに渡すときは、見せてよい人にだけ見せること、答えの根拠を残すことが前提になります。文書ごとの権限の反映は、対応する情報源と明示的な設定が必要で、自動ですべてに適用されるわけではありません。当社は、情報源ごとに権限の扱いを確認し、運用のルールまで決めます。

利用者ごとの閲覧権限 Microsoft Entra IDの認証情報を使い、その人が見てよい文書だけを返します。情報源ごとに対応の範囲を確認して設定します。
機密情報の扱い Microsoft Purviewの機密ラベルとの連携は試験提供中の機能を含むため、利用の可否と代わりの対策を事前に決めます。
出典と記録 回答の出典と検索の記録を残し、誤りがあったときに、どの文書を根拠にしたかを追えるようにします。
試験提供中の機能の扱い 一般提供と試験提供中の機能を分け、本番で使う範囲を決めます。試験提供中の機能はサービス品質の保証の対象外です。
回答品質の評価 業務ごとに評価用の質問と正解を用意し、精度を定期的に測ります。文書の更新後にも再評価します。
AIエージェントの統制 どのAIがどのナレッジベースを使えるかを決め、AIガバナンスの方針やAgent 365による登録・権限の管理と合わせて運用します。

13/当社について

Microsoftの認定パートナーとしてのAIエージェント・⁠RAG開発支援

Microsoft AI Innovation Partner of the Year 2024 マイクロソフト製品の活用でAI分野に革新を起こしたパートナーに贈られる賞の初代受賞パートナーです(受賞のお知らせ)。
Microsoftの上位パートナー認定 「Microsoft Solutions Partner for Digital & App Innovation(Azure)」に加え、上位資格の「AI Platform on Microsoft Azure」「Agentic DevOps with Microsoft Azure and GitHub」を取得しています(認定のお知らせ)。
社内の知識を参照するAIの開発 RAG、Agentic RAG、Microsoft FoundryでのAIエージェント開発、評価・運用を担うAgentOpsラボを提供しています。
業務知識をAIにつなぐ独自サービス SyncLect Data Intelligence(判断基準や暗黙知の構造化)、SyncLect Silver Data Coordinator(業務文書をAIで再利用できる形に整える)を提供しています。

14/はじめ方

現状整理からPoC・⁠本番化までの5ステップのスタートプラン

最初から全社の文書をつなぐのではなく、問い合わせの多い1つの業務で、つなぐ情報源と評価の基準を決めて試します。回答の正確さと運用費を測ってから、本番化と対象の拡大を判断します。

1
STEP 1 現状の整理 AIに任せたい問い合わせや業務、使う文書とデータの置き場所、閲覧権限、現在の対応時間を整理します。ROI試算の前提となる現行の工数もここで測ります。
2
STEP 2 対象業務と評価基準の決定 問い合わせの多い1つの業務を選び、評価用の質問と正解、合格の基準を決めます。試験提供中の機能を使うかどうかも判断します。
3
STEP 3 PoCの構築と精度測定 ナレッジベースを構築してAIエージェントにつなぎ、精度を測ります。結果をもとに取り込みと検索の設定を見直し、再評価します。
4
STEP 4 本番化の準備 権限、監視、運用費、障害時の対応、文書の更新手順を決めます。利用ログから運用費を試算し、本番の構成を確定します。
5
STEP 5 本番化と対象の拡大 本番で使い始め、ほかの業務やAIエージェントへ同じナレッジベースを広げます。X-Tech FDEで現場に入り込んで伴走します。

短期間で試作したい場合は、HWS Agent Camp(約2週間の事前準備と2日間の集中開発)で、貴社の文書を参照するAIエージェントを試作できます。

15/関連ソリューション

Microsoft Foundry AIエージェント開発

Foundryで、 AIエージェントを開発する。

Microsoft Foundry AIエージェント開発. Microsoft Foundryを使ったAIエージェントの開発・評価・セキュリティ支援とAgentOpsを提供します。

Microsoft Foundry Agent Service AgentOpsラボ

評価と改善を、 回し続ける。

Microsoft Foundry Agent Service AgentOpsラボ. AIエージェントの品質と安全性の自動評価、環境ごとのデプロイ自動化の環境を用意します。

SyncLect Data Intelligence

現場の暗黙知を、 AI-Readyなデータに。

SyncLect Data Intelligence. 業務会話やヒアリングから、判断基準・⁠例外処理・⁠前提条件を構造化データへ変換します。

SyncLect Silver Data Coordinator

業務文書を、 再利用できる形に。

SyncLect Silver Data Coordinator. 業務ファイルを、文脈・⁠出所・⁠権限付きのデータに変換し、複数のAIエージェントへ継続的に供給します。

Microsoft Fabric

Fabricで、 データとAIを一つに。

Microsoft Fabric. OneLakeを中心にしたデータ基盤と、Fabric IQによる業務データの意味づけを支援します。

コンテキストエンジニアリング

AIに渡す情報を、 設計する。

コンテキストエンジニアリング. AIエージェントが参照する業務コンテキストを、データ・⁠文書・⁠ルールから設計します。

MCPサーバー導入ハンズオンラボ

社内の道具を、 AIにつなぐ。

MCPサーバー導入ハンズオンラボ. Microsoft Foundryを使ったMCPサーバーの作成を、ワークショップと伴走型で支援します。

HWS Agent Camp

貴社の文書で、 2日間で試作する。

HWS Agent Camp. 専門エンジニアが伴走する2日間の集中開発で、社内の文書を参照するAIエージェントを試作します。

16/よくあるご質問

Q. Foundry IQ(ファウンドリーIQ)とは何ですか。 A. Microsoft Foundryに含まれる、AIエージェントが社内の文書やデータを根拠に回答するためのナレッジ基盤です。ナレッジベースを一度作れば複数のAIエージェントで共有でき、エージェント型検索(Agentic Retrieval)で複数の情報源を探し、出典付きで回答します。
Q. 従来のRAGと何が違いますか。 A. 従来のRAGは、アプリごとに取り込み・検索・権限を作り、1回の検索で答えるのが一般的でした。Foundry IQは、共通のナレッジベースを複数のAIで使い回せ、質問を分けて複数の情報源を探し、足りなければ探し直します。
Q. Foundry IQは一般提供されていますか。 A. 2026年6月2日に、ナレッジベースと主要な情報源(Azure Blob Storage、検索用の索引、Web、OneLake)、セキュリティ機能が一般提供になりました。SharePointの取り込みの拡充やWork IQ・Fabric IQとの接続などは試験提供中の機能です。最新の状況は公式情報で確認して、本番で使う範囲を決めます。
Q. どのような情報源につなげますか。 A. Azure Blob Storage、検索用の索引、OneLake、Web、SharePointなどです。Work IQ、Fabric IQ、Azure SQL、MCPなどへの接続も試験提供中の機能として追加されています。
Q. 社員ごとの閲覧権限は守られますか。 A. 利用者本人の認証情報を渡すことで、その人が見てよい文書だけに結果を絞り込めます。ただし対応する情報源と明示的な設定が前提で、自動ですべてに適用されるわけではありません。当社は情報源ごとに確認して設計します。
Q. Microsoft 365 CopilotやCopilot Studioとどう使い分けますか。 A. 社員がMicrosoft 365の中で文書を参照する用途は、標準の機能で足りることが多くあります。複数のAIエージェントで知識を共有する、自社サービスに組み込む、検索を細かく設計する場合はFoundry IQが向きます。Copilot StudioのエージェントからFoundry IQを使う構成も設計できます。
Q. Fabric IQやWork IQとはどう違いますか。 A. いずれもMicrosoft IQを構成する仕組みです。Foundry IQは規程や文書などの知識、Fabric IQは業務データとその意味、Work IQは社員の働き方の文脈を受け持ちます。問いに応じて組み合わせます。
Q. Foundry IQの導入実績はありますか。 A. Foundry IQの構築・動作の検証を行い、技術ブログで公開しています。また、Foundry IQを使った専門情報の検索や全社横断検索の構成を提案・設計し、RAGのPoC、MVPの開発と保守まで進めた案件があります。
Q. どのくらいの期間で始められますか。 A. 現状の整理から、1つの業務でのPoCと精度測定までを最初の単位として進めます。期間は情報源の数と権限の設計の範囲で変わるため、最初の整理の段階でお見積りします。

Foundry IQによるナレッジ基盤のご相談

情報源と権限の整理、検索の設計・⁠構築、回答品質の評価、業務やサービスへの組み込みまで、貴社の状況に合わせてご提案します。

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