開発導入実績

生成AI×AI-OCR基盤

"現行同等"を超える挑戦
生成AI活用で読み取り精度20%向上、
運用コスト約50%削減

※本ビジュアルは Adobe Firefly を用いて作成したイメージであり、実在の風景・人物とは異なります

第一生命様の月間90万枚規模
AI-OCR基盤を刷新

第一生命様は、保険金請求や契約保全業務で利用するAI-OCRシステムのEOS対応を契機に、生成AIを活用した新たなAI-OCR基盤の構築を推進。第一生命様、第一ライフテクノクロス株式会社(DLTX)様、ヘッドウォータースの三社体制のもと、帳票定義なども含めて開発に取り組んだ。

読み取り精度の維持が求められる中、「現行同等以上」をコンセプトに開発を進め、非定型帳票への対応力向上や運用負荷軽減を実現し、
読み取り精度20%向上、運用コスト約50%削減という成果につながった。

金融・保険

第一生命保険株式会社様

第一生命保険株式会社(以下、第一生命)は、株式会社第一ライフグループを持株会社とする第一ライフグループの中核事業会社であり、日本国内における大手生命保険会社の一社である。1902年(明治35年)に日本初の相互会社形式の生命保険会社として創業し、2010年に株式会社化、2016年に持株会社体制へ移行した。個人保険・団体保険など生命保険事業を中核に、福利厚生サービスなど幅広い商品・サービスを提供している。

事業内容
生命保険業

サービス

AI-OCRソリューション 生成AI活用支援 クラウドモダナイゼーション 業務DX支援

技術

Microsoft Azure Azure OpenAI Service AI-OCR Web Application

※このページの内容は2026年8月時点の情報です

第一生命様の
課題

  • AI-OCR基盤のEOS対応が必要だったが、既存製品のリプレイスではコスト増加が避けられない
  • 月間約90万枚を処理する環境で、読み取り精度を維持したまま刷新する必要がある
  • 非定型帳票への対応に期間とコストがかかり、業務変化への柔軟な対応が難しい
  • 帳票定義や運用調整の負荷が利用部門側に集中している
  • 帳票流入が集中する時間帯にはシステムリソースが逼迫し、補正業務の効率が低下していた

解決アプローチ
(プロセス)

  • 「現行同等以上」を開発コンセプトに、既存業務を徹底的に可視化

    単なるシステム更改ではなく、「現行同等以上」の品質実現をゴールに設定。ヒアリングによる業務分析と実地検証を組み合わせ、長年の運用で蓄積された暗黙知や業務ルールを洗い出しながら、新システムへ移行できる要件を整理した。約8割をヒアリング、残り約2割を実機検証で把握するアプローチを採用した。

  • 生成AIを活用し、非定型帳票にも柔軟に対応できるAI-OCR基盤を構築

    従来は帳票ごとに機械学習や個別チューニングが必要だった非定型帳票について、生成AIを活用することで対応力を強化。帳票変更や追加への柔軟性を高めながら、運用負荷や対応コストの削減を目指した。

  • クラウド移行により、月間90万枚規模の処理を支える安定運用基盤を実現

    月間約90万枚の帳票を処理する環境に対応するため、オンプレミス中心の構成からクラウド基盤へ移行。処理負荷が集中する時間帯でも安定して運用できる環境を整備し、システムリソース逼迫による業務影響の解消を図った。

  • 「読み取れる範囲は最大限読み取る」設計で業務品質を向上

    旧システムでは帳票認識に失敗すると、その後の文字認識も行われないケースがあった。新システムでは認識できる項目を可能な限り抽出した上で人が補正できる仕組みに変更し、後続業務に渡る情報の正確性向上と業務効率化を実現した。

  • 第一生命様・DLTX様・ヘッドウォータースの三社体制でリリースまで伴走

    第一生命様、DLTX様、ヘッドウォータースが役割にとらわれず連携する開発体制を構築。特にリリース前の検証フェーズでは、利用部門からのフィードバックを迅速に反映しながら課題解決を進め、EOSという期限が決まった大型プロジェクトを完遂した。

  • 補正作業アプリをWebアプリ化し、運用負荷を軽減

    補正作業用アプリケーションを端末インストール型からブラウザ利用型のWebアプリへ刷新。URLと権限があれば利用できる仕組みとすることで、端末管理やキッティングの負担を削減し、運用効率を向上した。

お客様×担当者
インタビュー

第一生命 和田様(ビジネスプロセス企画部 ビジネスプロセス基盤課 マネジャー)、本橋様(同課 アシスタントマネジャー)と、
株式会社ヘッドウォータースコンサルティング茂田井に、プロジェクトの背景から成果までを聞いた。

難易度の高い案件を、
引き受けたこと

ヘッドウォータースの名前が挙がったのは、どのような経緯だったのでしょうか。

和田様:複数社に相談する中で、IT企画部にこういうことをやろうとしていると相談したところ、Azure上にそういう機能があるので活用を検討した方がいいのではと言われまして。マイクロソフトさんに相談し、いろいろな会社を紹介いただきました。案件の説明をする中で辞退された会社もあったのですが、ヘッドウォータースさんは短期間かつ読み取り枚数も多く精度も求められる、難易度の高い案件にもかかわらず「やりましょう!」と言ってくれました。

茂田井:結局は我々の想いの熱さみたいなところが一致して実現したというところがあります。

システムを入れ替えるにあたり、社内で反対の声はありませんでしたか。

和田様:役員からは、読み取り精度が下がるとシステムの意義自体がなくなってしまうので、そこは絶対に死守すべきだと言われていました。ただ、コストが削減できる見込みだったので、反対とまでは言われませんでしたね。

「非常にコミットメントの強いチームだ」という言葉がよく出ていました。とても熱心にやってくれて、期間が決まっている中でプロジェクトを引き受けてくれたことも頼りがいがありました。我々自身よく分かっていなかった仕様についても一緒に紐解き、形にしてくれました。

第一生命保険株式会社

ビジネスプロセス企画部 ビジネスプロセス基盤課 マネジャー

和田 崇志 様

和田 崇志 様

「3社の座組」で役割分担を整理

体制のイメージを教えてください。

茂田井:私たちヘッドウォータースの先にDLTX様がいて、そのさらに先に第一生命様がいらっしゃる、という体制です。第一生命様が直接契約をされると、リリース後の運用保守もご自身で巻き取っていただく必要が出てきてしまうため、それは避けたいというご要望がありました。加えて、システムを見るIT企画部としても、開発精度を高めるためにDLTX様の知見が必要という判断もあり、帳票の定義なども含めて担っていただく座組としました。結果として、第一生命様がユーザー側にきちんと立っていただける体制を作れたと考えています。

我々としても、ライセンス料で稼ぐビジネスではなく最終的には内製化していただくことがゴールの一つだったので、商流へのこだわりよりも、良いシステムを提供できる座組を優先しました。

トライアルアンドエラーで
「現行同等」を突き詰める

開発の進め方として、特に難しかった点はありますか。

茂田井:「現行同等以上」というコンセプトを掲げていましたが、そもそも現行とは何かを突き詰めていく作業が大変でした。言語化されていない情報や外部システムとの連携方法など、やってみて初めて分かることも多く、ドキュメントもないため自分たちで分析するしかない部分もありました。約8割はヒアリングで洗い出せましたが、残り2割はやってみて初めて分かったことでした。

和田様:非定型帳票の読み取りについては、前システムではベンダーに機械学習をしてもらい、それから読み取りができるようになるまでに期間もコストもかかっていました。今回は生成AIを活用することで、チューニングは必要なものの、以前に比べて扱いやすくなったと感じています。

役割にとらわれず、
状況に応じて協力する

開発期間中とリリース直前とで、進め方に違いはありましたか。

茂田井:開発期間中はDLTX様がプロジェクトマネジメント、実開発は我々ヘッドウォータースが大半を担う形でしたが、必要であれば役割にとらわれず第一生命様に直接確認するなど、状況に応じて協力していました。特にリリース前の1〜2ヶ月は、実際のユーザーの方々に触っていただく中で発生した課題に対して、第一生命様・DLTX様と一緒に打ち手を考えるという動きが顕著でした。

精度検証で思うように数値が出なかった局面や、リリース直前のトラブルなど、プロジェクトメンバーだけでは解決が難しい場面もありました。そうした時は、経営層やヘッドウォータースのエンジニアリソース全体に声をかけ、案件に関係していなかったメンバーの力やノウハウも借りながら、最終的にプロジェクトを前に進めていきました。

特に稼働直前は、最後まで全力を尽くしてやりきってくれたことをありがたく感じています。

第一生命保険株式会社

ビジネスプロセス企画部 ビジネスプロセス基盤課
アシスタントマネージャー

本橋 悠里 様

本橋 悠里 様

「地味に良かった」の積み重ねが
現行同等を上回った

成果として、特に印象に残っている点を教えてください。

和田様:数字としては自動化率(読み取り結果がそのまま後続処理に進む割合)が新システムで向上しました。加えて、既存システムでは1回目の帳票認識に失敗すると文字認識自体ができず、結局システムが活用されないという仕組みだったのですが、新システムでは読み取れる範囲を可能な限り読み取った上で人が補正できるようになり、後続に渡る情報の正確性が想像以上に上がりました。

そのほか、補正作業用アプリケーションがブラウザで動作するWebアプリに変わったことで、URLと権限さえあれば検索・確認できるようになり、端末へのインストール管理(キッティング)の手間がなくなりました。案件の特定も、これまでは画面キャプチャや請求情報を連携して行っていましたが、URLを共有するだけで済むようになっています。

本橋様:私も地味な話ですが、前システムは流入量が多い時間帯になると重くなり、案件がうまく流れるよう手動で調整する作業を週明けの2時間ほど行っていました。今はその世話が不要になり、自動でステータスが動いてくれるようになっています。

茂田井:現行同等という目標を掲げつつも、改めて話を聞くと、現行を上回れているポイントが多かったのだと感じます。長年同じシステムを使う中でみんなが感じていた「地味に困っていた点」の解消を、要件に盛り込んでシステムに反映できたことが、良かった点だと思います。

「非常にコミットメントの強いチーム」―信頼関係の中で進んだプロジェクト

ヘッドウォータースというチームの印象を教えてください。

和田様:私の上司と話している中で、「非常にコミットメントの強いチームだ」という言葉がよく出ていました。とても熱心にやってくれて、期間が決まっている中でプロジェクトを引き受けてくれたことも頼りがいがありました。我々自身よく分かっていなかった仕様についても一緒に紐解き、形にしてくれました。

本橋様:私は開発が始まるタイミングで異動してきて、旧システムの理解と新システムの開発を同時にキャッチアップするような状況でした。特に稼働直前は、最後まで全力を尽くしてやりきってくれたことをありがたく感じています。

茂田井:リリース直前の1ヶ月ほどは、第一生命様・DLTX様・我々のそれぞれの責任者が一堂に会し、原因究明と解決に向けて会社を超えて協力しました。プロジェクトメンバーだけでなく周囲の人にも協力してもらえたからこそ、無事にリリースできたと思っています。

今後の展望

今後、ヘッドウォータースに期待することはありますか。

和田様:AI-OCRとしての実績はすでに証明されているので、他のAI関連プロジェクトでの活用についても期待しています。AIプロジェクトとなった際に頼りになる会社であることは間違いありません。

本橋様:DLTXの内製化支援も含めて、DLTX自身の力の向上につながる支援に期待しています。

茂田井:我々としては最終的な内製化支援を通じたコスト削減を目指しており、今回の座組を他の案件にも展開できれば、第一ライフグループ全体に対してより良い価値提供ができるのではないかと考えています。AI-OCRについても、現在は主に手続き・支払い関連の二業務での活用ですが、他業務への展開も見据えています。

精度検証で思うように数値が出なかった局面や、リリース直前のトラブルなど、プロジェクトメンバーだけでは解決が難しい場面もありました。そうした時は、経営層やヘッドウォータースのエンジニアリソース全体に声をかけ、案件に関係していなかったメンバーの力やノウハウも借りながら、最終的にプロジェクトを前に進めていきました。

株式会社ヘッドウォータースコンサルティング

コンサルティング第二部 部長

茂田井 祐太

茂田井 祐太

成果(After / KPI)

  • 生成AIを活用した次世代AI-OCR基盤を構築し、「現行同等以上」の品質を実現
  • 読み取り精度20%向上と運用コスト約50%削減を実現
  • 月間約90万枚の帳票処理を支えるクラウド基盤へ刷新し、システム負荷集中時の安定運用を実現
  • 非定型帳票への柔軟な対応を可能にし、帳票追加・変更時の運用負荷を軽減
  • Webアプリ化によりキッティング負荷を削減し、運用効率と業務品質を向上

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