01/取り組み概要
金融機関のAI活用と生成AI業務適用の取り組みサマリー
顧客接点から帳票処理、審査・調査、規程、移行まで、金融業務へのAI適用を整理します。 ヘッドウォータースは、大和証券のAIオペレーター、りそな銀行・埼玉りそな銀行のテレビ窓口、第一生命のAI-OCR基盤で、金融機関の業務システムにAIを組み込んできました。あわせて、融資審査、不正検知・AML、規程検索、保険金査定、レガシー移行といった領域に、当社のRAG・SLM・データ基盤・AI駆動開発を適用しています。
領域
業態
取り組み
顧客接点(電話)
証券
大和証券AIオペレーターの開発。受付サービスを拡充
顧客接点(窓口)
銀行
りそな銀行・埼玉りそな銀行のテレビ窓口システム開発
帳票・事務処理
保険
第一生命保険の生成AI×AI-OCR基盤
金融データ活用
全般
金融庁・FDUA共催チャレンジへの技術支援・協賛企業賞
融資・与信審査
銀行
決算書・審査資料の構造化と審査論点の整理支援
不正検知・AML
銀行・証券
検知結果と取引・顧客情報を突き合わせる調査支援
コンプライアンス・規程検索
全般
規程・通達・マニュアルを横断するRAG/SLMの適用
保険金支払・査定
保険
請求書類の構造化と約款照合による一次確認支援
レガシー移行
全般
COBOL等の既存資産の解析・移行をAIで支援
金融データ基盤
全般
非構造データのAI Ready化と、データ基盤×AIエージェント
02/顧客接点
コールセンター・窓口業務の生成AI活用と金融AIオペレーター
電話と対面窓口の双方で、AIを顧客対応の一部に組み込む。 完全自動化と、人が主導する対応のあいだで、手続きの性質に応じた分担を設計しています。
大和証券
大和証券AIオペレーター|音声応対と事務手続き受付
株価などのマーケット情報や、ログイン手続き、NISA関連などの一般的な内容に関する電話のお問い合わせに、AIが音声で応対するサービスです。2024年10月に提供が開始され、国内大手金融機関で初の取り組みです。当社はAIコアエージェントとアプリケーションを開発しました。2025年10月には事務手続きの受付サービスが追加され、Microsoft Azureを活用した多階層構造のマルチエージェントで、口座手続きなどの書類発送を含む複雑なオペレーションの自動化を支援しています。
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りそな銀行/埼玉りそな銀行
りそな銀行・埼玉りそな銀行|Human-in-the-Loop型テレビ窓口
2026年9月14日から対象店舗に導入された、人とAIが協働する新しいテレビ窓口サービスのシステム開発を担当しました。オペレーターとお客さまの会話をもとにAIが必要事項を整理・取得し、お客さまは紙の書類に記入せず、画面上の内容を確認して手続きを完了します。従来平均約30分を要していた手続き時間を、約15分程度まで短縮することを目指しています。
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03/帳票・事務処理
保険会社の生成AI×AI-OCR基盤と帳票の構造化データ化
第一生命保険
申請書と帳票を、AIが使える構造化データへ。 月間約90万枚規模のAI-OCR基盤のEOS対応を契機に、生成AIを活用した新たなAI-OCR基盤を構築しました。「現行同等以上」をコンセプトに非定型帳票への対応力を高め、読み取り精度20%向上、運用コスト約50%削減を実現しています。データ統合基盤の構築から、その上で稼働するAI-OCRエージェントの開発までを一貫して担当しました。基盤上にデータが統合されているため、別の業務へのデータ展開やエージェントの追加にも対応できます。
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約90万枚月間処理規模
20%向上読み取り精度
約50%削減運用コスト
04/非公開案件を含む取り組み
銀行・保険での生成AI検証・PoC・エージェント構築の取り組み
公開事例の外側でも、検証と構築が進んでいます。 以下は、守秘義務のため顧客名を伏せ、業態と内容のみを記載した取り組みです。
財務経理
大手銀行
財務経理業務の思考プロセスの可視化と再現
ナレッジグラフを活用し、財務経理業務における判断の流れを可視化・再現するツールのUIと、タスク実行のアーキテクチャを検討し、PoCを実施しました。
業務フロー自動化
大手金融機関
Agentic Graph Systemによる業務フローの自動生成
暗黙知を含むグラフ形式のナレッジから、あるべき業務フローを実行するための指示文を生成し、エージェントに実行させる構成を3日間のワークショップで評価しました。リスク評価系の業務プロセスを題材に、設計者が見守るHuman-on-the-Loopと、業務中にレビューするHuman-in-the-Loopを分けて設計しています。
AIエージェント
大手銀行
Copilotをインターフェースにしたエージェント活用のMVP構築
業務ごとのAIエージェントをCopilotから利用する構成で、MVPの構築を支援しています。複数のユースケースを扱う際のエージェント構成上の課題整理も含みます。
問い合わせ対応
生命保険
問い合わせ回答支援・個別メール生成のAIエージェント
サービス内容の紹介への回答、新契約・保全手続きの照会への回答を支援するAIと、お客さまごとに個別化したメール文の生成を、AIエージェントとして構築しています。
AI Foundry
生命保険
Azure AI Foundryを活用したワークショップとMVP構築
Copilotの利用が進まず、ユースケースが見えないという課題に対し、Azure AI Foundryを使ったワークショップで活用シナリオを具体化し、MVP版の構築を支援しています。
AI-OCR
生命保険
健康診断書のAI-OCR|医師所見などの自由記述の読み取り
他のOCR製品では読み取れない医師の所見、既往症、自覚症状、治療中の病気といった自由記述欄を、生成AIの構造化出力で取得できるか検証しました。10フォーマットを対象に、文字数比とBERTスコアで評価し、取得できる見込みを確認しています。精度向上にはプロンプトのルール整備が必要です。
引受査定
生命保険
引受査定AIエージェント|作業負担8割減を目指す
申込書の記載内容確認、健康診断の基準値判定、病気確認、リスク評価、特約評価、引受査定の各エージェントを、保険事務員と社医の役割に分けて連携させるデモを作成しました。ロジックによる明確な基準、LLMによる柔軟な応答、グラフRAGによる関係性の把握、SLMのファインチューニングを組み合わせます。
コンタクトセンター
証券
コンタクトセンターの運用保守と、入電削減・対応範囲の拡大
AIオペレーターの運用保守を継続しながら、入電の削減とAIオペレーターの対応範囲の拡大に向けた取り組みを、フェーズを分けて進めています。
05/業務可視化の実績
金融機関の業務可視化・コンサルティングと事務効率化の実績
AIを入れる前に、業務を見える化する。 業務特化のAIエージェントを導入する前提として、業務の可視化とナレッジ活用を支援してきた実績です。
年172.8万時間
事務センター集約に向けた業務可視化
生命保険会社で、属人化の解消により事務センターへの集約を実現し、年間の業務時間を172万8,000時間削減しました。
約60%削減
本社の文書管理業務の効率化
生命保険会社の事務管理部門で、全国拠点向けの文書管理業務量を年間で約60%削減しました。
約60%削減
営業事務のミス発生件数
信託銀行で、業務可視化とナレッジ活用の支援により、全国拠点の営業事務におけるミス発生件数を年間で約60%削減しました。
06/適用領域
融資審査・不正検知・規程検索・保険金査定・レガシー移行のAI活用
導入事例の基盤を、判断業務と開発業務へ広げる。 以下は、当社の既存ソリューション(RAG、SLM、SyncLect Data Intelligence、Silver Data Coordinator、Agentic Migration Harness)を金融業務へ適用する領域です。
融資・与信審査|審査資料の構造化と論点整理
決算書、事業計画書、担当者メモなど形式が揃わない審査資料を構造化データに変換し、AIが論点や過去案件との差分を整理して、審査担当者の判断材料を揃えます。与信判断そのものは人が行う前提です。
活用する当社基盤: AI-OCR/SyncLect Silver Data Coordinator/RAG
不正検知・AML|検知後の調査支援
既存の検知システムが出したアラートに対し、取引履歴、顧客情報、過去の調査記録をAIエージェントが突き合わせ、調査の初動と報告書のドラフトを支援します。検知モデルの置き換えではなく、調査業務側への適用です。
活用する当社基盤: AIエージェント開発/SyncLect Data Intelligence
コンプライアンス・規程検索|社内規程のRAG
社内規程、通達、事務マニュアルを横断して検索し、根拠箇所を示して回答します。クラウドにデータを出したくない場合は、小規模言語モデル(SLM)やオンデバイスでの構成も選べます。
活用する当社基盤: RAGソリューション/SLM
保険金支払・査定|請求書類の一次確認支援
請求書類、診断書、事故資料を構造化し、約款や過去の支払事例と照合して、確認項目と不足書類を整理します。支払可否の決定は査定担当者が行います。
活用する当社基盤: AI-OCR/RAG/Human-in-the-Loop設計
レガシー移行|COBOL等の既存システムのモダナイズ
長年運用されてきた基幹システムのソースコードと設計資料をAIが解析し、仕様の復元と移行を支援します。移行後の検証プロセスも含めて設計します。
活用する当社基盤: SyncLect Agentic Migration Harness/AI駆動開発(SAIDDar)
07/データ基盤
金融データ基盤とAI Readyデータ化、データ基盤×AIエージェント
AIエージェントを動かす土台を、先に整える。 第一生命の事例は、データ統合基盤を先に構築し、その上でAI-OCRエージェントを稼働させる構成でした。金融機関では、帳票、契約書類、規程、審査資料といった非構造データが業務の起点になります。これらを共通の構造化データへ変換し、権限と出所を保ったまま複数のAIエージェントが参照できる状態にすることが、後続のあらゆるAI活用の前提になります。
非構造データのAI Ready化
帳票、契約書類、規程、審査資料をAIが解釈できる形式に再構成し、出所・権限・処理履歴を付与して、複数のAIエージェントから再利用できるようにします。
Microsoft Fabric/Databricks連携
既存のデータ基盤と連携し、構造化データと非構造データを同じ基盤の上でAIエージェントに提供する構成を設計します。
業務知識の構造化
熟練者の判断基準や例外対応といった暗黙知を、SyncLect Data Intelligenceで構造化し、審査・調査・窓口対応のAIエージェントに引き渡します。
08/ガバナンス
金融AIのガバナンス・セキュリティとHuman-in-the-Loop設計
どこまでAIが担い、どこで人が判断するかを、業務ごとに決める。 金融業務では、精度と同じ水準で、統制と説明責任が問われます。
人が最終判断を担う設計
りそな銀行のテレビ窓口はオペレーターが応対の主体となり、AIが整理を支援する構成です。業務ごとに、AIが実行する範囲と人の承認を必要とする範囲を切り分けます。
第三者審査・認定水準の統制
当社のAI開発フレームは、ISSIによる第三者審査、およびMicrosoft Specialization(AI Platform/Agentic DevOps)認定水準のガバナンス統制を前提としています。
データを外部に出さない選択肢
クラウドにデータを上げたくない金融機関向けに、SLMのファインチューニングや、エッジ・オンデバイスで稼働する小型の生成AIも提供しています。構成は、データの機密区分に応じて個別に設計します。
09/信頼性の裏付け
大和証券・りそな銀行・第一生命保険での導入
証券、銀行、保険の各業態で、顧客接点と帳票処理のAIを開発・導入しています。
金融庁・FDUA共催「第4回金融データ活用チャレンジ」への技術支援と協賛企業賞
2026年3月6日のFIN/SUM 2026表彰式で、生成AIを金融実務の業務プロセスへ再現性のある形で組み込めるかという観点から評価を担いました。
情報戦略テクノロジーとの協業
金融・IT系のエンタープライズ企業を対象に「生成AIを活用したDX内製化支援サービス」を共同提供しています。大手金融機関がすでに導入し、運用段階に入っています(2024年6月発表)。
10/関連ソリューション
法改正対応を、ルールの構造化で効率化する。
AI-Rule as Code(AI-RaC) 製造・金融・自動車などの規制産業向けに、法令や業界基準をプログラムとして構造化し、法改正時の影響反映と適合性確認の一次評価を自動化します。判定の根拠をたどれる形で管理し、AIエージェントが参照する判断ルール基盤にもなります。
応対の評価基準を、知識資産に変える。
SDI Agentic AIロールプレイング 営業やコンタクトセンターの応対を、AIとのロールプレイングで訓練します。ベテランの判断基準をSyncLect Data Intelligenceで評価基準にし、実施結果から継続的に改善します。金融向けの業界特化型としての展開も想定しています。
金融業界向けの生成AIとデータ基盤を、共同で。
Databricks GenAI LAB データブリックスと生成AI・データ基盤の協業を拡大する拠点です。金融、製造、小売などの特定業界向けに最適化したソリューションの開発を掲げています。
AIエージェントのID・権限・実行履歴を、統制する。
Agentic Security AIエージェントが利用するID、権限、データ接続、実行履歴を継続的に把握・保護し、脅威の検知から影響分析、対処、検証までを一連の運用サイクルにします。リスクの低い処理は自動化し、影響の大きい処理は人の承認に切り替える設計です。
一人ひとりに合わせた提案を、ID統制つきで。
ハイパーパーソナライゼーション マルチエージェント、ナレッジグラフ、Generative UIで、顧客ごとの文脈に応じた提案を生成します。Microsoft Entra IDでAIエージェントごとに権限を管理します。金融では、銀行の法人担当者向けの顧客対応、個人向けの資産運用アドバイス、保険の代理店見積支援、証券の投資提案などを想定しています。
AIエージェントに、決済機能を持たせる。
Stripeエージェントツールキット StripeエージェントツールキットとMCPを組み込み、対話型エージェントから決済や請求を処理する決済AIエージェントソリューションです。金融、小売、交通、製造、ロボティクス向けのB to C領域が対象で、音声対話からの購入手続きや、従量課金の自動化にも対応します。
AIエージェントを、業務に実装する。
AIエージェント開発 顧客対応から事務処理まで、業務を担うAIエージェントを設計・開発します。
社内文書を、根拠つきで検索する。
RAGソリューション 規程・マニュアル・審査資料を横断し、根拠を示して回答する検索基盤です。
データを出さずに、生成AIを使う。
SLM小規模言語モデル 業務に合わせてファインチューニングした小規模モデルを、閉じた環境でも運用できます。
個人依存を、組織標準に変える。
AI駆動開発(SAIDDar) 金融システムの開発プロセスを組織標準として体系化し、AIエージェントが実行できる形にします。
11/よくあるご質問
Q1. 金融機関での導入実績はありますか?
大和証券のAIオペレーター、りそな銀行・埼玉りそな銀行のテレビ窓口、第一生命保険のAI-OCR基盤で、システム開発を担当しています。融資審査、不正検知・AML、規程検索、保険金査定、レガシー移行の領域は、当社のRAG・SLM・データ基盤・AI駆動開発を適用する形で、個別にご相談を承ります。
Q2. AIが誤った判断をした場合はどうなりますか?
業務ごとに、AIが実行する範囲と人が確認・承認する範囲を分けて設計します。りそな銀行のテレビ窓口では、オペレーターが応対の主体となり、AIが整理を支援するHuman-in-the-Loop型を採用しています。
Q3. 顧客情報や機密データをクラウドに出せない場合は?
SLMのファインチューニングや、エッジ・オンデバイスで稼働する小型の生成AIで対応できる場合があります。データの機密区分と既存環境に応じて、構成を個別に設計します。
Q4. 既存のOCRやSaaSからの置き換えは可能ですか?
第一生命保険では、既存のAI-OCR基盤を、データ統合基盤と生成AIを組み合わせた構成に置き換えました。現行機能と同等以上を満たしたうえで、精度向上とコスト削減を図っています。
Q5. どの業務から始めればよいですか?
顧客接点、帳票処理、審査・調査、規程・ナレッジ、レガシー移行のいずれからでも構いません。対象業務とデータの状況を伺ったうえで、小規模な検証から進める形をおすすめしています。
出典: 当社プレスリリース・お客様事例(大和証券 2024年10月4日/2025年10月、りそな銀行・埼玉りそな銀行 2026年9月14日、第一生命保険)、金融庁・FDUA共催「第4回金融データ活用チャレンジ」協賛(2026年3月)、情報戦略テクノロジーとの協業(2024年6月)、当社の金融向け会社・事例紹介資料(2025年9月、非公開案件は業態のみ記載)。
金融業務のAI活用、まず課題を聞かせてください。
顧客接点、帳票処理、審査・調査、規程・ナレッジ、レガシー移行のどこからでも構いません。対象業務とデータの状況を伺い、進め方をご提案します。
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