01/概要
小売・飲食のAI活用とは:現場の情報と本部のデータをAIでつなぎ、人とAIが分担して業務を進める仕組み
小売・飲食・消費財の業務でのAI活用とは、売場や厨房のカメラ・端末・サイネージから得る現場の情報と、POS・在庫・会員・販促などのデータを組み合わせ、AIが状況の把握や次の行動の提案を受け持ち、人が判断と対応を担う仕組みです。ここでのAIは、文章を作るだけの道具ではなく、データを調べ、手順に沿って業務を進める「考えて動くAI(AIエージェント)」を含みます。
AIカメラやチャットボットを単体で入れるだけでは、現場で得た情報が本部の判断や販促に届かず、効果が店舗ごとに閉じてしまいます。店舗の機器、データの基盤、本部の業務、運用の4つをつなげて初めて、AIが日々の業務の中で使われ続けます。
人とAIの分担(例)
AIが受け持つこと
・売場・在庫・販売の状況をまとめて把握する・欠品や混雑などの変化に気づき、知らせる・販促の案や発注の案、回答の案を作る・承認された作業をシステムに登録する
⇄
人が受け持つこと
・AIの案を確かめ、承認するか決める・お客様への対応や例外の判断をする・ブランドや売場づくりの方針を決める・結果を見て、AIの任せ方を見直す
AIがどこまで提案し、どこから人が承認するかは、業務ごとに決めます(Human-in-the-Loop)。
ハードウェア・データ・AIをつなぐメリット
売場の状況が分かるカメラや端末から、棚・混雑・受け取り待ちなど、POSだけでは見えない状況を把握できます。
本部と店舗が同じデータで話せる店舗・EC・会員・販促のデータをつなぎ、本部と店舗が同じ数字をもとに判断できます。
販促を早く回せる在庫や天候に合わせた販促の案をAIが作り、承認から配信、効果の確認までを短くできます。
お客様の選び方を支える目的・好み・予算に合わせて、商品やメニューの選び方を手伝えます。
店舗の中で動く店舗の端末やサーバーでAIを動かし、通信が不安定でも使え、映像を外へ送らない構成にできます。
よく出てくる用語
用語
意味
考えて動くAI(AIエージェント)
指示を受けて、データを調べ、手順に沿って作業を進めるAIです。発注案の作成や日報のまとめなど、複数の手順にまたがる業務を受け持ちます(AIエージェント開発)。
エッジAI
クラウドではなく、店舗のカメラ・端末・サーバーなど現場の機器の中で動くAIです(エッジAI)。
SLM(小さく軽い言語モデル)
パソコンや店舗の端末でも動かせる、規模の小さい言語モデルです。店舗での対話や検索に使います(SLM)。
VLM(画像と言葉を合わせて扱うAI)
画像や映像を見て、その内容を言葉で説明したり、質問に答えたりできるAIです。棚や売場の状況の理解に使います(VLM)。
フィジカルAI
認識や判断の結果を、ロボットや機器の動きにつなげるAIです。映像の分析だけでなく、搬送や案内などの動作まで扱います(フィジカルAI)。
リテールメディア
小売の店舗やアプリ、ECを広告・販促の場として使う取り組みです。店内のサイネージもその1つです。
02/注目される背景
人手不足・食品ロス・カメラ画像の扱い・AIの安全な利用:国の統計とガイドラインが示す論点
小売・飲食の現場では、働き手の不足と、売れ残りや廃棄の削減が続く課題になっています。一方で、カメラの映像やAIを店舗で使うときの配慮事項も、国のガイドラインで整理が進んでいます。
▲38雇用人員判断DI(全規模・全産業)人手が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」の割合を引いた値です。2026年9月調査で前回から1ポイント不足の側に広がり、3か月後の見通しは▲41です。
▲44雇用人員判断DI(非製造業)小売や宿泊・飲食サービスを含む非製造業は、製造業(▲29)よりも人手不足の度合いが強く出ています。
237万t事業系の食品ロス(令和6年度)食品ロスの発生量は約461万トンで、うち食品関連事業者から出る事業系は約237万トンでした。前年度の約231万トンから増えています。
出典:日本銀行「全国企業短期経済観測調査(短観)」2026年9月調査(2026年10月1日公表)、環境省・農林水産省・消費者庁「我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和6年度)」(2026年6月30日公表)
経済産業省・総務省「カメラ画像利活用ガイドブックver3.0」
経済産業省と総務省は2022年3月30日、商用目的でカメラ画像を利活用する事業者が配慮すべき事項を整理したガイドブックを公表しました。法令の遵守を前提に、生活者と事業者の相互理解と信頼関係を築くための自主的な取り組みを促すものです。ver3.0では、取得や利用の場面に加えて、ソリューションを企画する段階からの配慮事項が加わりました。
カメラ画像を使うときに配慮する場面
企画目的と範囲
→
事前告知撮影の告知
→
取得撮る場所と内容
→
取扱い加工と利用
→
管理保存と安全管理
同ガイドブックの記載をもとに作図
総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」
総務省と経済産業省は2026年3月31日、AI事業者ガイドラインの第1.2版を公表しました。AIに関わる事業者を「AI開発者」「AI提供者」「AI利用者」の3つに分け、人間中心、安全性、公平性、プライバシー保護、セキュリティ確保、透明性、アカウンタビリティなど10の共通の指針を示しています。公平性の指針では、AIに単独で判断させるだけでなく、適切なタイミングで人間の判断を介在させる利用を検討することを挙げています。
人手が足りない現場をAIで支えながら、映像や顧客の情報を適切に扱い、AIの判断に人が関わる。この3つを同時に満たすには、機器・データ・AI・業務の流れを最初から一緒に設計する必要があります(04 全体像)。
03/現場と本部の課題
店舗業務の負担・データの分断・顧客理解と施策の距離・分析の負荷・現場機器との接続
小売・飲食・消費財の企業から伺う課題は、業態が違っても共通する部分が多くあります。店舗の運営と、本部の顧客理解・販促・商品企画は、同じデータの流れでつながっています。
1
人手不足と店舗業務の負担品出し、棚の確認、発注、日報、問い合わせ対応に時間がかかり、売場づくりや接客に手が回らない。
2
店舗・EC・本部のデータの分断POS、在庫、会員、ECの購買、販促の結果が別々の仕組みにあり、同じ数字で話せない。
3
顧客理解と施策の実行の距離本部でお客様の傾向が分かっても、店舗の売場や販促にすぐ反映できない。
4
販促・商品企画の分析の負担市場、購買、お客様の声、SNSのデータを横断して読み解くのに時間がかかり、打ち手の検討が遅れる。消費財メーカーと小売で共通する悩みです。
5
AIを現場の機器と業務につなぐ難しさ実証では動いても、カメラや端末の設置、ネットワーク、更新と監視、多店舗への展開で止まってしまう。
04/全体像
Agentic Smart Store:顧客接点・売場と本部をデータ基盤でつなぐ、人とAIが協働する店舗の全体像
Agentic Smart Store(エージェンティック・スマートストア)は、人とAIが協働し、店舗の状況把握、接客、販促、運営をつなぐ店舗の全体像を表す当社の考え方です。全体を一括で導入する製品名ではありません。お客様は、05 ソリューション一覧の個別のソリューションから、課題に合わせて段階的に導入できます。
店舗の現場から本部までの流れ
現場
顧客接点・売場・厨房
サイネージキオスク・店舗端末AIカメラ音声・ロボットスタッフの端末
⇄
基盤
データとAIの基盤(RCG Data & AI Platform)
データの接続意味・品質・権限の整理AIエージェントエッジとクラウドの分担
⇄
本部
本部・商品・販促
顧客理解カテゴリー分析販促・ブランド管理商品企画発注・需給
全体を横断:セキュリティと運用データの置き場所・利用できる人・AIの実行範囲・端末とAIの更新・監視・停止と人への引き継ぎ
顧客環境に合わせて構成します。
05/ソリューション一覧
販促・購買支援・売場の把握・接客・店舗運営・商品企画・機器の動作とデータ基盤の8つの領域
7つの個別ソリューションと、それらを支えるデータとAIの基盤で構成しています。1つから始め、対象の業務や店舗を広げられます。データの基盤は、単独でもご相談いただけます。
Agentic Retail Media注力テーマ
在庫と売場に応じた販促の生成・配信
在庫・販売・天候・時間帯・売場の状況に応じて販促のコンテンツを作り、承認・配信・効果の検証までつなぎます。
Hyper-Personalized Commerce注力テーマ
目的と好みに合わせた購買支援
お客様の目的・好み・予算、利用を許可された情報と在庫を組み合わせ、商品・メニュー・買い方を提案します。
Edge Store Intelligence注力テーマ
売場の状況を理解するエッジAI
画像認識やVLMで、棚・陳列・混雑・受け取り待ちなどの状況を把握し、対応を支援します(VLM、エッジAI)。
AI Store Associate
接客と店舗スタッフを支えるAI
商品の説明、店内の案内、多言語での対応、注文の受付、スタッフからの業務の問い合わせを支援し、必要なときは人へ引き継ぎます。
Agentic Store Operations
欠品・発注・日報を進める店舗運営支援
欠品・在庫・販売の状況から、品出し・発注・日報などの次の行動を提案し、承認後の実行につなぎます(Agentic Work Flow)。
Consumer & Merchandising Intelligence
消費者理解・カテゴリー分析・商品企画の支援
市場・購買・お客様の声・販促のデータから、消費者理解、カテゴリー分析、品ぞろえ、商品企画を支援します。
Physical AI Operations
認識と判断を機器の動きにつなぐフィジカルAI
現場の認識・判断を、搬送・案内・作業支援などの機器やロボットの動作につなぎます(フィジカルAI)。
RCG Data & AI Platform単独でも導入可
本部と店舗、人とAIをつなぐデータ基盤
店舗・EC・会員・商品・在庫・販促・外部データをつなぎ、意味・品質・権限を整えて、人とAIが使える状態にします(Microsoft Fabric)。
06/注力テーマ
在庫と売場に応じたリテールメディア、本人が選べるパーソナライズ購買支援、店舗の中で動くエッジ・ローカルAI
Agentic Retail Media:状況の把握から効果の検証までを回す販促
広告の文面や画像を作るAIだけでは、売場で成果につながりません。在庫・販売・天候・時間帯・売場の状況から販促の判断をし、コンテンツを作り、担当者の承認を経てサイネージに配信し、販売の変化を確かめるまでを1つの流れにします。個人を特定する情報を前提にせず、店舗・時間帯・在庫に応じた出し分けから始められます。
販促の循環
1 店舗状況の取得在庫・販売・天候・時間帯・売場
→
2 AI販促の判断何を、どの売場で、いつ打つか
→
3 AIコンテンツの生成ブランドのルールに沿った案
→
4 人承認・配信担当者が確かめてサイネージへ
→
5 本部効果の検証販売の変化を確かめる
↻ 検証の結果を、次の販促の判断に生かす
店舗側売場の状況の取得、サイネージでの表示と配信、必要な処理を店舗の機器の中で行います。
本部側ブランドの管理、コンテンツを作るときのルール、承認の流れ、店舗を横断した効果の分析を担います。
ハードウェア店舗の端末、サイネージ、必要に応じてカメラや音声の機器を組み合わせます。
ハイパーパーソナライズ購買支援:お客様が選んだ範囲で広げる提案
ハイパーパーソナライゼーションは、一人ひとりの目的や好みに合わせて、商品・メニュー・買い方を提案する考え方です。当社は、お客様を追いかけるAIではなく、お客様が使い方を選べる購買支援として設計します。取得する情報、使う目的、連携する範囲を段階ごとに決め、段階を上げるときは本人の選択を前提にします(Entra IDを使ったハイパーパーソナライゼーション)。
提案の段階
段階 1その場の状況に合わせた提案天候・時間・在庫に応じて、おすすめの商品やメニューを出し分けます。個人の情報は使わない
→
段階 2その場で伝えた希望に合わせた提案お客様が端末や会話で伝えた目的・好み・予算に応じて提案します。その場の入力だけを使う
→
段階 3本人が選んだ範囲での会員連携お客様が同意した範囲で、会員情報や購買履歴と組み合わせて提案します(Entra ID)。本人の選択と同意を前提にする
エッジ・ローカルAI:店舗の機器の中で動くAIとクラウドの組み合わせ
店舗のパソコンや端末、店舗内のサーバーでAIを動かすと、通信が不安定なときにも使え、映像をそのまま外へ送らずに必要な結果だけをクラウドへ渡せます。対話や検索には軽い言語モデル(SLM)を、売場の映像の理解には画像と言葉を合わせて扱うAI(VLM)を使います。パソコンや店舗の端末でAIを動かすMicrosoftの仕組み(Foundry Local)を使う構成も検討します。
SLM・VLM・Foundry Localを使えば、どの機器でも求める性能が出るわけではありません。使うAIのモデル、精度、応答の速さ、同時に処理する数、機器の性能を組み合わせて検証し、構成を決めます(15 はじめ方のSTEP 3)。
07/データ基盤
RCG Data & AI Platform:店舗・EC・会員・商品・在庫・販促・外部データをつなぐ、本部と店舗のデータ・AI基盤
RCG Data & AI Platformは、小売・消費財(RCG:Retail & Consumer Goods)の企業向けに、人とAIが必要なデータを見つけて使える状態をつくる基盤の考え方です。各ソリューションの裏方にとどまらず、単独でも導入できる提供領域です。すべての生データをクラウドへ集めることが目的ではありません。必要な情報を、必要な場所で使える状態をつくります。
基盤の構成(例)
使う人とAI誰が使うか
本部の担当者店舗スタッフAIエージェント取引先(必要に応じて)
データの使い方意味・指標・権限
言葉で質問できる分析データの一覧(データカタログ)指標の定義
見られる範囲の管理
データの統合集めて整える
Microsoft Fabric
Azure Databricks
リアルタイムのデータPower BI
つなぐデータ店舗・本部・外部
POS・在庫・商品EC・会員販促・需給天候などの外部データ
映像から得た集計
顧客環境に合わせて構成します。既存のデータ基盤を生かす構成にも対応します。
データの意味と品質をそろえる「売上」「欠品」などの言葉の定義と計算方法をそろえ、本部・店舗・AIが同じ意味で使えるようにします(オントロジー)。 見られる範囲を人ごとに分ける利用者の権限に合わせて、見られるデータとAIが答えられる範囲を分けます。
エッジとクラウドで役割を分ける店舗で処理すること、クラウドへ送ること、保存しないことを決め、本部の横断分析と店舗のAIに必要な情報を届けます。
08/ハードウェアとの組み合わせ
AI PC・店舗端末、エッジサーバー・カメラ、サイネージ、ロボットとAIの組み合わせ
AIを店舗で使い続けるには、機器の選定と、AI・データ・業務システムの設計を同時に進める必要があります。当社は、ハードウェアを提供するパートナーと連携し、機器とAIを組み合わせた構成でご提案します。機種は、要件と検証の結果をもとに決めます。
AI PC・店舗の端末
×
ローカルAIによる業務支援
店舗のパソコンでSLMを動かし、マニュアルの検索、日報のまとめ、業務の問い合わせに答えます。通信が不安定な店舗でも使える構成を検討します。
関連するソリューション:AI Store Associate
エッジサーバー・カメラ
×
売場の状況の理解
店舗内のサーバーで映像を処理し、棚・陳列・混雑・受け取り待ちを把握します。映像はそのまま外へ送らず、結果だけを使います。
関連するソリューション:Edge Store Intelligence
サイネージ・店舗の端末
×
Agentic Retail Media
在庫や時間帯に応じた販促を、承認を経てサイネージに配信し、販売の変化を確かめます。
関連するソリューション:Agentic Retail Media
エッジの計算機・ロボット
×
フィジカルAI
認識と判断の結果を、搬送・案内・作業支援などのロボットや機器の動作につなげます(Physical AI Harness)。
関連するソリューション:Physical AI Operations
09/活用イメージ
在庫に応じた販促・欠品への対応・多言語の店頭案内・注文と厨房の連携・カテゴリー分析・商品企画のユースケース例
当社のケイパビリティを組み合わせたときに、業務がどう変わるかを示すユースケース例です。導入事例ではなく、活用イメージです。
販促
在庫と売場の状況に応じた販促支援
在庫・販売・天候・売場の状況を組み合わせ、販促コンテンツの案を作ります。担当者の承認後にサイネージへ配信し、販売の変化を確かめます。
業務の課題販促づくりに時間がかかり、売れ残りそうな商品への手当てが遅れる
使うデータ在庫・POS・天候・時間帯・売場の混雑
AIの支援販促の判断、文面と画像の案の作成
人の範囲内容とブランドの確認、配信の承認
機器サイネージ、店舗の端末
店舗運営
欠品の発見から品出し・発注の提案まで
棚の状況と在庫・販売のデータから欠品の兆しに気づき、品出しの指示や発注の案をスタッフに提案します。
業務の課題棚の確認と発注の判断が人に依存し、欠品に気づくのが遅れる
使うデータ棚の映像・在庫・販売
AIの支援欠品の兆しの通知、品出しと発注の案
人の範囲発注の承認、例外の判断
機器エッジサーバー・カメラ、スタッフの端末
接客
多言語の店頭案内と商品の説明
キオスクや端末で、商品の説明や店内の案内を多言語で行います。答えられない質問はスタッフに引き継ぎます。
業務の課題多言語での案内や商品の質問に、スタッフの手が取られる
使うデータ商品情報、在庫、売場の配置
AIの支援質問への回答、売場への案内
人の範囲引き継いだ質問への対応
機器キオスク、AI PC、音声の機器
飲食
注文から厨房・スタッフへの連携
店頭や端末で受けた注文の内容を、POS・厨房・スタッフへの通知につなぎ、受け取り待ちの状況も把握します。
業務の課題ピーク時の注文と受け渡しが混み合い、待ち時間が延びる
使うデータ注文、POS、調理の進み具合、受け取り待ちの状況
AIの支援注文の受付、厨房とスタッフへの通知
人の範囲調理と受け渡し、例外の対応
機器キオスク、厨房の端末、カメラ
本部
カテゴリー分析と品ぞろえの検討
購買・在庫・販促・お客様の声のデータを横断し、売れ方の変化と要因の仮説、追加で調べる論点を整理します。
業務の課題データの集計に時間がかかり、品ぞろえの見直しが遅れる
使うデータPOS、会員の購買、在庫、販促の結果、お客様の声
AIの支援状況のまとめ、要因の仮説、論点の整理
人の範囲仮説の判断と、品ぞろえ・棚割りの決定
機器本部のパソコン(クラウドの分析基盤)
消費財メーカー
生活者理解と商品企画の論点整理
市場・購買・SNS・広告のデータから生活者の変化を読み解き、商品企画の論点と打ち手の候補を整理します。最終の判断は専門家が行います。
業務の課題複数のデータを読み解くのに時間がかかり、企画の検討に入れない
使うデータ市場・購買のデータ、お客様の声、SNS、広告の結果
AIの支援変化のまとめ、論点と打ち手の候補
人の範囲企画の判断、専門家の知見の反映
機器本部のパソコン(クラウドの分析基盤)
業態別の使い方
業態
よくある状況
組み合わせ方
小売・流通・チェーンストア
店舗数が多く、売場の確認・品出し・発注の負担が大きい。本部と店舗で販促の実行に差が出る
Edge Store Intelligence、Agentic Store Operations、Agentic Retail Mediaを、データ基盤でつなぐ
飲食・カフェ・外食チェーン
ピーク時の注文と受け渡しが混み合う。多言語の対応や、食材の在庫に合わせた提案が求められる
AI Store Associate、注文と厨房の連携、在庫に応じたメニューの提案を組み合わせる
食品・日用品などの消費財メーカー
市場・購買・お客様の声のデータを横断した生活者理解と、商品企画・販促の検討に時間がかかる
Consumer & Merchandising IntelligenceとRCG Data & AI Platformで、分析と論点整理を支える
ハードウェア・IT基盤のパートナー
機器の提案に、AIと業務の活用方法を組み合わせたい
機器とAI・データ・業務を組み合わせた構成を、当社が設計・実装・運用の面から支える
向いている企業・店舗の現場と本部の業務を、同じデータでつなぎたい・AIの実証から、複数店舗での運用まで進めたい・店舗の機器とAIを組み合わせた提案を検討している・映像や顧客の情報の扱いを、設計の段階から決めたい
別の方法が合う場合・既製の広告生成ツールで、決まった形の販促物を作るだけで十分な場合・1店舗で、機器を1つ試すだけの短期の検証の場合・AIによる完全な自動化や、効果の保証を前提としている場合
10/セキュリティと運用
データの処理場所・利用できる人・AIの実行範囲・端末とAIの更新・停止と引き継ぎの設計
エンタープライズIoT・エッジAIの知見を基に、店舗デバイスからクラウド、データ、AIまで、セキュリティと運用を組み込んで設計します。
店舗のAIは、機器が多くの拠点に分かれ、映像や顧客の情報を扱い、売場の表示や発注などの業務に影響します。当社は、注意書きを添えるのではなく、次の5つを設計の段階で決めます。
1
データをどこで処理し、何を保存・送信するか映像を店舗の中で処理するか、結果だけを送るか、何を保存しないかを決めます。個人を特定する情報を前提にしない構成から検討します。
2
誰が、どの情報を使えるか本部・店舗・取引先・AIごとに、見られるデータと使える機能を分けます(Entra ID)。
3
AIがどこまで提案・実行できるかAIは提案まで、人が承認して実行、など、業務ごとに任せる範囲を決めます(AIガバナンス)。
4
端末・AIモデル・アプリをどう更新・監視するか多店舗の機器を遠隔で更新し、状態を監視する仕組みと手順を決めます(Azure IoT Edge)。
5
異常時にどう止め、人へ引き継ぐかAIや機器の異常を検知したときの停止の方法と、スタッフや本部への引き継ぎの流れを決めます。
店舗の機器からクラウドまでで検討する項目(例)
機器の認証証明書の保護起動時の改ざんの確認(Secure Boot)通信と保存データの暗号化更新の正しさの確認店舗ネットワークの分離脆弱性への対応操作の記録
必要な項目は、扱う情報と機器の構成に応じて要件として整理します。
12/効果の測り方
販促づくり・売場の確認・発注と品出し・問い合わせ対応・本部の分析の指標と比べ方
効果は、店舗の規模、業態、対象の業務によって大きく変わります。当社は、一律の削減率や売上の伸びを先に置かず、STEP 2で現在の作業時間や指標を測り、STEP 4の業務実証で同じ指標を比べて、貴社の条件で効果を試算します。
対象の業務
いまの状態で測ること
業務実証で比べること
販促コンテンツづくり
1件あたりの作成時間、承認までの日数、店舗ごとの実施状況
同じ指標に加え、配信した販促の前後での対象商品の販売の変化
欠品への対応
棚の確認にかかる時間、欠品に気づくまでの時間
AIの通知から品出しまでの時間、欠品の発生の変化
発注・品出し・日報
1日あたりの作業時間、担当者による判断のばらつき
AIの案を使ったときの作業時間、承認の割合と修正の割合
店頭の案内・問い合わせ
スタッフが対応した件数と時間、多言語の対応件数
AIが答えた割合、スタッフへ引き継いだ割合と時間
本部の分析・商品企画
分析の依頼から結果が出るまでの日数
論点の整理までの日数、追加で調べた論点の数
13/他の手段との違い
AIカメラ単体・広告生成ツール・クラウドAIだけの構成・自社開発との比較
方法
特徴
選ぶ目安
AIカメラ・チャットボットの単体導入
早く始められるが、得た情報が本部の判断や販促、業務システムにつながりにくい
1つの業務の効果を試したい場合に
既製の広告生成ツール
販促物を手早く作れるが、在庫や売場の状況、承認、効果の検証とつながらない
決まった形の販促物を作る場合に
クラウドAIだけの構成
大きなAIモデルを使えるが、通信や映像の扱い、店舗での応答の速さに制約が出ることがある
本部の分析や、店舗の通信が安定している場合に
自社だけでの開発
業務に合わせて作れるが、機器・データ・AI・運用の知見をそろえるのに時間がかかる
社内に機器とAIの両方の開発体制がある場合に
当社が機器・データ・AI・運用を一体で設計
店舗の機器から本部のデータ、AIエージェント、更新と監視までをまとめて設計し、段階的に広げる
実証から多店舗の運用まで進めたい場合に
14/当社について
Microsoftの認定パートナーとしてのAI・データ基盤・エッジAIの支援
Microsoft AI Innovation Partner of the Year 2024
マイクロソフト製品の活用でAI分野に革新を起こしたパートナーに贈られる賞の初代受賞パートナーです(受賞のお知らせ)。
Microsoftの上位パートナー認定
Microsoft Solutions Partnerに加え、上位資格の「AI Platform on Microsoft Azure」「Agentic DevOps with Microsoft Azure and GitHub」を取得しています(認定のお知らせ)。
エッジAI・IoT
店舗のエッジAIの機器の管理と遠隔更新、SLMを現場の機器で動かす検証に取り組んでいます(エッジAI、SLM)。
15/はじめ方
課題の整理から技術検証・業務実証・多店舗展開までの5ステップのスタートプラン
最初は1つの業務と限られた店舗に絞って始め、効果と運用の手順を確かめてから、対象の業務と店舗を広げます。
1
STEP 1 課題の整理
対象の業務と店舗、関わる人、AIに任せる範囲と人が判断する範囲を整理します。
2
STEP 2 データと機器の確認
使えるデータ、店舗の機器とネットワーク、映像や顧客の情報の扱いを確かめます。現在の作業時間や指標もここで測ります。
3
STEP 3 技術検証
AIのモデル、精度、応答の速さ、同時に処理する数、機器の性能を組み合わせて検証し、構成を決めます。
4
STEP 4 業務実証
限られた店舗で実際の業務に使い、STEP 2で測った指標と比べます。承認の流れや引き継ぎの手順も確かめます。X-Tech FDEで現場に入り込んで伴走します。
5
STEP 5 展開と運用の改善
対象の店舗と業務を広げ、機器とAIの更新・監視の運用を整えます。結果を見て、AIの任せ方を見直します。
16/関連ソリューション
店舗や工場の現場で動くAI
エッジAI. カメラや現場の機器の中でAIを動かし、クラウドと連携する仕組みを支援します。
端末の中で動く小さな言語モデル
SLM. パソコンや現場の機器で使える小規模な言語モデルの活用を支援します。
認識と判断を機器の動きにつなぐ
フィジカルAI市場への参入. AIエージェント技術を核に、ロボットや機器で動くAIをエンタープライズに展開します。
売場の画像・映像を言葉で理解する
VLM(視覚言語モデル). 画像・映像を読み取り、状況の説明や基準に照らした判定を返すAIを、クラウドでの検証から店舗の端末での実装まで支援します。
17/よくあるご質問
Q. 小売・飲食のAI活用とは何ですか。
A. 売場や厨房の機器から得る現場の情報と、POS・在庫・会員・販促のデータを組み合わせ、AIが状況の把握や次の行動の提案を受け持ち、人が判断と対応を担う仕組みです。店舗DXやスマートストアと呼ばれる取り組みの中で、考えて動くAI(AIエージェント)を業務につなぐことを指します。
Q. Agentic Smart Storeは製品名ですか。
A. いいえ。人とAIが協働する店舗の全体像を表す当社の考え方です。個別のソリューションから、課題に合わせて段階的に導入できます。
Q. お客様の顔などの個人情報を使う必要がありますか。
A. 必要ありません。店舗・時間帯・在庫に応じた出し分けや、匿名で集計した売場の状況から始められます。会員情報と連携する場合は、お客様が選んだ範囲で行う設計にします。
Q. 店舗の中でAIを動かせば、個人情報の問題はなくなりますか。
A. なくなりません。店舗の中で処理しても、何を取得し、何を保存し、誰が使えるかの設計は必要です。当社は、経済産業省・総務省のカメラ画像利活用ガイドブックなどを参考に、取得から管理までの扱いを設計の段階で決めます。
Q. SLMやFoundry Localを使えば、手持ちの機器でAIが動きますか。
A. 機器によります。使うAIのモデル、精度、応答の速さ、同時に処理する数、機器の性能を組み合わせて検証し、構成を決めます。
Q. AIが自動で発注や配信まで行いますか。
A. 業務ごとに、AIに任せる範囲を決めます。最初は、AIが提案し、人が承認してから実行する流れで始めることをおすすめします(Human-in-the-Loop)。
Q. 消費財メーカーでも使えますか。
A. 使えます。生活者の理解、ブランドの分析、商品企画、販促の検討は、小売の顧客理解やカテゴリー分析と共通する業務の構造を持っています。
Q. どのくらいの効果が出ますか。
A. 店舗の規模、業態、対象の業務によって変わります。現在の作業時間や指標を測り、業務実証で同じ指標を比べて、貴社の条件で効果を試算します。
飲食・小売・消費財のAI活用に関するご相談
店舗の機器とAIの組み合わせ、販促やパーソナライズの設計、データ基盤の整備、多店舗への展開まで、貴社の業務に合わせてご提案します。
自社での活用を相談する