建物DXでエネルギー&メンテナンス効率化スマートビルディング
システム開発
スマートビルディングにおけるIoT・エッジ・クラウド・AI・データ分析基盤開発と
サブシステムのモジュール提供を行います
スマートビルディング(Smart Buildings)とは
最新テクノロジーを取り入れた
パフォーマンスを最適化する建物
スマートビルディングとは、IoTやAIを活用し、効率的な管理ができるように自動化されたプロセスを使用した建物のことです。暖房、換気、空調、照明、セキュリティ、その他のシステムを含む建物の運用を自動的に制御し、エネルギー消費を最小限に抑えながら市民の生活の質を向上させる集中管理を実現します。
新しい制御システムと自動化技術は、エネルギー消費を削減し、居住者や施設を頻繁に利用するユーザーの環境と安全を改善するだけでなく、資源を有効活用することで環境へ配慮された建物の開発を可能とします。
世界のスマートビルディング市場は2022年から2029年までの期間中、年間平均成長率(CAGR)22.2%で成長し、2029年には3286億$の市場規模に達すると予測されています。
スマートビルディングは、センサー、アクチュエーター、マイクロチップで構成される、換気、空調、暖房、照明、その他のシステムなど、建物の動作を制御する高度な制御システムが含まれています。これらの建物は、運用コスト、テナント管理、セキュリティ管理、および建物のパフォーマンス管理を削減する機能を提供するため、注目のマーケットです。
さらに、5G 技術、スマートシティ、ZEB(Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル))の台頭により、スマート ビルディング産業の成長に有利な機会が生まれると予想されています。
スマートビルディングを構成するテクノロジー
IoTデバイス・センサー
エッジAIなどのデータ収集
建物内にまつわる様々なイベントをIoTで収集します。
センシングによる混雑認識や照度/温湿度/CO2濃度判定、リモートデプロイ可能なビジョンセンサーやエッジAIカメラの人物検知/棚監視、音声解析による異常音検知など、人の出入りや空間環境をデジタルデータ化し、状況をリアルタイムに収集することでモニタリングや状況に応じた自動機器制御を行います。
データ送受信
蓄積・分析
IoTとエッジデータベースを通して取得されたメタデータは、ネットワーク(5G/メッシュ/LPWA)を通じてデータレイク/DWHやBMS(Building Management System)に保存されます。大量のデータストリーミング、変更履歴、データリレーションとプロセス毎のテレメトリデータをリアルタイムに分析するダッシュボードから、企業は洞察を得る事ができます。
デジタルツインなどの視覚化
予測・自動化
人、プロセス、接続されたデバイスや、BEMS(Building Energy Management System)および天気や交通機関のフィードなどの外部情報に関するデータなど、スマートビルディング全体からのデータを蓄積し、デジタルツイン(動的なデジタルレプリカモデル生成)や、機械学習による推論やイベント予測を行う事で効率的なファシリティマネジメントを実現する事ができます。
ビルOS
管理プラットフォーム
ビルOS(Buildgin Operating System:BOS)は、現場の機器とサービスの間のミドルウェアであり、建物内にあるデジタルアプリケーションの展開を促進します。対象となる建物が変わっても同じビルOS上では機能コンポーネントを呼び出して利用する事ができます。 建物内で起こるイベントデータ管理、エネルギーマネジメント、エッジデバイスマネジメント、ビルOSマネジメントを集中管理することが、ビル管理プラットフォームでより効率的なプロパティマネジメントを実現します。
当社のできること
AITRIOS × Smart Building
当社では、ソニーセミコンダクタソリューションズが提供する、エッジデバイスなどを活用したセンシングソリューションの効率的な開発・導入を可能としたエッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS(アイトリオス)」を活用しています。
これまでスマートビルディング推進に取り組む多くの企業様に「AITRIOS」を活用したエッジAIシステム「SyncLect Smart Building(シンクレクト スマートビルディング)」上で、人属性検知や設備メンテナンスのデジタルツインソリューションを提供しております。
建設DX×デジタルツイン
当社は、大成建設の「LifeCycleOS」パートナーに認定され、大成建設の建設DXとデジタルツインを加速させるための推進を行っております。
「LifeCycleOS」とは、「Microsoft Azure」上で、これまで設計施工に活用しているBIMデータと建物の運用管理情報を組み合わせてカスタマイズした「サービス用BIM」に、竣工後に蓄積していく各種データ(IoT管理・ロボット管理・施設管理・エネルギー管理等)を紐づける、業界初の統合管理システムです。
「LifeCycleOS」の適用により、ニーズに合わせてリアルタイムに建物情報を建物利用者や管理者等に提供し、建物に係る各種デジタルデータを有効活用する仕組みを構築します。
デジタルツインプラットフォーム
SyncLect DigitalTwin
デジタルツインの技術要素である「IoT」「データ蓄積・可視化」「データ連携」「セキュリティ」を取り入れたSyncLect DigitalTwinは、
IoTエッジAI(TinyML)、データ蓄積・連携・可視化、一元管理、マルチプラットフォーム展開、サイバーセキュリティと言った大きく5つのテクノロジーから構成され、センシングデータ、レーダーからの反射データ、カメラデータをエッジAIにより解析し空間プロットデータをデジタル上で表現します。
IoTデータのプロセスモデリングやデータとデバイスの一元管理、エッジAI学習モデルはすぐにリモート修正・更新を行う事ができる他、エリアやデバイス毎に任意のIoTアプリケーションをノーコードで起動させる事ができ、マイクロサービス型の拡張を行う事もできます。
NVIDIA
Omniverse(オムニバース)開発
NVIDIA Omniverse Enterprise は、3Dデザインコラボレーションと高度なシミュレーションのために開発されたプラットフォームです。NVIDIA Omniverse Enterprise 上で構築したデジタルツインでは、現実世界と仮想空間をリアルタイムで同期しているため、常に最適なプロセスを予測できます。そのため技術者は開発中のシステムの障害を最小限に抑えながら作業を進めることが可能です。
ハイブリッドIoT技術に強みを持つ当社の技術力に合わせ、NVIDIA OmniverseとEpic Games社が提供するUnreal Engine、日本マイクロソフトが提供する Azure Digital Twinsとを連携させることで、3Dモデリング、3Dシミュレーション、IoTセンシング、デジタルツインバックエンド、データ分析と機械学習まで、デジタルツイン/産業向けメタバース構築において一気通貫で対応することが可能です。
エッジAIの運用フェーズを全自動化する
SyncLect Edge AI Automation
エッジAI活用においては機械学習による推論精度の向上が重要であり、そのための各プロセス(データ収集→アノテーション→再学習→再配布)にはデータサイエンティストやエンジニアなどの専門人材による作業が必要となります。
しかし、市場で不足する専門人材を採用することは難しく、また採用後も高額な作業費が長期間にわたって発生するため、エッジAIを導入する企業にとって大きな負担となっているのが実情です。専門人材の不足やコスト負担の課題を解決するため、エッジAIの機械学習プロセスを全自動化する「SyncLect Edge AI Automation」を開発しました。
数理最適化によるエネルギー効率化
数理最適化は、オペレーションズ・リサーチの1種であり、様々なデータから数学的・統計的モデルを利用して最も効率的になるような意思決定・問題解決を行う手段です。
最適化とは、目標とする結果と制約をふまえて、可能性のある一連のオプションから問題に対する最適な解を見つけるプロセスです。
数理最適化を行う事で各設備のイニシャルコスト、メンテナンスコスト、オペレーションコストを目的関数とし、最も低コストかつピークタイムを乗り切れ、環境にも優しいリソースバランスの取れた最適化アルゴリズムを構築する事ができます。
LiDARやTOFセンサーによる
リアルタイム混雑/行動検知
よく人物検知や行動検知で用いられるのがLiDAR(Light Detection And Ranging)と言うレーダーセンサーで自動運転に用いられ注目を浴びています。
TOF(Time of Flight)センサーはLiDARの小型化・安価版となっており、幅広い距離画像と詳細な距離情報を取得する事ができ、今後のセンシング活用の市場が広がっています。
距離センシングでもリアルタイム性の高いデータ処理が必要な場合、エッジアプリケーションが必要となります。
当社では、センサーから取得される点群データをJetson上でTinyな物体検知を行うことで忘れ物を発見し、その場から人が立ち去ろうとする瞬間に声掛けを行うセンサーエッジ開発も行っております。
省エネルギーを実現するエッジAIと
軽量機械学習
DXと省電力を両立するテクノロジーがエッジAIです。
エッジコンピューティング上で稼働するAIはデータ発生源であるOTシステムに最も近い施設や場所に設置され、クラウドへデータを送信する前に処理を行うため省エネルギー化を実現します。
従来大きなマシンスペックを必要としたAIは、小型デバイス上で処理するために軽量機械学習で構築することによって小型化に加えて省電力化も実現します。
企業にリスクをもたらすであろうIoTデバイスを狙った攻撃は近年急増しており、その解決策として当社はAzure Sphereを利用したSyncLect TinyMLも提供しております。
XRスマートグラスアプリ開発
近年、5G時代に向け発展を遂げているのが、メガネ型デバイスによる拡張現実です。
労働力減少に伴い製造業や物流、建設業向けにIoTプラットフォーム化が進んでいますが、メガネ型デバイスによる拡張現実は、 両手が塞がってる状況で画像や音声といったマルチモーダルインターフェースと拡張現実によるデジタルツインが利用できることで注目を浴びています。
当社では、IoT、エッジ、画像解析や音声AIテクノロジーを利用して、 現場作業におけるDX化ラインナップの拡張として 拡張現実型スマートグラスアプリケーション開発と法人向けデジタル推進を行っています。
エッジ処理でプライバシー映像カット
「comieru Live」は、株式会社セキュアと株式会社ヘッドウォータースが共同で開発しているAI技術で、来店客を自動でイラストに置き換え、 空席&混雑状況を視覚的に見えるようにしたソリューションです。来店客のプライバシーを保護しながら、混雑状況をより具体的に見える化することが可能になります。
人物情報に該当する画像は「NVIDIA Jetson Nano」上で処理させる事によって、インターネットを使わずにセキュリティ観点を考慮し、検出座標のみをクラウド上で処理してログ収集を行っています。
エッジAIの水平展開には「Azure IoT Edge」、ログ収集・可視化に「SyncLect」を利用しています。
スマートビルディングKPI可視化
Insightsコンポーネント
IoTのプロジェクトで必ずと言って良いほど、IoTデータ可視化・監視はセットになっていますが、複雑に入り組んだデジタルツインプロジェクトやプラットフォーム構想においてビジネスKPIデータの取得が後回しになり、勢いよく立ち上げたPoCも、次なる打ち手が見えないまま凍結になる事も多くあります。
SyncLect Insightsは、ユーザのアクセス解析から属性分析、外部アセットの利用料まで一気通貫で横断分析できるサービスです。専門知識無しでスマートビルディングにおけるビジネスKPIを「可視化」します。